伊東潤のレビュー一覧

  • 囚われの山

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    世界登山史上最大級の遭難と言われる1902年(明治35年)の八甲田雪中行軍遭難事件。
    新田次郎氏著の『八甲田山死の彷徨』を原作として、1977年に映画化された『八甲田山』。
    軍規を盾に、兵隊に強要する理不とも云える命令、そのために生じた悲惨な事態が描かれていた。

    雪中行軍の特集記事を書くにあたって、歴史雑誌編集者の菅原誠一が資料を調べていると、行軍総数210名中、遭難者数は199人とされているのだが、実は200人だったのではとの疑問点を見つける。
    この1名の兵隊は、何らかの事情があって軍が隠蔽したのではと推測し、その真相に迫ろうと八甲田に取り憑かれたように資料収集と現場での取材に入り込んで行

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    2023年08月17日
  • 家康謀殺

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    伊藤潤は短編小説の人だと思っている.歴史に埋もれた人物を主人公に仕立てるのが抜群に上手い.
    本書は戦国から大阪の陣までを背景に綴られた短編集で,期待に違わぬ面白さ.

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    2023年08月17日
  • 城を攻める 城を守る

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    小説家である著者は、自著の作品の根拠として城を研究してきた。その成果が本書であろう。それも、現存または復原天守だけではなく、山城までを含め、城郭攻防という視点から書かれていることに好感を覚える。北海道から鹿児島までの城を順に紹介するが、やはり西に行くほどエピソードが増えていくのが面白い。最後の熊本城は、日本の内戦の終焉という意味でも象徴的な城だ。中世の城址に近世の模造天守を建築してしまったり、復原天守にエレベーターを設置する・しないで揉めてしまう我が国。遺構の少ない山城は見向きもされない悲しさを感じた。

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    2023年08月14日
  • 一睡の夢 家康と淀殿

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    ネタバレ

    大坂 冬の陣夏の陣を時を遡りながら描いた小説。
    家康と淀君は並び書かれている本はこれまであまりなかったけれどこういう視点もあり。

    充実した読書タイム。
    大河ドラマの面々の顔が浮かぶけれど、ふ~む。
    違うなぁやっぱり。

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    2023年07月31日
  • 囚われの山

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    日本人は「空気を読んで忖度する」事に関してどの民族よりも秀でている。その塊のような八甲田山雪中行軍遭難事件を伊藤潤先生が現代と当時を行き来しつつ物語りにしてて面白い。

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    2023年07月23日
  • 巨鯨の海

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    捕鯨を題材にした作品なので、鯨と人との勇壮な闘いが物語の中心なのだろうと勝手に思い込んで読み始めたのだが、視点が違っていた。
    飢えて死ぬことが珍しくなかった時代に、鯨を捕ることで、地域全体が栄え、支え合って生きていける。集団で闘えば、集団みんなが生きていける。生きていくために強固に結びつき、生きていくためには強固に結びつかなければならない。その閉じた社会を維持するための絶対的な掟の下で、闘って生活の糧を得るために、特殊技能を磨き上げていく。それが生きることの全て。
    集団として生きる個。生きる手段が生きる目的だった。そこに訪れた時代の大きな転換。題材は捕鯨ではなかったのかもしれない。

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    2023年06月20日
  • 囚われの山

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    八甲田山の話がこれほど壮絶だったとは。当時の軍部のどうしようなさに怒りがわいてくる。ミステリ仕立てになっているところもめちゃくちゃ面白くて一気読みだった。

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    2023年06月18日
  • 囚われの山

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    エピローグの途中までは凄く良かった。
    結末にはホントに漫画の様に、頭の先からつま先までゾゾゾっと悪寒が走った。
    最後の最後は要らなかったんじゃないかなぁ

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    2023年06月12日
  • 一睡の夢 家康と淀殿

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    ネタバレ

    家康は信長・秀吉が無しえなかった権力の継承を
    願い、あらゆる知恵を注いできた(´・ω・`)
    本書では親の想い・子の束縛を逃れたい考えなど
    随所に差込まれ、私のしらない淀殿の清々しさも
    あいまって新鮮な印象の本となった
    タイトルどおり家康と淀殿の揺れ動く感情を時々
    の立場を踏まえた丁寧な描き方である

    日本人なら知り尽くしている時代背景もあるので
    細かく挟み込まれる過去の情景も、心情描写に役
    立っている・・・オリジナル小説なら煩雑で複雑
    怪奇となり読者は現在地を見失うだろう(´・ω・`)

