中江有里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
残っている独身者の「福」ではなく、その人が生きてきた「過去」にスポットライトを当てる。ただし、主人公が見た目も中身も「福」をイメージさせるキャラクターになっており、作者の遊び心を感じさせる。中身が「福」なのは、良い意味であり、男前だということ。
読者の皆様は、この小説を読んだ後に、自分の人生に関わった人達を思い出すことになると思う。
初対面にも関わらず、生きるヒントを授けてくれた人もいる。そこまで親しく無いのに自分のことを感謝してくれた人もいる。一方で、自分がひどい事を言ってしまい、気持ちがすれ違ったまま別れた人もいる。
「自分を浄化するために、人の幸せを祈る」
という言葉が最も印象深い。親しい人にも、疎遠になってしまった人にも、図らず傷つけてしまった人に対しても、ふと思い出して、無条件で幸せを祈ってあげたい。 -
Posted by ブクログ
5人の作家による恋愛アンソロジー
奥田英朗 「あなたが大好き」
窪美澄 「銀紙色のアンタレス」
荻原浩 「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」
原田マハ 「ドライビング・ミス・アンジー」
中江有里 「シャンプー」
の5編が収録されています。
窪美澄さんの作品を楽しみにしていましたが2016/10/17に刊行された「すみなれたからだで」に収録されていた物で少し残念でしたが、それでも再び読み返したらやっぱり好きだなと感じました。
16歳の男女のすれ違う繊細な恋心にドキドキしたり、おばあちゃんの家や海、龍宮窟の風景が脳内映像に浮かんで来たり、おばあちゃんの作るおにぎりが食べたくなったり、終始無駄のない文章で引き込まれました。
荻原浩さんの作品も素敵でした。
中学校の同級生だった二人が夫婦になり、けれど妻は今病室のベッドの上にいます。
短編でありながら二人の歴史が凝縮されていて温かく、そしてとても切なかったです。
いつまでも余韻が残ります。
大好きな奥田さんの作品は今回も期待通りで、本作も女性心理の細やかさが随所に表現されていて主人公の彩子の気持ちに最初から最後まで共感しながら楽しめました。
文章もリズミカルで温かく優しさもあって大好きな作品です。