中江有里のレビュー一覧
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ネタバレ一言で言うと『好き』です。
万葉と沙羅、そしてその周りの登場人物かそれぞれ何かしら困難をかかえている。でも当人以外はそんな風に見えてない。普段生活していてもみんな感じる一場面。それでも転換のタイミングで出てくる本たちがいずれも読んでみようと思わせるのは絶妙でした。
そして、私がこの本の中で線をひいたのは
『好き』という佑月の気持ちには、きっと虹のようなグラデーションがある。どれかの色が好きとあうのではなく、七色の虹が好きなようだ。
の部分。この本の中でもLINEだけじゃなくて電話する場面とかで表現されてるように、文字だけでは伝わらない、伝わりにくい言葉ってあるからこそ、やっぱり実際に会って顔を見る、声を聞くってことは重要なのだと改めて気付かされる内容でもありました。
最後にポメラニアンとビーグルの挿絵がなんともかわいらしいので見逃さないでください! -
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周りがどんどん結婚していく中で、自分の結婚について嫌でも考えさせられるようになり、その度にやるせなくなるこの頃。
結婚願望があるかと言われればあるし、ないと言われればない。「するか、しないか、するならいつか。」そんなことを呪文のように唱えていた頃に届いた、友人からの結婚式の招待状。
「幸せな人たちが集まる場に行ったって、自分の惨めさを実感するだけだ」と、欠席にしようかとも思ってた時にふと出会った一冊。
結婚式の参列者には、それぞれの過去があり、未来がある。
結婚することがゴールでもなければ、結婚がその先の絶対的な永久の幸せを保証するものでもないし、早いことが勝ちなわけでもない。
でも、少なからず新しい門出のその瞬間は、周囲に祝われて然るべきなのかもしれない。
そう思うと結婚を、結婚式を祝ってあげたい気がしてきた。 -
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本に向き合うことは、個人的な体験となる。自分で読んで、自分で想像する。こんな風に、本当の出会いを語ることができる著者がスゴイ。言葉の選び方が優れている。人生の変わり目の中で、本があったことをさりげなく語る。本が、まさに、著者の伴走者のように書かれている。
子供の時から、「おとなの私」になるまでに、出会った本たち。成長する時には本があった。
両親の離婚。父親につくのか、母親につくのか?その時に、屋根のない家を選ぶのか、壁のない家を選ぶのかの選択だったという。そして、たくさんのきらめく言葉が浮かび上がる。
わたしは捨て子だった。家なき子。
倚りかからず。しかし、椅子にある背にもたれていいんだよ。
大阪人は、アホを演じることができる。
愛を引っ掛ける釘があり、サヨナラにサヨナラする。
生きていく上では、笑いという自家発電を持つことだ。
変わらない過去ではなく、刻々と変わる不安定な現在に向き合う。
今という時代は、あらゆる時間が積み重なったもの。
生きることは切実なことだ。
砂糖の効いたあんのしっかりした甘さ。あんぱんは今日のわたしを励ます。
絶望して初めて欲望を自覚した。
何が正しいかわからなかった。赦しがたいほどの嫌悪感。
わたしはわたし以外になれません。
ひとりでいたいのに、ひとりでいることはとてつもなくさびしい。
帰るところがない。自立心が芽生える。
そろそろ夕飯だから、降りておいで。
一つの道を選ぶことは、他の道を捨てることだ。
何の夢も希望もない現状から逃げたかった。
本は自分をはかるものさしだ。
愛することは技術である。
どんな大きな画も、白いカンバスに最初の筆をおくことから始まる。
ぼくにとって、あきらめきれない人だから。
本は逃げるための手段で道具だ。使い方は、自分次第でいつだってページを開いた人の味方になってくれる。
ふーむ。言葉の切れ味が実にいい。言葉を感情という研磨機で磨いている。素敵だ。 -
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ネタバレ彼女を初めて知ったのは、NHKの『週刊ブックレビュー』という番組でだった。
当初アシスタントだった彼女は、毎週、紹介される本を全部読んでから撮影に臨んでいて、その姿勢に感心したものだった。
毎週3人のゲストが3冊の本を持参し、その中から1冊を紹介する。
つまり毎週3冊は読まねばならない。
その他、特集される作家の本もそれなりの量があるので、一日何時間読んでいるのだろう、一年に何冊読んでいるのだろうと不思議だった。
どう頑張っても私にはそんな時間が捻出できなかったから。
彼女のすごいのは、興味を持ったことがない分野の本も、苦手分野の本も、きちんと咀嚼して自分のものにしていることだ。
「無理」って投げ出さない。
仕事だから当たり前か。
でも、本を読むことが義務になったら、私は本を読まなくなるんじゃないだろうか。
だって、義務になったら楽しくなさそうだもの。
小説を書き、ドラマの脚本を書き、女優としてもコメンテーターとしてもパネリストとしても活躍する彼女は、それでも年間300冊(それ以上と私は睨んでいるけど)の本を読む。
