伊東潤のレビュー一覧

  • 鯨分限(くじらぶげん)

    Posted by ブクログ

    伊東さんの本は初めて。
    導入から一気に惹き込まれる。

    鯨の棟梁の物語。
    私も祖父や叔父が伊勢で漁師をやっていたので
    結構共感できるところ多し。
    蝦夷地のくだりは新鮮で面白い。

    しかし最近鯨は食べられなくなりましたね。
    昔給食で「クジラのノルウェー風」とか
    おでんだねで「コロ(くじらの脂)」を
    よく食べたのを懐かしく思いました。

    面白いけど、ちょっと散漫なのと感動はしないので★3つ。

    0
    2022年01月03日
  • 茶聖【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    千利休が豊臣秀吉のフィクサーだった場合の物語。

    古田織部や細川三斎など利休七哲が何人か出てきて、武将としての駆け引きや、茶道を極めたいという思いとの苦悩もあり、面白かった。

    千利休が、農民など町の人々が戦いで困窮するのを防ぎ、「世の静謐のため」に裏で政治を動かす、という話。
    どこまでが史実に基づいているのかは分からないが、「世の静謐のため」という言葉が何度も繰り返され、そもそも利休がなぜ「世の静謐のため」に自らの命を捧げようとしていたのかが、よく分からなかった。
    茶道の話は少なかったので、それ目的だと物足りないかも。

    0
    2022年01月02日
  • 修羅の都

    Posted by ブクログ

    大河の鎌倉殿の13人の予習として読みました
    登場人物一覧をコピーして、
    北条義時が小栗旬、畠山重忠が中川大志、
    比企能員が佐藤二郎、梶原景時が中村獅童、
    と書き添えて読みました。

    歴史の教科書に載ってない、鎌倉創世記の空気を感じました。
    来年の大河が楽しみです。



    0
    2021年12月20日
  • 琉球警察【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    戦後沖縄の歴史物。初作家さん。
    400頁越えでなかなかの読み応えだが、途中から面白くてスラスラ読めた。
    琉球警察で活躍する、貞吉、沖縄返還に挑む瀬長、取り巻く情勢…

    長い割に、最後もう少し続きを読みたい感じだったのは少し残念…

    0
    2021年12月18日
  • 琉球警察【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    11月-21。3.5点。
    戦後の沖縄。刑事となった奄美出身の主人公、公安の研修を受け、ある政党に協力者を作ろうと画策する。。

    面白かった。一気読みした。戦後の米軍支配と従うしかない沖縄の苦悩が、読みやすい文章で描かれる。
    冒頭のプロローグに対する、ラストの締め方も上手かった。

    0
    2021年12月01日
  • 琉球警察【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    占領統治下の沖縄を舞台にしたサスペンス。

    週刊ポストで柳広司の「南風(まぜ)に乗る」という歴史小説が始まっていて、それと同じ時代ということで読みました。
    著者なので歴史小説なのかと思ったら、徳之島出身の警察官が主人公のサスペンスでした。
    主人公が公安になってからの展開が面白かったです。
    当時の沖縄が米軍によって虐げられ翻弄されるところとか、沖縄人の気持ちとかは勉強になりました。
    せっかくなので、エピローグで沖縄返還、琉球警察解散まで説明してほしかった。

    0
    2021年12月01日
  • ライトマイファイア<文庫版>

    Posted by ブクログ

    80年代生まれの私にとって、60〜70年代の学生運動やよど号ハイジャック事件(作中では<さど号>扱い)は史実の出来事という以上の認識を持てなかったが、高度経済成長期という当時の時代背景を元に、無謀な乗っ取り計画がなぜ成功し得たのかという仮説を打ち立てる今作を読み、漸くその一端に触れられた気がする。600頁近い大作だが、過去と現在が交錯するスリリングな展開に惹き込まれ、思わず一気読み。広げた風呂敷を畳み切れなかったのか、最後は物足りない幕引きだけれど、現政権(単公本刊行当時)に対する警鐘をひしひしと感じる。

    0
    2021年10月13日
  • 敗者烈伝<文庫版>

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    思いつきで動き回って自滅した小才子
    この評が我が意を得たりで満足です(´▽`)
    バランスを欠いている人は敗者になるのか?
    個人的には藤原仲麻呂あたりも欲しかった

    戦いに敗れた25人
    (大久保利光は暴漢に暗殺)
    戦には負けたけど政府に雇われた
    榎本武揚や大鳥圭介も場違い

    0
    2021年09月14日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    物部守屋や崇峻天皇たち排除される側の扱いが酷いので、彼らのことが好きな人が読むには心構えが必要。
    かといって蘇我マンセーしたい人向けか?と問われればそうでもないような…

    0
    2021年09月05日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    少し前に訪れた馬子の墓とされる石舞台古墳につられて手に取った。

    1500年近くも昔の事で史料もあまりないだろうから、人間関係などはほぼ作者の創作と思われるが、天皇(大王、おおきみ)の権威が確立されていたこと、当時最新の思想かつ知識であった仏教による立国を実現しようとしていたことは確かだろう。

