伊吹有喜のレビュー一覧
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迷い犬を高校で飼うことになった、代々の学年のお話
以下、公式のあらすじ
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1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。
初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。
昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、瑞々しく描く。
山本周五郎賞候補、2021年本屋大賞第3位に輝いた青春小説の傑作。
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県内では進学校の八稜高校(略してハチコウ)に白い犬が迷い -
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勤務先の企業からバレエ団(カンパニー)への出向を命じられ、妻からも離婚届を突きつけられた青柳誠一。そんな崖っぷちの冴えない中年男性がバレエ団で調整役として働き始め、次第に仕事も出来て、気遣いも出来るイケてる男性に見えて来る所が面白い。
更にあまり知られていないバレエの世界の裏側も興味を引く所ではないでしょうか。
いわゆるお仕事小説なのですが、プロとしてのプライド、半端ない精神力、そしてそんな彼らを支えるスタッフやスポンサー企業の大切さもこの小説は描いていたと思います。
公演のチケットの売れ行きが良くない為に企画されたフラッシュモブのシーンはとてもワクワクしたし、バレエの公演も一度観てみた -
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最近、個人的にどハマりしている伊吹有喜さん。
今回は短編集の『BAR追分』
プロローグ
第1話 スープの時間
第2話 父の手土産
第3話 幸せのカレーライス
第4話 ボンボンショコラの唄
一つのお店が、昼はバールで夜はBARとなる、新宿のねこみち横丁のBAR追分。
「追分」とは、街道などが二つに分かれる場所、つまり分岐点のことを指す言葉。
日々の喧騒から離れ、こんな温かなお店にふと立ち寄ることで、自分の心に素直に向き合える時間がもてるのかもしれない。
どのお話も、個性豊かな登場人物と、美味しそうな料理の描写が、じんわりと心を満たしてくれる。
料理上手なモモちゃんと宇藤くんの間に、な -
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ネタバレ目次
・めぐる潮の音
・セナと走った日
・明日の行方
・スカーレットの夏
・永遠にする方法
・犬がいた季節
三重県にある公立高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。
里親を探すも見つからず、学校で飼うことになる。
コ―シローと名付けられたその犬と、生徒たちの姿を3年ごとに定点観測しながら緩くつながる連作短編集。
最後の『犬がいた季節』だけはすでにコ―シローはいなくて、創立100周年記念行事に集う元生徒たちが、その後の彼らの姿を教えてくれる、という構成。
3年ごとの定点観測なので、生徒たちに直接繋がりがないことも多いが、美術部顧問の先生と用務員が犬と生徒を見守っている姿も垣間見える。
最初にコ―シロ -
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ネタバレ【あらすじ】
有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、脚本家になる夢を追い続けているという。数日後、友人の結婚式の二次会後に、宇藤がよくいるというねこみち横丁のBAR追分に顔を出した沙里だったが……(「オムライス日和」より)。昼はバールで夜はバー――二つの顔を持つBAR追分で繰り広げられる人間ドラマが温かく胸に沁みる人気シリーズ、書き下ろしで贈る待望の第二弾。
【個人的な感想】
食べ物の描写がとても美味しそうで、読んでいてお腹が空く。
オムライスにクリームシチューかけて食べてみたい。
作中 -
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第8回高校生直木賞
手洗いされた羊毛に触れてみたい。汚毛の臭いは強烈そうだけどホイップクリームのようになめらかな感触だと知って興味津々。
1枚の布を作るまでの繊細な作業工程は読んでいて暖かな気持ちになった。
太一が美緒に、糸は切れてもまた繋がることができるから大丈夫だと伝える場面が優しくて素敵だった。
後半は工房よりも家族の問題に焦点があたる。
美緒を追い詰める母親と祖母が毒キャラに感じていたけど、途中から母親の気持ちも理解できてくると、父親と美緒は言葉にするのが下手だし、夫婦の話し合いは拗れるし、この家族どうしたらいいの?!と頭を抱えたくなった。
祖父が暖かく美緒を受け止めているのが