伊吹有喜のレビュー一覧

  • BAR追分

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    昼間はバールで、夜はバー。二つの顔を持つBAR追分は、「新宿ねこみち横丁」と呼ばれる小さな通りにある。美味しい料理とお酒のおもてなしに、今日も訪れた客の本音や悩みがぽつりぽつりと零れていく──。

    出てくる料理がとにかく美味しそうで、読んでいる間ずっと空腹と対峙していた。美味しくて丁寧な食事は、きっちり閉じた心の栓を少し緩めてくれる気がする。
    行きつけのお店っていいな。私も今の土地に引っ越す前は、黒猫がお出迎えしてくれる、BAR追分によく似たカフェバーの常連だった。週に二日、仕事終わりに二時間読書をして帰るのが何よりも楽しみだった。通えなくなって随分経つけれど、あの場所で過ごした時間は今でも、

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    2023年06月29日
  • BAR追分

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    みんなそれぞれに、悩んだり怒ったり、
    何かと闘ったり、それに疲れたり、
    いろいろとあるんだよね。

    この短編集は、BAR追分で過ごした時間をきっかけにちょっと前を向けるようになるお話たち。
    それがそんなに奇跡的なことでもなくて、
    ちょっとした言葉だったり、雰囲気やお料理だったり。
    うまく言葉にできないけど、なんかいいんだよね。

    『父の手土産』は父の気持ちを思ってほろっとした。
    『ボンボンショコラの唄』梵さんも綺里花さんもよかったなあ。

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    2023年06月01日
  • オムライス日和 BAR追分

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    タイトルに惹かれて読み始めたが、シリーズ2作目だったのね。
    この人々が出会ったきっかけが気になる。
    すぐに1作目を読もう!

    どのお料理も美味しそう。
    香りもしてくるよう。
    おだしやさんのうどんや桃子さんのオムライス、食べてみたいな。

    この『ねこみち横丁振興会』はいろんな世代の人がいるのかな?
    話の中心は、現在自分を模索中の若者たち。
    それぞれにいろんな思いを抱えながら、周りの人々とつかず離れず、
    時に力を合わせてイベントを盛り上げ、
    なんか心地よい関係だなと思った。

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    2023年05月20日
  • ミッドナイト・バス

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    すれ違い、生き違った家族が会いまみえた時に、どうやって向き合い、どうやって再出発していくのか。家族とはとても近いため、時には支えに、時には脅威になる、そんなデリケートな関係なのかもしれない。それでも家族を紡ぐ物語が心引かれるのは、それをみんな求めているのだろう

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    2023年05月15日
  • ミッドナイト・バス

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    「終わり良ければ」という言葉があるが、
    そのような印象がややある作品。

    終始起伏は少なく、それぞれが抱える問題(家族、仕事、恋愛、結婚、離婚)に対して向き合い、最後にはそれに対する答えを見つけ新たに歩みを始めるというストーリー。

    この作品は、読者側の今の状況や精神状態によってハマる/ハマらないが大きく左右されると思うが、何かモヤモヤしている時に読んでみる一冊としては良いと思う。

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    2023年05月12日
  • 天の花 なでし子物語

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    名家の人々のしきたりや、思惑に翻弄される子ども世代の苦悩がもどかしいけれど、常夏荘の人々の暖かさにほっとします。昭和の旧いメロドラマのようで、「なんだかなぁ」と思いつつ先が気になってシリーズ読破したくなる。

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    2023年04月29日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    今回は料理より少々青臭い宇藤君の葛藤がメインかな。
    でも、多くの人が感じると思うけど真の主役は柊君。
    彼が少しずむ心を開く様子はとても微笑ましい。

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    2023年04月21日
  • カンパニー(新潮文庫)

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    知らないバレーの世界を知りました。アスリート、舞踏家etc.華やかに見えてそれでいて、強い精神力。すごい世界だな。

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    2023年04月08日
  • 四十九日のレシピ

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    再婚相手を亡くした男と前妻との娘が後妻の四十九日宴会を企画する物語。人物の描き込みが少なく感情移入がしにくかった。

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    2023年04月06日
  • 今はちょっと、ついてないだけ

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    『今はちょっと、ついてないだけ』
    タイトルがいい。つらい時に思い出したら気持ちが前向きになれそう。

    「ボーイズ・トーク」から後半の三章がよかった。
    控えめでイケメンな立花さんが実在しているような気がしてしまい、会ってみたくなった。こういう感じの人タイプだな、是非綾野剛さんに演じて欲しいなと思って読んでいたが、すでに玉山鉄二さんで映像化されていた。どんな感じか気になるので観てみようと思う。

    ひとつ引っかかった事。岡野が家族をバーベキューに連れ出す場面での奥さんの態度が酷すぎた。段取りが悪くても、楽しませようとしてくれた気持ちを汲むべき。思いやりが大事だよー。

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    2023年03月21日
  • BAR追分

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    新宿追分の目立たない横丁のどん詰まりにあるBar追分。

