【感想・ネタバレ】修羅の都のレビュー

あらすじ

「武士の世を創る」生涯の願いを叶えるため手を携えて進む、源頼朝と政子。平家討伐、奥州を制圧、朝廷との駆け引き。肉親の情を断ち切り、すべてを犠牲にして夫婦が作り上げた武家政権・鎌倉府は、しかしやがて時代の波にさらわれ滅びに向かう。魔都・鎌倉の空気、海辺の風を背景に権力者の孤独と夫婦の姿がドラマティックに描き出される。頼朝晩年に隠された大いなる謎とは?『吾妻鏡』空白の四年間を解き明かす圧巻のラストは必読!新聞連載時から大きな反響を呼んだ感動の長編エンタテインメント。

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Posted by ブクログ

他の作家は頼朝が落馬と簡単な死を書いて頼朝を暗殺する経緯がないがこの作品は頼朝の耄碌が原因とする説でそこにページを割いている。そして政子の苦悩、北条ではなく、鎌倉幕府を護る事を念頭において尼御台の勤めをこなしている。ドロドロしたのはないので読みやすく楽しく読めた。

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2022年08月24日

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前半は頼朝らしい権謀術数であり、晩年は謎とされていることもボケなどで書かれていて、こんな感じだなあと思いました。栄枯盛衰。

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2021年01月20日

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2022-06-17

「修羅の都」(伊東 潤)を読んだ。
約三年ぶりに再読。
伊東潤氏の"してやったり"という顔が目に浮かぶようだ。
我々読者はもはや抵抗する術もなくがっちりとハートを鷲掴みにされて、はやる気持ちを抑えつつページを繰るのであった。
『永井版 政子』も悪くはないのだが、私はこちらに軍配を。

2019-09-24

「修羅の都」(伊東 潤)を読んだ。
透徹した視線で頼朝と政子の生き様を見事に描ききる。
抑え気味の筆致がクライマックスにおいて一気に極限の高みに駆け上る。
嗚呼、痺れる!
これは伊東潤氏の代表作のひとつになるかもしれない。

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2019年09月24日

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苦しい苦しい小説であった。特に、大姫……そして、鎌倉府、家族、病に思い悩む頼朝……政子も如かり……

私は、何を守って生きていくのか。

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2018年03月21日

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大好きな伊東さんの最新作。


戦国時代ものもいいですが、

平安時代を取り上げた「悪左府の女」や南北朝時代を取り上げた「野望の憑依者」

も抜群におもしろかったので、今回の鎌倉時代草創期を取り上げた本作も相当期待していました。



結果やっぱりめっちゃおもしろい。

通説ではほとんど語られない源頼朝の冷徹さやいかに武士の世の中を築いたか

そして末期の綻び、北条政子や執権の一家となる北条家の成り上がりなど

これは新説で本当におもしろい。一気読みでした。

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2018年03月12日

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源頼朝が自我を失っていく様は、生々しく悲しい。
そして北条政子、義時、源頼家、そして比企能員や梶原景時など取り巻く人々の思惑など、鎌倉幕府の過渡期の危うさを、ドラマティックに描いている。

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2021年07月21日

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ネタバレ

鎌倉殿の13人に登場しそうな人物を予習するために読んだ。この小説の主役は、北条義時(政子の妹・小栗旬)・北条政子(頼朝の妻・小池栄子)・源頼朝(大泉洋)の3人。前半は鎌倉幕府の基礎を固めるためにじゃまになる者を親族だろうと権謀術数で殺し続ける3人のトライアングルがえがかれているのに対し、後半は容赦なく痴呆が始まった頼朝の奇行が容赦なく描写されてる。痴呆の描写が余りにながいのでもっと縮めてほしかった半面、だからこそ最後に頼朝が選んだ行動がぐっと心を打った。頼朝の兄弟殺しは容赦ないです。が頼朝の子どもはみな北条政子が死ぬよりも早く亡くなってしまうというのも、鎌倉幕府は誰のために創設されたのか、非常に象徴的でもあります。北条家が成り代わった理由として、義時の明瞭ぶりが際立ちます。
 大河ドラマに登場してるこの役者はこんなに早くリタイアして死ぬのか、あの役者はこのときに死ぬのか、勿体ない起用だなと事前にわかってしまうんだけど、似た名前の登場人物が非常に多いので、大河ドラマ平清盛と同様、人物予習はしておくべきです。貴族社会と武家社会のお互いが覇権を握り切れてないという点では平安末期と非常に似てるので。

