伊吹有喜のレビュー一覧
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自分は通り過ぎてしまったからなんとでも言えるけど、小学生から高校生までって学校が世界の全て、みたいなところがあるから学校でうまくいかなかったらとても辛いと思う。これで家にも居場所がないとなったら最悪だと思う。
美緒は岩手のおじいちゃんのところに逃げることができてよかったと思う。
ほぼ会ったことのないおじいちゃんとの生活はどうなんだろう?と思ったけどうまくいっているようでよかった。人の顔色を伺って相手の気持ちを勝手に考えてしまうのは、私もしてしまうことだからなんとなくわかる。相手の気持ちなど、相手にしかわからないのに。
岩手でのおじいちゃんとの生活の中で少しずつ自分がしていきたいこと、自分の色を -
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予想外のラストに少しモヤモヤ。
結婚が決まった娘と、その父親、母親の目線から話が進む。都内で一人暮らしをしていた娘が結婚までの半年、色々訳あり郊外の実家に戻ってくる。最後の家族水入らずの3人での生活。その中でそれぞれに色々悩みがあり、お互いに気を遣い、すれ違ったりする。花嫁のドレスの仮縫い場面はかなりショッキングで印象に残った。いつも緩やかなフワフワしたイメージの娘真奈が義母にハッキリとした凛とした態度をとったところは最高!でも後にエピローグで涙ぐむ真奈と母智子、義母マルコにこちらまで涙を誘われた。それぞれ生きてきた環境が違うし、勘違いや、上手く思いが伝わらないこともあると思うけれど、女3人が -
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ネタバレ昔の恋人が忘れられない、死んだ夫は幼い子が好きだったのかもしれない、付き合った男は昔の恋人の子供、付き合っている相手がいるけどオーナーも気になる………。昼ドラ並みに満載な内容なのに、ドロドロにならずどこか涼しげな物語。
それは鎌倉や、茶藝館という場所で起きている出来事だからなのか。それともマダム筆頭に、茶藝館に関わる人々の健やかな様なのか。
どこか瑞々しくて美しい物語だと感じました。
夫を亡くした美紀は孤独を感じる中、昔の恋人との思い出の地に赴き、そこからマダムや紫釉、夏乃子たちに出会い蛹が羽化するように変化していく美紀。変化していく姿を読んでいて、私も彼女に惚れそうになってしまいました。茶 -
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伊吹有喜さん14冊目。文庫派の私としては、これでこの作者さんの文庫になっているものには追いついた(と思う、多分)。
妻子に逃げられた47歳総務課長・青柳と、選手に電撃引退されたトレーナー・由衣。製薬会社のリストラ候補の二人が、出向先のバレエ団で世界的プリンシパル・高野が踊る「白鳥の湖」の公演の成功を目指して…というお話。
全く門外漢の二人が次々発生する難題に見舞われながらも誠実に行動することでバレエ団の人たちの心を掴み、頑なだったプリンシパルの心も溶かしていく。バレエ団やダンサーたちのバレエにかける熱量やその裏にある経済的事情なども良く描けており、とても気持ちよく読めた。
『いくらでも替えが -
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ネタバレ鎌倉、台湾茶、アラフィフ、スカしていそうで、もうつまらない確定かな?でも伊吹さんだし。と思い読み進めました。
最近のアラフィフの女性は綺麗な人多くなりました。だから30歳前後の若造と恋愛するのも驚きは少ないです。
縁があったにしても茶藝館をマダムから引き継ぐなんて。出来過ぎですね。葛藤を読みたかった。それとマダムからのお茶の手ほどきのシーンが少なかったので、ちょっと違和感はありました。老健でお茶の手ほどきがたくさんできるとは想像できないです。
お茶をたてて頂けるお店で上等な着物が着れて写真が撮れるなんて昨今ならビジネスモデルとして成り立つんじゃないかと思いました。 -
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ネタバレ他人と家族になるということの難しさ、熟年夫婦のすれ違いなどとてもリアルに描写してあり、読んでいて、重苦しさを感じました。
読書に何を求めるかにもよりますが、私は、どうせ読むなら、明日も頑張ろうとか、人生捨てたもんじゃないとか、前向きになれる作品を読みたい派なので、その観点からはこの小説は好みではなかったです。
マルコさんの発言は、天然とかいう問題ではないし、それに対する真奈の発言は私は支持しますが、互いにそこまで言われて、今後、親戚として果たしてやっていけるのだろうかと、色々、考えさせられました。
相手を傷つける可能性のある不用意な発言には気をつけないといけないですね。 -
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伊吹有喜さんの小説は大好きで、8~9割方読んでいる。この物語、悪くはないけれど、今まで読んだお話に比べるとちょっと物足りなさを感じるところもありました。
タイトルから、娘が結婚するまでのことを著した物語と思って読み始めたけれど、それだけではない。
娘の結婚、格差のある相手の家族、友人関係、そして夫婦関係。
最後までどっちに着地するのだろうかと分からなく、そのあたりは楽しめたけれど、スッキリする結末が個人的には好き。
ただ、夫婦関係の描写のところは、もうものすごく共感。それを最後に口に出して言えた智子は強いと思う。そして、それを、一瞬たじろぎはするけれどかっとすることなくどうし