あらすじ
地方の名家(静岡県天竜川沿い)を舞台に、異なる世代の二人の女性が、自分自身の生を獲得していくさまを力強く描きだす感動作。 18歳になった耀子は、誰にも告げずに常夏荘をあとにした。 バスの中、4年前のあの夏を思い出す。 久しぶりに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々―。
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18歳の耀子が14歳の夏を回想しながら進む話。
子供達が子供達で居られた最後の夏。
照子の息子の龍治も加わり過ぎてゆく…
母照子の愛情を幼い頃に感じれず、今も確執が残ってるからつっけんどんな態度だけれど 立海や耀子、長屋の人々に対してはちゃんと誠実な対応をしてくれる事から根は優しい人なんだな、龍治。
耀子にとって立海はいつまでも幼い「リュウカ君」なのかな。弟のような、手の届かない大切な思い出の中の宝物のような。
父性を求めてしまったのか、龍治と共に歩む事に。
大切にされてこなくて、「大切にされる」という事が分からないと泣く耀子。悲しい…。
常夏荘の人達の事だと教えてあげたいなぁ。
この先地の星へと続くようなので、今から読むのが楽しみ。
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なでしこシリーズ3作目
時系列でいったら
なでしこ物語と、地の星の間の物語
なでしこ物語から4年後と、そのさらに4年後の話が交互に語られています
刊行順で読みました
全部読んだことない人には、全てネタバレになりそうなのでネタバレ感想にしときます
なでしこ物語から4年後は耀子が中学二年生でまだ子どもらしい姿が見えます
あぁそうだった。2人ってこういう感じだった、、と嬉しくなりつつ、少し歳を重ねたことで変化も生まれていて切なくもなります。
またその4年後は耀子が家を飛び出してしまいます。なんでそうなるのよー!!
いったいなぜ耀子は家を飛び出したのか
なんで龍治と結婚することになったのか
前作での謎が明らかになります
これまであまり現れなかった龍治の姿や
立海とのすれ違いも描かれています
終盤は龍治の想いにも、耀子の想いにももうぐちゃくちゃに泣きました
龍治を選んでしまうのもわかる気がするけど
でも立海は、、、?
兎にも角にも
とても面白く読みました!!
すぐ読めちゃいます!
さぁついに最終章!!!
、、、え?最終!?
もうどっぷりハマってしまって
読み終わるのが悲しすぎる、、、
でもどんな未来が待っているのか気になりすぎるので読みます!!
あーん、、、さみしいー!
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とても切ない物語でした。
「あの夏は子どもたちが、子どもでいられた最後の時だったのかもしれない」
この一言に尽きます。映画化されたら予告編にこの一文を使ってほしい!
『なでし子物語』も大好きだったけれど、また別の意味で心に残る大好きな一冊になりました。二作目の『地の星』でいきなりな展開になって、なんで?どうして?なぜにそうなってしまうの?とちょっとしたパニックになってしまったけれど、時系列的には『なでし子物語』と『地の星』の間にあたる今作を読んで、なるほど‥‥あんなことやこんなことがあって、あーなってこーなったのね‥‥と納得できました。
それにしても、あんなことやこんなことが切ない‥‥切なすぎる‥‥あんなこんな、ばっかりですみません 汗。でも、これから読む方にはぜひともネタバレなして読んでいただきたい!とてもドラマチックなんです。成り行きを分かっていながらドラマを観るのはつまらないですよね?本当にドラマチックで続きが気になって仕方がなく一気に読んでしまいました。伊吹有喜さん、素晴らしいストーリーテラーだなぁ。
時系列の順に読むのもありだと思うけれど、私は出版順に読んで正解だったと思ってます。
しばらく余韻に浸りそうです。
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子供のままで居られない
純粋で せつない
親の愛情を知らない耀子
頼り方がわからない気持ち
親の愛情が足りなかった龍治の
寂しさや 優しさ
似たもの同士だから
立海ではないんやなぁ
時系列順に読んでいます
なんとも 引き込まれて
余韻の残る話し
Posted by ブクログ
時系列順にシリーズ読書中。
