ヨシタケシンスケのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
17章、ネイティブ並みに文章を読み解くには、”辞書に載らない知識と教養”が必要という話。生の日本語文章には、「国境」のような有名文学作品はもちろん、サザエさんのような現代のカルチャー、「鴨川の法則」といった小話(?)まで日本語母語話者であれば知っているであろう”ネタ”が満載である。
同様のことは他言語にももちろんあり、本書では言及されていないが、英文学でallusion(引喩)と言われており、特にシェイクスピアや聖書の前提知識がないと意味、あるいはおもしろさが分からない、といったことはままある。
中国文学なら漢詩や古典がそれにあたるだろうか。
(その昔、大学の第二外国語で”何日君再来”を習った -
Posted by ブクログ
悲観的じゃない語り口で、社会のロクでもない部分やご自身が受けたイジメや、病気、ご離婚のエピソードをまとめられているので、打ちひしがれることなく(むしろ楽しく)、読むことができるエッセイ集。
きっとヨシタケシンスケさんのイラストも効いていますね。
マイノリティや多様性を、押しつけがましくない空気感で伝えていく、ご自身の使命をわかっていらっしゃって素敵です。
巻末のヨシタケさんのあとがきも素晴らしかったです。
「いろんなめがねがあるのだ、と。自分のめがねはあるていど、自分で選ぶことができるのだ。
【本文より引用】
・めがねを掛け替えれば、生活の見え方はぐんと変わる。
・「あの人って〇〇だよ -
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Posted by ブクログ
視野が広がる本。大多数でないことが間違っていることではないし、それを周りの人に伝えて、その人個人の感性として受け入れてくれる人とだけ付き合えばいい。こうあるべきという考えは誰も幸せにならない。
ポリアモリーの話と、おむつの話が印象に残った笑
p30しかしぬるぬると、そしてずぶずぶと、沼にはまっていった今、自分のペースで何かにドはまりしていくこともあるし、誰かと比べなくても自分のペースで世界を遊べばいいんだなと学んだ。
p39誰の知的影響も受けてないと信じている実務家でさえ、誰かしら過去の経済学者の奴隷であるのが通例である ジョンメイナードケインズ
p55自分の状況を説明した -
Posted by ブクログ
ネタバレ特に印象に残ったのが、「道具の魔力」「自虐の落とし穴」「耐えるのではなく変える」というタイトルのエッセイ。
持ってしまうと使いたくなってしまう道具。
でも、その使い方は正しいのか、使う必要があるのか、他にその場にもっとふさわしい道具はないのか、それで人を傷つけていないか。
また、ついついやってしまう自虐。
私自身、特に20代の頃はいつも自虐していた。
自分ではできない、自分はこの場にふさわしくない、人並みになるにはどうしたらいいのだろう、心が弱いからだ、と自己否定し、自分を紹介するときは常に自虐していた。
ただ本の中でも触れられているが、自分のある部分を自虐することは、それを恥ずかしいもの -
Posted by ブクログ
第一弾を何となくスルーしていたから、本作発売を受けて、慌ててまずはそっちから読んだもの。で、その第一弾が素敵内容だったから、当然その流れで、本第二弾に手が伸びる訳で。ここでも二人の作者の相乗効果が起こっていて、相変わらずの高品質。お笑い論とか、かなり首肯される部分が多くて、かつては自分も無邪気に笑っていた立場として、身につまされることしきり。何なら、具体的な放送場面まで思い浮かぶくらい。今はめっきりというか、全くテレビを見なくなったけど、その一因は間違いなく、鑑賞時の居心地の悪さだと思う。単純に飽きただけとか、集中力が落ちたせいとか思ってたけど、なるほど、こういう理由が実はあったんだな。そうい