伊吹有喜のレビュー一覧
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ネタバレ5編とも青春を感じさせる物語だった。
人間模様もとてもよかったんだけど、個人的には犬のコーシローの視点が印象に残った。コーシローは捨てられて以降、学校の中で育てられていく。だけどなんとなく、人間がコーシローを見守るのではなく、コーシローが生徒を見守っているような、そんな感じがした。
ずっと学校にいるコーシローにとっては毎年いろんな生徒と出会うけど、3年たってしまうともう会えない人たちがたくさんいる、というのは少しさみしいのかもしれない。でも最期はみんなとの楽しい思い出を胸に旅立てたのなら、幸せだったのかなと思う。
もう最後の方は完全にコーシローの方に感情移入してしまった。
とてもいい作品でした -
Posted by ブクログ
料理にまつわるアンソロジー
どのお話もひとくせ、ふたくせあって
興味深いおはなし
中でも、伊吹有喜さんの
「夏も近づく」がおいしそうでたまらなかった
塩おにぎりや、水出しかぶせ茶、ブロッコリーのオリーブオイル漬け、春キャベツのピクルス、たけのこご飯、手作りベーコン
どれも自家製で少し地味かもしれないけど
間違いなく美味しいってわかる
食をきちんと考えられる人に悪い人はいないですね
この頃はどんなに単純な料理でもいいから
自分で家で作って食べたいと思うようになった
なんでだろうな
けして美味しいものを作れるわけでもないのに
この本を読んでさらに思う
食に対して考え直すいいキッカケになりそう
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Posted by ブクログ
料理にまつわる短編のアンソロジー。
小洒落た創作寿司屋、土鍋ご飯、金平糖、蕗の薹(ふきのとう)、パン…。
どれも美味しそうで、お腹がすいてくる本だ
★5が2本
★4が2本
★3が3本
やはり大好き作家さんのは面白かった!
男たちの下心が渦巻く隠れ家的な高級寿司屋。
男たちが落としたい女性にお寿司のウンチクをスマートに披露している場面に、唐突にのしのしと現れたのは…。
乳児を抱っこ紐で抱え、母乳で汚れたカットソーにスウェットを履いた体格良い中年女性。
ドスンとマザーズバッグを置き、ツウなお料理を野太い声で次々と注文し始める。
お母ちゃんに支配されていく店内の様子が痛快!
このストーリーは柚木麻 -
Posted by ブクログ
「なでし子シリーズ」続編♪
刊行順ではなく、時系列順で読みました♡
父が亡くなり母には捨てられ、祖父のいる「常夏荘」で過ごす事になった小4の耀子。
あれから4年、そしてそのまた4年後の物語。
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1998年、18歳になった耀子の話と、その4年前の話とが交互に語られる。
だけどその大半は 4年前の話で、11歳になった立海が、また常夏荘にやって来た夏の日々の出来事の話だった。
今回はヨウヨ(耀子)とリュウカ君(立海)に加え、1作目ではほとんど出てこなかった照子の息子である龍二が 深く関わってくる内容だった。
立海の父は龍二の祖父。
年齢は龍二の方がずいぶん上だけど、 -
Posted by ブクログ
戦前を主な舞台として、雑誌作りに携わる少女の成長を描いた物語。
成長モノ、恋愛モノ、仕事モノと色んな要素が良い塩梅で組み合わさっている。個人的に当時の出版業界の描写もとても興味深かった。
前半は登場人物が活き活き描写されており、当時の時代背景とその先に起こることを知っているからこそ先が気になり続けた。
暗躍していた組織、有賀さんの過去とその後、主人公の父の事など、結構あやふやなまま終わってしまったのが気になるけれど、ページ数の関係で説明しきれなかったのだろうという程度で小説としての軸はしっかりしていた印象です。
何より‥平和って本当に大事ということを改めて思いました。 -
購入済み
タイトル通り、世知辛ぁぁ、、、ってなるようなお話が多かった。キラキラだけじゃなくて、大人になるというのはこんなこともあるんだよって。立花の母からのお手紙がグッと来た。今はちょっとついてないけど、それでもなんとかやっていこうともがきながらも頑張る大人たち。