伊吹有喜のレビュー一覧

  • 雲を紡ぐ

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    ネタバレ

    2024.09.29

    美緒と父の視点から描かれる、ホームスパンを中心にした家族の物語。

    羊毛から紡いで糸にして、それを織って布にする。
    自分の殻に閉じこもっていた美緒も、糸を紡ぐように、言葉にできなかった想いを紡いでいって両親と打ち解けていく。

    昔ながらのものづくりを大切にする職人さん側の描写もあり、とても引き込まれた。

    祖父が機織りの仕事をしていたのですごく親近感も湧いた。

    最後に心温まる作品は何度でも読みたいなと思える。

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    2024年09月30日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    こういうご近所さん、本当にほしい。
    いい距離感で、助けてほしい時にはいてくれる。
    理想的すぎる。

    みんながそれぞれ、新しい道に進んだような展開で良かった。

    これでシリーズ完結なのかな?
    こういう系のシリーズ、だらだら続くより、これぐらいの方が好きだなぁ。

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    2024年09月30日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    粉モン戦争(笑)それぞれにアピールポイント有。
    秋の親子丼かぁ。ももちゃんの作るご飯はおいしそうだな。

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    2024年09月18日
  • 地の星 なでし子物語

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    私の中で、なでし子物語も終わり。
    『常夏荘物語』から始まり夢中で読んだシリーズ。

    耀子たちが会社を立ち上げる経緯などを知る。
    照子さん、龍治さん、立海さん、瀬里ちゃん。
    そして、耀子さん。
    彼らの足跡を辿る楽しい時間だった。

    〈峰生は昔から大事な人を呑み込む大きな墓場だよ〉
    P271、龍治の言葉が悲しい。

    みんな幸せに。
    できれば耀子と立海の人生をずっと読んでいたい。

    『常夏荘物語』を再読しよう。

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    2024年09月15日
  • 天の花 なでし子物語

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    『常夏荘物語』を読み
    『なでし子物語』(再読)から『天の花』へ。

    本作のテーマは親子かな、と思う。
    母と子(照子と龍治)
    父と子(立海と龍巳)(耀子と祐一)

    どの親子も不器用で
    それぞれを大切に思う気持ちを消してしまう。
    P175
    〈絆を断ってはいけない〉

    シリーズの間隔を空けず読んでみると
    見え方がハッキリとして良かった。

    さて『地の星』へ行きますか。
    終わってしまうのが寂しい。

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    2024年09月15日
  • なでし子物語

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    〈ぼくはときどきユゲになるのよ。ここにいるんだけど、いない。〉
    まるで、世間から取り残された様な撫子の咲く常夏荘。
    そこに住む人々の佇まいにいつしか引き込まれる。

    これは、2013年に単行本で読んだ時の感想。

    『常夏荘物語』を読み終え
    シリーズ一作目の内容をすっかり忘れてしまっていたので再読。

    立海と耀子の出会い。
    おあんさんと呼ばれると照子の過去。
    自立し、かおを上げ
    自律し、うつくしく生きる(生きた)人たち。
    ここに全て書かれていた。

    立海の可愛らしさ。
    『常夏荘物語』では立派な男性になられて。
    シリーズを順番に読まなくても
    十分に楽しめる作品。

    次は『天の花』『地の星』を読もう

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    2024年09月11日
  • なでし子物語

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    「自立」「自律」という言葉。
    大人に使う時と子どもに使う時でニュアンスが違っているのがいいなと思った。
    自立…かおをあげていきること
    自律…うつくしくいきること
    幼い頃に、こういう大切なことを教えてもらった子ども達がどんな大人になっていくのか、次作以降が楽しみ。

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    2024年09月01日
  • 雲を紡ぐ

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    いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショール。
    ところが、このショールをめぐって母と口論になり、美緒は岩手県盛岡市の祖父の元へ行ってしまう。
    美緒は、祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
    一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
    久々の伊吹さん。やっぱり良かった!

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    2024年08月24日
  • 注文の多い料理小説集

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    アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。

    他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。

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    2024年08月20日
  • 雲を紡ぐ

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    神保町にできたシェア型書店の「本丸書店」に行ってきました。
    その際に、今村翔吾さんの作品だけではなく、
    棚主さんから購入したいと思い、
    伊吹さんの本作を見つけて購入しました。

    転職して仕事が変わって、
    知らず知らずに余裕をなくしていたのか、
    全く読書ができない時間がありました。
    そんな時に本作を読みました。

    不登校になった高校2年の美緒は、
    両親たちから逃げるように盛岡の祖父の元へ向かう。

    羊毛を手仕事で染め、紡いでいる工房。
    美緒は自分のホームスパンを紡ぐ。

    最初はよわっちくて心配だった美緒が、
    祖父や工房の人たちと接することで、
    成長していく美緒に涙でした。

    祖父が無骨なんだけど

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    2024年08月16日
  • 雲を紡ぐ

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    親子ってたぶんこうなのかなぁと。まぁそれぞれの親子にそれぞれの世界がある。それにしても良い作家さんだと思う。これこらまたあれこれ読んでみたい。

