伊東潤のレビュー一覧

  • 城を攻める 城を守る

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    戦国歴史作家である著者が、戦国時代の有名な合戦を「城」の観点から読み解こうとしている本。両軍の軍事作戦における城の役割を軍略的観点で大局的に述べることを主眼としており、防御施設としての城の構造や、局地的な攻城戦についてはそれほど記述していない。それどころか、「精神的な支柱」の一言で片づけられてしまった城すらある(春日山城の章)。それでも、地政学や外交的な駆け引きも含めた軍略全般に興味があれば、本書はそれなりに楽しめると思う。

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    2014年11月17日
  • 城を噛ませた男

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    戦国短編集。
    ひとつひとつが味わい深い。
    城を噛ませた男。という題名もいい。
    戦国モノだけど読みやすい。
    マイナーな主人公たちなのもいいわー

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    2014年11月08日
  • 城を噛ませた男

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    ネタバレ

     表題作を筆頭に良作揃いの、戦国を舞台にした短編集。解説にもありますが、展開や盛り上がりどころが計算され尽くされていて、抜群の安定感があります。以下、話ごとに軽くコメント。
    「見え過ぎた物見」:物理的な意味での「見る」と、先読みという意味での「見る」、二つの「物見」が話に重なってくるラストが絶妙。
    「鯨のくる城」:あたかも作者がその目で見てきたかのような、捕鯨シーンの迫力が凄まじい。
    「城を噛ませた男」:昌幸の顔が笑み崩れるシーン、ほとんどホラー(怯)
    「椿の咲く寺」:五作品の中で、これだけはちょっとロマンチストな印象。彦蔵さんのせいですな(笑)
    「江雪左文字」:時代を何度も行き来するので序盤

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    2014年11月06日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    秀吉の朝鮮出兵における附逆と降倭の悲劇と友情を描いた作品。巻頭の地図と併せ読みながら文禄・慶長の役のおおまかな流れも学ぶことが出来ますし,戦国末期の対外戦争のダイナミズムや一兵士の哀しみや誠実さも感じることのできる良作です。

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    2014年10月30日
  • 北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録

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    「武田家滅亡」の姉妹編?
    謙信の死の謎と、景勝・兼続の謀略、兵を持たない北条からの養子の景虎の理想と現実、滅びゆく様が描かれている。
    作者には何か滅びの美学を感じる。

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    2014年08月25日
  • 山河果てるとも 天正伊賀悲雲録

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    信長による天正伊賀攻めを題材とした歴史物
    時勢の捉え方、己の生きざま、多種な捉え方をしている。
    織田信雄の性格、そしてその取り巻きと謀略。
    勝者よりも敗者に清々しさを感じさせる。

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    2014年08月24日
  • 山河果てるとも 天正伊賀悲雲録

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    自分ひとりの力では抗えない、大きな力に出くわしたとき、人はどう生き方を選ぶのか。
    立ち向かうのか、付き従うのか、逃げるのか。

    作中の人物それぞれが導きだした結論に、あれこれ異議を唱えはしないけれども、竹馬の友ともいうべき間柄が崩れ去っていくのは、やはり悲しく迫ってきます。

    引き裂かれた運命は、袂を分かれた人生は、再び交わることなく進むのみ。

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    2014年07月27日
  • 城を攻める 城を守る

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    他の天守閣とかの写真で城をもてはやすのではなく、戦いを前提に今は城跡、ただの山みたいになってる城をも取り上げ、歴史を自説も交えて説明してくれるんだよね。そこがおれの感性に凄くあったとゆうか、こういった知識を持って城跡巡りしたらもっと学こと大なんだろな。

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    2014年07月27日
  • 城を噛ませた男

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    個人的に、真田昌幸という武将が好きなのだが、表題作で昌幸がとてつもなく卑怯な人間として描かれていたのに衝撃を受けた。確かに戦乱の世のおいては、騙されるのが悪い、という価値観はあったのだろうけれど、本書では義もへったくれもなく、単に嘘をついて騙しただけであったので、読後感が極めて悪かった。収録されている他の作品も読後感はあまりよくないけれど、滅びゆくものとは実際こんなようなことなのかもしれない。

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    2014年07月25日
  • 城を噛ませた男

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    腹の底にズーンと響く懸命で骨太な生き方の数々。それは上下の身分を問わない。
    自分の生き方や信念を貫いて、結果、それぞれの役目を完遂した人たちの清々しい余韻が残る「鯨のくる城」と「江雪左文字」の読後は快感。
    あっさりとしか触れられていないが、「見えすぎた物見」の宝衍の弟の生き様然り、表題作登場の主水然り、潔い決断と覚悟にも頭が下がった。

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    2014年05月31日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    朝鮮出兵の話で、戦地に赴いた日本兵の葛藤と、突然の侵略を受けた朝鮮の人たちの苦しみや怒りがドラマチックに描かれている。
    朝鮮出兵というと、教科書では文禄・慶長の役がありましたってくらいしか知らなかったからおもしろかった。
    加藤清正の周辺の人々について語られていて、清正のイメージもだいぶ変わった。おもしろい。

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    2014年04月23日
  • 城を噛ませた男

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    戦国時代、しかも、関東が舞台である。
    それぞれの話が非常によく考え、練られている。
    主人公たちも、お馴染みの顔ぶれと違い、新鮮である。

