中江有里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
みんな、「好き」という感情が絶対的上等感情だと崇めがちだ。だが「ほしい」という感情がさらに純粋なものではないかと感じたことはないですか?比べたらことがなかった「好き」と「ほしい」の相対論。この2つは似ている感情だと勘違いしていました。小説の中では「好き」と「ほしい」のかけ違いや勘違いで恋愛に物語が発生し、「好き」と「ほしい」の合致で恋愛が成就していた。更にこの2つを掛け算で考えてみると複雑で面白い。「好き」だから「ほしい」と「ほしい」から「好き」は全然違う。例えば、メルカリをして世の中の欲に触れた時。「ほしい」から「好き」という感覚の存在に気づかされる。別に好きではないのにほしくなる!ほしくないから好きではない...?「ほしい」は「好き」を上回る純粋な感情になりえる。「好き」は変幻自在な都合の良い感情になり下がる。
-
Posted by ブクログ
「恋愛」をテーマにした
5名の作家さんによるアンソロジー
収録は以下の5作品
「あなたが大好き」 奥田英朗
「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
「シャンプー」 中江有里
窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
他作品は、私は初めてのものばかりだった。
どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。
読んでいて気恥ずかしくなるような、胸キュン恋愛小説が苦手な人も、これは安心して読めると思う。
そして『恋愛仮免中』というタイトルもなかなか粋だ。
幾つになっても、男性も女性も、こと恋愛においては
仮免中の時が、一番たのしいんだろうな。
-
Posted by ブクログ
自分が何になれるのか、何になりたいのか、
わかからなくなった。
不安な気持ちを紛らわせようと本をとった。
帯のこの言葉に惹かれ手に取りました。
目標とかやりたい事って難しいよね。
やりたい事が向いている仕事とは限らないし。
本当にやりたい事を仕事にしている人ってどれくらいいるんだろう。
でも、一歩踏み出さないとやりたい事が出来たときに選択肢もなくなっちゃうから通信制であれ全日制であれ学校は大事だと思う。
頑張っている周りの姿を見ると自分だけ取り残されているような気持ちになる。
だから、沙羅も変わろうと頑張ってるし、焦るのもよく分かる。
万葉の古本屋やブックカフェの仕事、いいなぁと憧れてしまう。
本に携われるのは羨ましい。
沙羅が万葉や万葉の叔父、佑月と本の感想を
話し合えるのもいいよね。
私の周りは本を読む人いないから、娘に読書の楽しさを洗脳中。
作中に実在の本が出てくるのも本好きにはたまらない。
ちょうど宮沢賢治の作品読んだばかりだったので『クラムボン』が出てきたのは嬉しかった。
でも、『クラムボン』の正体ってなんなんだろうね?謎だよね!
宮沢賢治の作品は読み手に自由に想像させるところも魅力のひとつみたい。
そういえば宮沢賢治も作家としてなかなか最初の一歩が踏み出せないでいたなぁ。
あちこち寄り道していつも迷っていたけど妹トシと父が見捨てず見守ってくれたから今の宮沢賢治あるんだよなぁ。
だから、沙羅もきっと大丈夫だろう。
優しい父母や万葉、叔父さん、佑月が見守ってくれているのだから。
エッセイで「 本が非常口だった」というのもよく分かる。
私は今でもこの非常口をよく使う。
嫌なことがあったときとかも無心になれるから、非常口から出たくなくなってしまう。
「実は、まわり道は一番近いのだ」
今の世の中、生き急いでいるように感じる。
もっとゆっくりしても良いのではないだろうか。
自分のペースで一歩踏み出せばいいんだよと本書は沙羅を通して教えてくれる。
ゴールが同じなら私もたまには寄り道をしていこうかと思う。
いつも同じ道、同じ風景ではつまらない、寄り道した方が断然楽しそうだ。
人生は一度しかないのだから。