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2021年05月06日

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来年の大河の予習、2冊目です。
この本は読む前、特に期待してなかったのですが、予想以上に面白かったです。
初めて読む作家さんですが、文章が上手かったですね。

前回読んだ永井路子の本より北条義時の登場場面が多かったですし、頼朝が段々老化でぼけていくんですが、その様子が刻銘でリアルで良かったです。
条義時に関しても彼特有のずる賢いところが上手く描けてたと思います。

2冊読んだので予習としてはもういいかな。
あとは伊東潤さんの本は千利休の本が評価高いので今度読んでみようと思います。

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2021年02月27日

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源頼朝、なぜ3代で血筋は絶える事となったのか。平清盛しかり、豊臣秀吉しかり。
武士の府を夢見ていた漢が、いつのまにか、自らの血縁の世を夢見てしまう。自分の兄弟、一族を討ち果たし、ついには、滅びてしまう。

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2020年04月20日

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鎌倉幕府誕生直後から源頼朝死去までの治世を北条政子視点で読み解くという実にマニアックでよい時代小説。特に晩年の源頼朝がアルツハイマーだったという大胆な設定にすることにより、現代のそこかしこで起きている高齢家庭問題、あるいは企業の継承問題とシンクロするという作者の狙いが大当たりした作品となっているように思える。政子さん、がんばった、がんばったよね!

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2019年01月05日

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ネタバレ

平家滅亡から頼朝の死までを描く歴史小説。

往年の大河ドラマ「草燃える」やその原作の永井路子の一連の作品を思い出しました。
確かに、あれからこの時期にスポットを当てた小説やドラマを目にしていませんでした。
新解釈として義経をわざと奥州に逃したこととか頼朝がだんだんおかしくなっていくところは、その目の付け所に感心しました。
プロローグとエピローグが承久の乱に突入するところなのも良いと思います。
残念なのは、頼朝の死後から承久の乱までを政子の独白で流してしまったところです。
この部分は続編を出してほしいと思いました。

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2018年11月02日

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頼朝に寄り添った北条政子の思い,鎌倉幕府のために失ったものと成し得たこと,が頼朝を語ることで,浮かび上がって来る.頼朝がボケてからの第五章の描写が少しダラダラした感はあるが,全体にテンポよく鎌倉幕府創成期を一気に駆け抜けた様な読後感.とても面白かった.

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2018年06月06日

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鎌倉時代ってあんまり興味がなくて小説なんかもほとんど読んでこなかったんですが、大河ドラマ進行中というのもあって読んでみました。日本史でさらりと習ったくらいの知識しかなかったので、大河ドラマを補完する意味でも面白かったです。ただ、政子のキャラクターが掴みづらいというか、賢い人ではあるんだろうけど意外と冷たくも見えるし…我が子を自分の手で育てるわけではない身分故か、親子関係は結構冷え冷えとしてますね。それと頼朝が認知症で自分を失っていく過程が生々しく、義時の切れ者っぷりが大河ドラマ以上であるのも見ものでした。

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2022年06月25日

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続けて鎌倉関連の作品。
悪いイメージで描かれることが多い頼朝・政子夫妻視点ではどう描かれるのかと不安と期待で読んでみた。

意外にも政子は大河ドラマのキャラクターに近い。
義経排除の際は頼朝の冷徹さに付き合っていて、またダークサイドな政子か…とうんざりしていたが、その後は情に深い政子が強くなっていく
静御前が生んだ男児の助命嘆願したり(叶わなかったが)、大姫入内話の時には『佐殿は、どのようなものでも利用なさるのですね』と皮肉、頼朝が邪魔な勢力を次々排除していくのには『鎌倉府第一を掲げれば何をやってもよいとなれば、その大義の刃は己や妻子眷属に向けられる』と苦言と、読みながらハラハラするほど。
だが決定的な溝ができることはない。そのくらい夫婦の絆は強い。頼朝の冷徹さについていけなくなり時に孤独を感じつつ、後半は時に激しく動揺しながらも最後まで頼朝に寄り添った、頼朝にとって『かけがえのない女』だった。

頼朝は、最初は『怜悧な人』で武士の府という理想を作り上げるためにはあらゆることを犠牲にしてきた冷徹な人間でもあったのだが、後半は思いもよらない姿に。
頼朝を描いた作品をそうたくさん読んだわけではないが、これほど哀れな頼朝は初めてだった。
どこまで史実に近いのか、伊東さんの完全なるフィクションなのかは分からないが、正直こんな武衛は見たくなかった。
だが最後は鎌倉殿らしさを見せてくれたのでそれだけが救い。

