伊東潤のレビュー一覧

  • 江戸を造った男

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    時代物は得意ではないのだが、これは非常に興味深く面白く読むことができた。かなり大作で長編だったが、引き込まれて読み終わった。
    史実をベースにしたフィクションなのだろうけれど、何かを成し遂げる大変さと信念の大切さ見たなものを感じさせられた。今の政治家に欠けているものかも知れない。
    いわゆるプロジェクト、プロジェクトマネジメントの教科書にもなり得るのではないだろうか。
    まさに、経世済民のリアルな姿がここにある。

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    2017年01月14日
  • 天地雷動

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    長篠合戦の前夜。登場人物のそれぞれの運命がいかにして決定づけられたか、興味深い。
    緻密に寝られた戦略の賜物か?
    それとも偶然の産物か?
    天下分け目の決戦!

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    2017年01月01日
  • 義烈千秋 天狗党西へ

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    幕末の水戸藩内の抗争と、そこから派生した一集団(天狗党)が京都を目指して西へ行軍する様子を描いた歴史小説。幕末の政局は難しすぎて、内容を理解しきれない…。1000人近い武装集団が移動する中で、天狗党の通り道となった村々や宿場町が見せた様々な対応が興味深かった。彼らにしてみたら、天狗党の通過はいい迷惑だったと思うよ。

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    2016年12月15日
  • 江戸を造った男

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    ネタバレ

    日本人は、武士階級にとどまらず町民まで
    読み書きそろばんを、広く寺子屋で習得できた。
    町民文化の豊かさは、その書物の多さにも知ることができる。
    明治以降、江戸以前を否定し、西欧文化を推奨してきたために
    知られずにいた、数々の物語が、古文書を読み解く研究者の
    努力の賜物で、明治以前の日本人の魂を聞けるような
    物語が読めることになった。

    この本の主人公は、河村瑞賢。
    河村七兵衛という商人。と入っても元々は地方の田舎に住む
    貧乏な下級武士の子、町人になった叔父に預けられ
    江戸に出る。叔父が亡くなり、一度は離散し、大阪へと
    出るが、その途中ある老武士に出会い、

    骨相を見ると
    「己れ一個の欲心を捨て

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    2016年12月02日
  • 江戸を造った男

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    高田屋嘉兵衛は海商だから分かるけど、この時代に国(藩)をまたいで終生活躍する政商なる者がいたのには驚いた。我が郷土にも清原太兵衛とか周藤弥兵衛とかの公人、私人が治水に挑む土木工事で功名を得るが、河村屋七兵衛のスケールは凄まじい。城米廻漕、治水、灌漑、鉱山採掘などなど、ことごとく成果を収める。難事業の数々だが、工事はもとより、複雑な利害関係を調整するその手腕がいかに優れていたかを教える。幕命によるいずれの公共事業も、齢50を超えて携わり、82歳で逝く間際まで仕事を請け続けたというから、高齢化社会で憂いに沈んではいられない。

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    2017年03月09日
  • 峠越え

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    ネタバレ

    所謂、家康の「伊賀越」の話かと思って読み始めたが、人生には様々な峠がありそれを乗り越えていくこと、「本能寺の変」を起こさせたのは家康など、もっと深い作品であった。

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    2016年10月23日
  • 江戸を造った男

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    今回の主人公は武士ではなく、商人の河村七兵衛という人物。まったく知らなかったけど、江戸を造った=江戸という時代を支えるインフラシステムを造った、こんな人物がいたとは。ラストも大円団で、読後のスッキリ感高し。

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    2016年10月18日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐

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    川中島の戦い,及びその前の村上義清と武田信玄の信濃をめぐる攻防を北信濃の一豪族,須田氏の若き当主須田弥一郎こと満親を主人公に描く.上杉謙信側から見ているので当然信玄は悪者である.

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    2016年10月13日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐

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     高校生の頃、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」を読みはじめ、彼の作品をあらかた読んだあと、山岡さん新田さんもかなりつつきました。その頃は、記憶もまあまあしっかりしていて、武将の名がたくさん出てくるのもへっちゃらでしたが、今回はそれに慣れるのがたいへんでした。たしか?新田さんの「武田勝頼」でもそのほかの作品でも武田家目線のものがほとんどだったと思います。上杉対武田を義対欲と描いたこの作品は新鮮で楽しむことができました。
    歴史小説、やっばりいいですね。

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    2016年09月28日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐

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    ネタバレ

    主人公は、北信濃の武将・須田満親。満親は海津城(松代城)代となり真田信繁とも因縁を持つのだけれど、それは後の話。この作品では、真田幸綱の調略で武田方に寝返った分家に故郷を追われて長尾景虎を頼るようになってから、5度にわたる川中島合戦が終わるまでを描く。大国同士の争いに翻弄される小領主の悲哀は、まるで現代の国際政治を見ているかのよう。第四次川中島合戦は手に汗握るほどスリリング。従兄弟の須田信正を好敵手に置いたのが上手い。

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    2016年06月11日
  • 巨鯨の海

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    太地町の捕鯨を舞台にした短編集

    ・旅刃刺の仁吉
    ・抹香の竜涎香→朝鮮人参
    ・喘息の与一×耳が聞こえない喜平次
    ・船虫の晋吉×血を好まざるを得ない菊太夫
    ・吉蔵、才蔵、太蔵
    ・大背美流れ、M11.12.24

