伊東潤のレビュー一覧

  • 山河果てるとも 天正伊賀悲雲録

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    人にはそれぞれの゛世界゛がある、かぁ。私の゛世界゛は、どこだろうか。

    読み終わって、改めてタイトルの秀逸さに溜め息がでる!

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    2022年02月13日
  • 叛鬼<文庫版>

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    ネタバレ

    「長尾景春」という人物はこの作品で初めて知った。
    順風満帆とはかけ離れた人生の中で信念を持ち続け行動する姿に心が惹かれた。また、おそらくどの時代よりも下克上の難しい時代の中で、成り行きとはいえそれを実行したことは、並大抵の苦悩ではなかっただろうが、それに押し潰されずに生きていく姿は、ただただ尊敬に値すると感じた。

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    2022年02月06日
  • 北条氏康 関東に王道楽土を築いた男

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    氏康を中心に、後北条氏5代についてよくまとまっている。伊勢宗瑞の出自や当時の関東における政治的な権威、北条家の税制改革、三国同盟の評価、祿壽應穩の印判、上杉謙信の越山と収奪、今川氏真と早川殿の消息など、面白い。

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    2022年02月06日
  • 修羅の都<文庫版>

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    ネタバレ

    義仲の嫡男義高が人質として鎌倉に送られてきた。人質とは言え、義高は大姫を娶ることになっており、このまま何も起こらなければ頼朝と義仲の関係は好転するはずだった。
    ところが平家を破って入京した義仲は、粗暴な振る舞いで後白河院の怒りを買い、頼朝に追討の院宣が下る

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    2022年01月12日
  • 国を蹴った男

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    五味与三兵衛貞氏、長束正家、毛利秀広、佐久間盛政、山上宗二、今川氏真と、比較的マイナーな人物についての短編。どれもこれもあり得るな、と思わせるストーリー展開で大変面白い。
    佐久間の独断専行が言われる賤ヶ岳についても、まつの話はさておいても、前田への期待を前提とすれば佐久間の意図は近いところなのかな、と思わされる。
    メジャーどころの大名クラスについては大御所が書ききってしまっているので、若手の作家さんはマイナーどころからスタートせざるを得ないのだろうけれど、この手の武将に光が当たって小説になるのはとても嬉しい。

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    2022年01月10日
  • 叛鬼<文庫版>

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    講談社文庫版。
    以前、職場の先輩に「You’re stranger.」と言われたことがある。もちろん、「変人」というわけではなく、「開拓者」の意味である、と。新しい時代の匂いを嗅いで、良くしていきたいと思う。でも、なかなかうまくいかないこともある。挫けることもある。でも、また頑張ろうかなと思う。長尾景春。妙に親近感と共感を覚える。

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    2022年01月03日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    簡単に説明すると歴史小説×スパイ小説。
    まず書き出しの「城をひとつ、お取りすればよろしいか」の言葉だけで、カッコいいたらありゃしない!

    城攻めというのは本来落とされないように厳重に作られ、敵の装備や食料などの準備も万端なところを攻めるわけなので、長期戦になりがち。
    そのため攻め手にとってもかなりリスクの伴う戦いなのだけど、それをこともなげにこう言い切ってしまう。それだけで先のしびれるものがあるし、先の展開にワクワクしてしまいました。

    関東を治めた北条五代。彼らに陰から使えた大藤一族を描く連作短編。時の武将たちの欲や心理のスキを突いた鮮やかな手法と展開の数々! いかに敵を惑わし分断するか、心

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    2021年12月05日
  • ライト マイ ファイア

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    ネタバレ

    なぜ、この本を読もうと思ったのか(たぶん、誰かのレコメンドを読んだ)わからないけど、すごく面白かった。
    学生運動からよど号ハイジャックの時代背景に書かれたフィクション。
    登場人物も魅力的な人が多かった

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    2021年10月25日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    方言を取り込んでみても、沖縄出身の作家に比べるとどうしても頭で書いている感じがしてしまうが、瀬長亀次郎の本土復帰運動や、その背景にある米国軍政下の沖縄の人々の虐げられた状況など丁寧に書き込まれている。

    いろいろと綺麗ごとを並べたところで、本土返還まで差別意識丸出しに圧政を続けたことは間違いなく、その流れは現在にも繋がっている。

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    2021年09月28日
  • 男たちの船出~千石船佐渡海峡突破~

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    命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子! が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!! 男たちの船は海に勝てるのか!? 感動必至──魂を込めた渾身の長編時代小説。

