あらすじ
蘇我馬子、推古天皇、聖徳太子――古代史を彩った傑物たちの愛憎劇
政敵との死闘、推古大王・聖徳太子との愛憎の果てに馬子が得たものとは。
かつて日本の中心地であった飛鳥(現在の奈良県明日香村)を舞台に、
蘇我馬子の国づくりにかけた生涯を描く。
時は570年、病床に臥す父・蘇我稲目から強大な豪族・蘇我一族の頭目の座を受け継ぎいだ馬子。
以来、大王に次ぐ大臣として、日本に渡ったばかりの仏教に根差した国家を目指して邁進していく。
しかし、理想のためには謀略や暗殺も辞さず、馬子は血塗られた覇道を歩んでいくのであった――。
宿敵・物部守屋との争い、日本最古の女性天皇・推古との知られざる関係、
天才・聖徳太子への嫉妬と恐れなど功罪相半ばする日本最古の〝悪役〟の実像とは。
古代史浪漫小説、待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
仏教のためと言いながら人殺しを繰り返すのが、なんともシュールだけど、神輿をかつぐ→邪魔になる→殺すというのを繰り返すだけで、大義もなく、途中で飽きた。
と思ったら、4章で面白くなった。つまり、おもしろい素材は厩戸王子。日本を造ったのも厩戸王子。馬子は人殺ししかしてない…
Posted by ブクログ
古代史はあまり読んだことがなかった。蘇我入鹿、中大兄皇子など教科書で読んだくらい。
このお話は蘇我入鹿のおじいちゃんの話。
なかなか血なまぐさい話ながら、さすが伊東潤、一気読みできるぐらいにわかりやすい。
ちょっと主人公の晩年が、”こうなったら、滅ぼされるので、やられる前にやっちまおう”の被害妄想がちょっとしつこいのでちょっと辟易・・・
それと、登場人物があまり多くないので助かったが、古代人たちの名前とか役職とか読めねー。
「俳優」と書いて”わざおぎ”・・・
Posted by ブクログ
古代史はもともと分からないことばかりの時代なので自由自在に話を作れる醍醐味があって、聖徳太子と推古天皇と蘇我一族の関係が段々と調和を失っていく、という本書のストーリーも、面白いとは思うんだけど・・・。ただその関係悪化の理由が、早世した我が子を惜しむ推古の妬心、仏教国家を創った名声が後世に伝わらなくなるかも知れないことを厭う馬子の拘りというのがどちらもいきなりメロドラマ風のジメジメで何だか思いっ切り安っぽい話になっちゃった感があって残念。。。
勿論、もしかしたらそれこそが真実であるのかも知れませんけどね。
Posted by ブクログ
僕が好きな「古代物」の中でも、蘇我氏については、特に興味がある題材だった。この作品は、いろんな意味で、ワクワクしながら読んだ。聖徳太子が、物凄いキレ者で、そのせいで天皇になれなかった、というのも、何となく解るような気もする。