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    2016年04月04日
  • 巨鯨の海

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    和歌山の太地と呼ばれる漁村を舞台に、江戸末期から明治にかけて行われていた捕鯨を題材にした短編集。直木賞を獲っても不思議ではないレベルの作品のように感じたが、当時の選考会では北方謙三が猛烈に推したものの受賞には届かなかった。
    人間vs鯨のダイナミックで命がけの戦いの描写に目を奪われがちだが、太地という治外法権がまかり通る特殊な地域における様々な人間ドラマが、すごく丁寧に描かれている点が非常に印象的だった。あと、鯨親子の絆に象徴されるように、鯨はただ人間に捕られるだけの道具として描かれているわけではないので、捕鯨に嫌悪感を持たれているであろう欧米の方々にも是非読んでいただきたいと思う。
    内容的に実

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    2015年12月09日
  • 巨鯨の海

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    ネタバレ

     鯨漁を生業として生きる太地の男たち。躍動感のある鯨漁を背景に、6つの物語が紡がれる。
     江戸から明治にかけ、激動の時代の中、地域ぐるみで捕鯨を守る一組織であった太地。閉鎖的だがそうでもしなければ生きられない人々の悲哀や意気込みが伝わって来る。
     鯨がよく獲れた頃は羽振りもよかったが、明治になってアメリカの捕鯨船が幅を利かせるようになり、鯨の数が激減した太地は衰退して行く。その移りゆく時代に生きる、人々の心の襞を丁寧に描いており、読んでいるとつらくなってくる。
     私は学生時代から鯨に興味があり、学生時代大学の先生にお願いして鯨の眼球の解剖をさせていただいたこともある。鯨に関する本も相当読んだし

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    2015年10月18日
  • 城を噛ませた男

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    戦国時代の終わり。全五編からなる短編集。乱世に様々な思いを抱いて行動する人達。色々なパターンの話があって、とても楽しめる一冊だった。

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    2015年04月30日
  • 武田家滅亡

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    勝頼の奥さんが輿入れしてから武田家滅亡までの5年間?の話。600ページくらいあって、こんなに話あるのかな?と思いながら読んでいたが、北条、上杉、徳川との駆け引き、高天神の話、物語を彩る魅力的な登場人物、武田家を見限る家臣たち、そして滅亡へ…と話がてんこ盛りであり、読み応えあり!
    勝頼の奥さんを見ていると、戦国時代は、男だけでなく女性も強かったんだなあと思った。戦国時代はすごい魅力的な時代ではあると思うが、その分悲劇も多かった悲しい時代なんですね。

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    2014年12月19日
  • 義烈千秋 天狗党西へ

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    血で血を洗うお家騒動、この本を読む前の水戸藩のイメージはそれだけでした。この本を読み、彼らの強い志が新しい時代への礎になったのだと思い胸を打たれました。
    莫大な資料を調べたのだろうと感心させられた一方、それらを一部割いてでも、もっと伊東さんの描く人物像や歴史観が全面に出ていても面白かったのではないかと思いました。

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    2014年11月27日
  • 城を攻める 城を守る

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    戦国歴史作家である著者が、戦国時代の有名な合戦を「城」の観点から読み解こうとしている本。両軍の軍事作戦における城の役割を軍略的観点で大局的に述べることを主眼としており、防御施設としての城の構造や、局地的な攻城戦についてはそれほど記述していない。それどころか、「精神的な支柱」の一言で片づけられてしまった城すらある(春日山城の章)。それでも、地政学や外交的な駆け引きも含めた軍略全般に興味があれば、本書はそれなりに楽しめると思う。

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    2014年11月17日
  • 城を噛ませた男

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    戦国短編集。
    ひとつひとつが味わい深い。
    城を噛ませた男。という題名もいい。
    戦国モノだけど読みやすい。
    マイナーな主人公たちなのもいいわー

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    2014年11月08日
  • 城を噛ませた男

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    ネタバレ

     表題作を筆頭に良作揃いの、戦国を舞台にした短編集。解説にもありますが、展開や盛り上がりどころが計算され尽くされていて、抜群の安定感があります。以下、話ごとに軽くコメント。
    「見え過ぎた物見」:物理的な意味での「見る」と、先読みという意味での「見る」、二つの「物見」が話に重なってくるラストが絶妙。
    「鯨のくる城」:あたかも作者がその目で見てきたかのような、捕鯨シーンの迫力が凄まじい。
    「城を噛ませた男」:昌幸の顔が笑み崩れるシーン、ほとんどホラー(怯)
    「椿の咲く寺」:五作品の中で、これだけはちょっとロマンチストな印象。彦蔵さんのせいですな(笑)
    「江雪左文字」:時代を何度も行き来するので序盤

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    2014年11月06日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    秀吉の朝鮮出兵における附逆と降倭の悲劇と友情を描いた作品。巻頭の地図と併せ読みながら文禄・慶長の役のおおまかな流れも学ぶことが出来ますし,戦国末期の対外戦争のダイナミズムや一兵士の哀しみや誠実さも感じることのできる良作です。

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    2014年10月30日