伊東潤のレビュー一覧

  • デウスの城

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    ネタバレ

    昨日、天草の崎津集落に行ってみたからタイムリー

    関ヶ原で西軍についた小西家(小西行長、キリシタン大名)の若い家臣彦九郎、善太夫、左平次の3人のその後のとんでもなく苛酷な生涯…かな

    視点が3人分あって次々入れ替わり多角的。だから、読みやすいという印象はない
    読書メモに書きながら読んだ

    佐平次は武士として生きるために棄教、その罪悪感からキリシタン弾圧にかえって邁進。

    彦九郎はキリスト教の残酷性に苦悩しながらキリスト者として生きている。

    善太夫は、殉教よりも人々を死なせぬ(衆生を救う)ことに重点を置き、そのために僧侶となりキリシタンたちに殉教せぬように(表面上だけ棄教するように)説得する。

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    2024年05月17日
  • もっこすの城 熊本築城始末【文庫版】

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    日本の城が好きです。特に巨大な建設物が大好きです。この物語の熊本城には行ったことはないけど、「加藤清正が建てた熊本城」・・・確かに表現は間違いじゃないけど、加藤清正が建てろと言った熊本城、が正解だろ!と感じる小説でした。
    伊東潤の「江戸を造った男」と同じ感動を味わえる、かなりお勧めの一冊です。

    熊本城復活にちょっとでも貢献するよう、訪問したくなりました。

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    2024年04月29日
  • 江戸咎人逃亡伝

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    夢でありんす→絵師に娘は最初からおらず絵の精かなんかだった。又は春日野は既に死んでいて幽霊が絵を描いていた。さあどっちだ?
    儚くて好き。
    山の話→最初は暴君の話かと思ったら又蔵がマタギの知識を駆使して追っ手から逃げる攻防が非常に面白い。最後の落ちも良かった。

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    2024年04月09日
  • 江戸咎人逃亡伝

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    面白い。手に汗握り一気読み。しかし荒唐無稽とも言える。
    三作品からなる。
    一。話を作りすぎ。
    ニ。ちょっと落ちはひどい。思いつかなかったか。
    三。よく出来ている。義格の性格ががなかなかいい。しかしこれは史実と矛盾なく作ったのか。調べたくなってくる。

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    2024年04月01日
  • 江戸咎人逃亡伝

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    窮地から逃げた罪人を追う時代小説。
    忠義を重んじる中間の杢之助の佐渡抜け、人情に絡んだ花魁の足抜け、無謀な藩主に追われるマタギの男。
    追われる者と追い詰める者のせめぎあいを緊張感をもって描き、追う者の葛藤や逃げる者の理不尽な罪状が読者に咎人へと感情移入させ、物語をより興味深く誘ってくれる。
    逃げる、追い詰める、単純な図式だが面白い小説だった。

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    2024年03月12日
  • 虚けの舞

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    織田信雄と北条氏規、対称的な生涯を歩んできた2人にスポットを当てた着眼点が面白かった。
    情けないほど決断力がなく勘の悪い信雄、能力はありながらそれを表に出さずに諦め切っている氏規、2人に全く共感できないものの、何かしら自分に当てはまっているんだろうなと感じさせられた。

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    2024年02月13日
  • 真実の航跡<文庫版>

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    戦時中に日本海軍が行った捕虜の大量虐殺。本作はあくまで小説ですが、ベースとなっているのは実際にあった事件のようです。
    内容としては、戦争犯罪・戦争裁判という、戦勝国が敗戦国を裁くことの理不尽、不条理が描かれていますが、テーマが難しく、語り手を含めて、どの登場人物にも単純には共感することが出来ませんでした。また、それを考えさせられる作品でした。

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    2024年01月28日
  • オフリミッツ 横浜外事警察

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    1963年の横浜を舞台にして、連続殺人事件を描いた作品。結構面白かった。主人公2人の造形がしっかりしていて、その行動や言動にだいぶ引き込まれました。あと作中に出てくる場所のほとんどを知ってるので、作中の時代と現在を比べながらイメージできるのも楽しかったです。

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    2024年01月20日
  • 囚われの山

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    八甲田山の雪中行軍隊に思いをよせる歴史雑誌の記者の話。グイグイ引きつけるが、ラスト少し残念。編集長との恋愛はいらないな。

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    2024年01月16日
  • 浪華燃ゆ

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    長いこと関西に住みながら、大塩平八郎の乱の詳細は知らずに過ごしてた。目的は崇高でもやはり周囲が諌めたことの方が正しかったのかもしれない。暴力革命は大衆の支持を得られない。勇気ある対話を続けるしかないと心得るべきだった。