とにかく切なくて、特に229ページと230ページを何度も読み返してしまぅた。。
ヨウヨ、リュウカくん、という2人の関係が大好きだったから辛かったーーー。リュウカくんはいつも真っ直ぐで、純粋で。「なでし子物語」で踊るふたつのなでしこが耀子と立海だったから、龍治に、悪い言い方したら2人の仲を邪魔されたような、いいとこ取りされたような気がしてもやもやが残った。はー切ない。
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シリーズ3作目。時系列でいくと真ん中にくる話だ。女性2人の生き様を中心にそれを取り巻く人々の大河ドラマ的小説。2人の心の描写が細やかで、本の世界に没入してしまう。
この巻では主人公の一人、耀子が人生の岐路に立ち、大きな決断をする。
前巻の方が時系列では後の話で、そこに行き着く前振りが何も無かったので、この巻を読むと、なるほどね、そうなっちゃうよね…とそこそこ年齢を重ねた人なら腑に落ちてしまうかも。
大金持ちの男性と恵まれない生い立ちの女性の設定が韓流ドラマ風?な空気を醸し出している気がする。2018.10.20
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やっぱりなでしこ物語ほんとに好き。地の星の謎はわかったけどほんとに切ない...(恋愛小説みたいに読んでしまう)
1弾目→3弾目→2弾目で読んだ方がいいって言う人もいたけど個人的には2弾目でえ?!なんで??って疑問をもってから3弾目読んで納得してほしい。1弾目→2弾目→3弾目→2弾目かな。
Posted by ブクログ
なんて切ない。
時系列では、こちらが先との事でしたが、敢えて出版された順に読みました。
確かに、なぜ龍治だったのかと思っていましたが、天の花の隆治なら、耀子を任せられると思ってしまう。
リュウカくんはまだ子供過ぎる…
耀子と立海と隆治が3人で過ごした時間がかけがえのないものに思え、先が分かっているだけに胸が苦しくなるほどの切なさに身悶えました。
耀子はこの先強く逞しいおあんさんになります。
それがわかっていなければ読めなかったかも。
もう一度地の星を読み直したいと思います。
2020.4.24
再読。
おあんさんとなった耀子の空白の18年。
時系列通りに読むことを勧める方も多いようですが、やっぱり発行順に読むことを私はお勧めしたい。
怪しい魅力の龍治が、立海と耀子と過ごした夏は、龍治にはとても大切な時間になったのだと思います。
だからこその、その後だったはず。
耀子の最大のピンチを助けるのは龍治で、あれはあの時の立海には出来なかった。
埋めることの出来ない年の差が切ないです。
真っ直ぐな立海の想いは、地の星にも描かれていて、天の花を読んでから思い出すと、更に切なくなります。
みんなが幸せになれたらいいのに。
私にとって、今後も大切な作品であり続けると思います。
2020/04/23
再読。おあんさんとなった耀子の空白の18年。時系列通りに読むことを勧める方も多いようですが、やっぱり発行順に読むことを私はお勧めしたい。怪しい魅力の龍治が、立海と耀子と過ごした夏は、龍治にはとても大切な時間になったのだと思います。だからこその、その後だったはず。耀子の最大のピンチを助けるのは龍治で、あれはあの時の立海には出来なかった。埋めることの出来ない年の差が切ないです。真っ直ぐな立海の想いは、地の星にも描かれていて、天の花を読んでから思い出すと、更に切なくなります。みんなが幸せを願います。
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今回も面白かった。あっという間に読んでしまった。一気に読むのがもったいない気もする。
2作目で、なんで龍治と結婚したんだ?と思っていて、今作の最初の方は、だからなんでこんな龍治と?と嫌な気持ちになりかけたところで、龍治の味が…。最後は、まあ、立海もいいけど龍治でもいいかもな…な感じになった。変な愛憎劇な感じは全くなく、とても面白かった。続きを出してほしい。早く読みたい。
Posted by ブクログ
「なでし子シリーズ」続編♪
刊行順ではなく、時系列順で読みました♡
父が亡くなり母には捨てられ、祖父のいる「常夏荘」で過ごす事になった小4の耀子。
あれから4年、そしてそのまた4年後の物語。
✎︎____________
1998年、18歳になった耀子の話と、その4年前の話とが交互に語られる。
だけどその大半は 4年前の話で、11歳になった立海が、また常夏荘にやって来た夏の日々の出来事の話だった。