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    2024年08月06日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    サクッと読めるけど、心が暖かくなるバル追分シリーズも、すっかり宇藤君を軸にした物語になりましたね。今作も楽しめました。まだ続くと良いなぁ。

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    2024年08月04日
  • 雲を紡ぐ

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    糸も言葉も上手く紡げず途切れることがある。「せがなくてもいい」「切れてもつながる」って岩手山の伏流水みたい。いいものはくぐって漉され磨かれ、やがて清らかに現れる。それまでは確かに「選べない」わけだ。

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    2024年08月03日
  • 四十九日のレシピ

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    何気に手に取った本だったが、とても面白かった。
    失ってみて、大丈夫がわかることは本当にある。

    妻を突然亡くした妻とその娘の再生の話。亡き妻の乙美さんのレシピが深い。多くの恵まれなかった女性達や亡くなった家族にも素晴らしいレシピ、処方箋を残してくれた。愛情に溢れた素晴らしい女性だったんだろうな。

    四十九日の宴会も良かった。熱田の姉があまりにひどい物言いで腹ただしかったかったが、ずっと頭が上がらず言い返せなかった熱田もついに言い返せた。これも大きな変化。怒って帰ってしまったと思えた姉だが、最後の展開もほろっとした。これもやはり乙美さん人徳だろう。

    他にも、いろいろな展開があって面白かった。他

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    2024年07月05日
  • 彼方の友へ

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    すっかり
    映画を見ているようなそんな
    映像が目に浮かぶような感覚で読んでいました。
    読み終わった後も余韻にどっぷり浸かったままで、とても素敵な本に感動しています。
    時は
    昭和12年から20年
    戦前から戦後の激動の時代のお話です。世の中がざわついていて、
    不安がある中で
    雑誌「乙女の友」に憧れていた右も左もわからないハツを
    温かく、そしてきびしく
    作家としても主筆としても育て
    た有賀主筆や、仲間達の温かいやりとりが本当に胸が何度もキュンとしたり、じんわりしたり…力強さを感じたり…
    身近な人達が
    次々に戦争に出征していく中
    あとを引き継ぎ、みんなが帰ってくる場所を守っていきたいと
    奮闘するハツの姿

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    2024年06月30日
  • 四十九日のレシピ

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    身近な誰かが亡くなった時、不思議なことが起こるような話はよくある。実際にも起こりうるのか分からないけど、説明できないことがあってもいいじゃない、と思う。
    優しくて、固まった心を溶かしてくれるような、そんな本だった。
    わたしもレシピ残していこうかな

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    2024年06月23日
  • 彼方の友へ

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    以前さてさてさんの本棚で拝見して、面白そうだなと思ったのだが、これもまた酔っ払いの私がいつの間にか勝手に買っていた( ̄▽ ̄)

    老人施設で暮らす佐倉ハツ。
    ある日小さな箱が手渡される。
    その箱は遠い昔刊行された雑誌の付録だった。

    ハツは老人施設でまどろんでいる。
    次第に夢の中へ引き寄せられ、過去を思い出す。

    『乙女の友』という雑誌は、少女時代のハツの憧れであった。中でも有賀憲一郎の詩と、長谷川純司のイラストに魅力され、切り抜きをノートに貼って大切にしていた。

    ひょんなことから、その憧れの雑誌社で、しかも有賀主筆の隣で働くことになるハツ。

    戦前から戦後までの激動の時代を、雑誌社の仕事を通

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    2024年06月09日
  • BAR追分

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    2015年刊。新宿三丁目方面でありながら隠れ家的な路地商店街として設定された、夜はBAR、昼はバールで食事処が舞台。主人公という設定は特に無く、視点は特に定められていない。月並みに言えば、「味がある」だろうか。個人的には、絶対に加われるような舞台設定では無いが、面白い。

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    2024年06月07日
  • オムライス日和 BAR追分

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    登場人物の立ち位置が明確になり、街の物語として魅力的になっている。設定は違うけども町田その子さんのコンビニ兄弟シリーズと通じる温かな人への視線を感じます。

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    2024年06月07日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    フォローしてる方の本棚で驚いた。伊吹有喜さんの追分シリーズを見落としていたなんて。
    「お好み焼き」は広島在住の私としたら譲れない題材だが全てが温かくて優しさが溢れている。癒しも反発も美味しい料理から始まる。

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    2024年06月04日