あらすじ
男が運転する深夜バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。
壊れた「家族」という時計は再び動き出すのか――
家族の再出発を描く感動長篇。
第151回直木賞候補作!
故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。
子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。
会社を辞めた長男、結婚と仕事の間で揺れる長女。
人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。
バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。
解説・吉田伸子
感情タグBEST3
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高宮利一は新潟東京都間の長距離バスの運転手。東京には料理屋を営む志穂という恋人がいる。彼女と踏み込んだ関係になろうと決めると、間が悪いことに息子が新潟の家に帰って来た。とても具合が悪く、仕事も辞めたようだ。娘は結婚を考える相手がいるが、彼の母親がかなりの曲者。そして別れた妻の具合もよくないようだ・・・
この家族以外にも様々な人物が物語に入り込んできて、ミルフィーユのような多重な話になってゆく。
素晴らしく良かった。自分が完全に利一に同化して没入してしまった。渋い家族小説の傑作でもあり、恋愛小説でもあった。
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映画化された作品。新潟が舞台。
利一は高速バスの運転手をしている。子ども達も大きくなり、恋人の志穂との結婚も考えだしていたとき、利一のバスに離婚した元妻の美雪が乗り込んできた。
それぞれの様々な人生が、ストーリーが交錯していく。時を経て、お互いに傷ついてきた人生経験が、元夫婦の二人の愛惜の感情を深くしていく。どうして、昔は出来なかったのか。
東京と新潟を行き来する高速バスが、様々な人生を運んでいく。
Posted by ブクログ
めっちゃ読みやすくてよかった。
物語としては色々な人生の転換点にいる家族の内容なんだけど一人一人の家族の悩みがはっきりとは書かず、徐々に他の登場人物の視点も交えて描かれていて悩んでいる人の何処かもどかしい感じがすごい文章から伝わってきた。
不器用ながらに少しづつ前に進もうとする登場人物達に元気をかなりもらえたので別の作品も読んでみたい
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映画を先に観てからの、読書。
随分前に観た映画だったので、主人公を原田泰造が演じた事しか覚えて居なかったが、読後感と映画鑑賞後の感じは同じく良いものだった。中高年男性だからこそ沁みる話だろう。
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高宮利一
東京新潟を結ぶ定期高速バスの運転士。美越市に本社を置く白鳥交通。東京の大学を卒業して、不動産開発会社に就職した半年後の二十二歳の時に美雪と結婚した。母と美雪の不仲が原因で離婚。
加賀美雪
利一の元妻。利一の大学の後輩。再婚して加賀姓となる。乗車した夜行高速バスで利一に再会する。東京で夫と子供の三人暮らし。更年期障害。父の敬三の看護のため度々新潟に帰省する。
高宮彩菜
利一、美雪の娘。怜司の妹。交際相手の雅也とは結婚を控えている。副業で新潟市でゴシックロリータの服を販売している。絵里花、沙智子と「マジカルワンダー娘(ガールズ)」を結成。ウェブコンテンツとグッズショップを運営。
高宮怜司
利一、美雪の息子。彩菜の兄。大学院を出て、東京で就職している。父親に似て体格が良い。東京のインターネット関連の企業で営業をしていたが辞めて実家に戻ってきた。皮膚疾患に悩まされている。
古井志穂
