伊吹有喜のレビュー一覧
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ネタバレ盛岡の景色がほんとに綺麗な言葉で繊細に再現されていて想像するとワクワクが止まらなかったです。
行ったことはないけど、川のせせらぎや橋から見た岩手山の壮大さ、桜並木や、たくさんのお店、そして山の麓にある工房、ショールーム。全てがキラキラしていて本当に素敵でした。
そして親子の在り方や、それぞれの人生の生き方。
祖父の言葉はどの言葉も強く、綺麗な、真っ直ぐとした、そしてたまに後悔もある言葉でした。
美緒の母は、母とは何か、娘のためにこうすべきである、と言う形から、子供の頃の自分はどうだったのか、本当の娘の気持ちは何かどうしてあげるべきなのか全てが手探りな状態でしたが、美緒が織った端が凸凹したショー -
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お母さんになり、常夏荘で“おあんさん”となった28歳の耀子に会えて感慨深かった。
時代の移り変わりとともに環境も変われば、耀子自身の心境にも変化が起きていく…。
目まぐるしく、思わぬ展開でした。
ここが耀子にとっての人生の分岐点、今が大事な時だと思うと読みながらつい力が入ってしまう。
亡き父が叶えようとした未来に思いを馳せる耀子。
人生いろいろ。ちょっと切ない場面も。
深く心に染み入るストーリーで、温かく清々しい読後感でした。
『“私たちは小さな撫子”。星の形に似たこの花は、風に揺れても折れない、うつむかない。つつましくとも凛と咲き、地の星のごとく光を放つ。』 -
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先に読んだ「犬がいた季節」の解説に『その年の本屋大賞ノミネート作に「彼方の友へ」が入っていなかったことに途轍もない衝撃を受けた…』と書いてあるのを見て、この本も読んでみたいと思っていた。
こちらもとても面白かった。
昭和初期、父が消息を絶ち母も病気になっては進学も諦め慎ましい生活を余儀なくされていたハツのお話。
知り合いの口利きで憧れの少女雑誌「乙女の友」編集部に職を得たハツが場違いな場所で戸惑いの日々を過ごす序盤を過ぎて、なかなか原稿を仕上げてもらえない作家先生を自転車でさらってきたあたりから面白くなってきた。
そこからは、主筆の有賀に鍛えられながら、周囲の作家や画家からも様々なことを吸収 -
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私が読んだ伊吹さんの作品は再生の物語が多い気がする。
この作品も、妻である乙美を亡くした良平とその娘の百合子がどのように生きていくのかを考えて進む物語だ。
突然現れた井本とハルミ。現実にこんなことが起こったら受け入れることは難しいだろう。しかし、こんな2人がもし現実に現れたなら自分の人生も変わっていくのかもしれない、と想像したら楽しくなった。
良平も百合子もこの2人に出逢わなかったら、人生なにも変わらなかっただろう。
乙美が託した想いを繋ぎに来た井本。
井本とハルミの去っていく姿がどちらも気になる。
実際この2人は何者だったのか、と。
ずっとずっと良平と百合子と居て欲しかった。そこが少し残 -
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伊吹さんの小説、2冊目。読み終えて感じたこと。
美鷲の風景描写が、想像できるくらいの表現の素晴らしさに惹かれた。
家族を失った貴美子と心の風邪をひいてしまった哲司。
貴美子の優しさと気遣い、テキパキとこなす仕事。かっこいいと思った。
お互いに欠けているもの、大切なものに気付き前に進もうとするストーリー。
貴美子は本当に温かい女性だと思う。
謙虚でどんな人にも温かく接することができる女性。
弱いようで、芯の強さもある。
大切なものを手にするために、自由に生きれたらどんなに幸せかなぁ、と思ったストーリーだった。
ちょっぴりもどかしくてせつなくもなる大人の恋も描かれてて、色んな気持ちになれた。 -
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【少女雑誌の灯す光】
伊吹さんの本を初めて読みました。
時は戦前の昭和。少女雑誌「乙女の友」が大好きで、その主筆とイラスト作家の先生たちにあと蛾れている佐倉波津子ことハツ。あるきっかけで、その主筆のアシスタント、という形で出版社編集部に雇ってもらえることになるのだけれど…
戦争という緊急事態と価値観の大転換の中でのお話。
いろいろ考えさせられた。
「そんな余裕のない状況なら、書物や雑誌など不要ではないですか」
コロナの緊急事態下に問われたたくさんの文化活動の意味。リアルだった。
出版社や書籍に関わる人々はどう影響され、どのような決断を経ていったのか。
違う時代の話。
たくさんの芸名。