伊吹有喜のレビュー一覧
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美味しい食べ物が出てくる小説が大好きなので気になって読んでみました。
こういうアンソロジーは、今まで読んでこなかった新しい作家さんを開拓するきっかけにもなっていいですよね(^^)
7つのお話のうち、最初の2つ、柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」と伊吹有喜さんの「夏も近づく」が自分的に特に好きでした。
「エルゴと不倫鮨」はおしゃれな高級寿司店が舞台で、自分では食べたことのないものややったことのない食べ合わせがたくさんでてきましたが、どれもめちゃくちゃ美味しそう♪
気取った男たちを圧倒するグルメなお母さんのキャラクターが最高で、スカッとできるお話でした。
「夏も近づく」は、田舎の美味しいものが -
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家族の話は、本当に……やられます。
読み終わって真っ先に思うこと、これは、主人公利一の息子、怜司の物語だと。
怜司の、相手の先を読むような目つきと短い話し方、掻き毟った背中の痕、掃除したあとの窓ガラスの尋常ではない光り方。
何を隠してるのかわからないなか、怜司のことが心配で、心配で……途中で何か不幸があったらもうこの先読めないとまで感じていた。
ストレス性〇〇と診断されたときに、決して言われないけど感じる「自業自得」という文字。
「環境変えて」と言われて“やれればとっくにやってる”とくさり、その後は“そういわれるにきまってる”と感じて、「医者に行け」と言われても素直に従えない自分の心のも -
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あなたは、『夜行バス』を利用したことがありますか?
そんな質問に、元気よく“はい”と答える私。実際に大学時代、かなりの回数を利用した私。『深夜バスなら寝ている間に東京に着くよ』、『東京までの往復は一万円でおつりがくる』というように寝ている間に移動が済んでしまい、かつ安価という『夜行バス』はとても魅力的です。そんなバスの装備は運行会社によっても路線によってもマチマチです。『「三列シート」と呼ばれる、一人がけのシートが三列に並んだ車両』に当たるとホッとする一方で、『通路をはさんで二人がけのシートが横に並んだ「四列シート」』に当たると『ハズレ』だと感じます。初めてそんな『四列シート』に乗った時、隣 -
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出版順に読んだので、なでしこ物語はこれが3作目になる。
なんて切ないのだろう。
読み終えてしばしどっぷりこの世界から抜け出せなかった。
「地の星」で疑問に思ったままになっていたことが次々にわかってくる。
こちらを先に読むのと後に読むのでは、龍治の印象ががらりと変わる。
環境は恵まれていたけどずっと孤独で、心の拠り所があまりない人だったんだな。
心の奥にある14歳の燿子と10歳の立海、そして龍治との思い出を
そっと大切に開ける。
後に語られる方がその大切さが際立つ。
だから、「天の花」が後になったのかなと思った。
立海の一途な思いが報われてくれたらとは思うが、
小さい頃の4歳差、大人になっ -
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ネタバレ常夏荘をとりまく人々、しきたり、地域の風習などが
あまりにも昔のもののように感じていたら、
1980年とそれほど前ではなかった。
前時代的な雰囲気と、
都会から持ち込まれる現代的なものとの違和感を感じた。
複雑な家庭の事情を持ち、
子どもたちからはいじめの対象となっている燿子と立海。
2人が出会い、
お互いの中に自分の安らげる居場所を見つけていくのが
ほっとすると同時に、
この状態がいつまでも続くとは思えないという気持ちで、
ずっとドキドキしながら読んだ。
突然の別れは、とても悲しくやりきれなかったが、
立海のたくましさに救われた。
次作もあるようだが、2人が再会できているといいなと思った。