今回はヨウヨ(耀子)とリュウカ君(立海)に加え、1作目ではほとんど出てこなかった照子の息子である龍二が 深く関わってくる内容だった。
立海の父は龍二の祖父。
年齢は龍二の方がずいぶん上だけど、立海の事を"おじさん"と呼ぶ。←間違ってはないんだけども笑
なんだかそんな2人の関係が楽しい♪
周囲の人から、なかなか手に負えないと思われてきた龍二だったけど、心根は優しくて頼もしいみたいだ。
そして18歳になった耀子はというと、、これがまたせつない(Т^Т)
そして予想もしない展開へΣ( °□° ;ノ)ノ
え〜〜なんか複雑〜〜
次は「地の星」へ。
Posted by ブクログ
照子の息子であり、立海の大叔父でもある龍治の活躍が目立つ本篇。秘められた耀子の父との関係も明らかとなり、長閑な常夏荘が急展開する。印象が大きく変わった龍治や、立海、耀子の幸福を祈りながらの続編へ…
Posted by ブクログ
発刊順では3作目だが、実際の連載順ではこちらが2作目より先で、当然執筆順としてもこちらが先に書かれたものであろう。と云うことで、発刊順は無視してこちらを先に読む。1作目の4年後、そして8年後の話。耀子や立海らの成長ぶりがよく分かる。そして、この巻では照子と云うよりも照子の息子が重要な役割を持つ。内容的には曜子があまりに自分で抱え過ぎで、そこは私的には好きじゃない。まあ、実際にそういう人もいるとは思うけど、読んでてイライラする。ので、少し評価が辛くなった。さて、これで4部作の前半が終了。後半はどう展開するのかが楽しみ
Posted by ブクログ
出版順に読んだので、なでしこ物語はこれが3作目になる。
なんて切ないのだろう。
読み終えてしばしどっぷりこの世界から抜け出せなかった。
「地の星」で疑問に思ったままになっていたことが次々にわかってくる。
こちらを先に読むのと後に読むのでは、龍治の印象ががらりと変わる。
環境は恵まれていたけどずっと孤独で、心の拠り所があまりない人だったんだな。
心の奥にある14歳の燿子と10歳の立海、そして龍治との思い出を
そっと大切に開ける。
後に語られる方がその大切さが際立つ。
だから、「天の花」が後になったのかなと思った。
立海の一途な思いが報われてくれたらとは思うが、
小さい頃の4歳差、大人になっての4歳差と比べて、
この世代の4歳差はあまりにも大きくて
あー、切ない…。
Posted by ブクログ
こちらは3冊目なのだが、時系列からこちらを先に読んでしまった。
『なでし子物語』から8年後。
高校卒業を間近に控えた耀子が常夏荘を出た。「母の元で暮らす」の置き手紙を残して。
あ~ダメだよ。そんな母親の元へ戻ったら。
そこから始まる話に、暗い予感が…。
耀子が中学2年の時、立海と過ごした夏の回想シーンが素晴らしく。ふたりの運命の出会いからお互い惹き付けられているのがよくわかり、胸がキュンとなる。
なのに、なのに、なぜ?
切なすぎます。
Posted by ブクログ
なるほど・・・
そういう経緯だったのか。
なんだろ?
やっぱり面白い!
まだまだなでしこ物語の世界にいたいな。
「地の星」を読んだ時、この空白の18年の間に、特に耀子が龍治と結婚するに至った10年の間に、一体どんなことがあったのだろう?という思いが凄く強かったので、「天の花」も興味津々で、なでしこ物語の世界にどっぷり入りながら読み終えました。
時系列でいうとこの「天の花」が2番目に来るので、「地の星」よりこちらを先に読む方も多いみたいだけど、私は刊行順に読んで良かったなと思いました。
Posted by ブクログ
連作のうちの一編らしいけど前後を知らないままでも興味深かった。静岡は浜松にある旧家の遠藤家の人物たちが昭和から平成に移る時期に織り成す物語。中心は中学校から高校にかけてこの家で暮らした間宮耀子だけど、周りの人物相関図を頭に描きながら読み進めた。なんとも不思議な余韻の残った作品だった。
Posted by ブクログ
時系列を整理しながら読まないと、頭がこんがらがる。けれどもいつものなでしこ物語よろしく、読後感も良く、清々しさを感じた。また1作目から読み返したくなった。千恵が作る食べ物はなんでも美味しそうだなぁ…
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
1作目のなでし子物語から8年後。穏やかな雰囲気が一転して、なんとも言えない気分。
燿子と立海の年齢差、小学生同士だとそんなにも気にならなかったものが、小学生と中学生となるとはっきりした差に感じられる。
