伊東潤のレビュー一覧

  • 武田家滅亡

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    桂の苦悩が……勝頼の苦悩が……その他多くの登場人物たちが、本当に胸を苦しくする。勢いを失ったものの哀しみ、最期まで従う忠義。
    人間の感情が詰まった、一冊である。

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    2018年05月07日
  • 決戦!関ヶ原

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    歴史小説は好きでこれは面白いと思って読んだが期待通りであった。7人の上手い書き手による人物ごとの短編である。それぞれが書き込まれているので、短編集にありがちな薄さ物足らなさはなかった。
    書き手の取り上げ方によって史実の見方を変えている所も興味深い。一番は「怪僧恵瓊」だった。
    このシリーズは追っかけたい。

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    2018年05月03日
  • 国を蹴った男

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     この方の歴史短編は、誰を題材にしても深みがあって、本当に外れがない……今回も良作揃いでした。
     戦国時代の「敗北者」たちをピックアップした短編集ですが、市井の人の活躍が大好きな私のお気に入りは、数字・経済的側面からの戦を描く「戦は算術に候」と、蹴鞠職人の視点で今川氏真を見守る表題作「国を蹴った男」。他のタイトルにも共通していますが、戦や政治以外の才にたけた人物たちの、だからこその皮肉が光ります。
     そんな中で異彩を放つのが、冒頭作「牢人大将」。政治的思惑に踊らされることなく、己が意志を貫き、己が職務を全うする無理之介の天晴な戦いぶりが清々しいです。
     それにしても、伊東さんが描かれる三英傑の

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    2018年04月30日
  • 北条氏康 関東に王道楽土を築いた男

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    北条家という、歴史小説ではレアなイメージのある武将および家系がメインの本。

    歴史小説でもなく、解説書などでもなく、手軽に読めてなおかつ史実に沿った解説が伝わってくる本でした。

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    2018年03月22日
  • 決戦!関ヶ原

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    関ヶ原の戦いを7人の武将の視点から、7人の小説家が描いたオムニバス短編。一つの事件でも、異なる立場から見たら別々の物語になる。ということを感じさせてくれる。

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    2018年03月11日
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)

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    闘志と背丈は、必ずしも比例しない。
    「……たまるか」「……たまるか」と生きていきたい。

    佐藤賢一の『ラ・ミッション』のブリュネも、また読み返したくなった。

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    2018年03月10日
  • 一睡の夢 家康と淀殿

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    秀頼の復権を目指す茶々と、秀忠への世代交代を目指す家康が対照的で面白い。茶々はそれが叶わなくなると、武家の誇りを守り抜くことに注力し散っていく姿が、清々しく感じた。

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    2026年01月17日
  • 修羅の都<文庫版>

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    「夜叉の都」を先に読んでしまったことを後悔。頼朝死後、「武士の府を守る」を大義名分に、血を分けた将軍の抹殺や古参の御家人の滅亡に突き進むことになった背景が分かってもっと理解を深められたように思う。
    ところで、頼朝の死は落馬だとずっと思ってきていたが、どこかあっさりし過ぎていて腑に落ちてなかった。
    所説色々あるようだが、本作品では頼朝の老耄による幕府崩壊の危機を回避するために、政子・義時兄弟が仕組んだ毒殺というのは尤もらしいと感じた。53歳で?、という疑問は残るものの。

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    2026年01月17日
  • 走狗

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    戌年の1冊目は、『 走狗』。犬ですな。警察組織を作り上げた川路利良の一代記。
    西郷の、大久保の、明治という時代の、自らの野心の、走狗であった。まさに、狡兎死して走狗烹らる、であった。

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    2018年01月09日
  • 北条氏康 関東に王道楽土を築いた男

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    織田信長、徳川家康、上杉謙信、武田信玄と比べると何となく影が薄いと思ってきたけど、北条氏康の生きざまも好きになりました。

    北条氏康よりも北条早雲を思い出しますが、考えてみると、武田信玄、上杉謙信と言った強者たちと互角に渡り合ってきたのだから、優れた武将だと思う。

    特に四公六民の民に優しい政治や倹約を重んじたり、合戦への奢りからくる不行儀なことを戒める五ヶ条の遺訓は今にも通じる教義だと思います。

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    2017年12月19日
  • 走狗

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    幕末からの維新やったー!って物語かと思って読み始めたら、意外と実際の史実をベースにしながら、中盤後半とどんどこ維新の裏側の新解釈が盛り込まれつつも、そこに至る状況の描写が鮮明で、今までボヤッとしてた維新のエピソードが、腑に落ちていくのが面白い。主人公の日本の近代警察の父、川路利良がこの物語のように実際に暗躍したかはわからないし、そこはフィクションとして楽しめばいいかと思うが、維新ものとして新たな楽しみ方を提供してれた作品となった。

