伊東潤のレビュー一覧

  • 城を噛ませた男

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    戦国時代、しかも、関東が舞台である。
    それぞれの話が非常によく考え、練られている。
    主人公たちも、お馴染みの顔ぶれと違い、新鮮である。

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    2014年04月19日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    本屋が選ぶ時代小説受賞作。文禄・慶長の役(秀吉の命で日本軍が朝鮮へ出兵)したことを題材とした物語。日本側の鉄砲隊の隊長と、朝鮮側の役人の二人が主人公。ネタバレをしたくないので内容は記さないが、二人の生き様に涙が出ることまちがいなし。この小説を両国民が読めば、恩讐を越えて仲良くなれるかも知れない。

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    2014年01月07日
  • 黎明に起つ

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    北条早雲一代記。
    戦国時代最初期に下剋上を成し遂げた謎に包まれた人物を少年時代から描く。最新説に従い生年月日をずらして没年齢を64歳としているので、今までの北条早雲像と随分違う。
    司馬遼太郎の「箱根の坂」だと87歳が没年齢になっている。
    その差23歳!これだけ違うと話を変えざるを得ない。
    今までの枯れたイメージとは違う、アクティブな早雲、勇壮な早雲、命知らずな早雲、に描かれている。
    が、至極真面目に作文しているなぁ~と言うのが正直な感想。
    これだけ前半生が不明な人なんだから、もっと放埓・奔放に描いても良かったのでは。得体の知れない戦国大名No,1は「国盗り物語」で描かれる斉藤道三だと未だに思い

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    2013年12月16日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    半分を過ぎるまでは…残虐な戦の描写に息が詰まりそうだった。

    秀吉の朝鮮出兵の陰で翻弄された幾人もの男や女たち。しかしそれぞれが、自らの置かれた境遇の中で目覚め、成長し、大きくなっていく。朝鮮も日本も関係ない。もう人が死ぬのは嫌だ…そんな思いに従うことは、戦乱の世にはそれだけで自殺行為であることは、近くに太平洋戦争史をひもとくだけで知れること。

    しかし、嘉兵衛、金宦はその思いに生きた。その男たちの強さに自らの守ってきた価値観すら捨て、戦の終結に動いた加藤清正。清正に、本当にあるべき指導者の資質を見た。

    これがどこまで史実に迫っているかはわからないが、それでも読んでよかった。そう思う。

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    2013年11月27日
  • 武田家滅亡

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    ネタバレ

    長篠の戦の後から武田家滅亡までの話
    北条から武田勝頼に嫁いだ桂を軸に武田家の終焉を描いた。
    長篠の戦いに負けたことが原因でなく、マネジメントの失敗が武田家滅亡の原因であった。

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    2013年04月21日
  • 武田家滅亡

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    長篠の戦の後から武田家滅亡までの話。偉大な先代を父に持つ勝頼の、出生から持ち続けた苦悩と、陣代として武田家をまとめきれない心痛が描かれている。

    おかげで戦バカ的な印象しかなかった勝頼像だったのが変わってきた。

    また、勝頼の周りにいる正室や重臣たちだけでなく、下級武士たちの武田家に対する想い・感情も描かれており、本作が武田勝頼一人を主人公としたものではなく、タイトルどおり武田家滅亡にからむ多くの人物の視点からとらえた大作といえる。

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    2012年07月17日
  • 武田家滅亡

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    すごい面白かった!武田詳しくないんですが、真田太平記を思い出したり、天地人を思い出したり(笑)しながら前後関係の把握してました。




    しかし桂の勝頼への気持ちは男女の恋愛じゃダメだったのかしら?
    そもそもその辺の桂の心の遷移が共感できなくてそこだけはイマイチかな〜…

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    2011年09月07日
  • 叛鬼<文庫版>

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    ネタバレ

    主君・上杉顕定の横暴により敵対する古河公方・足利成氏の元へはしった長尾景春。下剋上を成し遂げるために突き進む景春の前に立ちはだかるのは、かつて兄と慕った太田道灌。

    「享徳の乱」は上杉、長尾、太田がたくさんいて混乱する…。ただこの小説はキャラクターが分かりやすくなっていて混乱しないで読めた。長尾景春、太田道灌、伊勢宗瑞とみんな魅力的。あっちで勝てば、こっちで負けて、圧倒的な力を持つ勢力がないから泥沼…。主従の関係に逆らう長尾景春とあくまで臣下の域を出ようとしない太田道灌の関係性も面白くて良い

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    2025年11月24日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    北条氏綱の前に現れた男。江戸城を奇略によって乗っ取ると宣言する。「城をひとつ」

