伊東潤のレビュー一覧
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簡単に説明すると歴史小説×スパイ小説。
まず書き出しの「城をひとつ、お取りすればよろしいか」の言葉だけで、カッコいいたらありゃしない!
城攻めというのは本来落とされないように厳重に作られ、敵の装備や食料などの準備も万端なところを攻めるわけなので、長期戦になりがち。
そのため攻め手にとってもかなりリスクの伴う戦いなのだけど、それをこともなげにこう言い切ってしまう。それだけで先のしびれるものがあるし、先の展開にワクワクしてしまいました。
関東を治めた北条五代。彼らに陰から使えた大藤一族を描く連作短編。時の武将たちの欲や心理のスキを突いた鮮やかな手法と展開の数々! いかに敵を惑わし分断するか、心 -
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命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子! が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!! 男たちの船は海に勝てるのか!? 感動必至──魂を込めた渾身の長編時代小説。
船大工の親子が千石船作りに挑む歴史長編。『巨鯨の海』に続き伊東作品の2冊目。中盤までは巨鯨の海の方が面白かったなぁと残念に思っていたが、最後まで読んでみたら凄くいい本だと感じました。最近、涙腺が弱くなっているせいもあるのかわからないけど、思わずウルッとくるシーンが何度もあり。人情、親子の絆、健気な恋心。海洋ロマンもたっぷり詰まっています。 ストーリー進行のテンポがとてもいいです。楽に読書できるので息抜きに最適。 -
Posted by ブクログ
熊本地震から間も無い7月の梅雨明け頃に、熊本市街から植木まで路線バスで移動、植木から徒歩で田原坂へ向かったことがあります。曇り空のなか、移動中の高低差は無く、田原坂を突破されると熊本城まで遮るものが無いため、加藤清正が北の要衝と定めた地勢を足で実感しました。
その後、大河ドラマ「西郷どん」の放送も決まり、西郷隆盛に関連する本を読み耽りました。しかし小説はそれが面白いほど史実が分からなくなるので、愛読の「翔ぶが如く」を除いて読まないことにしていました。
もうそろそろ良いかと思い、遅ればせながら本書を手にしました。史料が少ないため謎多き人物である「村田新八」を主人公とした西南戦争を舞台と