そのあたりがうまく描かれていて、もどかしい気持ちで読んだ。
そういう意味では、2、3作目にかけての龍治の立ち位置は納得。
出版順に読むと、「地の星」で腑に落ちない部分が「天の花」で、すっと種明かしされるような感覚になれた。
ラストはどうなるんだろう…
Posted by ブクログ
小さな神様と踊る撫子の景色。耀子も立海も結ばれるには幼かった。龍治と燿子の結婚はなるべくしてなったのだとわかった。地の星で受け入れがたかった結末にようやく納得がいく。立海は耀子にとって小さな神様だったから。でも本音を言えば2人が結ばれてほしい。龍治は何を思っていたんだろう。
Posted by ブクログ
なでしこ物語三作目、ですが、時系列的にいうと真ん中作品になりますが、18歳の耀子さんが14歳の中学生のときの話と交錯しながら話は進んで行きます。最後は龍治さんと結ばれて、エピローグでは母になってますが、そのまま二作目の、28歳の耀子さんに続いていくんですね。色々あった、18歳の耀子さんでした。
Posted by ブクログ
名家の人々のしきたりや、思惑に翻弄される子ども世代の苦悩がもどかしいけれど、常夏荘の人々の暖かさにほっとします。昭和の旧いメロドラマのようで、「なんだかなぁ」と思いつつ先が気になってシリーズ読破したくなる。
Posted by ブクログ
迷った末に時系列で読みました。うーん…読まなくて良かったかも。2人の回想で進む構成が安っぽく、話の展開も取ってつけたようでがっかりで、冒頭付近の一々の説明書きも余計でした。第1作だけだったら名作になったかも知れないのに、残念です。
Posted by ブクログ
8月-28。3.5点。
なでし子物語完結編。
高校卒業と同時に、峰生を出ようとする耀子。その理由と、立海との関係を描く。
第二弾、地の星の前日譚。地の星での疑問点が腑に落ちた。
複雑な事情だが、よくぞ強くなったな、という感じだった。
Posted by ブクログ
2020/6/11
伊吹さん好きやけどこのシリーズだけはストレスがたまる。
子供時代のはすごくよかったんよ。
でも2作目で大人になってて龍治と結婚したって?え?年の差!?え?リュウカ君は?ってなったやん。
そしてその間に何があったのかが本作。
ヨウヨが花開く前に摘み取ってしまったようで、龍治の印象はすごく悪かった。
大人が子供をだましたように思ってたけど龍治は龍治で好きになってしまったんだね。
わかるけどでもハッピーではない。
落ちたところで咲きましょうみたいなことなのか。
ヨウヨは咲いているのか、これは。
リュウカ君も龍治もこれでいいのか。
この後どうなるんやったけな?
自分の記憶のなさが嫌になる。おあんさんになっててちょっと吹っ切れてた感じやったっけかな。
誰もやりたいようにやれてなくてすごいモヤモヤするわ。
現実的やけど現実いらんねん。
追記:第4巻完結編があるそう。まだ結論じゃなかったんだ。期待。
Posted by ブクログ
『なでし子物語』『地の星』に続く三作目。どうやらこの続きも『常夏の光』として連載中のようです。
天竜川の上流、かつて林業で財を成した財閥・遠藤家の大邸宅・常夏荘を舞台にした物語。
どこかバーネットの作品『小公子』『小公女』『秘密の花園』等を思い出させるなかなか良い雰囲気で始まった『なでし子物語』。その20年後、没落した遠藤家を支える若い女主人の奮闘を描く『地の星』。でもねぇ、その方法が余りに小ぢんまりとした手作りお菓子製造であり、その過程もご都合主義満載のお仕事小説で少々がっくり。三作目にはなかなか手が出なかったのです。
で、この三作目『天の花』。
時系列的には『なでし子物語』に続く10年間ほど。『地の星』までにはまだ数年の空隙が有ります。雰囲気的にも『なでし子物語』寄りでバーネット調。しかし、どうも・・・・・。なんかすりガラス越しに見ているドラマという感じがします。
大人のフェロモンたっぷりで格好良過ぎる龍治、11歳にしては天真爛漫すぎる(セドリックの様な)立海、「おしん」過ぎる耀子。キャラが立っていると言えばそうですけど、ちょっと不自然。脇役たちも基本良い人ばかりで相当なステレオタイプ。その上舞台が庶民の想像をはるかに超える常夏荘ですからね、どうも現実感に乏しくて。その中で進められる恋愛物語も、う~~ん、こうなるのか。。。
作品単位で時系列を入れ替えた上に、この1冊の中でも時系列を入れ替えながら進める書き方も、ちょっとやり過ぎかな。
でもこの作品、映像化したらとても面白いでしょうね。