伊東潤のレビュー一覧

  • 威風堂々(下)-明治佐賀風雲録

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     これは、なかなか面白かったです。「佐賀」とありますが、大隈重信が主人公。明治維新の立役者は「薩長土肥」と言われながら、新政府では薩長閥が中心となるなか、それ以外の藩(主に備前藩)の動きがわかります。「NHK大河ドラマ」狙いかと思われる展開で、幕末から第一世界大戦頃までの有名人がオールスターで登場。小説ではありますが、立派な政治史でもあります。
     初めて知ったことは、大隈重信が「西洋事情」「学問のすゝめ」などを読んで福澤諭吉を私淑して教育に目覚め、一方で実際の政策に反映しようとしたこと。圧巻は、第6章の「進取果断」で、福澤諭吉が大隈重信に国のあり方を説く場面。その後、大隈重信はあまりに急速に近

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    2022年04月06日
  • 叛鬼<文庫版>

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    武田家滅亡はそんなに面白くなかったのだが、短編集の疾き雲のごとくも、長編の叛鬼もなかなか面白い。長尾景春という人物が面白いのか。太田道灌もいい。この時代の関東は面白い。今は上杉顕定や定正がいまいちだが、他の人の本で他の見方をすると意外と面白いのかもしれない。

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    2022年04月04日
  • 家康謀殺

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    書き尽くされた感のある戦国時代。まだこんな切り口があるのかと改めて筆者の構成-筆致力にただただ脱帽です。作品は桶狭間の戦いから、大阪の陣までを背景として、その中で生きた者達を焦点にあてた短編集。短編集と侮るなかれ、すべてが秀逸な作品。「家康謀殺」は、スリルとサスペンス交りのスピード感溢れる展開に釘付け。時は大阪の陣の直前。江戸から大阪に向かう家康とともに護衛の任を受けた伊賀出身吉蔵の視点から物語が始まる。そこで受けた上役からのやっかいな指令。それは、護衛仲間に紛れている刺客を暴く事。旅を続けるにつれ、少しずつ明らかになる真実から炙り出された結末とは。。。特徴は、明日をも知れぬ苦難の中で生きる者

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    2022年03月30日
  • 威風堂々(上)-幕末佐賀風雲録

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    大隈重信の話。
    伊東さんの作品はどの作品も、自分自身を振り返るきっかけをくれたり、世の中の流れについて考えさせてくれたり、示唆に富んでいる。
    折に触れて読み返したくなる作品。

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    2022年03月13日
  • 戦国鬼譚 惨<文庫版>

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    怖いくらい裏切りの連続。形勢有利な方につくのは当然、人生そういうもんだよな、と思わせられました。しかし最後に勝つのは忠義という展開に胸がすく。

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    2022年03月03日
  • 修羅の都<文庫版>

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     すばらしい。これぞ私の思う「歴史小説」。読んでいれば自然とその状況がわかる、読みやすくておもしろいやつ!

     伊東潤さんの本は何冊か持っていますが、読むのはこれが初めて。それがこんなにおもしろかったんだから、これから他の作品を読んでいくのが滅法楽しみになりました。

     舞台は鎌倉、主人公は源頼朝と政子夫妻。頼朝がとにかく冷酷なのですが、彼がしたことを考えればこういうことになるんだよなぁ、と納得。政子が御家人たちに〈そこまで佐殿を恐れておいでか〉と感じるんだけど、そりゃ恐れるでしょうよ、と言いたい。

     あとは、奥州攻めがしっかり描かれているのと、謎に満ちている頼朝の死について、著者ならではの

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    2022年02月26日
  • 城を攻める 城を守る

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    ネタバレ

    いやー面白かった!
    「実戦あってこそ城には魅力がある」という主題で書かれたこの本、さすがさすがと言わんばかりのマニアックな城の数々。歴史・城ファンにはたまりません。(逆に天守閣とか景色良い本とか探してる方には絶対オススメしません。笑)
    著者は小説家だそうですが、事細かに自分の足で調べ、客観的に書かれてるのだなと思いました。

