伊吹有喜のレビュー一覧

  • 彼方の友へ

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    先に読んだ「犬がいた季節」の解説に『その年の本屋大賞ノミネート作に「彼方の友へ」が入っていなかったことに途轍もない衝撃を受けた…』と書いてあるのを見て、この本も読んでみたいと思っていた。
    こちらもとても面白かった。

    昭和初期、父が消息を絶ち母も病気になっては進学も諦め慎ましい生活を余儀なくされていたハツのお話。
    知り合いの口利きで憧れの少女雑誌「乙女の友」編集部に職を得たハツが場違いな場所で戸惑いの日々を過ごす序盤を過ぎて、なかなか原稿を仕上げてもらえない作家先生を自転車でさらってきたあたりから面白くなってきた。
    そこからは、主筆の有賀に鍛えられながら、周囲の作家や画家からも様々なことを吸収

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    2024年07月14日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    2017年刊。シリーズ第3巻にして最終巻? 未だ続きが読みたいけどなぁ……。シリーズを重ねる毎に重層的に良くなって来ている。熱量も上がって来ている印象。読んでいて妙に不安や不快を感じること無く、かと言ってインパクトが弱い訳では無い。文章のテンポも程よく心地良い。読後感も良い。是非是非、続刊を読みたい!

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    2024年06月12日
  • オムライス日和 BAR追分

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    2016年刊。シリーズ第2作。第1作で登場人物の設定と関係が一通り描き終えられた為か、本作では展開がより味わい深くなった。自分はこのような店の雰囲気に参加出来るタイプでは無いのだが、それを心地良く体験出来る人は羨ましいという気持ちもある。とても多様な登場人物たちだが、違和感なく読み終えられた。

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    2024年06月10日
  • 四十九日のレシピ

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    この一冊からドンドンはまりこんで行った記念の本
    泣いた泣いた!主人公の心の動きも良かった
    ドラマでも見たかった

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    2024年06月02日
  • 彼方の友へ

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    あなたは、「少女の友」という月刊誌を知っているでしょうか?
    
    国内で出版されている雑誌の数はおよそ3,500誌と言われています。そんな雑誌は発売サイクルから週刊誌、月刊誌、季刊誌といったようにその内容に合わせて刊行されるタイミングも異なります。あなたも何かしらそんな雑誌を購読しているのではないでしょうか?そして、それはあなたの子どもたち、そう大人だけではなく子どもたちにとっても楽しみの一つなのだと思います。

    そんな雑誌の中に「少女の友」という月刊誌がありました。1908年に創刊され戦後1955年まで少女たちを夢中にさせたというその雑誌は、『川端康成や吉屋信子、堀口大學や中原中也ら錚々たる面

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    2024年05月20日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    あー、ほっこり。やさしくて、美味しそうで、なんだかがんばろう、ってなる。
    ちょっとイケメンぽいのが多すぎて胸やけぎみではあるけれど。
    続きはいつかな?

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    2024年04月09日
  • 風待ちのひと

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    辛い経験を経て失うものとそこから得るもの、人生で起こる小さな出逢いや縁の大切さを気づかせてくれました。

    小説の中にしかないでしょ?といった筋ではなく、親近感が持てる人物像と現代家族の描写に、隣の家を覗いているようなリアル感を得られました。

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    2024年04月06日
  • オムライス日和 BAR追分

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    美味しいものは優しく心をほぐしてくれる。
    美味しそうなお料理とお酒が出てきて読んでるだけで癒される。
    宇藤くんもだいぶねこみち横丁に馴染んで、管理人の仕事が板についてきた。
    最初は居心地悪そうだったのに、今はほんとにくつろいでていい感じ!
    脚本家デビューも近いかな?

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    2024年03月28日
  • 四十九日のレシピ

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    私が読んだ伊吹さんの作品は再生の物語が多い気がする。

    この作品も、妻である乙美を亡くした良平とその娘の百合子がどのように生きていくのかを考えて進む物語だ。
    突然現れた井本とハルミ。現実にこんなことが起こったら受け入れることは難しいだろう。しかし、こんな2人がもし現実に現れたなら自分の人生も変わっていくのかもしれない、と想像したら楽しくなった。

    良平も百合子もこの2人に出逢わなかったら、人生なにも変わらなかっただろう。
    乙美が託した想いを繋ぎに来た井本。
    井本とハルミの去っていく姿がどちらも気になる。
    実際この2人は何者だったのか、と。
    ずっとずっと良平と百合子と居て欲しかった。そこが少し残