もう一人意外だったのは大姫。薄幸の人のイメージしかなかったのだがこの作品では新たな大姫が描かれた。体調を崩しては政子が駆け付ける度に大姫は政子に痛いところを突いてくる。そして『母上への最期の置き土産』がそう来るとは。

意外ではないのは義時。こちらは他の作品でもさんざん描かれる、奸智に長けた実に嫌なヤツ。
それも『そなたは「こうした方がよい」と思ってもそれを告げず、そうせざるを得ないように仕向けるのが得意でした』と政子に言われるような、一番卑怯なやり方。
あんなことこんなこと、ほとんどの犠牲の裏に義時がいる。この義時では大河ドラマの主役にはなれないだろう。

義経は功名心が強く唯我独尊の男。だが大江広元は『武士としてのあらゆる美点』を備えていて『好いておりまする』と言っている。なのになぜ義経を排除するのかと言えば『用済み』だから。最後まで利用された可哀そうな男だった。
可哀そうと言えば範頼も。とにかく小粒、凡庸。その凡庸さが命を長らえられた一方で、結局は命取りとなった。一体どう振舞えば寿命を全う出来ていたのか。

息子・頼家は幼いころから父・頼朝にも母・政子にも懐かず、長じては親を親とも思わない危険人物。これなら排除されても仕方ないなと思う。
この時代、仕方のないことだけれど政子が自身で育てることが出来ていれば少しは違った親子関係になっていただろうか。

作中一番光った人物は畠山重忠。『筋の通った男』で頼朝は彼の『正しさ』を愛した。だがそれだけでは『武士の府が守れない』と彼の真っ直ぐすぎる気性を危ぶむ。
結局は頼朝の方が先に死ぬわけだが、奥州征伐には大義がないと苦言を呈し、次第に朝廷に近づく頼朝には清盛と同じ道を行くなら『もうついていけませぬ』と言う。そして終盤にもまた彼らしい真っ直ぐな言葉で頼朝に物申している。それも命がけで。
確かに政治家には向いてないが、武士として忠臣としては実に格好いい。

頼朝の死がどう描かれるのか、そして頼家が将軍になった後の新体制は。この作品での描かれ方も斬新だったが、ドラマの方も楽しみ。

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2022年06月01日

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大河の鎌倉殿の13人の予習として読みました
登場人物一覧をコピーして、
北条義時が小栗旬、畠山重忠が中川大志、
比企能員が佐藤二郎、梶原景時が中村獅童、
と書き添えて読みました。

歴史の教科書に載ってない、鎌倉創世記の空気を感じました。
来年の大河が楽しみです。



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2021年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊東潤先生の初作品です
面白かった、主人公にはイラついてたけど
鎌倉初期の主導権争いは昨年勉強したから存じ上げているが、主たる原因のアノ方がアレだったからという設定を活かして話を組み立てています
それなりに面白い
奥州征伐の話は勉強になった
確かにアノ時代であそこまでやれた事で武家政権が拡大したといえる
わかりやすい表現でした

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2019年03月29日

Posted by ブクログ

いい国つくろう鎌倉幕府でお馴染みの源頼朝とその妻北条政子の物語で、前半は義経討伐に至る経緯がメインとなっていて、どうして義経が討たれなければならなかったのかが描かれていて、あぁ、これなら討たれてもしょうがないわ、と思える内容となっている。
後半は言っていいか悩むが、ほぼ若年性痴呆症の話になっていて、家族に同じ立場の人がいると、まぁ、よくわかる内容になっている(かくいう私もよく理解はできたw)。
でもその分、物語としては、展開が希薄で同じパターンの繰り返しでなかなか読むのがしんどくなってしまった。
しかしやっぱり、そもそも鎌倉時代って、ほぼ古事記とか神話の時代と変わらない感覚で、なんだかドラマ成分が希薄に感じてしまうなぁ。

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2018年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで時代小説と言うと戦国時代以降しか読んでいなかったが、鎌倉時代を舞台にした小説を初めて読む。
頼朝がこんなにも猜疑心の強い人間だったのか。おまけに老人性痴呆症に冒されている設定。史実がどうであったかわからないが、三代で終わった状況を見ると激しい権力闘争があったであろう事は推測される。

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2018年04月25日

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