伊東潤のレビュー一覧

  • デウスの城

    Posted by ブクログ

    肥後国のキリシタン大名小西行長に仕える3人の若者
    彦九郎、善大夫、佐平次の3人の若者が、キリシタンとして、待ち受ける試練に翻弄されていく。
    ただ単に宗教だけの問題ではなく、当時の欧州諸国の植民地生産が、悲劇的な結末を生んでいるのだろう。

    0
    2024年11月12日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    記録がほぼ無い時代を、時系列情報だけで膨らませる力はやはり作家さんというのは凄い
    新聞連載を元にしているため、軽く読める様にしてあるのでしょうが、セリフと心情描写ー説明ーでストーリーが進められるのが物足りない

    とはいえ、後半以降は引き込まれる内容 古墳時代の歴史小説は少ないので、もっと書いていただきたい

    アニメにしたら面白そうです

    0
    2024年10月11日
  • 叛鬼<文庫版>

    Posted by ブクログ

    登場人物のダイナミックな動きは感じられるが、やはりマイナー感は否めないか。ただ、江戸時代以前の関東に興味はあり、読み進めることができた。
    東京といえば、太田道灌。戦に明け暮れる姿は、イメージと一致しない・・

    0
    2024年09月27日
  • デウスの城

    Posted by ブクログ

    日本におけるキリスト教信仰の終焉のシンボルとなる島原の乱に取材した小説。
    島原の乱のキリスト教徒がたてこもる原城には元小西行長の配下の武将がおり、攻める側にも小西行長の配下の武将があった。また仏教僧となり、形だけの棄教をすすめることでキリシタンの命をすくおうと東奔西走するのもまた小西行長の小姓であった。武士として生きるか、キリスト教徒としていきるか、あるいは表面上は仏教徒となりながらも本当の救いとは何かを求めるという三人三様の人生。それぞれの運命が
    関ヶ原の敗戦(小西行長陣として)以降の時系列で描かれる。
    この時代の飢饉があったり、あるいは人生で不運なことがあったときにキリスト教の救いによりハ

    0
    2024年08月21日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

    Posted by ブクログ

    伊東潤さん三作目。題材は、秀吉晩年の汚点とされている文禄・慶長の役。地名や名前に馴染みがないせいか、一方的な「殺戮」に近い戦場の描写が惨たらしいせいか、なかなか進まない一冊だった。
    その場にいる誰もが、もう嫌だ何故こんなことをと辟易しているのに、止まらない止められない。空虚な大義の下で無益な戦いに駆り出され、それでもそこで自分のできることを、信義を曲げずに果たそうとする。でも、止まらない止められない。その後も幾度となく繰り返される戦争の暴走と、翻弄され抗えず蹂躙される無力な民衆。数万と記される数は、一人一人一人一人なのに。
    これまで戦国期の小説を読んでも、こんな風に感じることはなかった。感想を

    0
    2024年08月12日
  • 天下大乱

    Posted by ブクログ

    関ヶ原の戦いについて、秀吉の死去から大戦の終了までを描く。従来より、数多くの作家が何度となく記してきたテーマだけに、逆に難しいと思われるのだが、毛利輝元に焦点を当てる事で、またら新たなる視点での作品に仕上がっている。
    確かに、官僚的で理詰めで考えている石田三成では、大将としてあまり説得力はない。やはり、西の雄である毛利の動向に、もう少し目を向けるべきであろう。

    0
    2024年06月29日
  • 琉球警察(文庫版)

    Posted by ブクログ

    伊東潤『琉球警察』ハルキ文庫。

    戦後、米軍に支配される沖縄の微妙な社会情勢の中を警察官として必死に泳ぎ続ける東貞吉の姿を描いた歴史冒険小説。

    前半の余りある熱量のある展開に比べて、終盤は安っぽいドラマに成り下がった感がある。結局、米軍の横暴から沖縄を護ることも出来ず、何も変わらぬままに終わるという現実が際立つだけだった。洗脳を超えて、いきなりの催眠術とか余りにも陳腐ではないか。非常に勿体ない。


    奄美諸島徳之島出身の東貞吉は、琉球警察名護警察署配属時に米軍現金輸送車襲撃事件で手柄を立て公安担当になる。

    米軍に支配される微妙な社会情勢の中で、貞吉は沖縄刑務所暴動で脱獄した人民党の瀬長亀次

    0
    2024年06月01日
  • 覇王の神殿

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古代史はもともと分からないことばかりの時代なので自由自在に話を作れる醍醐味があって、聖徳太子と推古天皇と蘇我一族の関係が段々と調和を失っていく、という本書のストーリーも、面白いとは思うんだけど・・・。ただその関係悪化の理由が、早世した我が子を惜しむ推古の妬心、仏教国家を創った名声が後世に伝わらなくなるかも知れないことを厭う馬子の拘りというのがどちらもいきなりメロドラマ風のジメジメで何だか思いっ切り安っぽい話になっちゃった感があって残念。。。
    勿論、もしかしたらそれこそが真実であるのかも知れませんけどね。

    0
    2024年05月17日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐

    Posted by ブクログ

    川中島決戦を舞台に、信玄と謙信二人の大名の間で生き抜こうとする二人の若武者の物語。

    どうしても大国に注目が集まるのは、エンタメとしても学問としても仕方がないところではありますが、その裏というか下というか、知られることのない部分に多くの人々が暮らしていたことを忘れてはいけない知っておきたい。
    だって、自分もそういう存在の一人だから。
    大名の生き様、処世術を学ぶのもいいけど、何者でもない人々の人生こそがきっと学ぶことが多いと思います。