    当代無双の小弓公方・足利義明が館に招き入れた僧・宗円。宗円は徐々に義明に信頼されていく。「当代無双」

    北条氏綱の娘を室に持つ古河公方・足利晴氏。両上杉家から河越城への出陣を求められるが…。「落葉一掃」

    国府台合戦に向けて万全の準備をした大葉一族。しかし、裏切りにより味方は崩れ…。「一期の名入れ」

    とても良い。「黄金の城」は小田原攻めだし、負けちゃうのは、どうするのかと思ったけど、良い終わりだった。

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    2025年11月24日
  • 城を噛ませた男

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    ネタバレ

    北条と上杉の間で揺れる佐野家。筆頭家老・天徳寺宝衍 は佐野家生き残りのために奔走する。北条を裏切り上杉に味方しようとするが…。「見えすぎた物見」。

    豊臣秀吉の小田原征伐。強大な豊臣水軍を前に城に籠もる鯨取りの親方・高橋丹波守の仕掛けた反撃。「鯨の来る城」。

    国を取るために北条方の武将・猪俣邦憲に自らの城である名胡桃城をとらせる真田昌幸。「城を噛ませた男」。

    武田家家臣・今福親子の家康暗殺計画。娘が出家した寺を訪れる家康を襲う計画をたてるが…。「椿の咲く寺」。

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    2025年11月24日
  • 茶聖【電子特典付】

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    野球選手の菊池雄星氏がおすすめしていた本。千利休が「茶の力」で武士の荒ぶる心を鎮めて、平安をもたらすべく戦う様子が新しかった。舞台は本能寺の変の直後からはじまる。その時点で千利休の人格と豊臣秀吉との関係が出来上がっているため、感情を読む時、一瞬取り残されてしまうところがあった。茶で政を制する千利休の信念の核、それが形成されるまでの過程など、そこに至るまでの描写がもう少しあれば違和感がなかったかもしれない。それでも物語としては楽しんで読めた。時代小説はさまざまな解釈があるから夢があっておもしろい。

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    2025年11月07日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    戦艦大和の設計に関わった技師、造船士官達から見た製造の是非、戦争の是非を問うもの。実在の人物を登場させながらフィクションにしてある。
    自由で進化された風潮の海軍とは言え会議でのピリピリ感がとても良い。5人の同期生の青春像も良いが、何で後半の無差別主義者らとのサスペンスモノにしたのかが勿体ない。主点がボケた様で残念。

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    2025年10月29日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    戦艦大和の設計者のお話。
    とても面白く、分厚い本だったが一気読みした。

    が、ちょっと物足りない。技術者の苦労、ジレンマを描くのかとおもいきや、後半はテロとの対決、とサスペンス小説になり・・・
    大和進水まで、ちょっとあっけない感じがする。

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    2025年10月23日
  • 琉球警察【電子特典付】

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     米軍占領下の沖縄を舞台に、公安刑事となった主人公が、公安としての使命と沖縄の状況を憂う心情の間で葛藤する。

     先日読んだ「宝島」とは別の視点で当時の沖縄を捉えており、興味深く読んだ。

     理不尽に土地などを奪われ、我慢を強いられてばかりの状況を打破すべく戦う人たちの想いに、心を強く揺さぶられた。

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    2025年10月04日
  • 覇王の神殿

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    仏教のためと言いながら人殺しを繰り返すのが、なんともシュールだけど、神輿をかつぐ→邪魔になる→殺すというのを繰り返すだけで、大義もなく、途中で飽きた。
    と思ったら、4章で面白くなった。つまり、おもしろい素材は厩戸王子。日本を造ったのも厩戸王子。馬子は人殺ししかしてない…

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    2025年09月16日
  • 歴史作家の城めぐり<増補改訂版>【電子特典付】

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    戦国の城を訪ね歩くことはただ石垣や天守を眺める行為ではない。そこに生きた人々の息遣いを追体験する旅である。築城の工夫や戦の記憶だけでなく廃城となった後に芽吹く草木や人々の暮らしの変遷にも眼差しを注ぐ。石は語らぬが時代の矛盾や夢を映す鏡となる。観光資源としての城にとどまらず歴史の連続性を感じ取る糸口となるだろう。

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    2025年09月12日
  • 池田屋乱刃

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    幕末の志士は

    凛とした生き方
    志をつらぬく行き方
    潔い行き方

    カッコいいね〜
    生死をかけた、志しをつらぬく生き方

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    2025年09月08日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    戦艦大和の建造に関わる技術的な内容や問題を少しずつ解決しながら取り組む描写は、興味深く面白かった。当時は最高機密である大和建造に関わる登場人物の人生の変化もうまく構成していると感じた。
    ラストの悲劇は史実だから動かしようがないけれど、そこから終章に至るところが食い足りない感じが残った。

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    2025年08月29日
  • 茶聖【電子特典付】

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    信長との出会いからその死まで。利休と秀吉の関係が面白くない訳だはないが、民の静謐を求める思想や、あまりに直接的な言動、全ての背後に先を見通すような利休がいるのには違和感。紹安と宗二の存在は良。

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    2025年08月23日
  • 峠越え

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    伊賀越えまでの家康の胸中を軸とした歴史小説

    戦国時代は好きな時代背景なので、読む前から期待大
    歴史小説はある程度、登場人物のイメージが予めあるなかで、自分のイメージ通りか真逆のキャラで描かれるかで作品の印象も変わってくると思う。
    ここの家康は本書で何度も出てくるように凡庸
    そして忍耐の人
    古狸のイメージはなく、家康に同情してしまう場面も度々でした
    本能寺の変の解釈は、自分にとっては斬新なもので、なるほどね〜と思えました

    伊賀越えの緊張感、多くの人に守られ強運で凡庸な家康を楽しめた一冊でした

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    2025年07月23日