伊東潤のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ河村瑞賢のおはなし。経世済民の具体例。江戸という100万都市を可能にする流通システムを作り上げた男の仕事人生。
振袖火事で燃え尽きた江戸を復興していくところから始まるところが良かったんだろう。建て増するより、更地になったところから都市計画を作ったほうが良いものができる。江戸の復興を担った保科正之とか松平信綱とかの都市計画を支えたのはこういう実力をつけてきた商人たちだったんだよなぁ。
経済規模の拡大ができる人ってのがポイント。歴史に名を残す商人になりたかったら、公共事業に私財を投入して、自分たちの市場を拡大して投資分を回収するのだ。現代の投資家であるビルゲイツとか孫正義もそういうことを -
Posted by ブクログ
5名の小説家による歴史座談会。山本兼一さんが亡くなられたので、途中から4名になっています。信長・秀吉・家康・幕末がテーマの4回。
やはり、同じ歴史上の出来事でも、それぞれが着目する点って違うんだな、と当たり前なんだけど新鮮に感じました。それだからこそ、数々の歴史小説を読む意味もあるというものです。まだまだ読書量も勉強も足りません。
司馬遼太郎の影響について言及されているのも興味深い。ざっくりいうと、司馬遼太郎を超えて行け、ということですな。あの竜馬を超えるのは大変でしょうねぇ。
三国志演義と三国史は別物。それに気づいたのっていつだろう?史書でなく小説・マンガから触れることが多いのが歴史だと思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本人は、武士階級にとどまらず町民まで
読み書きそろばんを、広く寺子屋で習得できた。
町民文化の豊かさは、その書物の多さにも知ることができる。
明治以降、江戸以前を否定し、西欧文化を推奨してきたために
知られずにいた、数々の物語が、古文書を読み解く研究者の
努力の賜物で、明治以前の日本人の魂を聞けるような
物語が読めることになった。
この本の主人公は、河村瑞賢。
河村七兵衛という商人。と入っても元々は地方の田舎に住む
貧乏な下級武士の子、町人になった叔父に預けられ
江戸に出る。叔父が亡くなり、一度は離散し、大阪へと
出るが、その途中ある老武士に出会い、
骨相を見ると
「己れ一個の欲心を捨て