伊東潤のレビュー一覧

  • 江戸を造った男<文庫版>

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    東回り航路の開拓だけでなく、大坂での治水や越後高田での銀山開発まで行い、晩年には士分に取り立てられた河村瑞賢の一代記。事業が軌道に乗る度に後任に事業を譲渡し、明暦の大火の際には材木をいち早く押さえ財を成した。一商人として利を稼ぐだけでなく、世の中を良くするにはという目線で一生かけて仕事に取り組み公益のために尽くした男の一生。

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    2026年09月13日
  • 北条五代 下

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    今まであまり知らなかったけど、北条氏についてイメージを持つことができた。解説にもあったけど、北条氏は武田信玄や上杉謙信ほどの知名度はないかもしれない。でも、内輪揉めがなく、組織で治世にあたるというのが好感をもてる。それゆえ、織田信長や豊臣秀吉に対して打つ手がなかったのかもしれないけど...。滅びが決まっている分、やっぱり最後は儚い...。でも、最後の氏政・氏直親子の語らいに救われたような思いであった。お二人の作者にも感謝したい。

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    2026年09月05日
  • 戦国無常 首獲り

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    戦功の証となる首。これをめぐる6つの短編集。
    やはり舞台の選択がいいというか、扇谷上杉とかコアな戦国ファンしか知らないと思うけど、それがいいんよね。

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    2026年06月06日
  • 国を蹴った男

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    そこまで有名ではない武将(茶人や鞠師も)を主役にして、心情の描写がまた素晴らしいのがこの著者の作品。めちゃ面白い。
    名和無理之介、長束正家、北条秀広、佐久間盛政、山上宗二、今川氏真がそれぞれの話の中心。敗者と呼ばれるような人たちだが、彼らの生き方も時代や場所で大きく変わっていたんだろう。とにかくそれぞれの人生を精一杯生き切ることが大切だと思わされる。
    前田利家や直江兼続など、一般受けのいい武将も見方によって全然印象は変わってくる。

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    2026年06月06日
  • 巨鯨の海

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    幕末から明治へと移り変わる過酷な時代。封建制度の息屈した縛りの中で、生々しく躍動する友情や愛情、そして命の尊さに激しく揺さぶられる作品です。
    序盤は聞き慣れない方言や道具の描写に身構えましたが、気づけば伊東潤さんの描く、捕鯨に生きる男たちの熱量に、あっという間に魅了されていました。
    人間と自然の命のやり取り。あの河﨑秋子さんの『ともぐい』を読んだ時のような、強烈なヒリつきを覚える一冊です。

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    2026年05月31日
  • 男たちの船出~千石船佐渡海峡突破~

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    長編小説を読む体力や集中力に自信がなかったけれど、読み始めたらぐんぐん引き込まれた。船を作って運用することに文字通り命を賭ける誇り高き男たち。親子関係、徒弟関係、主従関係、男女や夫婦関係、友情。時代性や土地風土も編み込まれて、さすが伊東潤、読者の期待を裏切らない上質な読書体験をさせてくれる。

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    2026年05月23日
  • 峠越え

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    ネタバレ

    時代ものだし難しいのかなと思ったら、当時の言葉と現代語を上手く混ぜてくれていて、集中して読めた。
    その上で、才能に慢心せず凡庸だから超えられる峠がある、という終わり方がとても好きだった。
    徳川家康好きになっちゃう小説だし、仕事とか普段の人としての在り方とかへの心がけにも繋がりそうだなと思えた内容だった。

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    2026年05月15日
  • 囚われの山

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    一言で言うなら、むちゃむちゃ面白かった!!私が歴史マニアなのでアレなのだが、これは傑作である。伊東潤さんというと、武田とか、捕鯨(これも傑作!)が有名だけど、これもめっちゃ傑作!!

    ついでだが有名な八甲田山雪中行軍遭難事件を扱った作品である。それはわかっているが、軍医は弱っている集団に置き去りにされる運命なのだなということが身に沁みた。
    医師免許は国家資格なので心強いのだが、
    ・戦争が起きると真っ先に徴兵される
    というのは医師の中でも有名な話である。傷病者戦地で多いからな。でも雪中行軍でもそういう扱いなのか…え〜。って思った。
    多分、作者が言いたいのはそういうことじゃないと思うけど、私の中で

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    2026年04月07日
  • 峠越え

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    徳川家臣団の強さを感じた。皆が意見を言い、最終的には家康が決める。恩には報いる。生き残っていくには訳があるんだと思わされた。

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    2026年03月20日
  • 武田家滅亡

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    北条家から嫁ぐ桂が重要なキャラクターで、この輿入れから武田家が滅びるまでを小説にしている。
    学術研究の結果をちゃんと追っていると思うので、長篠以降の武田家をかなり詳細に述べていて、登場人物の背景もしっかりしている。小宮山内膳は田野周辺を散策した時に看板で知ったが、この小宮山も桂が恋した人として重要な役割を担っている。
    さらに機微な心情を描き切っていて、歴史を知る勉強にもなるし、加えて小説としての面白さもある。特に裏切り者になりきれなかった弥兵衛とか、鬱屈したルサンチマンを抱いていた長坂釣閑とか、伊那侍の帯刀とか。

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    2026年03月15日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    伊東さんの小説はどの時代を描いても、情景がすぐに分かる読みやすさ。それが本当に凄いと思う。分厚さが全く気にならず、一気読みしました。とてもお勧めの一冊です。

