伊吹有喜のレビュー一覧

  • 雲を紡ぐ

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    伊吹有喜作品、初読み。

    山崎美緒、高校2年生。クラブ活動での出来事が原因で不登校に。
    美緒が未だに大事にし続ける、亡くなった祖母・香代が最後に織った赤いショール。
    両親、学校との悩みから居た堪れなくなった美緒は、祖父・紘治郎のいる盛岡へ。
    盛岡では紘治郎が、羊毛を染め、紡いで織る、ホームスパンの工房を営んでいた。

    自分でも自分の色を紡ぎたいと思い始める美緒…

    うまく自分の思いを人に伝えられない美緒。
    それゆえ、まわりから誤解されてしまう。
    父・広志も母・真紀もそんな美緒の思いを理解できずにいる…
    広志は広志で女の子だからわからないとばかりに真紀に丸投げ。
    真紀は真紀で不登校の娘・美緒の存在が教師である自身への不信感へとつながり、悩まされている。
    お互いがお互いを理解できずに、家族はバラバラ…
    もっと話をしないといけないのだろうが…
    口下手な美緒と広志は真紀の前ではうまく話せない。
    真紀がもっと話をさせるような環境を作らないといけないのだろうが、そこまで余裕がない…
    このまま空中分解するのか…

    紘治郎も口下手で、広志との関係はうまくいっていなかったが、広志が紘治郎の広志に対する思いをわかり始めたことで、変わり始める。

    子どものことを思わない親はいないはず。
    うまく伝えられるかどうかだろう。
    なんでも話ができる環境がいかに大事か。

    最後にわかりあえてよかった。
    糸を紡ぐように。

    美緒のショールが評判になる未来が楽しみだ。
    太一もまた山崎工藝舎に戻ってくるんだろうな。

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    2026年04月14日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    短編はそれぞれの著者の作風が顕著に現れていて、ぐるぐる変わる世界観に飲み込まれながら、様々なおやつの複雑で繊細な魅力を味わい尽くすことができる。

    春とマーマレード
     一番好きな雰囲気だった。母の作ったマーマレードの味を、味覚や記憶を辿りながら追い求めていくなかで、徐々に明らかになっていく真実。

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    2026年04月01日
  • ミッドナイト・バス

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    自分の感情のままにただひたすら相手を求め続け、前へ前へと突き進んでいく時期を過ぎて、親となった今、相手の幸せや自分を客観的に評価し、葛藤しながらも冷静な判断で道を選む大人になる…
    一つの家族の人生の一部に寄り添っているようでとても共感できる展開だった。
    旅立ちの季節に読むのにぴったりの、思わず目頭が熱くなる大人の小説。

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    2026年03月17日
  • 四十九日のレシピ

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    なんとも不器用な人達が多い家族の物語。
    「犬がいた季節」でも思ったが、始まりの導入がいいのと、結末へと向かうほのぼの感が心地よい。

    厚みの割には会話も多いのですんなり読める。

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    2026年03月16日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    爽やかな読後感。
    ラストの1篇に出てくる、いちご水のおかげかも。

    織守きょうや 「ファースト・アンド・オンリー」
    友井羊 「春とマーマレード」

    どちらもミステリー畑の方だからかな、ラストシーンでニマニマさせてきたり、伏線回収してきたり、物語として好きな感じ。


    名取佐和子 「ドーナツ息子」

    ラストシーンで涙が出た。
    自分も同じような場面で、母を前に涙を堪えたことを思い出した。

    改めて自分が、物語の題材だとしてもアイドルや不倫が好きじゃないことがよくわかった。

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    2026年03月15日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    ネタバレ

    昼下がりのご褒美と、それにまつわる思い出。
    同じ食べ物にも、そこには一人ひとり違う、誰かにとっての大切な記憶がある。
    中でも、「春とマーマレード」がとても好きだ。日々の生活の中で、「食」を通じたひととひとのつながりを、丁寧に繊細に描く友井羊さんの作品は、食や人に対する愛に溢れていて、いつ読んでも心が安らぐ。
    どの短編も、あたたかく、素敵なお話だった。

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    2026年03月10日
  • 注文の多い料理小説集

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    よいーーーーー暖かな気持ち
    苦かったり甘かったりピリ辛だったりほんのり優しかったりして奥深い味わいでした

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    2026年02月26日
  • 注文の多い料理小説集

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    フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
    タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。

    特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!

    伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
    拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
    まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。

    『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしりふわふわ』が焼きたてのパンと美味しいコーヒーが出てきたような
    最高のお口直しだった。
    そして最後はまんまと「隠し味(仕掛け)」に騙されてしまった。

    どの話も結構なお手前でお後がよろしゅうようで御馳走様です。和洋折中楽しませていいただきました。

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    2026年02月13日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理が出てくる本が読みたくて借りた1冊。伊吹有喜さんの『夏も近づく』で泣いてしまった。拓実も葉月も穏やかに幸せであれ。最後の柴田よしきさんの『どっしりふわふわ』はすごーく色んなパンが食べたくなった。

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    2026年01月28日
  • ミッドナイト・バス

