伊吹有喜のレビュー一覧

  • 今はちょっと、ついてないだけ

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    『今はちょっと、ついてないだけ』
    タイトルがいい。つらい時に思い出したら気持ちが前向きになれそう。

    「ボーイズ・トーク」から後半の三章がよかった。
    控えめでイケメンな立花さんが実在しているような気がしてしまい、会ってみたくなった。こういう感じの人タイプだな、是非綾野剛さんに演じて欲しいなと思って読んでいたが、すでに玉山鉄二さんで映像化されていた。どんな感じか気になるので観てみようと思う。

    ひとつ引っかかった事。岡野が家族をバーベキューに連れ出す場面での奥さんの態度が酷すぎた。段取りが悪くても、楽しませようとしてくれた気持ちを汲むべき。思いやりが大事だよー。

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    2023年03月21日
  • BAR追分

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    新宿追分の目立たない横丁のどん詰まりにあるBar追分。

    昼間はバルとして、夜はバーとして営業している。

    何かに悩む客が、うっかり迷い込み、バーで出会う人が何を助ける訳でもないが、そこに暮らす人を見て、客が自身の進むべき道を選択していく。

    追分の名の通り分かれ道にあるバー。

    自分もそんなバーに迷い込んでみたい。

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    2023年02月23日
  • 四十九日のレシピ

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    誰かが亡くなってから
    気づくことがある

    亡くなる前に気づいていればよかったのに
    と後悔するかもしれないけれど
    気づけなかったより
    気づけたことを喜ぶしかない

    義母が亡くなったことで
    近づいた父娘に
    義母もにっこりしているだろう

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    2023年02月04日
  • オムライス日和 BAR追分

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    2023.1.25
    BAR追分シリーズ第2弾。
    ねこみち横丁振興会の管理人をしながら脚本家の夢を追いかける宇藤輝良とそこに関わる人々の心温まる連続短編集。

    シリーズ2作目はBAR感が1作目よりも少なめだが優しい気持ちになれる小説。登場人物たちが皆、優しく難しいことを考えずゆったりとした気持ちになりたい時に読みたい一冊。第3弾も出版されているようなので読んでみたい。

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    2023年01月25日
  • 今はちょっと、ついてないだけ

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    私は大学時代、所属していたゼミの教授からのアカハラでどん底の気分だった時がある。身に覚えのないことで責められ、散々嫌な言葉をかけられ心臓がどくどくと嫌な音をたてるほど傷つき、夜も眠れず泣く日々だった。これ以上こんなゼミにいられない、と必死に学部長にゼミを変更したいと頼み込んだ。しかし、どこのゼミも手一杯で、私を受け入れられないとの冷たい返事ばかり。そんな中、唯一快く受け入れてくれたのが、私がのちに心より尊敬する恩師だった。
    逃げ込んだ先のゼミの恩師がくれた、忘れられない言葉がある。
    『人生山あり谷ありですが、悪いことばかりは続きません』
    私は、嫌なことに直面して沈んだ気持ちになると、この言葉を

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    2023年01月19日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわる小説短編集。どれも美味しそうな描写があり食欲がそそられた。時代小説に分類されるのか『色にいでにけり』はなかなか読み進められず時間がかかってしまった。やはり時代小説は苦手なんだと再認識できた。

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    2022年12月31日
  • 風待ちのひと

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    鬱で生きる気力のない哲司に否応なく関わってくる喜美子。いつも明るい喜美子も悲しみを抱えています。

    読んでいて平穏な日常の幸せを感じました。
    哲司と喜美子の他愛ない会話ややり取りに和む。
    伊吹さんの作品に共通して感じる“優しさ”、“安らぎ”みたいなものを、デビュー作からも感じました。
    読めて嬉しい。
    良い読後感でした。

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    2022年12月29日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    新宿の「ねこみち横丁」振興会の管理人をしながら、脚本家を目指す宇藤。
    コンクール作品を書き上げた直後、「BAR追分」にやって来たのは劇団を主宰する桜井義秀と出会う。
    この桜井は夜の「BAR追分」で働く純とも因縁があったが、桜井と二人三脚で劇団を支えて来た空開の後任として、宇藤を劇団付の脚本家として、誘う。
    念願の脚本家の道が開けてきた宇藤だったが、人生の大きな岐路に戸惑ってしまう。
    宇藤の心の迷いを丁寧に描きながらも、BAR追分に訪れる人々との出会いを描き、相変わらずモモちゃんの料理も美味しそう。
    特別な食材を使う訳でなく、作り方を変えることで、様々なメニューを生み出すモモちゃんの才能がとても

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    2022年10月17日
  • 地の星 なでし子物語

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    少し終わり方があっけなく感じた
    また、わりとあっさりと成功してしまったかな
    この作家の作品は家族関係のものをいくつか読んだ
    何も読みやすくわかりやすい
    人生の道標になることも多いと思う

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    2022年10月08日
  • 注文の多い料理小説集

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    食が彩る短編小説集。
    すべて日本が舞台の作品だけれど、坂井希久子さんの作品は江戸時代とかの物語で、深緑野分さんの作品は、昭和か明治とかにタイムスリップしてバラエティ豊か。
    初めて読む作家さんもいて、読書の幅を広げるきっかけになりそう!

