伊東潤のレビュー一覧

  • 琉球警察(文庫版)

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    伊東潤『琉球警察』ハルキ文庫。

    戦後、米軍に支配される沖縄の微妙な社会情勢の中を警察官として必死に泳ぎ続ける東貞吉の姿を描いた歴史冒険小説。

    前半の余りある熱量のある展開に比べて、終盤は安っぽいドラマに成り下がった感がある。結局、米軍の横暴から沖縄を護ることも出来ず、何も変わらぬままに終わるという現実が際立つだけだった。洗脳を超えて、いきなりの催眠術とか余りにも陳腐ではないか。非常に勿体ない。


    奄美諸島徳之島出身の東貞吉は、琉球警察名護警察署配属時に米軍現金輸送車襲撃事件で手柄を立て公安担当になる。

    米軍に支配される微妙な社会情勢の中で、貞吉は沖縄刑務所暴動で脱獄した人民党の瀬長亀次

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    2024年06月01日
  • 覇王の神殿

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    ネタバレ

    古代史はもともと分からないことばかりの時代なので自由自在に話を作れる醍醐味があって、聖徳太子と推古天皇と蘇我一族の関係が段々と調和を失っていく、という本書のストーリーも、面白いとは思うんだけど・・・。ただその関係悪化の理由が、早世した我が子を惜しむ推古の妬心、仏教国家を創った名声が後世に伝わらなくなるかも知れないことを厭う馬子の拘りというのがどちらもいきなりメロドラマ風のジメジメで何だか思いっ切り安っぽい話になっちゃった感があって残念。。。
    勿論、もしかしたらそれこそが真実であるのかも知れませんけどね。

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    2024年05月17日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐

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    川中島決戦を舞台に、信玄と謙信二人の大名の間で生き抜こうとする二人の若武者の物語。

    どうしても大国に注目が集まるのは、エンタメとしても学問としても仕方がないところではありますが、その裏というか下というか、知られることのない部分に多くの人々が暮らしていたことを忘れてはいけない知っておきたい。
    だって、自分もそういう存在の一人だから。
    大名の生き様、処世術を学ぶのもいいけど、何者でもない人々の人生こそがきっと学ぶことが多いと思います。

    まあ、物語の主人公になっている時点で、名もなき存在ではない、と無粋なこと思うこともある。
    いつでもどこでも誰からでも、学ぶことがあるということですよ。影響を受け

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    2024年04月19日
  • 茶聖(下)

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    いやぁ、面白かった。
    戦国のお話なのに合戦シーンはなく、人の心の合戦シーンばかり、なのに一気読みでした。

    千利休の覚悟は、格好いい!
    秀吉の最後との対比が素晴らしい。
    「天下人の秀吉は光、利休は影」でも人間として臨終は
    逆になったという気がする。

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    2024年04月11日
  • 茶聖(上)

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    天下を表が秀吉が、裏を利休がしきる。
    有り得そうな話しだと納得、この巻では利休切腹まではいかないが、そういうことかと納得できる物語、また文章のうまさ、さすが伊東潤!

    秀吉の何とも言えない恐ろしさ、利休の感じる命をけずるほどのストレス・・・。
    想像するだけで身の毛がよだつ。
    サラリーマン生活が長いので、茶の湯の達人たちの上司に対するストレスが痛いほどわかる。

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    2024年04月09日
  • デウスの城

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    島原の乱を描く歴史小説。

    元小西家臣の三人の視点から描くのも、それぞれの立場がいい立ち位置になっているのもよかったです。
    関ヶ原の戦いから島原の乱までは三人の主人公の変遷とキリシタンへの弾圧の強化が並行して描かれていて、序奏としてはよい感じでした。
    乱自体の史実についてはちゃんと抑えられているので勉強になりますが、天草四郎の成り立ちに主人公の一人が絡んで詐欺まがいなことをさせるのにはちょっと違和感がありすぎました。
    あと、三人の主人公のうちの一人は実在の人物(といっても素性はよくわからないらしいです)なので、最後についても予定調和っぽい感じがしました。
    ただ、現在の社会で大きな戦争がいくつか

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    2024年04月01日
  • 潮待ちの宿

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    移りゆく時代背景の中で、自分の置かれた場所で懸命に生きていく人々が描かれている。
    6編からなり、ハッピーな話ばかりではないが、それぞれ読者を楽しませたりしんみりさせたりする。

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    2024年03月29日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐

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    2024.3.16完了
    時代背景といい、小国人の須田氏を扱うあたり興味津々に拝読させていただきました。伊東潤氏の作品だし外すことはない。なにより須田氏の親族関係が知れたのは良かった。
    須田一族を完結させていないところも良い。

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    2024年03月18日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    加藤清正の熊本城は有名だが、実際の現場で働く人物を生き生きと描く伊東潤の歴史ものは本当に惹きつけられる。
    数年前(平成28年)の熊本地震で被害を受けた熊本城。少しずつ復旧はしているのかな?
    阿蘇の雄大な風景とともに現場を訪れてみたくなった。