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    2024年03月22日
  • 風待ちのひと

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    伊吹さんの小説、2冊目。読み終えて感じたこと。

    美鷲の風景描写が、想像できるくらいの表現の素晴らしさに惹かれた。
    家族を失った貴美子と心の風邪をひいてしまった哲司。
    貴美子の優しさと気遣い、テキパキとこなす仕事。かっこいいと思った。
    お互いに欠けているもの、大切なものに気付き前に進もうとするストーリー。

    貴美子は本当に温かい女性だと思う。
    謙虚でどんな人にも温かく接することができる女性。
    弱いようで、芯の強さもある。
    大切なものを手にするために、自由に生きれたらどんなに幸せかなぁ、と思ったストーリーだった。

    ちょっぴりもどかしくてせつなくもなる大人の恋も描かれてて、色んな気持ちになれた。

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    2024年03月14日
  • 彼方の友へ

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    【少女雑誌の灯す光】
    伊吹さんの本を初めて読みました。

    時は戦前の昭和。少女雑誌「乙女の友」が大好きで、その主筆とイラスト作家の先生たちにあと蛾れている佐倉波津子ことハツ。あるきっかけで、その主筆のアシスタント、という形で出版社編集部に雇ってもらえることになるのだけれど…
    戦争という緊急事態と価値観の大転換の中でのお話。

    いろいろ考えさせられた。

    「そんな余裕のない状況なら、書物や雑誌など不要ではないですか」
    コロナの緊急事態下に問われたたくさんの文化活動の意味。リアルだった。

    出版社や書籍に関わる人々はどう影響され、どのような決断を経ていったのか。

    違う時代の話。
    たくさんの芸名。

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    2024年03月11日
  • 地の星 なでし子物語

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    なでし子シリーズ3冊目。
    シリーズ最初の方のお伽話のような幻想的な雰囲気はなくなり、女子のお仕事小説のような感じになってきて、読み応えアリ!
    応援したくなり、自分も一緒にアイデアを出して参加してる気分だった。
    そして最後の方はキュンとしたり。
    耀子の目覚ましい成長に胸が熱くなった。
    続きはあるのかな?

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    2024年02月22日
  • 天の花 なでし子物語

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    まさか、まさか!意外な展開になってきた!
    大人になっていくリョウカくんとヨウヨ。
    2人の切なく素敵で夢のような想い出。
    2人はどうなっていくの?!?

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    2024年02月15日
  • なでし子物語

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    めっちゃ良かった!
    続きが読めるなんて幸せ!
    リュウカくん可愛いし、ヨウヨもこれからどんな大人になっていくのか楽しみ。

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    2024年02月08日
  • 彼方の友へ

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    映画を見たような読後感でした。
    こんなふうに戦中戦後の日本を支えてくれた形になるものたちがいることに感謝します。勇気を与えてくれる一冊です。

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    2024年01月28日
  • 四十九日のレシピ

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    本棚にあったのを数年ぶりに読み返しました。(挟んであったレシートによると2012年に大阪ルクアで買ったらしい)自分にも子供ができてようやくわかるようになった、登場人物の痛いまでに張り詰めた想いに泣きそうになりました。本は自分次第で何度も違う気持ちになれるから、いい。

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    2024年01月21日
  • なでし子物語

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    『雲を紡ぐ』が面白かったので、続いてこの作品も。これも面白かった。全5巻なのでしばらく読む本には困らなそうだけど、他のことに費やす時間が足りなくなりそう。

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    2024年01月19日
  • 地の星 なでし子物語

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    腹の据わった女性たちの強さを感じて、とても勇気づけられた。
    前話までただ嫌なやつという印象だった由香里がとても魅力的に描かれていて、腹を割って話すって大事だなぁと思った。

    『自立と自律』
    がずっと根底に流れていて、
    女性たちの内面に芯がスーッと通っていく感じがとても良かった。

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    2023年12月24日
  • 四十九日のレシピ

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    妻の乙美が亡くなり、何も手につかず、憔悴していた良平のもとへ、娘の百合子も夫の浮気で離婚を決意して、実家に戻ってくる。
    そこに突然、亡くなった乙美の教え子という真っ黒に日焼けした金髪の女の子の井本がやってきて、乙美から教わったレシピで、四十九日まで面倒見てほしいと頼まれたからと言い、乙美がいるかのような料理や掃除をやりだす。
    家族とは、子供のいない人生とは、いろいろ考えさせられる感動のストーリー。
    映画で、井本を二階堂ふみさんがしていることを知り、さらにびっくり。

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    2023年12月20日
  • 風待ちのひと

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    伊吹さんの作品は人の心情の移り変わりなどが大変上手いので作品を読み終えるたびに上手いなあと感じます。

    今回もそれぞれが感じていた寂しさや、やるせなさなどがとても上手く表現されています。

    ハラハラ、ドキドキしながら迎えるラストにとても心が癒されます。

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    2023年11月20日