伊東潤のレビュー一覧
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先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。
2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。
この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝ちで何が負けかは分からない。
それらを七人の作家人が七様に描いてくれたのでどれも面白かった。
個人的には安国寺恵瓊も面白そうな人物で、その後に別の人物像で描いてもらえないだろうかとも思った。
この中では織田有楽斎や宇喜多秀家、小早川秀秋は面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ河村瑞賢のおはなし。経世済民の具体例。江戸という100万都市を可能にする流通システムを作り上げた男の仕事人生。
振袖火事で燃え尽きた江戸を復興していくところから始まるところが良かったんだろう。建て増するより、更地になったところから都市計画を作ったほうが良いものができる。江戸の復興を担った保科正之とか松平信綱とかの都市計画を支えたのはこういう実力をつけてきた商人たちだったんだよなぁ。
経済規模の拡大ができる人ってのがポイント。歴史に名を残す商人になりたかったら、公共事業に私財を投入して、自分たちの市場を拡大して投資分を回収するのだ。現代の投資家であるビルゲイツとか孫正義もそういうことをしているよね。投資家の視点を江戸の商人で持っていた人がいるっていうことよね。
新井白石とか保科正之とかビックネームが出てくるから楽しい。
やっぱり日本は水が最大の敵だなぁ。水との闘い。それに立ち向かってきたものが世の中を革新してきた。そんな感じがある。 -
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5名の小説家による歴史座談会。山本兼一さんが亡くなられたので、途中から4名になっています。信長・秀吉・家康・幕末がテーマの4回。
やはり、同じ歴史上の出来事でも、それぞれが着目する点って違うんだな、と当たり前なんだけど新鮮に感じました。それだからこそ、数々の歴史小説を読む意味もあるというものです。まだまだ読書量も勉強も足りません。
司馬遼太郎の影響について言及されているのも興味深い。ざっくりいうと、司馬遼太郎を超えて行け、ということですな。あの竜馬を超えるのは大変でしょうねぇ。
三国志演義と三国史は別物。それに気づいたのっていつだろう?史書でなく小説・マンガから触れることが多いのが歴史だと思います。最初にインプットされた情報がフィクションだと理解するのは大変だもの。その情報のインパクトが大きければ大きい程ね。
「合戦の日本史」というタイトルですが、それほど合戦メインで話はされていないように思いました。
自分が興味持ったのが、世界情勢の中の当時の日本の立ち位置だったからかな。立場が変われば、小説上の善悪が入れ替わる。なので、いろんな小説を読もうと思っているのですが、それこそ当時の日本と諸外国の立場で考えると、面白くなるなと。
合戦メインじゃなくて、合戦単独で話はされていないですね。
ちゃんと東西の歴史を連動させないといけませんね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本人は、武士階級にとどまらず町民まで
読み書きそろばんを、広く寺子屋で習得できた。
町民文化の豊かさは、その書物の多さにも知ることができる。
明治以降、江戸以前を否定し、西欧文化を推奨してきたために
知られずにいた、数々の物語が、古文書を読み解く研究者の
努力の賜物で、明治以前の日本人の魂を聞けるような
物語が読めることになった。
この本の主人公は、河村瑞賢。
河村七兵衛という商人。と入っても元々は地方の田舎に住む
貧乏な下級武士の子、町人になった叔父に預けられ
江戸に出る。叔父が亡くなり、一度は離散し、大阪へと
出るが、その途中ある老武士に出会い、
骨相を見ると
「己れ一個の欲心を捨て、万民に尽くす気持ちを持てば
天地の雲気が全て味方し、六十六国の大名はもとより
将軍でさえ、感謝する仕事ができる」と言われる。
その後、物流、灌漑用水、治水、銀山など
日本各地に行っては、藩はもちろん幕府の経済的窮地も
救い、人民のためになる大仕事をやってのけた。
年上だろうと年下であろうと、自分の知らないことを
知恵を技を持ってる人はすべて『師』と思うという
奢ることなく、どうしたら良くなるか、
どうしたら多くの人を救えるのかを考え続けた80年。
読み応え十分な一冊でしたよ。