【感想・ネタバレ】今はちょっと、ついてないだけのレビュー

あらすじ

バブルの頃、自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、ブームが過ぎると忘れられ、所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに40代になった。カメラも捨て、すべてを失い。自分が人生で本当に欲しいものとは、なんだったのか? 問い返すうち、ある少女からの撮影依頼で東京へ行くことになった浩樹は、思いがけない人生の「敗者復活戦」に挑むことになる。

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Posted by ブクログ

主人公たちと同じような年代だからなのか、挫折とか大切な人がいなくなるとか未来への焦燥感とか、色んなことにものすごく同調してしまった。物語全体に流れる雰囲気は優しくて美しいのに突然嫌な現実突きつけられる怖さはあるけど、基本的に前向きな再生の物語だったので、読み終わったときホッとした。

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2024年07月19日

Posted by ブクログ

家族に対する後悔、自分の生き方に対する後悔、そしてそれ「ら」が昇華されていく描写が素晴らしいです。ミッドナイトバスを読み返したい。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

今はちょっと、ついてないだけ
つらい時、おまじないみたいに唱えたら頑張れそう。

いい時もあれば悪い時もある。
流れに身をゆだねて、フワフワと乗り切ったらいいのかもしれないけれど、そういう時ほどジタバタしてしまうんだよなぁ。

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2022年11月07日

Posted by ブクログ

 現在不遇の状況にある元フォトグラファーの立花浩樹と、浩樹の住むシェアハウスでたまたま出会った失意の男たちのリスタートを描く、ついてない人々の再生物語。
         ◇
 かつて秘境を訪れありのままの自然を撮るTV番組で人気を博した写真家の立花浩樹だったけれど、バブル崩壊によりネイチャリング・フォトグラファーという肩書きを失ったあとは転落も速かった。

 仕事だけでなく、家も失くし恋人も離れていった。バブルに踊らされ自分を見失っていたことに気づいたときは、後の祭りだった。

 厭世的になり、自堕落な生活を送っていたある日、入院中の母親から知人を撮影するように頼まれた。気が進まないながら引き受けた浩樹だったが……。

     * * * * *

 登場する主要人物は、主人公の立花浩樹はじめ真面目で不器用な人間ばかり(宮川も実はそのタイプだと思います)。虚勢を張っていても足元の危うさには気づいています。

 そんな彼らが、自分を見つめなおしつつ足下を固めていくという過程が面白かった。

 何に仕事のやり甲斐を感じ、何を生き甲斐として人生を送っていくか。私たちは生きるうえで、そこに気をつける必要があるのだと思いました。

 結局、金銭や虚栄心を第1にすると、切りがなくなる。いつまでも安心は手に入らない。だから、決して幸せにはならないのでしょうね。

 大切なことは、きれいごとに聞こえるかも知れませんが、どれだけ人に喜んでもらえるかだと思います。(自分の能力を使って人々に感動や喜びを感じてもらう。大谷翔平選手を見ていると、よくわかります。)

 伊吹有喜さんらしい優しいタッチで紡がれた物語で、温かい気持ちになりました。

 安易に恋愛を味付けとして使っていないところもよかったと思います。

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2021年11月01日

Posted by ブクログ

伊吹有喜さんの連作短編集
 『今はちょっと、ついてないだけ』

収録は以下7つの短編
・今はちょっと、ついてないだけ
・朝日が当たる場所
・薔薇色の伝言
・甘い果実
・ボーイズ・トーク
・テイク・フォー
・羽化の夢

●あらすじ
バブル期に「ネイチャリング・シリーズ」という冒険番組でもてはやされた「タチバナコウキ」こと立花浩樹。

バブルがはじけ、番組も終了し、プロデューサーの連帯保証人となっていた浩樹は、多額の負債を背負わされる。

自己破産もせず、十五年かけて地道に全額返済した浩樹だが、ふと気が付けば、家庭も持たないまま、夢や希望も見失い、人生に行きづまっていた。
そんな時、母の見舞い先で訪れた病院で新たな出会いが訪れるのだが・・・


