伊東潤のレビュー一覧

  • 琉球警察【電子特典付】

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    戦後の琉球警察、瀬長亀次郎の物語。
    米軍の沖縄に対する非道な行いが描かれてある。
    アメリカは妄想と自己愛で他の国を不幸にしている。それは第二次世界大戦に勝利してから今まで続いている。
    この本は、自民党議院すべてに読んで欲しい。
    読めば、辺野古基地なんて作らないだろう。

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    2021年10月08日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    戦後の本土復帰(という言葉も差別的だと思うが)までのおよそ四半世紀にわたるUSCAR統治下前半の沖縄が舞台設定。瀬長亀次郎の人民党の不屈の政治闘争を伏線に、琉球警察公安刑事の活躍と精神世界の彷徨を、幼少期からの友情や傀儡組織である琉球警察刑事たちの葛藤等を絡めながら見事なプロットで描く。沖縄の悲惨な戦後史(勿論まだ終わっていない)をもっと沖縄以外の日本人は知るべきで、約3か月の悲惨な沖縄戦以降の米国領としての四半世紀のもっと悲惨な歴史を知る、とっかかりとしてはこのようなエンタメ要素もある優れた小説が最適では。。一つだけ難点はもっと適当なタイトルがあったんじゃないかということぐらい。

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    2021年09月04日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    解説には「河村屋七兵衛の名を知る人は多い」と書かれていたが、私は、この作品で初めて知った。物流、防災、食料増産、資源開発。経済の大本となる大きな事業を、これほど多く手掛け成功させた人がいたとは。しかもそれが、江戸時代の一商人が成し遂げたことだとは。まるで、天下取りの一代記のような壮大な一生は、実に面白かった。
    もちろん、七兵衛こそが、面白い一生だったと心から満足していることだろう。

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    2021年08月11日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    切り離され支配された戦後の沖縄で、沖縄を取り戻すために戦った琉球警察の物語。
    目の前の現実と自分の役割に葛藤しながら、それでも全ては沖縄のために。
    沖縄人による島んちゅへの差別とか、USCARのありえない介入統治とか、そんな理不尽な社会の中でも生きていった人たちが実際にいたんだろな。それは現代人なんかよりもっと強く逞しいパワーで。
    沖縄のこんな小説好きだわ。

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    2021年08月07日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    江戸時代、当たり前と思っていた西廻り航路、東廻り航路も、その創成にはこれだけのドラマがあったのかと気付かされる。
    河村屋七兵衛(河村瑞賢)の生涯を辿り、航路開発のみならず、様々な治水や銀山開発へ取り組むドラマが描かれる。
    プロジェクト管理、ミクロ経済学、人生訓、様々な視点からも気づきと刺激のある小説。江戸時代の行政、公共事業がどの様になされたか、プロジェクトXの様に読めた。

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    2021年07月06日
  • 西郷の首

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    幕末期から明治期を舞台とする時代モノだ。「意外に知られていない?」と見受けられる事柄が扱われている。そして「時代の奔流」という中で生きた“竹馬の友”という2人が主要な登場人物ということになる。
    冒頭の「プロローグ」で、80歳代に差し掛かった男が高台に上って故郷の街を望むというような場面が在る。題名の『西郷の首』の「西郷」が在る故に「桜島が視える鹿児島」でも登場するのかと思えば、「加賀百万石」と謂われた前田家の城下町であった金沢が出て来る。
    本作は、西南戦争の際に『西郷の首』に関わることとなった、「文次郎」こと千田登文(せんだのりふみ)と、その“竹馬の友”ということになる「一郎」こと島田朝勇(し

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    2021年06月13日
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)

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    こんな風に生きた人も居たのかという発見のある小説。
    負けに負けても、死んでたまるか、と自らの道を進み続ける主人公達の姿に胸熱くなる。
    負けても生きてる。死んでたまるか、負けたままでたまるか、そんな気骨のある風に自身の魂を晒すことができる。久々に、背筋の伸びる思い。
    『行けるところまで行き、しかるべき場所で死ね。』
    命を天に預けて生き切るという、明らかに極める生き方死に方即ち人生観に眼から鱗の清々しさを覚えた。

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    2021年05月31日
  • 茶聖【電子特典付】

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    漫画「へうげもの」では、千利休が茶の湯の
    世界を広めるために豊臣秀吉をうまく利用し
    たような内容でした。

    その部分は似ています。

    しかし大きく異なる点は、利休はさらに先を
    見据えていて、茶の湯をもってして世界の静
    謐、つまり平和求めていたところです。

    最後は秀吉とは意見の相違により切腹となり
    ますが、それまでの史実として知られている
    出来事に、そんな平和への願いが込められた
    暗躍あったのか、とノンフィクションのよう
    に読んでしまう一冊です。

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    2021年05月28日
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)

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    自らの命を賭して守るべきもの。死を覚悟して生きた人間と、死を恐れながら生きる人間とは、迫力も濃さも異質だ。そういう時代だったという事もあるだろうが、武士道というある種のイデオロギーに身を投じる姿は、その壮絶な生き様に惹きつけられながらも、別の見方では、意固地な頑迷さを感じる面もある。合理的なところで、恭順、帰順すべきでは。生かすべき若手のためという大義名分を持ち、大鳥や榎本は降伏する。一方、最後の武士として死に場所を選んだ土方。土方が死に、榎本が降伏し、だが物語は終わらない。勝海舟が、降伏が遅く、黒田清隆の政治力学の中で、残る榎本や大鳥は新政府の中で役目を果たすべきだと。新政府における幕臣の出