    舞台が奈良近辺に限定されるため、国史の物語でありつつ地方豪族レベルの話にみえてしまうがやむを得ない。

    プロローグで大化の改新で勢力図は変わっても馬子が築いた国のあり方は変わらないとあったが、それは十分に回収されていないように思う。

    0
    2021年08月15日
  • 走狗

    Posted by ブクログ

    西郷隆盛を暗殺しようとした男、郷土に刃を向けた男として長く裏切りものとして見られていた川路利良。
    写真をみるとなるほど冷徹な感じはしますね。人間としてどうかとは思いますし、友達にはなれないと思いますが、維新には、また明治の新時代を作り上げるには、必要な偉人である事に間違いはないでしょう。
    薩摩の身分の低い準士分で生まれながらも、波乱の生涯であった。必死に生き抜いた事は確か。

    0
    2021年08月12日
  • 横浜1963<文庫版>

    Posted by ブクログ

    タイトルとおり1963年の横浜が舞台の連続殺人事件
    容疑者は米軍ということで圧力もあり捜査も思うようにいかない
    主人公の捜査官はハーフということでその思いも語られる
    流れはまぁ普通かなと感じました

    0
    2021年08月08日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

    Posted by ブクログ

    佐屋嘉兵衛と金宦、やがて立場が逆になってしまうが、それぞれが戦争集結に向けて尽力する。ラスト、特に嘉兵衛の選択はこれで良かったのだろうか、と考えさられてしまった。

    0
    2021年08月01日
  • 茶聖【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    利休の半生(秀吉以降)を描いた作品。
    実際に政局にどの程度までか関わっていたかわからないが興味深かった。
    茶の湯(茶道)についてはあまり知らないが、作品中で利休が思い描いていたような静謐をもたらすものとして現代ではあまり活用されていない。
    確かにこういうことなどで心を整えることは大事かもしれない。

    0
    2021年04月23日
  • 敗者烈伝<文庫版>

    Posted by ブクログ

    「歴史は勝者が作る」という言葉があるが、本来その「勝者」になる素質があったにも関わらず「敗者」になってしまった人物の原因について書かれており、とても読み応えがあった。

    0
    2021年04月04日
  • 西郷の首

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    西郷の首を発見
    大久保卿を暗殺

    この二人は無二の親友であり、幕末に右往左往
    している間に没落していった加賀藩の物語
    島田一男の名は途中で思い出したが安重根に比
    べてマイナーかもしれない
    本書は明治御一新に乗り遅れた状況が悲しいぐ
    らい克明に描かれている

    「西郷ノ首ナキヲ以テ、登文ニ探索ヲ命ゼラル」
    「探索ヲナシタルニ、果シテ門脇ノ小溝ニ埋メ
    アルヲ発見シ、登文、首ヲ齎シテ、浄光明寺ニ到
    リ山県(有朋)参軍、曾我(祐準)少将ニ呈ス」
    本書の主役の一人千田文次郎が発見した時の様子

    でも昭和50年に鹿児島市の松平墓地で、鉄鍋に
    入っている頭骨を発見と言う処から「西郷どん」
    の首発見とか新聞ネタ

    0
    2021年03月17日
  • 修羅の都<文庫版>

    Posted by ブクログ

    武士の府を守りたい思いと、頼朝への愛・想いで股裂になる政子の苦悩を軸に、鎌倉初期の権力闘争を描く好著。

    0
    2021年02月19日
  • 茶聖【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    千利休は単なる芸術家ではなかった。信長、秀吉に仕え、茶の湯を通し、茶室での狭い空間で、秀吉とまさに自らの命をかけて、世の中を静謐に導くべく生き抜いた。
    利休らの茶人達の果たした役割は、本当に大きいものであった。現代での単純な文化的側面に留まらず、殺し合いを続ける武将達への、当時の人間の少ない良心だったのかもしれない。

    0
    2021年02月08日
  • 茶聖【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    千利休の茶人人生を描く歴史小説。

    先に出版された「天下人の茶」で他者から描かれた千利休と豊臣秀吉の関係と茶事に対する姿勢を千利休本人視点でさらに深掘りしていると思います。
    「天下人の茶」を読んでいたので新しい発見はありませんでしたが、本人に語らせることでより明確に茶事と政との関係性とその将来展望がわかりました。
    漫画の「へうげもの」で知った丿貫の存在も大きく、嫡男紹安も詳しく描かれていて面白かったです。
    巻末の茶道具説明も勉強になりました。

    0
    2021年01月10日
  • 走狗<文庫版>

    Posted by ブクログ

    最下層の武士ながら
    強烈な上昇志向で討幕、維新を生き抜き
    日本初の警視総監まで上り詰めた男、川路利良。

    敬愛する西郷隆盛すら裏切り、国家のために、自ら狗となった男の一生を描いた作品。

    幕末は、幕府側が主人公の小説は何冊か読んだが
    新政府側からの視点は新鮮。
    歴史の教科書に出てくる名前のオンパレードで
    あらためて激動の時代だったのだなぁと。

    0
    2021年01月09日