●感想
主人公の立花浩樹を中心に、色々な人が登場してくる短編集。みんながそれぞれの事情で人生に行きづまっている。

けれど、行きづまっている誰もが、真の部分にしっかりと自分の大切なものを秘めている。それが徐々に導かれるように描かれていくので、先が気になって仕方がない。
しかも、人生も後半戦に入っているであろう中年の方々がメインなので、歳の近さも相まって親近感すら抱いてしまった。

自覚できてるかどうかは別として、誰しも上手くいかない時はあると思う。振り返ってみれば、あの時何だか色々ついてなかったなぁってこともある。

今はちょっとついてないだけ・・・
伊吹有喜さんからの、心を少し楽にしてくれる優しいメッセージなのだろう。
辛い時や行きづまった時には、そんな風に思えるように、これからの人生を過ごして行きたいと思った。


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2025年06月27日

QM

購入済み

タイトル通り、世知辛ぁぁ、、、ってなるようなお話が多かった。キラキラだけじゃなくて、大人になるというのはこんなこともあるんだよって。立花の母からのお手紙がグッと来た。今はちょっとついてないけど、それでもなんとかやっていこうともがきながらも頑張る大人たち。

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

北川恵海さんの「ちょっと今から仕事やめてくる」をイメージしてしまっていた。短編集だった。

最初の話は主人公の立花が、一躍脚光を浴びていた時代からの没落(はめられた?)、借金をなんとか返し終えた内容だった。次からは立花に絡んだ人目線での、人生の上手くいかないことオンパレード。それでも地獄ではないようだ。宮川もそうだけれど、智美の話のときには、何が幸せなのかわからなくなった。
でも、なぜか目の離せないお話だった。

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2024年12月03日

Posted by ブクログ

連作もの
過去にテレビで人気が出た男だが
事務所に負わされた借金返済で
その後の人生をすごしていた
借金返済が終わってからの物語でした
章ごとに視点が変わりそれぞれの物語が楽しめました
それほど盛り上がる感じはないですが
ストーリーは楽しめました
他の作品も読んでみたいです

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2024年10月22日

Posted by ブクログ

ちょっと年代が下の人達の話ですが、ちょうどこの年代の頃にから色々な多くの悩みが出てくる時期でした。 新たな道を見つけ、人生の敗者復活戦を成し遂げて欲しいです。
コウキさんの元恋人が気になります。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

とあるYouTubeで紹介されていて、
何軒目かの本屋さんで見つけて思わず手に取りました。
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バブルの頃、
自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、
ブームが過ぎると忘れられ、
所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに
四十代になっていた。
メラを捨て、すべてを失い。
自分が本当に欲しいものとは、なんだったのか?
問い返すうちに、ある少女からの撮影依頼で東京に行くことになった浩樹は思いがけない人生の「敗者復活戦」を挑むことになる。
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読み終わってからだいぶ日が経過していますが、
本書の中で私が一番覚えているのは、浩樹の母親。

自分の愛する子どもは、
何歳になっても愛しいんだなって。
浩樹じゃなくて、お母さんが悔しがってくれて。

あらすじには「敗者復活戦」と銘打ってありますが、
どちらかというと、
自分と向き合って再生していくような印象を持ちました。

通勤と仕事の休憩時間で一気読みでした。

序盤や途中で理不尽だったり、
嫌な奴が出てきたりするんですが、
視点が変われば印象が変わることを再確認しました。
バイアスから逃げられないですね。苦笑

振り返れば「そう言えばあのときって恵まれてたんだな、幸せだったんだな」って思うことがあるんですが、渦中では気づかないんですよね。

タイトルがとても好きです。
登場人物たちも大なり小なり葛藤を抱えていて、
そんな人たちが集まるからこそ見えてくる景色というか。

読後はあたたかい気持ちになりました。
30代後半の私にとっては、とても好きな一冊でした。

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2023年11月18日

Posted by ブクログ

いいじゃん。って素直に思える小説。

うまくいかない、そんな日常が自然にちょっとずつ変わっていく。物語やドラマみたいに劇的じゃない、でも確かな1歩が転機になっていく。 

登場人物が多く、誰が誰だったっけ?と混乱はしたものの、文字の運びがきれいなのか、話の流れはすっと入ってきた。読み終わったばかりなのに忘れた頃にまた読みたいなぁと思わせてくれる不思議。