    個人的に行ったことある城もあるのですが、
    まだ行けていない北関東の河越、箕輪、鉢形、八王子辺りは特に面白い。
    箕輪は長野業政という、この本読むまで全く知らなかった人に関する城なのですが、戦国期には珍しく国人との橫のつながりを重視することで敵の侵入を防ごうとした、中小企業的

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    2022年02月20日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    ハードボイルド小説のようなストーリーに戦後沖縄の置かれた状況をうまく取り混ぜられていた。
    奄美大島出身の主人公が客観的に見た沖縄。
    アメリカとの関係、沖縄の暗部を体感させられて
    一気に読み終えた。

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    2022年02月06日
  • 威風堂々(下)-明治佐賀風雲録

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    ◎青天を衝けと同じ所もあり、楽しく読めました。この小説は大隈重信に対して性格など苦言を言える人が多いなぁと思いました。

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    2022年01月29日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    戦後間もない、米軍による占領下の沖縄。米軍から差別される日本人、沖縄人から差別される奄美人と、当時の混沌とした沖縄の背景が色濃く盛り込まれた警察小説。徳之島出身の警察官・東貞吉は能力を買われ公安となるが、沖縄人民党に傾倒する青年との出会いで大きく運命を変えていく。人民党代表の瀬長の思想と警察官の立場の間で揺れる貞吉の選択とは…貞吉や彼を取り巻く様々な立場の人達の、沖縄の未来への熱い想いに目が離せなかった。

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    2022年01月16日
  • ライトマイファイア<文庫版>

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    伊東潤『ライトマイファイア』幻冬舎文庫。

    2021年10月新刊の幻冬舎文庫ミステリフェアの1冊。600ページ近い長編公安ミステリー。

    タイトルは、やはりドアーズの名曲『ハートに火をつけて』に由来するものだった。ジム・モリソンの何かに怒りをぶつけるようなシャウトが本作のストーリーにマッチする。

    時代を扇動し、日本を思う方向へ動かそうとする政治家とその傀儡たる警察組織に翻弄された若き警察官の数奇な人生。人生を踏みにじられた男の声が、タイトルの『ライトマイファイア』なのだろう。史実をベースに創作で味付けした、なかなか読み応えがある面白い作品だった。

    平成27年。川崎市の簡易宿泊所で放火事件が

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    2021年10月16日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    戦後の琉球警察、瀬長亀次郎の物語。
    米軍の沖縄に対する非道な行いが描かれてある。
    アメリカは妄想と自己愛で他の国を不幸にしている。それは第二次世界大戦に勝利してから今まで続いている。
    この本は、自民党議院すべてに読んで欲しい。
    読めば、辺野古基地なんて作らないだろう。

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    2021年10月08日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    戦後の本土復帰(という言葉も差別的だと思うが)までのおよそ四半世紀にわたるUSCAR統治下前半の沖縄が舞台設定。瀬長亀次郎の人民党の不屈の政治闘争を伏線に、琉球警察公安刑事の活躍と精神世界の彷徨を、幼少期からの友情や傀儡組織である琉球警察刑事たちの葛藤等を絡めながら見事なプロットで描く。沖縄の悲惨な戦後史(勿論まだ終わっていない)をもっと沖縄以外の日本人は知るべきで、約3か月の悲惨な沖縄戦以降の米国領としての四半世紀のもっと悲惨な歴史を知る、とっかかりとしてはこのようなエンタメ要素もある優れた小説が最適では。。一つだけ難点はもっと適当なタイトルがあったんじゃないかということぐらい。

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    2021年09月04日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    解説には「河村屋七兵衛の名を知る人は多い」と書かれていたが、私は、この作品で初めて知った。物流、防災、食料増産、資源開発。経済の大本となる大きな事業を、これほど多く手掛け成功させた人がいたとは。しかもそれが、江戸時代の一商人が成し遂げたことだとは。まるで、天下取りの一代記のような壮大な一生は、実に面白かった。
    もちろん、七兵衛こそが、面白い一生だったと心から満足していることだろう。