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    映画化された作品。新潟が舞台。
    利一は高速バスの運転手をしている。子ども達も大きくなり、恋人の志穂との結婚も考えだしていたとき、利一のバスに離婚した元妻の美雪が乗り込んできた。
    それぞれの様々な人生が、ストーリーが交錯していく。時を経て、お互いに傷ついてきた人生経験が、元夫婦の二人の愛惜の感情を深くしていく。どうして、昔は出来なかったのか。
    東京と新潟を行き来する高速バスが、様々な人生を運んでいく。

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    2026年01月21日
  • 彼方の友へ

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    493 audible
    生きてきて帰って来て欲しい。愛している。言葉にできない思いは募るばかり。乙女たちのときめき熱い思いは言葉以上。だから生きていける。こんな時代だからこそトキメキが明日へ生きる原動力。希望はいつも胸に秘めて。わたしが「乙女の友」の愛読者。そんな気持ちになる。

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    2026年01月13日
  • 四十九日のレシピ

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    めちゃくちゃ良かった!

    ほのぼの系?の物語をなかなか手にすることがない私

    しかしこちらの物語はなんと…読んでみて本当に良かった。

    綺麗なばっかりの人間関係が描かれているでもなく、複雑でもやっぱり繋がりや暖かみがあったり、あぁ…良いなぁと肩の力が抜けると言うか、、、

    柔らかい考え方にしてもらえた。
    優しい物語。

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    2026年01月08日
  • 犬がいた季節

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     高校で飼われている、犬の「こうしろう」に関わる人々の物語。年代による世の中の変化と、恋愛、友情、夢などテーマの変化があり、最後は綺麗にまとまって、流れが美しい物語だった。

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    2026年01月03日
  • 四十九日のレシピ

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    2025年最後に読んだのはとても優しい話
    亡くなった乙美さんが残したものはかわいいイラストつきのたくさんのレシピカード、生前の乙美さんの人柄が溢れてる。お葬式や四十九日の法要が残された人たちのためのものならお経やお焼香はいらない、美味しいお料理を食べて楽しく大宴会をしてほしいっていうのはとてもいいと思った。生きているときだけでなく亡くなってからも尚、周りの人を支えるものを残せるなんて素敵だな。

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    2026年01月02日
  • 風待ちのひと

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    メンタルをどう克服するか
    自分にどう向き合うか
    自分に正直になれるか
    等多くのことを学ばせてもらった
    この作家の作品は何作も読んでいるが、この作家が女性であることを初めて知った

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    2025年12月08日
  • 注文の多い料理小説集

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    お料理にまつわる短編集。そしてアンソロジー。
    どれも味があって面白かった。
    エルゴと不倫鮨、夏も近づくが特に面白かったです。

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    2025年12月03日
  • 雲を紡ぐ

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    『西の魔女が死んだ』と似た雰囲気。こちらはおじいさんだけど。
    繊細すぎる子ども。自身も問題を抱える両親。どちらにも感情移入。人物の描き方も上手く引き込まれて涙してしまった。

    盛岡の景色、宮沢賢治やイギリス童話がちょこちょこ挟まれているのも読んでて楽しかった。少女小説っぽい雰囲気で、氷室冴子的な従兄弟との恋の行方もかわいくてキュンとした。笑

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    2025年12月02日
  • 注文の多い料理小説集

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    食べ物や食事にまつわる短編のアンソロジー 読後感はすっきりとして続きを読みたいと思うものから、うーんなんだかモンヤリ⋯というものまで様々。 季節の移ろいを感じられる「夏も近づく」と、形を変えてもパンへの情熱を持ち続けた人生の途中を描いた「どっしりふわふわ」が好み。

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    2025年11月28日
  • 地の星 なでし子物語

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    シリーズ第2作目。シリーズ物とは知らず最初に最後の常夏荘物語を読んでしまったので、終わりは知っているが途中が分からず第1作目から読んでいる。最後を知っているだけに、安心感がある。会社を立ち上げる流れが分かり繋がった。この話、本当にいいなぁと思う。

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    2025年11月21日
  • 犬がいた季節

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    青春モノはあまり得意ではないけれど、伊吹有喜さんの作品なので手に取ってみた。が、ページをめくって、しまったーとちょっと後悔してしまった。タイトルの犬らしき犬が一人称で語っている。切なすぎるー。最近の保護犬保護猫のテレビ番組が、小さな命を救っているはずなんだけど、何故か見ていられない私。人間のエゴが、現実が、あまりにも私には強すぎるからだろうなぁ。冒頭のシーンでそれを思い出してなかなか読み進められなかった。
    少しずつ少しずつ読み進めてみたが、コーシロー(犬)の第1話の主人公ユウカへの想いが切なすぎてたまらなかったー。
    個人的には第3話「明日の行方」が印象に残った。神戸に住んでいるおばあちゃんが震災にあって想定外に同居が始まる。この話の最後、用務員のクラハシの言葉も心に残る。おばあちゃんが亡くなって、この主人公なっちゃんが「効率の悪い」と思っていた医師を目指した。最終章に登場した時は安心したー。おばあちゃんにも伝えてあげたいなぁ。

    安易にベットを「購入」する事ができる昨今、最初に犬を飼う事を許してくれた校長先生の言葉を皆がきちんと理解してほしいなぁと願う。
    「責任とは何か。命を預かるというのはどういうことか。各自、身をもって、それを考えていきなさい」

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    2025年10月31日