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

タイトルが気になって読んでみた!
人生山あり、谷あり、の山から転がり落ちた主人公と仲間達の敗者復活戦ストーリー。「今はちょっと、ついてないだけ」何故かじ〜んと来る言葉、 読後は清々しい気分になった作品です。

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2023年10月19日

Posted by ブクログ

最初、一人称で語られる主人公は、本当に冴えない情けない人のように思えた。
けど、語り手が変わるごとに、語り手以外の人の魅力的な姿が見えてくる。
本人が語る自分は誰しも情けない姿だったものが、だんだんとお互い絡み合い、自分への視線が優しくなってくる。
辛い時は一人で殻に閉じこもることも必要だけど、人と関わりあってこそ見えてくる自分の姿ってあるよなと思った。

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

人生再スタートってかんじの本だった。「今は」っていうワードけっこう重要だなと思った。今の状況がずっと続くわけではない。流れに逆らわず、来るもの拒まず、ただただ受け入れる。そう生きたいものだ。でもそれが難しいんだけどね〜。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

立花浩樹は『タチバナ・コウキ』と名を変え、自然写真家として一世を風靡した。バブルがはじけ、事務所の借金も背負わされ返済をするため、地元に帰り、なりふり構わず働いた。最初の章は情けない中年男性の敗者復活戦の話かと思ったが、読み進めていくうちにまるで違った。借金を背負わされた本人と対面するシーンまで描かれている。お見事!あっという間に読んでしまった。

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2023年07月08日

Posted by ブクログ

タイトルにひかれ手にとり
序盤は、なんかムカつく人ばかり出て来て嫌だな…と正直読み進めるか考えてしまった

けど色んな人生、色んな失敗した人たちが挑む敗者復活戦!!
気づけばドン底だった主人公に、写真撮影を通じてドンドン仲間になってくるRPG感…

そんな中年達が、這い上がる為に試行錯誤したりして
少年のように目をキラキラさせてる感じがワクワクしました。

※だから話が変わるけど 結局俺が何を言いたいかって言うと…
【あらためて見るとマジンガーZの走り方って意外と癖が強いよね?】って事!!

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2023年04月16日

Posted by ブクログ

過去の栄光を思い出すのが辛い主人公の写真家を取り巻く物語
登場人物みんなが周りが想像つかない苦労を抱えながら生きている、今はちょっとついてないけど、明るい希望を持てるお話だった

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2023年01月06日

Posted by ブクログ

立花浩樹はバブルの頃、ネイチャリング・フォトグラファーとしてテレビで活躍していたが、バブル崩壊後、仕事を失いパチンコ三昧の日々。偶然入ってきた撮影の仕事から自らを取り戻せるのか。

中高年応援小説、良かった。テレビ番組制作の場を追われる男や芸能界を追われる男も出てくる。最近伊吹有喜の本ばかり読んでる気がする。多分自分が求めてる栄養があるのだろう。滋養強壮伊吹有喜

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2022年12月03日

Posted by ブクログ

 人生に、少しだけつまづいてしまった人々が、また、前を向いて歩き出す、連作短編集。この人たちの物語に、もう少し触れていたい。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

伊吹有喜さんの作品は2作目。
穏やかで静かに、でも、何処か力強さも感じさせられる作品だと思った。
『今はちょっと、ついてないだけ』
書名だけ見ると、少しネガティブな印象を受けて手に取ることはなかったのですが、映像化されたということで読んでみた。
登場人物の辛い思い、醜い感情も書かれていて、私と重ねて読むような所もあったけれど、
「今はちょっと、ついてないだけ」
「大丈夫、頑張れるよ」
と、励ましてくれているように感じた。
大丈夫、大丈夫。
揺れる心を落ち着かせてくれる作品でした。

