伊吹有喜のレビュー一覧

  • 犬がいた季節

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    ネタバレ

    5編とも青春を感じさせる物語だった。
    人間模様もとてもよかったんだけど、個人的には犬のコーシローの視点が印象に残った。コーシローは捨てられて以降、学校の中で育てられていく。だけどなんとなく、人間がコーシローを見守るのではなく、コーシローが生徒を見守っているような、そんな感じがした。
    ずっと学校にいるコーシローにとっては毎年いろんな生徒と出会うけど、3年たってしまうともう会えない人たちがたくさんいる、というのは少しさみしいのかもしれない。でも最期はみんなとの楽しい思い出を胸に旅立てたのなら、幸せだったのかなと思う。
    もう最後の方は完全にコーシローの方に感情移入してしまった。
    とてもいい作品でした

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    2025年04月08日
  • 娘が巣立つ朝

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    タイトルから若い2人が結婚式を迎えるまでの数々のハードルを乗り越える物語、と、勝手に思い込んで読み始めました。
    読み始め当初は想定通りありきたりな展開で中弛み感を感じながら読んでいたのですが、暫くすると物語の流れに違和感が漂い始めました。
    いつの間にか物語は式を迎える2人ではなく、娘の家族に均等にフォーカスされていて、むしろ子供が成長した後の晩年の親夫婦の在り方に比重を寄せて描いています。
    どうしてどうして。
    さすが伊吹先生。
    なかなかの読み応えがありました。
    一筋縄では行かず、いい意味で裏切られました。

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    2025年04月08日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわるアンソロジー
    どのお話もひとくせ、ふたくせあって
    興味深いおはなし
    中でも、伊吹有喜さんの
    「夏も近づく」がおいしそうでたまらなかった
    塩おにぎりや、水出しかぶせ茶、ブロッコリーのオリーブオイル漬け、春キャベツのピクルス、たけのこご飯、手作りベーコン
    どれも自家製で少し地味かもしれないけど
    間違いなく美味しいってわかる
    食をきちんと考えられる人に悪い人はいないですね

    この頃はどんなに単純な料理でもいいから
    自分で家で作って食べたいと思うようになった
    なんでだろうな
    けして美味しいものを作れるわけでもないのに
    この本を読んでさらに思う
    食に対して考え直すいいキッカケになりそう

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    2025年04月07日
  • オムライス日和 BAR追分

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    BARのみんなが食べる食べ物が一つ一つ美味しそうだった。特にオムライス。まるで目の前に熱々のオムライスがあるかのような素敵な描写で、思わずオムライスを作って食べたくなった。こんなBARがあったらいいなと思った。

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    2025年04月05日
  • 娘が巣立つ朝

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    送り出す側として読んだ
    送り出すと同時にまた人生動き出すのも良くわかる、それぞれの事情がいろいろあるのも良くわかる、分かっててもうまくいかないのもそうだろうなと納得してしまう
    答えなし、うまくいかないもんだけど、前には進んでる

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    2025年03月29日
  • 彼方の友へ

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    読み終えたら「彼方の友へ」というタイトルの意味が分かってジーンとくる。そんなに暗い話ではなかったけど後半になるにつれ切なさが増して胸が苦しかった

    戦時も戦後も国民の希望のために働き続けてくれた人たちのおかげで今の日本がある。平和ってほんまに素晴らしいことや

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    2025年03月23日
  • 常夏荘物語

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    ネタバレ

    『天の花』を読み終えてからもう数年経っていて、耀子や立海はその後どうなったんだろうと思っていたので、ようやくその先が読めるとワクワクしながら読み始めた。

    とにかく、
    2人が手を取り合えてよかった!
    『天の花』の時の14歳と10歳の4歳差は切なかったけど、大人になったらなったでいろいろ考えてしまうものよなーと妙に納得。
    耀子のその姿があったから、こんなにも時間がかかったけど、いろんなことがあったけど、本当によかったな。

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    2025年03月15日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわる短編のアンソロジー。
    小洒落た創作寿司屋、土鍋ご飯、金平糖、蕗の薹(ふきのとう)、パン…。
    どれも美味しそうで、お腹がすいてくる本だ
    ★5が2本
    ★4が2本
    ★3が3本
    やはり大好き作家さんのは面白かった!