    船大工の親子が千石船作りに挑む歴史長編。『巨鯨の海』に続き伊東作品の2冊目。中盤までは巨鯨の海の方が面白かったなぁと残念に思っていたが、最後まで読んでみたら凄くいい本だと感じました。最近、涙腺が弱くなっているせいもあるのかわからないけど、思わずウルッとくるシーンが何度もあり。人情、親子の絆、健気な恋心。海洋ロマンもたっぷり詰まっています。 ストーリー進行のテンポがとてもいいです。楽に読書できるので息抜きに最適。

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    2021年09月19日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    人物の実在性すら確証の取りづらい時代について、当時の東アジア情勢や氏族間の勢力関係などに基づいて、納得感のあるストーリーで史実がつなぎ合わされていて、面白かった。著者の作品としては初めて読んだが、他にも歴史小説の作品があるようなので、これからぜひ読んでみたい。

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    2021年09月17日
  • 茶聖【電子特典付】

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    伊東潤さんが、これで直木賞を取る!と思っていました。何で?

    日本の戦国時代、お茶葉をひく石臼が火薬製造に使われた、とか、恩賞を土地から茶道具にした、とか、現実的に茶が使われていた認識でした。
    愛、平和の為のお茶だったとは!



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    2021年08月17日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    ネタバレ

    伊東潤氏の作品は史実を徹底的に調査されている。実在する瀬長亀次郎氏も登場し、占領下から返還に向けた沖縄における人々の心情や、想いだけではどうにもならない事実との葛藤などを交え、沖縄人としての誇りを伝えてくださっている作品でした。

    コロナ禍で行くことが憚られるが、日本わ代表するリゾート地の一つ沖縄。

    第二次世界大戦で米軍の占領下にあったとは知っているが、生まれた時には既に返還されており、教科書レベルの情報しか持ち合わせていない不勉強を恥じた。

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    2021年08月14日
  • 茶聖【電子特典付】

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    読みごたえあり、かなり時間がかかったが面白かった。

    隠居を選ばず、世の静謐といえ大義のために生きる。一つの生き方とそのための立ち回り方を感じた。

    後半からのりきとのやり取りグッと来る。

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    2021年08月08日
  • 武田家滅亡

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    素晴らしい。武田家滅亡を武田勝頼を中心にして、ここまで仕上げたのは見事としか言いようがない。
    偉大なる父武田信玄をもち、本来継ぐはずてなかった武田家を率いる事になった勝頼の苦悩、裏切り、愛情が心に染み入ります。
    最後に、あそこまで家臣に裏切られてしまった勝頼の悲劇を思わずにはいれません。

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    2021年08月02日
  • 武士の碑

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     熊本地震から間も無い7月の梅雨明け頃に、熊本市街から植木まで路線バスで移動、植木から徒歩で田原坂へ向かったことがあります。曇り空のなか、移動中の高低差は無く、田原坂を突破されると熊本城まで遮るものが無いため、加藤清正が北の要衝と定めた地勢を足で実感しました。
     その後、大河ドラマ「西郷どん」の放送も決まり、西郷隆盛に関連する本を読み耽りました。しかし小説はそれが面白いほど史実が分からなくなるので、愛読の「翔ぶが如く」を除いて読まないことにしていました。
     
     もうそろそろ良いかと思い、遅ればせながら本書を手にしました。史料が少ないため謎多き人物である「村田新八」を主人公とした西南戦争を舞台と

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    2021年07月31日
  • 修羅の都

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    源頼朝が自我を失っていく様は、生々しく悲しい。
    そして北条政子、義時、源頼家、そして比企能員や梶原景時など取り巻く人々の思惑など、鎌倉幕府の過渡期の危うさを、ドラマティックに描いている。

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    2021年07月21日
  • 修羅の都<文庫版>

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    義経討伐から頼家政権交代まで。
    吾妻鏡の隙間を縫った、秀逸な創作だった。
    これで来年の大河困らない(笑)
    なによりも頼朝を中心とした人間関係のあれこれが政治的に描かれてたのが分かり易かった。

    平清盛にしろ、頼朝にしろ、織田信長にしろ、豊臣秀吉にしろ、若い頃にブイブイ言わせてた政治家は早いうちに隠居した方が良いね。歴史から全く学ばない所はそこなんだよな、と思いつつ、興味深く読みました。

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    2021年07月19日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    城取りを主人公に加藤清正のかっこよさも描かれてて面白いんだけど、なんかクライマックスがない感じ。築城の技術的な話が難しくて理解できなかったからかも。

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    2021年06月19日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    ネタバレ

    熊本城を築城する話しかと思って読んだら
    清正の城取の藤九郎の半生を描いた小説だった。

    若輩の上司が周りに認められるにはどうすれば良いか、
    上司の無茶振りにどのように答えていくか。
    最初は父親が記した秘伝書から答えを見つけていたが、後半にはそれを踏まえ自分の今までの経験から答えを導き出していった藤九郎に感動した。

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    2021年06月13日