伊東潤のレビュー一覧
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半分を過ぎるまでは…残虐な戦の描写に息が詰まりそうだった。
秀吉の朝鮮出兵の陰で翻弄された幾人もの男や女たち。しかしそれぞれが、自らの置かれた境遇の中で目覚め、成長し、大きくなっていく。朝鮮も日本も関係ない。もう人が死ぬのは嫌だ…そんな思いに従うことは、戦乱の世にはそれだけで自殺行為であることは、近くに太平洋戦争史をひもとくだけで知れること。
しかし、嘉兵衛、金宦はその思いに生きた。その男たちの強さに自らの守ってきた価値観すら捨て、戦の終結に動いた加藤清正。清正に、本当にあるべき指導者の資質を見た。
これがどこまで史実に迫っているかはわからないが、それでも読んでよかった。そう思う。 -
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「こうしたい。だがそれは今ではない」と思って無為に時を過ごしてしまう。そのうち若い頃の英気が失せてしまうのだ。
それでは駄目だ。こうと思った時が立つべき時なのだ。
この1文が心に響いた
やらない後悔で悔やむのはもう止め
挑戦の1年に決意した
理想の社会を描いて与力を辞めてまで
私塾を開いたにも関わらず
1番弱い庶民だけが泣きをみるという
最も皮肉な結果に乱が終わってしまったという
何とも皮肉な人生を描いた本
内容的には1番の盛り上がりの
大塩平八郎の乱の内容が1番盛り上がらず
前半がとても素晴らしい作品だったのに
非常に残念
乱の首謀者ことごとく⭕️亡しているので
内容自体が残っていない -
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豊臣家は関ヶ原の戦い以後徳川家康によって公儀の場から徐々に遠ざけられる。淀君は秀頼を神格化するため公の場に姿を見せるのを極端に嫌がる。家康は豊臣家を残す事も考えるが秀忠は潰す事を考える。徳川幕府は天下の政を整え始めたが幕府内で本多父子と大久保忠隣との派閥争いがおこる。まだ豊臣家も健在な時いつ天下がひっくり返るとも限らない。家康はまだ世の中が安定してないので武辺者の忠隣ではなく謀略に長けた本多父子を残すことにして忠隣は改易とした。豊臣家を残す事を考える家康。滅ぼす事を考える将軍家。武家の誇りを遂げようとする茶々。大坂城と言う巨大な城を中心に三者の思惑が交錯する。
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これは関東での所領や権益を庇護してもらうべく山内・扇谷両上杉家の勢力圏での下剋上を潜り抜けた主人公の長尾景春と北条早雲の歴史小説だ。顕定への私恨から同盟同士だった太田道灌と敵味方に別れた。だが道灌もまた味方の騙し討ちから誅殺され、更なる私怨が芽生えた。息子もまた敵味方となり戦うが息子の親思いに生き様を敵として生き抜いた。「父上は己の信念を貫いたまで、何ら恥じることはありませぬ」と息子もまた顕定への怨念を剥き出して、のちに父子共に北条早雲と共に戦う。戦国下剋上では今日の味方が明日には敵に、更には私怨が叛旗する理由となる。現代でも騙し騙される相手への怨念は消え失せることがない、特に大国同士の立場か
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天下人豊臣秀吉が死に権力の空洞化を起こす中徳川家康は前田利家の死、石田三成の失脚、五大老毛利輝元との権力争いと着実に基盤を固めていく。豊臣家は朝鮮征伐に失敗し出兵した大名達に論功行賞をできないでいた。豊臣は徳川を潰す事で徳川は大老の4人に難癖をつける事で領地を接収し朝鮮出兵組に論功行賞を行おうとする。毛利輝元は西軍の総大将として大坂に入るが吉川広家に命じて徳川とも気脈を通じてどちらに転んでも毛利家の安泰を模索する。西軍は決着は長期化すると踏んで長期戦に備えていたが家康の采配で関ヶ原は1日で決着をみる。秀頼は俊才を垣間見せるが彼の登場前に事が決してしまう。