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    2021年08月11日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    切り離され支配された戦後の沖縄で、沖縄を取り戻すために戦った琉球警察の物語。
    目の前の現実と自分の役割に葛藤しながら、それでも全ては沖縄のために。
    沖縄人による島んちゅへの差別とか、USCARのありえない介入統治とか、そんな理不尽な社会の中でも生きていった人たちが実際にいたんだろな。それは現代人なんかよりもっと強く逞しいパワーで。
    沖縄のこんな小説好きだわ。

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    2021年08月07日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    江戸時代、当たり前と思っていた西廻り航路、東廻り航路も、その創成にはこれだけのドラマがあったのかと気付かされる。
    河村屋七兵衛(河村瑞賢)の生涯を辿り、航路開発のみならず、様々な治水や銀山開発へ取り組むドラマが描かれる。
    プロジェクト管理、ミクロ経済学、人生訓、様々な視点からも気づきと刺激のある小説。江戸時代の行政、公共事業がどの様になされたか、プロジェクトXの様に読めた。

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    2021年07月06日
  • 西郷の首

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    幕末期から明治期を舞台とする時代モノだ。「意外に知られていない?」と見受けられる事柄が扱われている。そして「時代の奔流」という中で生きた“竹馬の友”という2人が主要な登場人物ということになる。
    冒頭の「プロローグ」で、80歳代に差し掛かった男が高台に上って故郷の街を望むというような場面が在る。題名の『西郷の首』の「西郷」が在る故に「桜島が視える鹿児島」でも登場するのかと思えば、「加賀百万石」と謂われた前田家の城下町であった金沢が出て来る。
    本作は、西南戦争の際に『西郷の首』に関わることとなった、「文次郎」こと千田登文(せんだのりふみ)と、その“竹馬の友”ということになる「一郎」こと島田朝勇(し

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    2021年06月13日
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)

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    こんな風に生きた人も居たのかという発見のある小説。
    負けに負けても、死んでたまるか、と自らの道を進み続ける主人公達の姿に胸熱くなる。
    負けても生きてる。死んでたまるか、負けたままでたまるか、そんな気骨のある風に自身の魂を晒すことができる。久々に、背筋の伸びる思い。
    『行けるところまで行き、しかるべき場所で死ね。』
    命を天に預けて生き切るという、明らかに極める生き方死に方即ち人生観に眼から鱗の清々しさを覚えた。

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    2021年05月31日
  • 茶聖【電子特典付】

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    漫画「へうげもの」では、千利休が茶の湯の
    世界を広めるために豊臣秀吉をうまく利用し
    たような内容でした。

    その部分は似ています。

    しかし大きく異なる点は、利休はさらに先を
    見据えていて、茶の湯をもってして世界の静
    謐、つまり平和求めていたところです。

    最後は秀吉とは意見の相違により切腹となり
    ますが、それまでの史実として知られている
    出来事に、そんな平和への願いが込められた
    暗躍あったのか、とノンフィクションのよう
    に読んでしまう一冊です。

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    2021年05月28日
  • 茶聖【電子特典付】

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    ネタバレ

    作家と言う者は洗脳が出来ないといけないのだろうか?
    当事者は洗脳者のいう選択以外ないと思い込む、たとえとして相応しくないがイジメも今では逃げてしまえと言える時代だが、当該者は相手の言いなりにならざるをえない、DVDも然り
    茶道を極め、茶聖と言うにふさわしい美の巨人である千利休は、信長の眼鏡にかない名物を見極める「眼」として茶頭として近づけられたが、信長の真意を聞き、震えそして湧き上がる衝動に身を任せるのだ

    「この世の武士のすべてを茶の湯に狂奔させねばならぬ」「茶の湯は武士たちの荒ぶる心を鎮められるからだ」

    この考えは秀吉も同じ様に行きつく

    このルールがなければ、秀吉と利休の丁々発止のやり

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    2021年04月14日