    男たちの下心が渦巻く隠れ家的な高級寿司屋。
    男たちが落としたい女性にお寿司のウンチクをスマートに披露している場面に、唐突にのしのしと現れたのは…。
    乳児を抱っこ紐で抱え、母乳で汚れたカットソーにスウェットを履いた体格良い中年女性。
    ドスンとマザーズバッグを置き、ツウなお料理を野太い声で次々と注文し始める。
    お母ちゃんに支配されていく店内の様子が痛快!
    このストーリーは柚木麻

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    2025年03月02日
  • カンパニー(新潮文庫)

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    バレエのことはまったくわからないけど、
    とても面白かった。

    突然離婚を言い渡され、一人ぼっちになった男性と、突然チーム解散になったトレーナーの女性のお話。
    ざっくりいうとね。

    わたしは、高野さんが、「瀬川」って呼び捨てにするとこにキュンとしてしまった。

    新しいカップルになって、幸せになってほしいなー

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    2025年02月27日
  • BAR追分

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    再読2回目。
    美味しいものって、人の心をほぐすよねぇ。悩みごととかしんどいこととか、美味しいごはんの前では忘れてしまう。ひとりで外食できないわたしでも、ちょっと訪れてみたくなるような場所。いいなぁ。

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    2025年02月22日
  • なでし子物語

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    伊吹さんの彼方の友へ という小説が素敵だったので この小説を手に取りました。
    小説に登場する 小学生2人がなんとも頼りなく
    弱く そして予想に反して強く 子どもって
    たくさんの困難な事を全部受け止めて それを
    一生懸命 なんとかしようと考える存在なんだなと
    子供特有のもどかしさと でも最後は清々しい気持ちで読みました。 
    続編もあるので 登場人物がどんな風に成長しているのか 楽しみです。

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    2025年02月07日
  • 常夏荘物語

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    スピード感ある展開で、なでしこ物語シリーズ中、1番集中して読めたし、面白かった。ヨウヨとリュウカイ君の2人の結びつきは、一巻(なでしこ物語)を読んだからこそ、この物語でキュンとくるのだと思う。

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    2025年02月04日
  • 天の花 なでし子物語

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    「なでし子シリーズ」続編♪
    刊行順ではなく、時系列順で読みました♡

    父が亡くなり母には捨てられ、祖父のいる「常夏荘」で過ごす事になった小4の耀子。

    あれから4年、そしてそのまた4年後の物語。
    ✎︎____________

    1998年、18歳になった耀子の話と、その4年前の話とが交互に語られる。
    だけどその大半は 4年前の話で、11歳になった立海が、また常夏荘にやって来た夏の日々の出来事の話だった。
    今回はヨウヨ(耀子)とリュウカ君(立海)に加え、1作目ではほとんど出てこなかった照子の息子である龍二が 深く関わってくる内容だった。
    立海の父は龍二の祖父。
    年齢は龍二の方がずいぶん上だけど、

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    2025年01月26日
  • 雲を紡ぐ

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    何世代にもわたって継承される技術とホームスパン。紡ぐ糸に想いを乗せて織り進める少女と見守る祖父。そこには暖かい時の流れがある。
    いい本でした。

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    2025年01月18日
  • 彼方の友へ

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    戦前を主な舞台として、雑誌作りに携わる少女の成長を描いた物語。

    成長モノ、恋愛モノ、仕事モノと色んな要素が良い塩梅で組み合わさっている。個人的に当時の出版業界の描写もとても興味深かった。

    前半は登場人物が活き活き描写されており、当時の時代背景とその先に起こることを知っているからこそ先が気になり続けた。

    暗躍していた組織、有賀さんの過去とその後、主人公の父の事など、結構あやふやなまま終わってしまったのが気になるけれど、ページ数の関係で説明しきれなかったのだろうという程度で小説としての軸はしっかりしていた印象です。

    何より‥平和って本当に大事ということを改めて思いました。

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    2025年01月14日
  • 雲を紡ぐ

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    ネタバレ

    西の魔女が死んだに似たような流れで好きでした。

    10年前に読んでいたら主人公の女の子の気持ちにだけ共感出来たかもしれないけど、
    娘を持つ親になってみて色んな人の気持ちに共感しながら読めました。

    子どもがどんな状態になろうとも「見事に育った」と言ってあげられるような親になれと自分に言い聞かせられました。

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    2025年01月12日
  • 彼方の友へ

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    Twitterで、ドラマ「海に眠るダイヤモンド」が好きな人はこの本を読んで、というツイートを見て読んだ。とても良かった。

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    2025年01月02日
  • 注文の多い料理小説集

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    読後感が良く楽しかった!
    もっと前後を読みたくなるようなお話もあり、おいしいとこどりできるアンソロジーの良さだなと思いました。柚木麻子さんが好きで手に取ったけれど、読んだことのない作家さんのお話も良かったです。

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    2024年12月29日
  • 今はちょっと、ついてないだけ

    QM

    購入済み

    タイトル通り、世知辛ぁぁ、、、ってなるようなお話が多かった。キラキラだけじゃなくて、大人になるというのはこんなこともあるんだよって。立花の母からのお手紙がグッと来た。今はちょっとついてないけど、それでもなんとかやっていこうともがきながらも頑張る大人たち。

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    2024年12月28日
  • 風待ちのひと

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    風待ち、潮待ち、日和待ち、ってよく使う言葉で、好きな言葉です❗️
    最近は、人生、急いだり、あせったりしないようにしています。

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    2024年12月25日