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2022年05月08日

Posted by ブクログ

中年からのワイルドカード(敗者復活)ショートストーリー。
同年代だから、あー、わかる…なんて感覚になる。
傷つくのが怖いのよね、ある程度年齢重ねてくると。
だから傷つかないフリする。
傷つかないようにひっそり生きようとする。
敗者復活があるならば、傷ついたとしても挑戦しなければいけないのかも。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

私の中ではちょっぴりブームな作者さん。
楽しめる話が続いていたが、今回は残念、曰く言い難いのだが、あまり好みではなかった。

かつて世界の秘境を旅するテレビ番組で一躍脚光を浴びながら、バブル崩壊で事務所の社長に負わされた借金を返すためだけの生活になった立花浩樹。必死に働いて借金を完済したが、気付けば40代になっていたというところから始まる物語。
その立花の現在の境遇が描かれる最初の話は、彼を『お前は一体何をしたいんや?』と叱咤する母親の、一方で『今はちょっと、運がむいてないだけ』と息子を信じ励ます姿が良い話だったのだが、それ以降の話は、登場する人物の誰もがモヤモヤする人ばかりで、共感できなかったりあまり興味を惹かなかったり。
最期の話でかつての事務所の社長と対峙した立花自身もなんかぐずぐずしていて、何かしたいという気概があまり感じられず、みんなとなんとかやっていたら、ついてない時期を抜けてきたよう、みたいな流れが物足らなかった。

佐山さんって、あれで人生を前向きにとらえたことになるんだろうか、私には壊れたようにしか思えなかった…。

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2024年09月18日

Posted by ブクログ

主役が各話ごとに変わっていくけど、みんな共通して言えるのは、色々大変なことや挫折するような経験があっても、もう一度やり直そうとゆっくりと、でも少しずつ着実に前を向いて歩いてるところ。
読むと勇気がもらえる1冊です。

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2024年07月10日

Posted by ブクログ

短編集のような
でも物語としては連動していて
主役の一人称が代わっていく設定
序盤は良かったんだけど
だんだん、その一人称が誰なのか分かりづらくなってきて、途中から集中して読めなくなってしまった。
この作家さんの小説は、5冊読んだけど
すごく柔らかい感じで女流作家という感じ
やっぱり全般的に好みではないのかも

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2024年07月04日

Posted by ブクログ

世の中で「成功者」とされている人、自分が正しいと信じて疑わないが故に他人を見下している人を見ると、どんなにうだつが上がらなくてもああはなりたくないな、と思ってしまう。

そんなひねくれ者の僕は、心の底から巻島を否定したい。心の底から。
しかし、彼の前に出ると、自分こそが間違いでちっぽけで無価値に思えて、結局は何も言い返せない。

痛いほどわかるぞ、その気持ち。

けど、主人公の浩樹は、つまるところ、顔とスタイルとセンスが良いんじゃねーかよ。
ケッ。

とも思ってしまう、ひねくれ者の僕なのです。

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2024年06月24日

Posted by ブクログ


周りに持て囃され持ち上げられ一世風靡!その後、騙され使い捨てされた、栄光と挫折を味わった男の人生敗者復活戦のお話

40代の心に刺さる一冊として書店で紹介されており、そのフレーズに引かれ購入しましたが、、、
私、そんなに栄光も挫折も大きな経験がないからピントこなくて刺さらなかった

上手くいかないことも多いけど、人それぞれの得意分野や役割があって

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2024年04月11日

Posted by ブクログ

栄光と転落。
心がひきこもってしまって、遠回りしてしまうこともあるけれど、だからこそ見える景色がある。
遠回りしているようで、ちゃんと必要な道を進んでいるんだと思える物語でした。
自分の役割が明確になってきたら、人生はより輝き出すのかな…

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2024年01月02日

Posted by ブクログ

20年前に一世を風靡したが、一発屋として廃れてしまったフォトグラファータチバナコウキを中心に描かれる、人生停滞中の中年世代の人間の連作集。

異性関係、仕事で行き詰まるも、この年齢で新しいことにチャレンジし、その楽しさを知っていく姿には勇気がもらえます。

年齢を重ねてから過去の自分を改めて見ることで、その時には見えていなかった景色が見える様子は、読者を前向きにさせようという作者の想いが感じ取れて心があたたかくなりました。