利一の交際相手。三十代後半。小さな定食屋を営む。利一が不動産開発会社で働いていたときの上司や娘。離婚を機に実家に戻り、母親が営む自然食の店を継いだ。
志穂の父親
徹夜明けの社内で倒れて帰らぬ人となった。
佐藤孝弘
白鳥交通のバス運転士。五十五歳。趣味は手相と人相見。
長谷川巌
白鳥交通のバス運転士。六十前。女子校で国語の教師をしていたので、先生と呼ばれている。
大山
白鳥交通の路線バスを運行している運転士。
相川真由美
利一が運転する夜行バスに遅れてきた。女手ひとつで育てた息子が東京の大学に進学。息子の日用品を買い、部屋を調え、バスで新潟に帰る。
仁志
真由美の息子。東京の私立大学に進学。
植田絵里花
彩菜とシェアハウスに住んでいる。母親がアフリカ系フランス人。日本語しかしゃべれない。「マジカルワンダー娘(ガールズ)」のメンバー。こゆ日焼けをした褐色の肌を持つ。
クリエイター志望。普段の一人称は「ワシ」。
木村沙智子
彩菜とシェアハウスに住んでいる。「マジカルワンダー娘(ガールズ)」のメンバー。彩菜とは中学時代の同級生。実家は寺。
漫画家志望。
上島有里
彩菜とは美越の小学校で同級生だった。同じビルの貿易会社で働いている。
佐々木祐介
有里の彼。
大島雅也
彩菜の交際相手。税理士。二歳年上。
江崎大輔
三十二年前、超人気バンドのボーカルだった。現在はミュージックスクールでボイストレーニングを務めている。ソロ歌手として全国のカフェやフリースペースでライブを行う。本名は宮島治雄。
池上明江
江崎のデビュー当時からのファン。
美希
江崎の孫。
山辺敬三
美雪の父。怜司、彩菜らの祖父。一人暮らしをしていたが持ち家を手放し、マンションに移った直後に事故に遭い入院。
宇佐美
志穂の店に来る客。
菊井綾子
志穂がバスセンターで泣いているところに出会う。夫が鼻血を出し、手ぬぐいをもらう。
綾子の夫
颯太
美雪の息子。
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壊れかけた家族の再生というか新たな局面を迎える物語。巻末の解説を読めば内容はすぐ思い出せそうだ。利一という中年の男に何故か惹かれる。深夜バスの運転手という地味目の職につきながら男手で子供を育てたというのも苦労が想像できる。そんな利一だから別れた元妻の父親のことも見過ごせないで援助することになり自分のことは後まわしになる。ラスト詩穂と京都で会ってどうなったかは語られてないけれどどうにか利一さんにも幸せになって欲しいな。
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今まで読んだ作者の本の中で一番面白かった
物語にも入り込めた
繋がりもスムーズで、文章が上手いと思う
4冊だけど、今のとこハズレ本もない
今まで知らんかったけど、好みの作家さんだ
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それぞれ年齢を重ねるに連れて感じる生きづらさをそれぞれの立場で表現してくれている。どの視点に感情移入できるかは自分の置かれている立場によって異なると思うが。
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実は、自分の中で映画が先行しています。
でも、映画とは全く違った印象を持ちました。
リイチさん、新潟の人って感じがする。優しすぎる、待つことに慣れすぎている。でも、そこに人間味が溢れていて、たまらない。
「いこい」に行ってみたい。癒されたいなあ。
この本を読みながら、新潟市を訪れました。高速バスで。萬代橋やバスセンターの描写が素敵でした。実際に目にして、白鳥さんが来るような、そんな気さえしました。
またいつか、読み返したいです。
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主人公が自分と歳が同じで境遇も似通っていたので、どっぷり感情移入してしまった。
五十歳を目前にしても惑ってばかり、離れた歳の恋人志穂のことも大事に想うばかりに傷つけてしまうも、やっぱり未練がましく思うあたりの心情が分かってしまう。