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    2023年06月12日
  • 天下大乱

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    本の雑誌が選ぶ、2022年度時代小説第2位
    に挙がっていたため購入。
    天下分け目の決戦までの輝元、家康の総大将
    の心の動きや取り巻く知将たちとの交わりが、
    テンポ良く場面ごとに繰り広げられていて、
    何とも面白い。
    これを機に他の伊東作品もチェックしたいと思った。

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    2023年06月07日
  • 囚われの山

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    120年前の八甲田山の悲劇を題材にしたミステリー。平社員の立場に不満をつのらせていた編集者、菅原。右肩下りの歴史雑誌の特集号で、八甲田山の悲劇に隠された謎を取り上げたところ企画は成功し、第二弾の取材として当初からの疑問を解明すべく、実際の行軍と同じ日に八甲田山入りした。120年前とシンクロする様に命の危機が迫った時、その謎は明かされる。菅原同様に、自らも八甲田山に囚われたような読書だった。現在と当時の話が交互に展開される構成が良い。限界を遥かに超えた極寒状態が人体に与える影響といったら………

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    2023年06月04日
  • ライト マイ ファイア

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    生まれた頃の話し、よど号、あさま山荘…。正直あまり興味がなく、この本もかなり躊躇しました。
    が、おもしろかった。この分厚い本の後半は一気に読んでしまった。
    どこまでが事実なのか、考えさせられる物語でした。
    さすが、伊東潤!
    ハズレないです!

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    2023年06月04日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    沖縄に来るすべての人と、国会議員にP175を読んでほしい。

    しかし、経済的理由という名の元に沖縄を内地に売り渡す輩が存在するのも事実。

    長期的に見れば不経済ということがわからないのか?

    払ってもいい金額:1,900円
    貼った付箋の数:5

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    2023年06月04日
  • 修羅奔る夜

    H

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    面白いが

    内容としては、一人の女性の成長物語です。その点では、面白かったのですが、あまりにねぶたに関する知識を披露する部分が多くて、入り込めませんでした。ねぶたに関する記述をほんの少し減らすと、良いのでは。

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    2023年05月28日
  • 浪華燃ゆ

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    小説としてはそこまで面白くなかったが、大塩平八郎について、学校の教科書レベルの知識しかなかったので大変勉強になった。時代背景は十分理解していたので、人となりと思考回路がわかっただけでも収穫。

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    2023年04月28日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    城に込められた熱き想い

    作者の城に対する深い想いが安土城から名護屋城、倭城、そして名城、熊本城を生み出した感動の物語を紡いでいる。それをひきだしたのは兎角武闘派と言われる加藤清正が実は大局観、行動力に満ちたバランス感覚のある武将という作者の解釈によるもの。清正の語る対局に従い城づくりの人々が築城技術、工期に死力を尽くす姿はリアルだ。
    これまで何度も足を運んでいる熊本城。傷も癒えてはいないが改めて訪れてみたい思っている。

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    2023年04月21日
  • 一睡の夢 家康と淀殿

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    史実を元にしたフィクションということだろうが、非常に丁寧でわかりやすい。この種の歴史小説の中では大変レベルが高いものとして評価されるのではないだろうか。これまでの他の小説や教科書で取り上げられる史実が縦糸であるなら、この作品は横糸で、双方を読むことで歴史がリアルに立体的に浮かび上がってくるというイメージがある。あくまでもフィクションではあるにしても。
    また日本の歴史に興味が出てきた。

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    2023年04月11日
  • 西郷の首

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    さすが伊東潤!かなり面白い。
    「武士の碑」を読んだすぐ後だったので勝手に、タイトルから西南戦争の政府軍視点ものたと思ってました。

    いやいや、主役の二人はある意味、有名人だったんですね。勉強不足で全く知りませんでした。

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    2023年04月10日
  • もっこすの城 熊本築城始末【文庫版】

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    「塞王の盾」から派生して辿り着いた。これも面白い。作者、加藤清正好きすぎない?ってくらい魅力的に書かれているし、安土城から名護屋城、大阪城、蔚山城を経て熊本城に至る流れもアツい。秘伝書頼みの仕官から最後の人間力による築城まで、ブラックな面も多分にあるけど、エンジニアとして羨ましい人生だなと。

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    2023年04月08日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    北条五代を陰から支えた一族の活躍が描かれているが、なんで先まで見通していて、また、どれだけ手札を用意しているのだと感じさせられた。また、常にうまくいくのではなく、壁にぶつかりつつも、当意即妙な対応をとっており、より痛快に感じた。

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    2023年03月30日