    まあ、物語の主人公になっている時点で、名もなき存在ではない、と無粋なこと思うこともある。
    いつでもどこでも誰からでも、学ぶことがあるということですよ。影響を受け

    0
    2024年04月19日
  • 茶聖(下)

    Posted by ブクログ

    いやぁ、面白かった。
    戦国のお話なのに合戦シーンはなく、人の心の合戦シーンばかり、なのに一気読みでした。

    千利休の覚悟は、格好いい!
    秀吉の最後との対比が素晴らしい。
    「天下人の秀吉は光、利休は影」でも人間として臨終は
    逆になったという気がする。

    0
    2024年04月11日
  • 茶聖(上)

    Posted by ブクログ

    天下を表が秀吉が、裏を利休がしきる。
    有り得そうな話しだと納得、この巻では利休切腹まではいかないが、そういうことかと納得できる物語、また文章のうまさ、さすが伊東潤!

    秀吉の何とも言えない恐ろしさ、利休の感じる命をけずるほどのストレス・・・。
    想像するだけで身の毛がよだつ。
    サラリーマン生活が長いので、茶の湯の達人たちの上司に対するストレスが痛いほどわかる。

    0
    2024年04月09日
  • デウスの城

    Posted by ブクログ

    島原の乱を描く歴史小説。

    元小西家臣の三人の視点から描くのも、それぞれの立場がいい立ち位置になっているのもよかったです。
    関ヶ原の戦いから島原の乱までは三人の主人公の変遷とキリシタンへの弾圧の強化が並行して描かれていて、序奏としてはよい感じでした。
    乱自体の史実についてはちゃんと抑えられているので勉強になりますが、天草四郎の成り立ちに主人公の一人が絡んで詐欺まがいなことをさせるのにはちょっと違和感がありすぎました。
    あと、三人の主人公のうちの一人は実在の人物(といっても素性はよくわからないらしいです)なので、最後についても予定調和っぽい感じがしました。
    ただ、現在の社会で大きな戦争がいくつか

    0
    2024年04月01日
  • 潮待ちの宿

    Posted by ブクログ

    移りゆく時代背景の中で、自分の置かれた場所で懸命に生きていく人々が描かれている。
    6編からなり、ハッピーな話ばかりではないが、それぞれ読者を楽しませたりしんみりさせたりする。

    0
    2024年03月29日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐

    Posted by ブクログ

    2024.3.16完了
    時代背景といい、小国人の須田氏を扱うあたり興味津々に拝読させていただきました。伊東潤氏の作品だし外すことはない。なにより須田氏の親族関係が知れたのは良かった。
    須田一族を完結させていないところも良い。

    0
    2024年03月18日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    加藤清正の熊本城は有名だが、実際の現場で働く人物を生き生きと描く伊東潤の歴史ものは本当に惹きつけられる。
    数年前(平成28年)の熊本地震で被害を受けた熊本城。少しずつ復旧はしているのかな?
    阿蘇の雄大な風景とともに現場を訪れてみたくなった。

    0
    2024年02月27日
  • オフリミッツ 横浜外事警察

    Posted by ブクログ

    アメリカに住んだことのない人に"アメリカの方が本音と建前がはっきりしてる"と言うとすごくびっくりされる。
    久しぶりに、アメリカに居たときに100回に1回くらいで遭遇した違和感を思い出した。2000年代だったからそれくらいの割合だったけど、60年代なんて違和感どころかガッツリ差別だったんだろう。

    0
    2024年01月21日
  • 浪華燃ゆ

    Posted by ブクログ

    こういう真面目な人が思い詰めると危ないよなーと思いながら読んだ。主人公の真面目さ、行動力には学ぶところも有る。当時の環境や地理を知らなかったので勉強になった。この乱のことは教科書では一つの文章で書いていると思うけれど、沢山の人が死に、高潔な思いがあったと思うとやるせない。

    0
    2024年01月07日
  • 北条五代 下

    Posted by ブクログ

    北条早雲については、いろんな小説で描かれていて、それなりに知っていたけれど、その後の4代の当主のことは、ほとんど知らなかった。もし、北条家が天下を取っていたら、平民にとっては、住みやすい世の中になったのかもしれないけれど、やっぱり、永続きはしかっただろうな。

    0
    2023年10月19日
  • 覇王の神殿

    Posted by ブクログ

    僕が好きな「古代物」の中でも、蘇我氏については、特に興味がある題材だった。この作品は、いろんな意味で、ワクワクしながら読んだ。聖徳太子が、物凄いキレ者で、そのせいで天皇になれなかった、というのも、何となく解るような気もする。

    0
    2023年10月02日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>

    Posted by ブクログ

    相変わらず、読みやすい文章と合戦の臨場感はものすごい。
    ただ、若干キャラの描き方が伊東潤らしくないかなと。
    主人公の須田弥一郎と甚八郎、上杉謙信一派等々・・・。
    登場人物に違いが見えず、ただ起こった史実を追いかけているように感じました。
    ただ、弥一郎と初乃の夫婦の会話は、いいアクセントになっています。

    武田信玄をあまり描かず、噂、行動のみで表現していたのが斬新でかつ効果的だなと思った。

    0
    2023年09月27日