伊東潤のレビュー一覧

  • 茶聖【電子特典付】

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    私が授業で習ったときの千利休て、もっとしたたかで策士だった記憶があるのだけど、凛としてて、一本気なとこがあるんだなーと興味深かった。

    後半に入り、秀吉との関係性が変わってゆく様、秀吉との間の取り方。流石最後のフィクサーと言われるだけあるわね。

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    2020年10月16日
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)

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    明治維新は、大好きな歴史の一場面だが、今までは、薩長側ばかりだった。幕府側にも人物は、仰山いた。慶喜と勝海舟がなんとかしていたらもう少し違う展開だったのでは。しかし、旗本の体たらくをみれば、薩長の付け入るすきは、たくさんあった。

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    2020年09月30日
  • 茶聖【電子特典付】

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    千利休の見方が変わる一冊。
    実際のところは勿論誰にも分からない。イメージ通り、時の権力者に擦り寄り思うがままに操り、裏で権力と財力を恣にした俗人だったかも知れない。
    だがこの作品での利休は、茶の湯で『この世に静謐をもたらそうとした』、そのことに生涯とその生命をかけた人物として描かれている。

    茶の湯が武人たちの『荒ぶる心を鎮める』という考え方が興味深かった。
    信長はそれまで土地であった恩賞を茶の湯の名器であったり、茶の湯を開く資格を与えることであったりに変えた。
    そして秀吉は利休と共に更に飛躍して茶の湯を天皇・公家から庶民まで世の中隅々にまで行き渡らせた。
    そして利休は秀吉の心を戦から茶の湯へ

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    2020年08月04日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    ネタバレ

    河村瑞賢の物語でイメージが明確でなかった
    東廻り航路の開発とか教科書で習っていても
    意味わかりません(原野の開発と違うからね)
    堀田稲葉の江戸城内暗殺事件も上手く描かれ
    やはり作家さんの物語内の心理描写はうまい
    甘利にも聖人君子に描かれているのは別にし
    て、現在の企業と異なり商人は世の中から生
    かしてもらってる感謝の気持ちが必要なのか
    大概社会貢献的な行動を行っている
    江戸初期のインフラ作りを独りで請け負う運
    命が今見ると奇妙であるが事実は重いものだ

    さて、角倉了以にはどんな物語があるのかな

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    2020年07月25日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    少し前に読んだ同じ時代の、同じ人物を取り巻く話を別の角度からアプローチした物語だ。
    フィクションではあるが別の作者が書いた作品を読むと、面白さの深みが増す感じだ。
    この様な読み方も良いと思った。
    歴史物をいくつか読んでいくと人間物語であり、伝えられている程に単純な話では無いと思ってくる。
    面白い。

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    2020年05月26日
  • ライト マイ ファイア

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    伊東潤さんによるよど号ハイジャック事件をモチーフにした骨太警察小説。1970年代のハイジャック事件をめぐる実行犯の中に公安警察官がスパイとして潜り込んでいたというストーリー。現代パートと1970年代パートが交互に進み、物語が進むにつれて現代で起きた簡易宿泊所放火事件と1970年代のハイジャック事件が結びついていく。1970年代パートは日本だけでなく、さまざまな国々で展開するので、(スパイということがバレるのかバレないのかも含め)最後まで緊張感MAXで読むことができた。

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    2020年05月05日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    河村屋七兵衛(河村瑞賢)の携わった数多くのプロジェクトをまとめた内容だが、それぞれの事業で優秀な助太刀を的確に見つけ出して、彼らと心を通じてお互いに仕事を完遂させる手腕は素晴らしい.冒頭の木材調達での山村三郎九郎、東北の米の輸送での武者惣右衛門、西廻り航路の開発での船大工清九郎、大阪平野の河川改修での甚兵衛、銀山の開発での粂八や宗甫などなど.苦労を跳ね除けて事業を完成させる馬力には感心する.凄い人物だ.

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    2020年04月28日
  • 修羅の都

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    源頼朝、なぜ3代で血筋は絶える事となったのか。平清盛しかり、豊臣秀吉しかり。
    武士の府を夢見ていた漢が、いつのまにか、自らの血縁の世を夢見てしまう。自分の兄弟、一族を討ち果たし、ついには、滅びてしまう。

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    2020年04月20日
  • 巨鯨の海

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    正直言うとこれは「読まされた」本。強制されたから仕方なく読んだ本。分厚いし元ネタも雰囲気も男臭いし、最初は本気で読みたくなかった。なんなら2/3くらいまで読み進めても(今この本取り上げられても別に気にしないな〜)なんて思ってた。でも、気が付いたら夢中になってこの本を読む時間が少し楽しみになってた。想像もつかない捕鯨の様子を細かく描写していて、舟のようにいるような臨場感、鯨が眼前にいると錯覚させる迫力が文字通り文字だけで表現されている。すごい。こんな文章書けるようになりたい。そう思った。
    私が好きな話は(本が手元にないので題名は分かりませんが…)鯨の脂だかなんか高価な部位を盗んだとかどうとかの話