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    2026年03月08日
  • 決戦!関ヶ原

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    これは秀逸。
    戦国時代の脇役の心理がわかる。作者によって見方が少しづつ変わるのも面白い。作品の並びも素晴らしい。秀吉の朝鮮出兵が与えた武将らの心持ちが、それ以降の人生を変えていく様もしゆういつ。
    ・人を致して、伊藤潤
    人に致されてきた家康、今回も三成が取り除きたいと考えた武将に絡む策に乗る。
    ・笹を噛ませよ、吉川永青
    敗軍の将につかい続けた槍の名手可児歳三、とった首には笹を噛ませる。一番槍を横取りした味方の井伊直政を追う。何のために戦うかを学んだ才蔵、直政の配慮。
    ・有楽斎の城、天野純希
    信長の13歳下の弟、父信秀の11番目の男子として生まれた。武芸よりも芸事。武運にも見放され茶の湯にハマる。

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    2026年03月03日
  • もっこすの城 熊本築城始末【文庫版】

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    佐々成政は肥後一国54万石を秀吉から与えられたが、検地を急ぎすぎて一揆が起きてしまった。かなり大規模な一揆だったため秀吉が出張ってきて鎮圧したものの、佐々成政は切腹となる。
    肥後は北半分19万5千石が加藤清正に、南半分14万石を小西行長に与えられたが、加藤清正はその時点で27才であり、それまでは3千石だった。とにかく家臣が足りない。尾張で募集をかけて補うことになった。

    木村藤九郎は父が安土の普請奉行だった。加藤清正の部下となり、肥後に赴きたびたび氾濫する菊池川の整備の責任者にされてしまう。菊池川下流域を2本の川にかけかえる案ができたはいいが、自分につけられた部下もさることながら、村々から出て

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    2026年01月14日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    我が国有史上最初のダークヒーロー馬子。時代物の名手が書くと、光秀や三成のような宿命や苦悩を背負ったアンチヒーローになってしまうのですね。これだから歴史は面白い。

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    2026年01月14日
  • 江戸を造った男<文庫版>

    購入済み

    あたりを引いた

    百円激安であまり期待していなかったが、実に生き生きして面白い小説であった。主人公は明暦の大火で全てを失ったが川を流れてくる野菜で漬物を作り売ることで、どん底から這い上がる。今日現在令和の米騒動が未だに尾を引いているが、江戸時代の初め、主人公が幾多の危機を乗り越えて航路を開発、初めて人口が急速に増えつつある江戸に東北の米が届くようになったのはいつの世も米の流通が日本人が生きてゆく源なんだと感慨深かった。そのほか治水、銀鉱山開発とまさにスーパーマンの活躍であるが心は金儲けではなく人助け。鈴木亮平か佐藤隆太を起用して大河ドラマにしたら、さぞかし面白いだろう。

    #アツい #タメになる #ドキドキハラハラ

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    2026年01月06日
  • デウスの城

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    面白かった。
    何かしらの戦記物を期待して読むと期待外れになるが、3人の旧小西家家臣のその後のキリシタン弾圧の時代にそれぞれが何を考え、どう生きていくか、というストーリーだった。それぞれの生き方を否定する事はできず自分の経験や置かれた環境に影響を受けながら自分の人生を決めていく様子は学ぶ事が多く興味深かった。

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    2025年12月21日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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     本のタイトル「鋼鉄の城塞」の名の通り、戦艦大和は、まさに鉄でできたお城。日本の造船技術の総力を結集して造り上げた最強の戦艦でした。
     しかし、昭和20年4月7日14時23分、沖縄海上特攻作戦の途上、坊ノ岬沖で米軍戦闘機の激しい爆撃を受け、海に沈みました。前途ある三千人余の若者たちの夢や希望とともに・・・
     この本は、大和を作る技師たちにスポットをあてて描かれています。CGもAIもない時代に、数cmの誤差も許されない現場の技術者たちの努力・能力に、驚くばかりでした。主人公の占部健はじめ多くは架空の人物が中心ですが、山本五十六など実在の人物も登場しました。そして、占部健を慕う池田武邦(実在の人物

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    2025年10月30日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    ネタバレ

    【鋼鉄の城塞】 伊東 潤 著

     戦艦「大和」の建造ストーリーで、ほぼ一気読みコースでした。『戦艦大和ノ最期』やレイテ海戦などは多数出版されていますが、大和建造の物語はあまりないのではないでしょうか(と、思ったら、巻末の「参考文献」には結構あげられていました)。

     著者は本当によく調べていて、戦艦の建造、特に大和のように極秘レベルでの建造が如何に難しく大変なことかがよくわかりました。「ワシントン条約~ロンドン条約」で戦艦の数が制限されるなか、ひとつの戦艦の装備を如何に充実させて対抗するかの苦闘が書かれています。

     前半は技術者としての苦闘を、後半ではロマンス、ミステリーを織り交ぜての進行(

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    2025年09月08日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    戦後80年に、「大和」を読む。
    平和とは何か、仕事とは何か、人生とは何か。考えさせられた。
    圧巻の500ページ。難しい単語もあるけれど、伊東さんの作品ならさくさく読める。

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    2025年08月14日
  • 決戦!大坂城

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    ネタバレ

    決戦シリーズは、作家ごとのさまざまな解釈を楽しみながら、複数の視点から戦いを立体的に見ることができる良企画。
    大阪城では、「日ノ本一の兵」のラストに情緒を掻き乱された。また、「黄金児」にせよ「男が立たぬ」にせよ、淀殿の陰に隠れて見過ごしがちな秀頼という人間に焦点を当てているのがとても良い。一方、その強烈な母君である淀殿に新しいイメージを与えてくれるのが「鳳凰記」。
    シリーズの他の編も楽しみになる。

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    2025年08月03日