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    2018年01月07日
  • 北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録

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    謙信の死後、2人の養子が家督相続をめぐって争いが
    起こりました。北条氏から養子に入った上杉景虎の
    視線から書かれた小説です。
    「天地人」の主人公・直江兼続がヒール役に
    なっています。

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    2017年12月12日
  • 決戦!関ヶ原

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    先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
    今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。

    2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。

    この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝

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    2017年12月05日
  • 天地雷動

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    信長が死んだ後の、かつての戦国最強軍団・武田家vs織田・徳川連合軍の、天下分け目の戦い描いた作品。武田・織田・徳川・秀吉 それぞれの組織の作り方がすごく勉強になる。信玄は強かったけど強すぎて二世がうまく育たなかったんだなあ。徳川は、強さ(カリスマ性)より人の良さで上に上り詰めたんだなあ。とか。

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    2017年11月05日
  • 決戦!関ヶ原

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    ありえないとも言い切れない設定、前提が面白い連作だった。冲方丁目当てで読んだが、どれも読み応え十分だった。

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    2017年09月19日
  • 江戸を造った男

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    ネタバレ

    河村瑞賢のおはなし。経世済民の具体例。江戸という100万都市を可能にする流通システムを作り上げた男の仕事人生。

     振袖火事で燃え尽きた江戸を復興していくところから始まるところが良かったんだろう。建て増するより、更地になったところから都市計画を作ったほうが良いものができる。江戸の復興を担った保科正之とか松平信綱とかの都市計画を支えたのはこういう実力をつけてきた商人たちだったんだよなぁ。


     経済規模の拡大ができる人ってのがポイント。歴史に名を残す商人になりたかったら、公共事業に私財を投入して、自分たちの市場を拡大して投資分を回収するのだ。現代の投資家であるビルゲイツとか孫正義もそういうことを

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    2017年09月19日
  • 合戦の日本史

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    5名の小説家による歴史座談会。山本兼一さんが亡くなられたので、途中から4名になっています。信長・秀吉・家康・幕末がテーマの4回。
    やはり、同じ歴史上の出来事でも、それぞれが着目する点って違うんだな、と当たり前なんだけど新鮮に感じました。それだからこそ、数々の歴史小説を読む意味もあるというものです。まだまだ読書量も勉強も足りません。

    司馬遼太郎の影響について言及されているのも興味深い。ざっくりいうと、司馬遼太郎を超えて行け、ということですな。あの竜馬を超えるのは大変でしょうねぇ。
    三国志演義と三国史は別物。それに気づいたのっていつだろう?史書でなく小説・マンガから触れることが多いのが歴史だと思

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    2017年09月17日
  • 国を蹴った男

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    よかった。特に「天に唾して」「国を蹴った男」。かたや天下人秀吉に喧嘩を売った宗二、かたや生まれる時代を間違えた氏真を愛した五助。末期は「死」に行き着くが、男の生き様を見た思いで感動した。痛快な短編に出会い嬉しい。

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    2017年07月30日
  • 決戦!関ヶ原

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    それぞれの関ヶ原。勝つものがいれば、当然負けるものもいる。領土への野心のため。天下のため。家を守るため。戦う理由はひとそれぞれ。

    怪僧恵瓊の毛利に対する態度。家康と三成との結託。面白かったけど、人間的に好きになったのは小早川秀秋。徳川と豊臣との間で揺れながら米のことを考える姿がよい。幼少より秀秋のことを考える家臣がいたなら世間の評価はまた変わったものになったかもと思う。

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    2017年07月26日
  • 天地雷動

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    ネタバレ

     勝頼・家康・秀吉、そして「宮下帯刀」の四つ視点から長篠合戦を描き出す骨太作品。伊東さんの長編はいつも前半を読むのがなかなか大変ですが、中盤からクライマックスにかけての盛り上がりに飲み込まれます。三段撃ちのシーンへの持って行き方が巧すぎる……!
     有名どころ三人それぞれの性格や苦労・苦悩の違いも見どころですが、この面々の中では異色の帯刀視点でのエピソードが、一番心に残るものがありました。

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    2017年07月18日