その辺が歳を重ねても成長できてないんだなあ。しかし最後はどうしても上手いこといって欲しいと願ってしまう。
四十五十は洟垂れ小僧、六十七十働き盛り…という引用されたものがズシンと響く。人間成長の先はまだまだで長いんだ。
最後の
もう一度人生を前に進ませよう。というリイチの想いに勇気を貰えた気がする。犯罪を冒したわけでもないけど、誰でも大なり小なりの挫折はある。再スタートは何歳からでも大丈夫だ、と。
Posted by ブクログ
子供達も成人し、これから人生を楽しもうと思っていた50歳目前の高速バス運転手。ある日、年下の彼女を自宅に連れ帰ると、東京で就職していたはずの長男が、準備していた食事も布団も勝手に使って寝ている。。。
彼女さんには気の毒だけど、そのあたりから息子、娘、別れた妻等々、いろいろ絡まって話が進む。
全てに共感はできないけど、こういう家族もあるかなぁと思いつつ読み進める。私は静かに淡々と進む、こういう雰囲気のお話か好き。
Posted by ブクログ
評価高いから気になって読んだけど納得。利一が内股膏薬的に揺れ動きまくってて離婚結婚が絡んで複雑で、もどかしい部分もあったけど、家族の気持ちも考えて温かい気分で再出発できた良い本。
家族って難しい。別れた妻との間にも愛情は残ってる(と信じたい)し、新たな生活を始めたいし、自分はよくても周りの義理の父と娘との関係や思いもあるし。その場しのぎの優しい言葉で流すんじゃなくてしっかり見つめ直して、葬式じゃない場で全員が納得して会うのって大事だよね。
Posted by ブクログ
家族の話は、本当に……やられます。
読み終わって真っ先に思うこと、これは、主人公利一の息子、怜司の物語だと。
怜司の、相手の先を読むような目つきと短い話し方、掻き毟った背中の痕、掃除したあとの窓ガラスの尋常ではない光り方。
何を隠してるのかわからないなか、怜司のことが心配で、心配で……途中で何か不幸があったらもうこの先読めないとまで感じていた。
ストレス性〇〇と診断されたときに、決して言われないけど感じる「自業自得」という文字。
「環境変えて」と言われて“やれればとっくにやってる”とくさり、その後は“そういわれるにきまってる”と感じて、「医者に行け」と言われても素直に従えない自分の心のもどかしさ……そんな時は、たぶん誰かにギュッと、抱きしめてほしい。
あと、最初の母子のエピソード!
乗車済みの人をかき分け、窓の外でいつまでも手を振る一人息子を見つめる母……心の揺れと夜行バス独特の寂莫の感が、短いフレーズの中で凝縮され映像化される。
読みだして100ページにも満たないのに涙が出るのは初めて(帰宅途中のバスの中で……あせった)。
彩菜のエピソードにはもうひとつついていけないし、利一と美雪・志穂の関係もありきたりの感があるけど、異なる街を夜の間に結んでいる「夜行バス」が、みんなひっくるめて、「明日」を感じさせる。
良かった。
Posted by ブクログ
長距離バスの運転手が主人公
まぁ家族がばらばらで、お互いに何をやってるんだよ…と呟きたくなるような
でも、私の家族だってそんなに一致団結しているのかと聞かれればそうではないと思う
家族のことは、よく知っているようで、よく知らないもの
自分自身が、自分らしくいられる場所が家族であるなら素晴らしいと思うけれど、そうではないこともある
ちょっとその後が気になる終わり方でした
Posted by ブクログ
人生はドラマだ。人はそれぞれドラマを抱え、深夜バスは夜を走る。主人公の長距離バスの運転手は、別れた妻と新しい恋人、子供たちの父親としての自分、一人の男としての自分の間で想いが揺れる。それでも夜明けに向かってバスは走る。
「ミッドナイト·バス」(2016)伊吹有喜
#読書好きな人と繋がりたい
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利一、美雪の元・夫婦と怜司、彩菜の兄妹。家族ってなんなんだろうね。彩菜ちゃんの「うちの家族、これでいいじゃないかって。人はどう思うか知らないけど…一生懸命だし。いいじゃないかって。」が印象的。