自分の今までやってきたことが無駄になったと感じても、またそこからやり直せばいいのかもしれない。生まれ変わった気持ちで、一からやり直して、そんな生活もきっと幸せなのかもしれない。そう思わせてくれる作品でした。

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2023年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今はちょっと、ついてないだけ
立花浩樹
写真家。

立花の母
かつて勤めていた魚の缶詰工場の仲間と飲みにいき、カラオケスナックの階段から落ちて入院。

宮川静枝
白髪の老婦人。病院で立花の母と二人部屋。住宅街の公民館で書道教室を開いている。

宮川良和
静枝の息子。

春恵
立花の母の内職仲間。

巻島雅人
立花が二十年前に所属していた個人事務所社長。

矢澤麗子
立花が以前同棲していた。巻島と籍を入れた。

朝日が当たる場所
宮川良和
映像製作会社に勤めていたが退職。

菜々子
宮川の娘。

真里恵
宮川の妻。

立花浩樹


薔薇色の伝言
立花浩樹

瀬戸寛子
立花の隣室に住む。化粧品専門店の美容部員から美容サロンに転職したが閉店。

宮川良和

佐山
婚活の写真を立花に依頼。


占い師。


甘い果実
佐山智美

瀬戸寛子

立花浩樹

宮川良和

鈴木隆史
婚活サイトで佐山と交際。

ニョマン
ヴィラ付きの執事。



ボーイズ・トーク
岡野健一
元探検部。

立花浩樹

宮川良和

岡野理人
岡野の息子。

瑠衣
岡野の娘。

里沙
岡野の妻。


テイク・フォー
会田健
五年前までテレビをつければ必ずどこかの局で顔が出ていた芸人。四十六歳。独身。

立花浩樹

瀬戸寛子

宮川良和

岡野健一


羽化の夢
立花浩樹

宮川良和

会田健

瀬戸寛子

岡野健一

佐山智美

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2023年10月19日

Posted by ブクログ

『今はちょっと、ついてないだけ』
タイトルがいい。つらい時に思い出したら気持ちが前向きになれそう。

「ボーイズ・トーク」から後半の三章がよかった。
控えめでイケメンな立花さんが実在しているような気がしてしまい、会ってみたくなった。こういう感じの人タイプだな、是非綾野剛さんに演じて欲しいなと思って読んでいたが、すでに玉山鉄二さんで映像化されていた。どんな感じか気になるので観てみようと思う。

ひとつ引っかかった事。岡野が家族をバーベキューに連れ出す場面での奥さんの態度が酷すぎた。段取りが悪くても、楽しませようとしてくれた気持ちを汲むべき。思いやりが大事だよー。

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2023年03月21日

Posted by ブクログ

私は大学時代、所属していたゼミの教授からのアカハラでどん底の気分だった時がある。身に覚えのないことで責められ、散々嫌な言葉をかけられ心臓がどくどくと嫌な音をたてるほど傷つき、夜も眠れず泣く日々だった。これ以上こんなゼミにいられない、と必死に学部長にゼミを変更したいと頼み込んだ。しかし、どこのゼミも手一杯で、私を受け入れられないとの冷たい返事ばかり。そんな中、唯一快く受け入れてくれたのが、私がのちに心より尊敬する恩師だった。
逃げ込んだ先のゼミの恩師がくれた、忘れられない言葉がある。
『人生山あり谷ありですが、悪いことばかりは続きません』
私は、嫌なことに直面して沈んだ気持ちになると、この言葉を思い出す。
そう。今はちょっと、ついてないだけなのだ。そのうちついてない時期は終わり、いい運がやってくる。だから私は、希望を持って生きていられるのだ。
この本はそれを改めて考えさせれくれた。心の底からじんわりと暖かくなれる、そんな作品だ。

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2023年01月19日

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