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    2024年02月27日
  • オフリミッツ 横浜外事警察

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    アメリカに住んだことのない人に"アメリカの方が本音と建前がはっきりしてる"と言うとすごくびっくりされる。
    久しぶりに、アメリカに居たときに100回に1回くらいで遭遇した違和感を思い出した。2000年代だったからそれくらいの割合だったけど、60年代なんて違和感どころかガッツリ差別だったんだろう。

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    2024年01月21日
  • 浪華燃ゆ

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    こういう真面目な人が思い詰めると危ないよなーと思いながら読んだ。主人公の真面目さ、行動力には学ぶところも有る。当時の環境や地理を知らなかったので勉強になった。この乱のことは教科書では一つの文章で書いていると思うけれど、沢山の人が死に、高潔な思いがあったと思うとやるせない。

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    2024年01月07日
  • 北条五代 下

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    北条早雲については、いろんな小説で描かれていて、それなりに知っていたけれど、その後の4代の当主のことは、ほとんど知らなかった。もし、北条家が天下を取っていたら、平民にとっては、住みやすい世の中になったのかもしれないけれど、やっぱり、永続きはしかっただろうな。

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    2023年10月19日
  • 覇王の神殿

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    僕が好きな「古代物」の中でも、蘇我氏については、特に興味がある題材だった。この作品は、いろんな意味で、ワクワクしながら読んだ。聖徳太子が、物凄いキレ者で、そのせいで天皇になれなかった、というのも、何となく解るような気もする。

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    2023年10月02日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>

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    相変わらず、読みやすい文章と合戦の臨場感はものすごい。
    ただ、若干キャラの描き方が伊東潤らしくないかなと。
    主人公の須田弥一郎と甚八郎、上杉謙信一派等々・・・。
    登場人物に違いが見えず、ただ起こった史実を追いかけているように感じました。
    ただ、弥一郎と初乃の夫婦の会話は、いいアクセントになっています。

    武田信玄をあまり描かず、噂、行動のみで表現していたのが斬新でかつ効果的だなと思った。

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    2023年09月27日
  • 覇王の神殿

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    恥ずかしながらの初・伊東潤作品。歴史の学び直しをしている最中なので、登場人物はわかるのですが、漢字の読み方が難しい(笑)作品内容とは別のところで苦戦してしまった。(皆さんは、こうした場合にどう対処してるのだろうか。。。)
    自分が幼少期にほとんど本を読んでこなかったので、こうした時代小説、歴史小説に触れると、歴史を学びながら、小説も読んでいたらより身近に、人間関係などもイメージしやすくなって理解を深められてたかも?と思ったりします。
    また機会があれば伊東さんの作品を読んでみたいと思います。

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    2023年09月25日
  • 修羅の都<文庫版>

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    ネタバレ

    修羅の都(前作)を夜叉(の都=本作)が守る
    夜叉=政子の内面は揺れてブレて周囲の意見に
    流されていて「期待はずれの弱さ」だったけど

    作品は個々の事件(イベント)に到るまでの動
    機(知らんのもあった)や人間関係を丁寧に描
    くことで鎌倉初期のドロドロが理解をしやすい
    一つの解答として納得できるものになっている

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    2023年09月06日
  • 英雄たちの経営力

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    各偉人の事績等を軽く紹介した上で、その経営力を評価していくという一冊。
    知らない人物やこれまでの自分の中での評価とは違う評価もあってなかなか興味深かった。
    が、読み物としてはそれほど面白くはなかった。

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    2023年08月28日
  • 囚われの山

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    日露戦争直前の八甲田山雪中行軍演習における大遭難事故、その原因に対する定説の矛盾点を抉るミステリー小説である。
    部隊兵員の軽装と指揮官の服装の差、殉難者200人を当局が199人と発表したこと、ここに軍上層部による極寒状況下での兵員の耐寒人体実験への疑惑と消された一人が現地人に殺され隠された事実があったとする。この行軍演習の真の目的を上官から知らされ伝達の密命を帯びた当人がその消された本人であったとする。軍隊組織の統制の問題と現地住民との関係、真相解明のストーリー構成の錯綜で少し釈然としないものが残る。猛吹雪の中で方向を見失い彷徨う部隊の絶望感はリアルである。
    主人公が個人の問題を抱えながら雑誌

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    2023年08月19日
  • 修羅の都<文庫版>

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    大河ドラマのノベライゼーションっぽくもあり、頼朝の死因に新たな仮説を打ち立てた、とても読みやすくそれでいて非常におもしろい小説です。
    毎度ながら、さすが伊東潤!!

    続編も楽しみです。

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    2023年07月19日
  • 浪華燃ゆ

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    ネタバレ

    大塩平八郎を描いた歴史小説。

    前半の志のすばらしさに対して、後半の暴挙に至る心境の変化が急なように感じましたが、大塩平八郎及びその乱を主題にした小説は初めてだったので勉強になりました。
    吉村昭さんだったら乱の後の逃亡生活も克明に描いて3部仕立てになっていたかも。

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    2023年07月13日