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物静かであまり多くを語らない利一。
前妻と離婚して16年、子供達も独立してこれから恋人と第二の人生をというタイミングに、前妻も息子も娘も人生に行き詰まっていた。
そりゃ恋人どころじゃなくなるよね。志穂は何も悪くないんだけどね。
バスの乗客の話がたびたび織り込まれている。
高宮家と関わってきたりもするしそれぞれいい話なのだが、本編がなっかなか進まないので不要なのでは?と思うものもあった。主要人物たちがあんまり本音を話さないのよ。だから話が進んでいかない。
でも希望の見えるラストはよかった。
なんだかんだで結構泣けたな。
Posted by ブクログ
バラバラになった家族が再び集う時、それぞれの想いはさざめき揺れる。
16年前に子供2人を置いて出ていった妻が、利一の運転する深夜バスに乗車してきた。
子供たちも成人して、親も看取った利一は恋人と自分の人生を歩いて行く時期が来たと思っていた。
しかし、息子は突然帰ってくるし、娘も何やら始めた様子。
そして、元妻が現れて…
恋人との仲も危うくなる。
話の中の過去の後悔と未来への不安が、似ていないのに自分のことと重なり、涙腺が緩む。
家族の難しさと有りがたさとが交差して、寂しさも伴う。
そして、深夜バスに乗って遠くに行ってみたくなる。
2024.11.4
Posted by ブクログ
人って、人生って、うまくいかないなぁ。
でも人なりに年齢なりにいくつからでも前に進んでいける。と解釈したが、主人公の選択には納得出来ず、最後には都合いいなと思ってしまった。
サイドストーリーのような7章のロックンローラーが最高に粋でかっこ良かった!
Posted by ブクログ
本当の気持ちを話すのは親とも子とも難しいんだよね。実際。いろんな境遇に出会うからこそ考えることができるようになったり、ぶつかることができるからこそ理解点を見つけることができたり…
そう考えるとわたしはまだまだ成長しなければいけないのかも…と思った。
このお話の中では利一さんが一番若いかな…なんて思ったけど、いや、苦労なさってる…
Posted by ブクログ
家族や男女、社会がが抱える一筋縄ではいかない物語が深夜バスを舞台に進行されます。登場人物多め、かつ伏線回収されたっけ?と途中で戸惑ったので、長編ですが一気に読むのをおすすめします。
Posted by ブクログ
すれ違い、生き違った家族が会いまみえた時に、どうやって向き合い、どうやって再出発していくのか。家族とはとても近いため、時には支えに、時には脅威になる、そんなデリケートな関係なのかもしれない。それでも家族を紡ぐ物語が心引かれるのは、それをみんな求めているのだろう
Posted by ブクログ
「終わり良ければ」という言葉があるが、
そのような印象がややある作品。
終始起伏は少なく、それぞれが抱える問題(家族、仕事、恋愛、結婚、離婚)に対して向き合い、最後にはそれに対する答えを見つけ新たに歩みを始めるというストーリー。
この作品は、読者側の今の状況や精神状態によってハマる/ハマらないが大きく左右されると思うが、何かモヤモヤしている時に読んでみる一冊としては良いと思う。
Posted by ブクログ
独特の雰囲気だがこのトーンは嫌いではなくむしろ好み。ただ、登場人物が皆個性的というか支離滅裂で、こんな人たちでは穏やかな人生を送ることは無理だろうという感じ。特に元夫婦の2人は大嫌いなタイプで最後まで共感することは出来ず。子どもたちは早く経済的にも精神的にも自立しこんな親から卒業して、その呪縛から逃れるべき。
Posted by ブクログ
深夜高速バスの運転手と家族恋人たちの物語
各々の仕事や介護、人間関係、これからやこれまでを織り交ぜながら綴られていく
主人公の物語以外に深夜バスを利用した乗客の
物語もあり、私は往年のロック歌手の話しが素敵だと思えた
池袋→新潟の路線、私も利用した事もあり
見送った事も、迎えに行った事もある
新幹線とは少し違う独特な雰囲気が伝わる
主人公の利一の煮え切らなさにも共感できたり
朝に向かう深夜バス、登場人物達が朝に向かうであろう期待感が良い