あらすじ
「武士の世を創る」生涯の願いを叶えるため手を携えて進む、源頼朝と政子。平家討伐、奥州を制圧、朝廷との駆け引き。肉親の情を断ち切り、すべてを犠牲にして夫婦が作り上げた武家政権・鎌倉府は、しかしやがて時代の波にさらわれ滅びに向かう。魔都・鎌倉の空気、海辺の風を背景に権力者の孤独と夫婦の姿がドラマティックに描き出される。頼朝晩年に隠された大いなる謎とは?『吾妻鏡』空白の四年間を解き明かす圧巻のラストは必読!新聞連載時から大きな反響を呼んだ感動の長編エンタテインメント。
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Posted by ブクログ
鎌倉殿の13人に登場しそうな人物を予習するために読んだ。この小説の主役は、北条義時(政子の妹・小栗旬)・北条政子(頼朝の妻・小池栄子)・源頼朝(大泉洋)の3人。前半は鎌倉幕府の基礎を固めるためにじゃまになる者を親族だろうと権謀術数で殺し続ける3人のトライアングルがえがかれているのに対し、後半は容赦なく痴呆が始まった頼朝の奇行が容赦なく描写されてる。痴呆の描写が余りにながいのでもっと縮めてほしかった半面、だからこそ最後に頼朝が選んだ行動がぐっと心を打った。頼朝の兄弟殺しは容赦ないです。が頼朝の子どもはみな北条政子が死ぬよりも早く亡くなってしまうというのも、鎌倉幕府は誰のために創設されたのか、非常に象徴的でもあります。北条家が成り代わった理由として、義時の明瞭ぶりが際立ちます。
大河ドラマに登場してるこの役者はこんなに早くリタイアして死ぬのか、あの役者はこのときに死ぬのか、勿体ない起用だなと事前にわかってしまうんだけど、似た名前の登場人物が非常に多いので、大河ドラマ平清盛と同様、人物予習はしておくべきです。貴族社会と武家社会のお互いが覇権を握り切れてないという点では平安末期と非常に似てるので。
Posted by ブクログ
平家滅亡から頼朝の死までを描く歴史小説。
往年の大河ドラマ「草燃える」やその原作の永井路子の一連の作品を思い出しました。
確かに、あれからこの時期にスポットを当てた小説やドラマを目にしていませんでした。
新解釈として義経をわざと奥州に逃したこととか頼朝がだんだんおかしくなっていくところは、その目の付け所に感心しました。
プロローグとエピローグが承久の乱に突入するところなのも良いと思います。
残念なのは、頼朝の死後から承久の乱までを政子の独白で流してしまったところです。
この部分は続編を出してほしいと思いました。
Posted by ブクログ
伊東潤先生の初作品です
面白かった、主人公にはイラついてたけど
鎌倉初期の主導権争いは昨年勉強したから存じ上げているが、主たる原因のアノ方がアレだったからという設定を活かして話を組み立てています
それなりに面白い
奥州征伐の話は勉強になった
確かにアノ時代であそこまでやれた事で武家政権が拡大したといえる
わかりやすい表現でした