伊東潤のレビュー一覧

  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    主役の二人のことは正直あまり印象に残らなかった。それより主役ではないが、これに出てくる清正の方が印象に残った。勇猛果敢で威厳があって、家臣思いで。自分の与えられた道をまっすぐに突き進むイメージだが、ふとしたときに、儂は本当にこの道をそのまま突き進んでいってもよいのだろうか?と迷いを見せたりもする。そこがよかった。弟分の左京殿を自らの危険も顧みずに助けに行くところは、ちょっと泣けましたぞ。伊東先生、清正さんをかっこよく書いてくれてありがとうございました。

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    2019年11月20日
  • 峠越え

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    タイトルは本能寺の変のときの、家康の伊賀越えから来ています。そのタイトルにもなっている、クライマックスの出来事に向けて、家康が信長との関わりを回想する形で物語は進んでいきます。前半は結構コミカルな感じで、家康と家臣団とのやり取りにちょっと笑ってしまいました。肝心の最後の本能寺の変のときは、あ~そういうことにしたかと思いました。とにかく読んでみてほしいです。もしかしたらその可能性もあったかもと思われる方もいるかもしれません。

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    2019年11月17日
  • 決戦!本能寺

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    周辺人物の話が面白い

    書きつくされたテーマであるだけに、主役の信長.光秀以外の周辺人物の話が面白い。
    特に意外な視点から描かれた宮本昌孝の作品が気に入った。

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    2019年11月16日
  • 敗者烈伝<文庫版>

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    賢者は理屈で動き、愚者は感情で動く。何事も自責で考える。敗者の生き方には、身の処し方の指針が詰まっている。繰り返し参照したい。

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    2019年10月17日
  • 江戸を造った男

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    2019.10.01
    商人とはこのようなものであったかと思う。尊敬される人とはこのようであるのか!とも思わされた。
    しかし、人生の手本になるような一冊であった。

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    2019年10月01日
  • 決戦!本能寺

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    7人の作家が異なる主人公と視点、解釈で本能寺の変の顛末を描くアンソロジー。なので黒幕も作品毎に異なり、面白い。個人的には冒頭の織田信房編と5編目の細川幽斎編が良かった。特に織田信房編は君誰やねん???から終始定説の外を突っ走る展開でこんな本能寺があるのかと驚いた。
    結びの明智光秀編は光秀と彼を歴史の表舞台へ引っ張り出してきた信長の最後の対話が実に悲しい。

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    2019年09月23日
  • 横浜1963<文庫版>

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    ミステリーではあるけど、今まで読んだことないミステリーだった。(時代背景とか)
    またソニーとショーンの二人のどこか認め合ってる姿が小気味よく、引き込まれていった。

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    2019年09月17日
  • ライト マイ ファイア

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    99時代劇の印象があったけど、時代考証もさすが!赤軍派の内幕を描いた他の作家の作品よりずっとストーリーも文体も上手だと思う。一気に読みました。面白かった!

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    2019年08月24日
  • 真実の航跡

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    艦名や人物名が架空のものに変えられているが、ビハール号事件のドキュメンタリー的な小説と言えよう。ここに出てくる各軍人の実際の性格は不明だが、かなり史実を研究して書かれているように思われる。
    終戦記念日に近い時期、そして、軍内部の指揮命令や忖度といった時宜にかなったテーマなど、いま読むべき一冊であった。責任者が結果の責任を取る姿勢とか、戦中・戦後の日本の歩みなど、考えさせられるところが多い。

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    2019年08月12日
  • 横浜1963<文庫版>

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    伊東潤『横浜1963』文春文庫。

    これまで歴史小説を書いてきた著者が初めて書いたミステリー小説。

    容貌が米国人のハーフの日本人・ソニー沢田と容貌が日本人の日系米国人・ショーン阪口という二人の登場人物の設定が面白い。また、描かれている時代と事件はデイヴィッド・ピースの一連の作品を彷彿とさせる。

    読んでみると、ミステリー小説としてこれだけ起承転結がはっきりしているが珍しく、最終章でもう一波瀾あるなと思ったら、その通りであった。

    本作の舞台となる1963年と言うと終戦から18年が経過した高度経済成長期の最中にあり、戦争の面影など微塵も無いのかと思っていた。しかし、米軍が駐留する港町の横浜や横須賀では、まだまだ米軍が我が物顔で闊歩する現在の沖縄のような状況であったのだろう。

    東京オリンピックを翌年に控えた1963年、横浜で発生した女性連続殺人事件は、米軍兵士の犯行と目され、神奈川県警のハーフの刑事・ソニー沢田は、横須賀基地の日系三世のSP・ショーン阪口と共に真犯人に迫る。

    本体価格730円
    ★★★★

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    2019年07月16日
  • ライト マイ ファイア

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    ページをめくる手が止まらない、史実を参考にした、上質なサスペンス。歴史小説が大好きで、著者の本はかなり読んでいるのだが、近現代モノは初めて。こちらもかなり面白い!ただ、終わりが少しあっさりしすぎている感じも。

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    2019年06月11日
  • 真実の航跡

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    本小説の一節。

    あの戦争は、日本が国際社会の一員になるために必要なもの、いわば通過儀礼のようなものだったんだ。明治日本は、ほかのアジア諸国と違っていち早く産業革命の恩恵を受けて近代国家へと変貌を遂げた。それゆえその後、欧米諸国に伍していけると勘違いしてしまった。その根拠のない自信が孤立を招いた。今回の大戦で、日本は外交的に孤立しては駄目だということを痛感しただろう。それが分かった今、初めて日本は諸外国の立場を重んじ、痛みを分かち合える国際社会の一員として生まれ変われるはずだ。それを思えば、彼らは、これからの日本の礎を築いたことになる戦死者たちは無駄に死んだんじゃない。