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    2014年04月19日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    本屋が選ぶ時代小説受賞作。文禄・慶長の役(秀吉の命で日本軍が朝鮮へ出兵)したことを題材とした物語。日本側の鉄砲隊の隊長と、朝鮮側の役人の二人が主人公。ネタバレをしたくないので内容は記さないが、二人の生き様に涙が出ることまちがいなし。この小説を両国民が読めば、恩讐を越えて仲良くなれるかも知れない。

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    2014年01月07日
  • 黎明に起つ

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    北条早雲一代記。
    戦国時代最初期に下剋上を成し遂げた謎に包まれた人物を少年時代から描く。最新説に従い生年月日をずらして没年齢を64歳としているので、今までの北条早雲像と随分違う。
    司馬遼太郎の「箱根の坂」だと87歳が没年齢になっている。
    その差23歳!これだけ違うと話を変えざるを得ない。
    今までの枯れたイメージとは違う、アクティブな早雲、勇壮な早雲、命知らずな早雲、に描かれている。
    が、至極真面目に作文しているなぁ~と言うのが正直な感想。
    これだけ前半生が不明な人なんだから、もっと放埓・奔放に描いても良かったのでは。得体の知れない戦国大名No,1は「国盗り物語」で描かれる斉藤道三だと未だに思い

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    2013年12月16日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    半分を過ぎるまでは…残虐な戦の描写に息が詰まりそうだった。

    秀吉の朝鮮出兵の陰で翻弄された幾人もの男や女たち。しかしそれぞれが、自らの置かれた境遇の中で目覚め、成長し、大きくなっていく。朝鮮も日本も関係ない。もう人が死ぬのは嫌だ…そんな思いに従うことは、戦乱の世にはそれだけで自殺行為であることは、近くに太平洋戦争史をひもとくだけで知れること。

    しかし、嘉兵衛、金宦はその思いに生きた。その男たちの強さに自らの守ってきた価値観すら捨て、戦の終結に動いた加藤清正。清正に、本当にあるべき指導者の資質を見た。

    これがどこまで史実に迫っているかはわからないが、それでも読んでよかった。そう思う。

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    2013年11月27日
  • 武田家滅亡

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    ネタバレ

    長篠の戦の後から武田家滅亡までの話
    北条から武田勝頼に嫁いだ桂を軸に武田家の終焉を描いた。
    長篠の戦いに負けたことが原因でなく、マネジメントの失敗が武田家滅亡の原因であった。

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    2013年04月21日
  • 武田家滅亡

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    長篠の戦の後から武田家滅亡までの話。偉大な先代を父に持つ勝頼の、出生から持ち続けた苦悩と、陣代として武田家をまとめきれない心痛が描かれている。

    おかげで戦バカ的な印象しかなかった勝頼像だったのが変わってきた。

    また、勝頼の周りにいる正室や重臣たちだけでなく、下級武士たちの武田家に対する想い・感情も描かれており、本作が武田勝頼一人を主人公としたものではなく、タイトルどおり武田家滅亡にからむ多くの人物の視点からとらえた大作といえる。

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    2012年07月17日
  • 武田家滅亡

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    すごい面白かった!武田詳しくないんですが、真田太平記を思い出したり、天地人を思い出したり(笑)しながら前後関係の把握してました。




    しかし桂の勝頼への気持ちは男女の恋愛じゃダメだったのかしら?
    そもそもその辺の桂の心の遷移が共感できなくてそこだけはイマイチかな〜…

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    2011年09月07日
  • 叛鬼<文庫版>

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    これは関東での所領や権益を庇護してもらうべく山内・扇谷両上杉家の勢力圏での下剋上を潜り抜けた主人公の長尾景春と北条早雲の歴史小説だ。顕定への私恨から同盟同士だった太田道灌と敵味方に別れた。だが道灌もまた味方の騙し討ちから誅殺され、更なる私怨が芽生えた。息子もまた敵味方となり戦うが息子の親思いに生き様を敵として生き抜いた。「父上は己の信念を貫いたまで、何ら恥じることはありませぬ」と息子もまた顕定への怨念を剥き出して、のちに父子共に北条早雲と共に戦う。戦国下剋上では今日の味方が明日には敵に、更には私怨が叛旗する理由となる。現代でも騙し騙される相手への怨念は消え失せることがない、特に大国同士の立場か

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    2026年01月10日
  • 叛鬼<文庫版>

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    ネタバレ

    主君・上杉顕定の横暴により敵対する古河公方・足利成氏の元へはしった長尾景春。下剋上を成し遂げるために突き進む景春の前に立ちはだかるのは、かつて兄と慕った太田道灌。

    「享徳の乱」は上杉、長尾、太田がたくさんいて混乱する…。ただこの小説はキャラクターが分かりやすくなっていて混乱しないで読めた。長尾景春、太田道灌、伊勢宗瑞とみんな魅力的。あっちで勝てば、こっちで負けて、圧倒的な力を持つ勢力がないから泥沼…。主従の関係に逆らう長尾景春とあくまで臣下の域を出ようとしない太田道灌の関係性も面白くて良い

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    2025年11月24日