軽やかに。
楽しそうに。
私も負けていられないな。
読書は決して競争ではないし、自分のペースで自分の好きな本を読めばいいのだけれど、彼女の読書エッセイや書評を読むと、猛烈に読書欲がかき立てられて、鼻息荒く、そう思う。
先日ブログでちょこっと書いた星野博美の『コンニャク屋漂流記』が紹介されていて、びっくりした。
これは、その本に呼ばれているっていうことかしら。
そういう本との出会いも、読書本の楽しみ。 -
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ネタバレさらっと書いているように見える文章だけれど、すごい決意をもってこの本を書いたのではないだろうか。
なにしろ家庭の問題からコンプレックスまで、赤裸々に書かれているので、読んでいるこちらの心までざわざわしてしまうほどだった。
人と接するのが苦手で、本のなかに自分の居場所を求めること。
私は単純に物語の世界に入り込むことが楽しかっただけで、居場所を求めて本を読んでいたわけではないけれど、思春期の、自意識過剰な時期はやはり本の中でだけ心が解放されるような気がしたものです。
”頼ったり甘えたりしないのは、我慢することにつながる。だけど極度の我慢は、自分が何を欲しているのかをわからなくしてしまう。我慢の加減は、とてもむずかしい。”
という文章のあとに紹介されているのは、茨木のり子の『倚(よ)りかからず』
児玉清さんとの交流も、大切な記憶と共に記されていて、『週刊ブックレビュー』を懐かしく思い出しました。
最初は司会の児玉清さんの読書量、幅、深さにただただ感服していたのですが、アシスタントだった著者が、毎週必ず、紹介される4冊を読んでいること、そのほかに自分の好きな本もきちんと読んでいることに驚いたものでした。
その週によって、専門書だったり分厚い本を紹介されることもありましたが、著者は必ず事前に読んで収録に臨んでいました。
読まずに番組に参加する自信がなかったから、と著者は書いていますが、その自信のなさ、自分の足りないものを知っているということが、その後大学の通信課程で日本文学を学び直すことに繋がるのです。
出来ないことを知ること。
出来ない自分をさらすこと。
出来るように努力すること。
きっと彼女はこうやって生きてきたのでしょう。
強くて、賢くて、誠実な人なのだということが、この本を通して伝わってきました。 -
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奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。
日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。
「あなたが大好き」奥田英朗
自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
結婚を真剣に考えている。
つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。
親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。
誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。
「銀紙色のアンタレス」窪美澄
夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。
そこに幼なじみの同級生・朝日が訪ねてくる。
もう、少女ではない朝日。美しくなった朝日を意識する真だが、思いはすこし複雑だった。
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」荻原浩
21世紀のホスピスで向き合う老夫婦。
昭和44年アポロ11号の月面着陸生中継をみつめる中学生。
二つの舞台が交錯する時空を超えた愛の物語。
「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハ
元会社専務のタクシードライバー善田雄二。
部下の不祥事の責任を取らされて会社を追われる。
妻の死に目にも会えなかったことから、既に嫁いだ一人娘との距離が出来てしまう。
英語が堪能な善田は、京都観光中に自転車にひっかけられて尻餅をついた彼女に声をかける。
そこから始まる小京都旅行。
二人の人生が、少しだけ動き出す。
「シャンプー」中江有里
両親が離婚して母と暮らす中2のミサト。
理容師の父とは月1回、父の「職場」で髪を切ってもらうだけのルール。
母のいきつけの美容室の新人美容師タケルと仲良くなったことで、ミサトはいじめにあってしまう。
タケルとミサトが考え抜いた、仰天のいじめの対策とは。 -
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読書は習慣なんだなぁ
積ん読本が多くて大変だって思っていたらけれど、この本を読んで目からウロコ…悩まず楽しく読書というスタイル!素晴らしい!読書を習慣化して時には苦しく時には楽しく本と接していけたらいいなぁと思いました。