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    2022年09月02日
  • オムライス日和 BAR追分

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    シリーズ2作目。
    新宿の「ねこみち横丁」にある、昼はバールで、夜はバーの「BAR追分」
    管理人もどきに慣れて来た宇藤と、「ねこみち横丁」の人たちの交流が1作目より濃厚になって来て、前作より断然面白い。
    他の方のレビューにもあるように、お料理の描写が別人のように良くなっていて、男性3人で食べにいった「おだしや」のうどんも、桃子が作るオムライスもピンチョスもとても美味しそうだった。
    奇しくも、コロナの後遺症で味覚・嗅覚がないので、妄想でおかしくなりそうなくらい。
    夜の「バー追分」で働く純くんの話もあり、登場人物の背景も徐々に見えて来た2作目。
    3作目も楽しみ。
    それにしても、オムライスにシチュー。

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    2022年08月22日
  • 四十九日のレシピ

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    継母として熱田家に入った乙美が急に亡くなってからの父と娘の再生の話。
    亡くなってから気づく乙美の愛情や乙美への感謝の気持ち。
    四十九日法要は法事ではなく、宴会を開いて欲しいという乙美のために父と娘は自分と向き合いながら、宴会の準備を進めることになった。
    突然2人の前に現れた井本という女性。
    井本が居てくれたおかげで、2人も本当の自分の気持ちに気づき、大切なものを見つけることができたのだろう。
    乙美の年表がたくさんの言葉で埋まるほど、誰に対しても慈愛に満ちていた乙美の人生は、幸せだっただろう。
    温かい気持ちになれる読後だった。

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    2022年08月22日
  • 注文の多い料理小説集

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    ネタバレ

    人生を彩る料理に乾杯。

    7つの個性的な短編が収められている。登場する料理も様々。お酒からお菓子、パン。時代も場所も様々だ。読み終わると美味しい料理を食べた後のように満足している。

    柚木麻子「エルゴと不倫鮨」ある程度の年収の男と歳が離れた若い女性が集まる店。そこにやってきた招かれざる客は——。卒乳祝いの女性がパワフルでそこにいる人すべてが巻き込まれていく。世界をひっくり返すようなお客にコロリと順応するのはまた女性たち。疲れ果てた男性たちの顔が目に浮かぶ。

    伊吹有喜「夏も近づく」三重県の自然の中に暮らす拓実のところに兄が訳ありの少年を連れてきた。美味しい水と自然の中で育ったものを食べるうちに

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    2022年07月18日
  • 注文の多い料理小説集

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    美味しい料理が縁を結ぶ、7つの物語。
    お腹がぐうぐう鳴るくらい美味しそうな料理が出てくる作品ばかりで、その中でも伊吹有喜さんの『夏も近づく』が好みだった。
    温かい食卓を通して心の距離が近づく様子を丁寧に描いていたところが素晴らしかったのはもちろん、出てくる料理の美味しそうなこと! たけのこご飯、果肉ごろごろのバレニエ、青竹のコップで食べる素麺ーー。身体の隅々まで染み渡るような滋味あふれる料理が恋しくてたまらなくなる。
    テレビやスマートフォンを眺めながらささっと食事を済ますのも悪くはないけれど、目の前の料理の香りと素材本来の味に、もっとじっくり向き合って食事をしようと姿勢を正した。

    伊吹有喜さ

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    2022年07月18日
  • ミッドナイト・バス

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    独特の雰囲気だがこのトーンは嫌いではなくむしろ好み。ただ、登場人物が皆個性的というか支離滅裂で、こんな人たちでは穏やかな人生を送ることは無理だろうという感じ。特に元夫婦の2人は大嫌いなタイプで最後まで共感することは出来ず。子どもたちは早く経済的にも精神的にも自立しこんな親から卒業して、その呪縛から逃れるべき。

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    2022年07月17日
  • 天の花 なでし子物語

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    先に地の星を少し読んで何か話が飛んでる気がすると思い、天の花を先に読むことにした
    順番はこれで良かったのかしら

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    2022年07月11日
  • ミッドナイト・バス

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    ネタバレ

    深夜高速バスの運転手と家族恋人たちの物語
    各々の仕事や介護、人間関係、これからやこれまでを織り交ぜながら綴られていく
    主人公の物語以外に深夜バスを利用した乗客の
    物語もあり、私は往年のロック歌手の話しが素敵だと思えた

    池袋→新潟の路線、私も利用した事もあり
    見送った事も、迎えに行った事もある
    新幹線とは少し違う独特な雰囲気が伝わる

    主人公の利一の煮え切らなさにも共感できたり
    朝に向かう深夜バス、登場人物達が朝に向かうであろう期待感が良い

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    2022年05月14日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    シリーズ3作目で多分完結編。悪くないんだけど、メインが食べ物の話なんで私の心をくすぶらない。と云うか、ちょっとめんどくさい。でも、宇藤君の成長はなかなか良かった。もったいないかも知れないけど・・・

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    2022年05月08日
  • 天の花 なでし子物語

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    迷った末に時系列で読みました。うーん…読まなくて良かったかも。2人の回想で進む構成が安っぽく、話の展開も取ってつけたようでがっかりで、冒頭付近の一々の説明書きも余計でした。第1作だけだったら名作になったかも知れないのに、残念です。

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    2022年03月27日
  • なでし子物語

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    いい話なのかもしれないけど、悲しくて、やりきれなくて、苦しかった。そんな簡単に心は戻ってこない。負けない強さも少しの先延ばしにしかならない。この子たちみたいに本当に生きられたら、救われるんだろうな。

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    2022年03月09日