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    2021年05月03日
  • 茶聖【電子特典付】

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    ネタバレ

    作家と言う者は洗脳が出来ないといけないのだろうか?
    当事者は洗脳者のいう選択以外ないと思い込む、たとえとして相応しくないがイジメも今では逃げてしまえと言える時代だが、当該者は相手の言いなりにならざるをえない、DVDも然り
    茶道を極め、茶聖と言うにふさわしい美の巨人である千利休は、信長の眼鏡にかない名物を見極める「眼」として茶頭として近づけられたが、信長の真意を聞き、震えそして湧き上がる衝動に身を任せるのだ

    「この世の武士のすべてを茶の湯に狂奔させねばならぬ」「茶の湯は武士たちの荒ぶる心を鎮められるからだ」

    この考えは秀吉も同じ様に行きつく

    このルールがなければ、秀吉と利休の丁々発止のやり

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    2021年04月14日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    ネタバレ

    江戸を造った男ということで、興味が湧いた。
    江戸時代は200年以上続いた統制の世だが、合戦がなかったので、日本史を学んでいた当時、さほど興味が湧かなかった。
    しかし、年を経るごとにこの統治の勘所が何かを知りたかったが、なかなかとっかかりがない。
    そういう意味で本書は非常に良かった。

    本書の主人公は河村屋七兵衛という名の商人。
    明暦の大火によって、息子の一人を失い、そこから立身出世を奉公によってなしていくストーリーが非常に良かった。

    多くの事業を興した七兵衛だったが、西回り、東回りの廻米航路や機内の治水事業、そして鉱山開発など、特に50代以降の晩年にこういった大きな事業をやり遂げた。
    途中、

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    2021年03月29日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    講談社決戦シリーズで伊東先生を知り、いろいろ読み始めました。「城をひとつ」もそのひとつ。
    後北条氏については知らない事が多いので、その動向や、主人公である大藤一族の活躍を新鮮に楽しめました。
    特に、関東公方や里見氏や上杉氏の動向などをメインに描かれた小説は、少ないのではないかと。
    どの攻城戦も同じような展開がなく、楽しめました。
    伊東先生の作品、いろいろ読んでみます。

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    2021年03月27日
  • 峠越え

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    家康の「伊賀越え」にはそんな背景があったとは!この本読んで「麒麟がくる」を観れば良かったなあ(^^)

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    2021年03月07日
  • 走狗<文庫版>

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    歴史の光と影、それぞれの立場から見た史実が迫力ある文章で迫って来ました^^; 明治維新って激動の時代だったのですね。あらためて感じました✋

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    2021年02月16日
  • 西郷の首

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    熱くなって本が持てなくなるくらいの臨場感のある物語でした。いろんな方々の思いがあって今があるのを実感しました。

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    2021年02月10日
  • 修羅の都<文庫版>

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    一言で本作を形容すれば「鎌倉時代の政治ドラマ」ということになる。鎌倉時代辺りの“大鎧”というような華麗な装備に身を包んだ武将が勇躍するような場面が多々在るような物語ではない。源頼朝と妻の北条政子との物語ということになる。
    鎌倉幕府が成立して、安定して行くという過程の中、源頼朝は「敵対的勢力が擁立し得る“旗頭”になりそうな人物」ということになる、兄弟や縁続きの源氏系の武将を排するような政治闘争を随分と行っている。本作の物語の基礎となっているのはそういう経過である。
    鎌倉幕府が成立して、安定して行くということは、「そこまでの時代の社会の在り方」を「抜本的に変えて行く」という大事業であった。源頼朝は

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    2021年02月07日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    後北条氏五代に仕え、‘入込’の調略を担った大藤氏一族を扱った小説。信基から曾孫の直信まで、連綿と続く陰の仕事人にスポットを当てており大変渋い。

    難事難局に駆り出されては鮮やかな手際で事に当たる。まさに名人芸!

    やはり当代無双・足利義明との駆け引きに手に汗握る。また、秀信と越後の龍・上杉輝虎の応酬では軍神を完璧に手玉に取る模様に心躍る。…というよりも思った以上に「上杉謙信」について私自身が無知であったことに気付かされた。

    次は謙信を扱ったものを読んでみたい。


    これは伊東潤氏の作風なのか、この『城をひとつ』の特徴なのか残念ながら語れないのだが、人物の人間味というか呼吸・溜息まで伝わってく

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    2021年02月03日
  • 武士の碑

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    西南戦争って何だったのでしょうか。コロナ明けたら南洲神社に行って手を合わせて、聞いてみたいと思います。

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    2021年02月02日
  • 修羅の都

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    前半は頼朝らしい権謀術数であり、晩年は謎とされていることもボケなどで書かれていて、こんな感じだなあと思いました。栄枯盛衰。

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    2021年01月20日
  • 西郷の首

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     本作品の著者は、以前から注目していたものの、直近では、やや作品の仕上がりが低迷していた印象があったが、久々に完成度の高い作品であったと思う。個人的に歴史小説としては、史実に基づいた作品が好きであるが、一方では、小説化し易い史実は、既に多くの作品が存在し、新鮮魅に欠けるところがあるが、本作品はその両方を満たす出来栄えと評価する。
     一般的に大久保暗殺は、西南戦争の傍流、後日譚として描かれることが多いが、本作品はこれに焦点を当て、ここに至る経緯並びに暗殺当時の状況をきめ細かく描かれており、この題材(大久保暗殺)を暗殺者側の目線でここまで描き切れた作品をはじめて読むことができた、というのが感想であ

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    2020年12月19日