伊吹有喜のレビュー一覧
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お久し振りにこの作者さん、デビュー作に行ってみる。
仕事にも家庭にも疲れた哲司が、亡くなった母が最後に住んでいた港町の家を訪ねたところから始まる物語。
そこで偶然知り合った喜美子に母の遺品整理を手伝ってもらうことになったが、喜美子にも息子と夫を相次いで亡くしていた過去があり…といった展開。
悪くない話なのだが、何故だかあまり響かずで、実際にあったらいいよねえというか、もはやこういう話はお腹いっぱいって感じ?
病んでいる割には偉そうかつ頑なな哲司にも、自分を守るためとは言いながら自らをオバチャン呼ばわりする喜美子にも、あまり魅力を感じず。
哲司の奥さんもどうだかとは思うのだが、なんか男だけに都 -
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ネタバレ料理をテーマにしたアンソロジー。
柚木麻子さん『エルゴと不倫鮨』…安定した著者の「反権力(=男性)」「女たちの結束」鉄板ネタ。安定した漫才を見ているよう。
伊吹有喜さん『夏も近づく』…一番飯が美味そうだった。柚木さんの後に「義姉から性的虐待を受ける少年」が登場するので、並びとして良い。
井上荒野さん『好好軒の犬』…文学的。悪い犬じゃないんだよ、かわいそうな犬なんだよ が無意識的な嫌味、斜めな見方。おもしろかった。
坂井希久子さん『色にいでにけり』…金平糖の着色や和菓子の着色。江戸時代の話。粋。
中村航さん『味のわからない男』…こういう芸能人、いそう。リアル。
深緑野分さん『福神漬』…表現がうま -
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会社で総務畑を歩んでいた青柳は、あるとき会社の社長令嬢が所属するバレエ団への出向を命じられる。
家を出て行った妻と娘、バレエ団で出会う団員や、世界的バレエダンサーの高野悠、そのトレーナーとして青柳と同じく出向してきた瀬川。
登場人物がとても多くて。
バレエ公演に客演する那由多の所属するグループ(バーバリアンJ…EXILEみたいな感じかな)の阿久津さんなんて、出てくるたびに誰?という感じだったぁ。
おおざっぱに言えば、バレエ公演のチケットを売るために頑張る話と、公演本番でのトラブルを乗り越える話。
主役を期待されていた高野の慢性な不調、妻と娘との関係、ヒロイン?美波との関係。
いろんな問題