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    2020年04月07日
  • 走狗<文庫版>

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    ☆☆☆2020年3月☆☆☆


    走狗。川路利良の生涯を表すのに、悲劇的だがふさわしいタイトルだと思う。幕末から明治にかけての陰謀を川路の視点から見る作品。
    フィクションを交えながらも、あの時代はこんな感じだったのかな、と思う。川路は、西郷・大久保に引き立てられて「出世したい」という野心に駆り立てられ、命がけで戦う。

    P334~335を境目に、川路の性格がガラっと変わるのに驚きを隠せない。フランスで、元シークレット・オフィスの人間と会い、話すことで私心を捨て国家のために「鬼」となることを決意するようだ。
    そのため、大恩人である西郷を倒すことを決意。それを大久保にけしかける。その後の川路は本当に

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    2020年03月29日
  • 国を蹴った男

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    国など要らぬ。欲しいのは.......
    欲しいものは、人それぞれ違う。本当に人を突き動かすものは、もっと目に見えないもの、なのかもしれない。

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    2020年03月20日
  • 真実の航跡

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    2020.02.09
    B、C級戦犯法廷について初めて読んだ本だ。五十嵐中将と鮫島弁護士の戦いから日本が今の日本へと繋がったように感じる。「復讐や報復からは何も生まれない。それでは大国にはなれない」そこに今の国際社会におけるそれぞれの国の評価が見て取れる気がする。
    しかし、何故か「鮫島」という名前が気になって仕方ない•••。

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    2020年02月09日
  • 野望の憑依者(よりまし)

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    「野望に取りつかれた者は、いつか野望に滅ぼされる」高師直

    巻末の縄田一男との対談も面白い。司馬遼太郎や吉村英治や童門冬二など、様々な歴史小説家もいるが、時代が違えば求められるもの作家が伝えたいことも変わる。伊東さんの伝えたいことに、これからも耳を傾けていこうと思う。

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    2020年02月02日
  • 真実の航跡

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    責任の所在を曖昧にし、押し付けあい。今の組織の中にもあるのでは。その中で良心ともがく日々です。 そして、戦争というものが如何に過酷なものか、、、。

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    2020年01月10日
  • ライト マイ ファイア

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    実際に起きた2つの事件がモデルで、綿密に取材をした結果なのか、もしかしたら事件の真相はこれだったのかもと思わせるようなリアリティがある。

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    2019年11月22日
  • 城を噛ませた男

    ネタバレ 購入済み

    最初の僧侶の話はあっちこっち寝返りがすごくてその節操の無さに笑ってしまった。処刑された末弟の方がかっこよかったね。内心では弟のこと馬鹿にして自分が賢いみたいに思ってたみたいだけど、そんな賢くもないと思うんだけど。鯨捕りの人の話はあんまり気負わない人の方が強いってことかな?自分のやり方で一矢報いたからな、羽柴軍に。猪俣って人は1回、卑怯者の真田昌幸に騙されてるくせに、なんでまたそいつのこと信じるかね?アホかと思いました。椿の話は彦蔵は怪しいと思ったけど、市左衛門は分からなかった。

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    2019年11月20日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

    ネタバレ 購入済み

    主役の二人のことは正直あまり印象に残らなかった。それより主役ではないが、これに出てくる清正の方が印象に残った。勇猛果敢で威厳があって、家臣思いで。自分の与えられた道をまっすぐに突き進むイメージだが、ふとしたときに、儂は本当にこの道をそのまま突き進んでいってもよいのだろうか?と迷いを見せたりもする。そこがよかった。弟分の左京殿を自らの危険も顧みずに助けに行くところは、ちょっと泣けましたぞ。伊東先生、清正さんをかっこよく書いてくれてありがとうございました。

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    2019年11月20日
  • 峠越え

    ネタバレ 購入済み

    タイトルは本能寺の変のときの、家康の伊賀越えから来ています。そのタイトルにもなっている、クライマックスの出来事に向けて、家康が信長との関わりを回想する形で物語は進んでいきます。前半は結構コミカルな感じで、家康と家臣団とのやり取りにちょっと笑ってしまいました。肝心の最後の本能寺の変のときは、あ~そういうことにしたかと思いました。とにかく読んでみてほしいです。もしかしたらその可能性もあったかもと思われる方もいるかもしれません。

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    2019年11月17日
  • 決戦!本能寺

    購入済み

    周辺人物の話が面白い

    書きつくされたテーマであるだけに、主役の信長.光秀以外の周辺人物の話が面白い。
    特に意外な視点から描かれた宮本昌孝の作品が気に入った。

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    2019年11月16日
  • 敗者烈伝<文庫版>

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    賢者は理屈で動き、愚者は感情で動く。何事も自責で考える。敗者の生き方には、身の処し方の指針が詰まっている。繰り返し参照したい。

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    2019年10月17日