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    2024年01月12日
  • 囚われの山

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    ネタバレ

    「八甲田雪中行軍遭難事件」で吹雪の中に姿を消したある一等卒のまさかの運命に迫る歴史ミステリー。
    悲劇の結末が既にわかっている歴史を再びなぞっていくのは覚悟がいるが、生還を予感させるプロローグの稲田一等卒の身に何が起こったのかを紐解いていく過程は非常に興味深く、過去パートの生死をさ迷う緊迫感は目を逸らせず。
    なので、謎を追う雑誌記者の菅原のプライベートパートはちょっと煩わしかったかなw
    でも読み終えてみれば、菅原のモンスター妻や考えが読めない桐野のような女に「囚われ」るのは雪山並みの非常事態…かもしれない。

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    2024年01月11日
  • 天下人の茶

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    ネタバレ

    表立って話に関わる場面は多くはないが、それぞれの話の主となっている人物たちに大きく影響を与える千利休の姿がとても不気味な感じがした。
    また、豊臣秀吉との関係性も、これまで良く取り扱われるものとは異なっており、そこがまた面白かった。

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    2024年01月02日
  • 峠越え

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    ネタバレ

    伊賀越えに至るまでの徳川家康の内面が、作者独自の見解で描かれておりとても面白かった。
    また、本能寺の変の動機がただの明智光秀の謀反ではないという点や、徳川家康もただ織田信長に従順なだけではないというのもとても興味深い内容だった。

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    2023年12月31日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    乙巳の変、俗に言う大化の改新で暗殺された蘇我入鹿の祖父蘇我馬子の物語。中国に認められ、三韓の上に置かれる仏教国家を蘇我氏よ主導で作る野望を胸に物部氏や崇峻天皇、厩戸皇子を暗殺し、蘇我氏の栄華の元となる。厩戸皇子の優秀さが石田三成と被るような印象を持つ書き方で新しかった。

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    2023年12月22日
  • 歴史作家の城めぐり――戦国の覇権を競った武将たちの夢のあと<特典付電子版>

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    関東を中心とした戦国時代の土城の紹介。
    歴史作家が書いているため、その城の背景が考え抜かれている。

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    2023年12月17日
  • 野望の憑依者(よりまし)

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    南北朝時代のことをあまり知らなかったけど、けっこうスケールの大きいことやってたんだなーと。
    二転三転してちょっと複雑すぎるので、どこかの期間に絞った方がもっと面白かったと思う。

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    2023年12月12日
  • 北条五代 下

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    ■北条氏康・氏政・氏直になり滅亡するまで。
    ■関東から見た上方(信長・秀吉)の動きという視点が新鮮。上野、下野の国衆・土豪の降伏・離反、常陸の佐竹、安房の里見の抵抗に懊悩する北条の当主たちの描写も新鮮。
    ■一方で、氏康の器量は戦国大名の中でも上位と思うが、この本からは感じない。史実に忠実だと思うが、結局北条がなぜ滅びる運命になったのか、示唆的な描写はなかったように感じた。

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    2023年11月12日
  • 茶聖【電子特典付】

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    本能寺の変以降の千利休の一生を描いた物語。
    秀吉が暴走していく中で、世の中を争いのない静謐に導こうと奔走する正義の人として書かれていた。元々千利休に正義の印象は持っていなかったが、物語として面白く、特に後半は緊迫感もあってドキドキしながら読めた。

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    2023年11月11日
  • 浪華燃ゆ

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    大塩平八郎の話。
    大塩が言っていることも分かるし、思いも分かる。しかし、どうしようもならないこともある。どんどん尖って、追い詰め、追い詰められていく。
    それでも、自分が出来ることを信じて、発信していくしかないのだな。

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    2023年10月27日
  • 虚けの舞

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    織田信雄と北条氏規、どちらも戦国の檜舞台には上がらない人物と思っていたが最近読んだ本に氏規がよく登場し魅力を感じて本書を購入。
    武将としての才能に優れていたが生まれが四男ということで運に恵まれなかった氏規、信忠の死によって織田家の中心と成り上がったがほぼ才能のない信雄。
    どちらも時代と秀吉に翻弄され苦渋の人生を選ばされるのに無力感が伝わる。
    特に信雄は惨めさが情けないのだが、なんとなく共感できる。弱いサラリーマンのようだ。
    氏規についてはもっと活躍して欲しかったと思うし、家康の側室のお久との関係も切ない。そんなとこまで運がなかったのか。

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    2023年10月15日