    久々に精神性の高い小説を読みました。

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    2019年05月18日
  • 峠越え

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    家康のみならず家臣団の人物像を魅力的に描いたエンターテインメント作品。本能寺の変の独自解釈は、なかなか興味深かった。師である太原雪斎の言を反芻するシーンや家康の所々でのボヤキが絶妙でした。

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    2019年05月07日
  • 走狗

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    人間の善悪は表裏一体であり、誰もが両面を持ち合わせている。一度誰かの(何かの)走狗になった人間は、そこから抜け出すことはできない。目的が正しければ、いかなる手段を取ることも肯定されるのか、否、それは結局全ての人を不幸にする。著者の人間理解が次から次へと表現されている。
    利良がダークサイド?に堕ちる過程の描写が少々淡白なのが気になるが。

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    2019年05月06日
  • 修羅の都

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    鎌倉幕府誕生直後から源頼朝死去までの治世を北条政子視点で読み解くという実にマニアックでよい時代小説。特に晩年の源頼朝がアルツハイマーだったという大胆な設定にすることにより、現代のそこかしこで起きている高齢家庭問題、あるいは企業の継承問題とシンクロするという作者の狙いが大当たりした作品となっているように思える。政子さん、がんばった、がんばったよね!

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    2019年01月05日
  • 決戦!大坂城

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    決戦シリーズを初めて読みました。同じ出来事でも、当然ながら作家さんにより解釈が違うので面白いですね。大阪に移住したので読んでみようと手を伸ばしましたが、より大阪を好きになれた気がします。他の決戦シリーズも読んでみたいです。

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    2018年11月15日
  • 国を蹴った男

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    牢人大将(那波無理之輔、五味与惣兵衛門。「長篠合戦」)
    戦は算術に候(石田三成、長束正家。「関ケ原合戦」)
    短慮なり名左衛門(毛利名左衛門、直江兼続)
    毒蛾の舞(佐久間盛政、まつ。「賤ケ岳の戦い」)
    天に唾して(山上宗二。小田原合戦)
    国を蹴った男(今川氏真、五助)

    信玄や信長、秀吉は天下に手を伸ばした名将でありながら、ときに義を忘れ欲から逃れられずに生涯を閉じた。
    一方で、彼らに翻弄されつつも恩を重んじ、自らの信念を貫き通した者たちがいた。明日なき乱世で、誇り高き牢人、茶人、職人らが命を賭して挑む、それぞれの戦い
    。吉川英治文学新人賞受賞作。

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    2018年11月17日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    「何か新しいことをやろうとすれば、問題が次々と出てくるのは当然のことだ。それを地道に片付けていく根気があるかどうかが、成功者と失敗者を分けるのだ。」七兵衛のこの言葉が心に響く。気持ちが萎えたとき、何度も思い出したい言葉。著者らしいマッチョな世界観で構成されているが、挫けそうなときに気持ちを奮い立たせてくれる一冊。

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    2018年11月10日
  • 城を攻める 城を守る

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     【白河城】 東北戊辰戦争の行方を左右した城郭攻防戦
    【会津若松城】 幕末最大の悲劇の舞台となった白亜の名城
    【五稜郭】 箱館戦争の舞台となった欧州式稜堡型城郭
    【新井城】 武士の時代の終わりを告げた海城
    【河越城】 新旧交代の舞台となった武蔵国の要衝
    【箕輪城】 孤高の奇才・長野業政の築いた城郭網
    【鉢形城】 戦国時代の黎明から終焉まで、激戦の舞台となり続けた要害
    【八王子城】 関東平野を睥睨する巨大山城
    【水戸城】 血で血を洗う同士討ちの舞台となった名城
    【川中島合戦と海津城】 信玄の高速道路を支えた一大兵站拠点
    【一乗谷朝倉館】 現代によみがえる中世城郭都市
    【七尾城】 北陸有数の巨大山城を攻略した謙信の軍略
    【春日山城】 謙信が手塩にかけて造り上げた戦国最強の山城
    【桶狭間合戦をめぐる城郭群】 伊勢湾経済圏支配をめぐる織田・今川両家の熾烈な攻防戦
    【懸河城】 今川家の駿遠防衛構想の切り札となった要害
    【二俣城攻防と三方ヶ原合戦】 巨匠武田信玄が最後の筆を揮った会心の一戦
    【長篠城】 戦国時代の流れを変えた山間の城
    【高天神城】 栄光と没落の分岐点となった東海一の堅城
    【山中城】 緒戦の大切さを教えてくれた戦国山城の最終型
    【韮山城】 四万四千の豊臣軍を翻弄した北条家創業の城
    【小谷城】 戦国時代を代表する難攻不落の大要害
    【有岡城】 戦国有数の悲劇の舞台となった怨念の城
    【賤ヶ岳合戦と陣城群】 天下の帰趨を決めた陣城戦
    【大坂城】 外交的駆け引き

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    2018年11月04日
  • 修羅の都

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    ネタバレ

    平家滅亡から頼朝の死までを描く歴史小説。

    往年の大河ドラマ「草燃える」やその原作の永井路子の一連の作品を思い出しました。
    確かに、あれからこの時期にスポットを当てた小説やドラマを目にしていませんでした。
    新解釈として義経をわざと奥州に逃したこととか頼朝がだんだんおかしくなっていくところは、その目の付け所に感心しました。
    プロローグとエピローグが承久の乱に突入するところなのも良いと思います。
    残念なのは、頼朝の死後から承久の乱までを政子の独白で流してしまったところです。
    この部分は続編を出してほしいと思いました。

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    2018年11月02日