    昼間はバルとして、夜はバーとして営業している。

    何かに悩む客が、うっかり迷い込み、バーで出会う人が何を助ける訳でもないが、そこに暮らす人を見て、客が自身の進むべき道を選択していく。

    追分の名の通り分かれ道にあるバー。

    自分もそんなバーに迷い込んでみたい。

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    2023年02月23日
  • 四十九日のレシピ

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    誰かが亡くなってから
    気づくことがある

    亡くなる前に気づいていればよかったのに
    と後悔するかもしれないけれど
    気づけなかったより
    気づけたことを喜ぶしかない

    義母が亡くなったことで
    近づいた父娘に
    義母もにっこりしているだろう

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    2023年02月04日
  • オムライス日和 BAR追分

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    2023.1.25
    BAR追分シリーズ第2弾。
    ねこみち横丁振興会の管理人をしながら脚本家の夢を追いかける宇藤輝良とそこに関わる人々の心温まる連続短編集。

    シリーズ2作目はBAR感が1作目よりも少なめだが優しい気持ちになれる小説。登場人物たちが皆、優しく難しいことを考えずゆったりとした気持ちになりたい時に読みたい一冊。第3弾も出版されているようなので読んでみたい。

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    2023年01月25日
  • 今はちょっと、ついてないだけ

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    私は大学時代、所属していたゼミの教授からのアカハラでどん底の気分だった時がある。身に覚えのないことで責められ、散々嫌な言葉をかけられ心臓がどくどくと嫌な音をたてるほど傷つき、夜も眠れず泣く日々だった。これ以上こんなゼミにいられない、と必死に学部長にゼミを変更したいと頼み込んだ。しかし、どこのゼミも手一杯で、私を受け入れられないとの冷たい返事ばかり。そんな中、唯一快く受け入れてくれたのが、私がのちに心より尊敬する恩師だった。
    逃げ込んだ先のゼミの恩師がくれた、忘れられない言葉がある。
    『人生山あり谷ありですが、悪いことばかりは続きません』
    私は、嫌なことに直面して沈んだ気持ちになると、この言葉を

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    2023年01月19日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわる小説短編集。どれも美味しそうな描写があり食欲がそそられた。時代小説に分類されるのか『色にいでにけり』はなかなか読み進められず時間がかかってしまった。やはり時代小説は苦手なんだと再認識できた。

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    2022年12月31日
  • 風待ちのひと

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    鬱で生きる気力のない哲司に否応なく関わってくる喜美子。いつも明るい喜美子も悲しみを抱えています。

    読んでいて平穏な日常の幸せを感じました。
    哲司と喜美子の他愛ない会話ややり取りに和む。
    伊吹さんの作品に共通して感じる“優しさ”、“安らぎ”みたいなものを、デビュー作からも感じました。
    読めて嬉しい。
    良い読後感でした。

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    2022年12月29日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    新宿の「ねこみち横丁」振興会の管理人をしながら、脚本家を目指す宇藤。
    コンクール作品を書き上げた直後、「BAR追分」にやって来たのは劇団を主宰する桜井義秀と出会う。
    この桜井は夜の「BAR追分」で働く純とも因縁があったが、桜井と二人三脚で劇団を支えて来た空開の後任として、宇藤を劇団付の脚本家として、誘う。
    念願の脚本家の道が開けてきた宇藤だったが、人生の大きな岐路に戸惑ってしまう。
    宇藤の心の迷いを丁寧に描きながらも、BAR追分に訪れる人々との出会いを描き、相変わらずモモちゃんの料理も美味しそう。
    特別な食材を使う訳でなく、作り方を変えることで、様々なメニューを生み出すモモちゃんの才能がとても

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    2022年10月17日
  • 地の星 なでし子物語

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    少し終わり方があっけなく感じた
    また、わりとあっさりと成功してしまったかな
    この作家の作品は家族関係のものをいくつか読んだ
    何も読みやすくわかりやすい
    人生の道標になることも多いと思う

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    2022年10月08日
  • オムライス日和 BAR追分

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    シリーズ2作目。
    新宿の「ねこみち横丁」にある、昼はバールで、夜はバーの「BAR追分」
    管理人もどきに慣れて来た宇藤と、「ねこみち横丁」の人たちの交流が1作目より濃厚になって来て、前作より断然面白い。
    他の方のレビューにもあるように、お料理の描写が別人のように良くなっていて、男性3人で食べにいった「おだしや」のうどんも、桃子が作るオムライスもピンチョスもとても美味しそうだった。
    奇しくも、コロナの後遺症で味覚・嗅覚がないので、妄想でおかしくなりそうなくらい。
    夜の「バー追分」で働く純くんの話もあり、登場人物の背景も徐々に見えて来た2作目。
    3作目も楽しみ。
    それにしても、オムライスにシチュー。

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    2022年08月22日
  • ミッドナイト・バス

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    独特の雰囲気だがこのトーンは嫌いではなくむしろ好み。ただ、登場人物が皆個性的というか支離滅裂で、こんな人たちでは穏やかな人生を送ることは無理だろうという感じ。特に元夫婦の2人は大嫌いなタイプで最後まで共感することは出来ず。子どもたちは早く経済的にも精神的にも自立しこんな親から卒業して、その呪縛から逃れるべき。

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    2022年07月17日