伊吹有喜のレビュー一覧

  • なでし子物語

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    照子の亡き夫との新婚旅行の回想シーンでは、涙が止まりませんでした。

    セミの夫と呼ばれ、長くは生きられぬ身体の夫に
    「夏しか生きられぬセミならば、私が永遠の夏を差し上げます。花は撫子、常夏の花。いつまでも仲睦まじく、千歳、百歳、あなたの隣で咲き続ける」
    そう告げる照子。

    とても強くて美しい人だなぁと思いました。

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    2023年11月20日
  • BAR追分

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    さてさてさんのレビューで知ることができました、ありがとうございます。
    いいなあ、こんな素敵なお店を行きつけにしたい。新宿ねこみち横丁のBAR追分。
    一歩足を踏み入れたらその居心地の良さに長居しそうだし、桃子さんの料理はどれも美味しそう。ミントティーの隠し味にバラですか。地下の湯にも行ってみたいなあ。
    一話完結のドラマのように、ターニングポイントで登場人物の葛藤と選択がドラマチックに描かれる。やさしくて控えめで、何かを捨てると何かを得るような経験をした人たち。続きがあるようなので楽しみ。

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    2023年10月29日
  • 四十九日のレシピ

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    伊吹有喜さんの「犬といた季節」がとても良い小説だったので、今回の本を購入。

    再婚相手の妻を亡くした夫、不妊に悩んだ末に夫に浮気をされ家を飛び出し実家に戻る娘。

    ここからスタートする物語に未来はあるのか?と思うのだけれど、読み進めるにつれて何度も大笑いしてしまうストーリーは、さすが!

    最後にはしっとりと涙するとっても素敵な物語です。

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    2023年10月21日
  • 情熱のナポリタン BAR追分

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    ネタバレ

    これにておしまい。
    だけれどもこのぐらいがちょうどいい塩梅なのでは?
    と私は感じてしまいましたね。

    ついに宇藤君にもチャンスは巡ってきます。
    だけれども彼は確かにすごいけれども
    その脅威の存在にどことなく違和感を
    感じていて…

    今回もおいしメニューがめじろ押しです。
    ちっちゃなお友達の感動のお話は
    必読だと思いますよ。

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    2023年10月12日
  • オムライス日和 BAR追分

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    ネタバレ

    宇藤君はまったくもってなぜに選択肢を
    間違えたんだろうか…
    努力の方向を間違えているのよ…

    そんな過去を知る女性がBAR追分に
    やってきます、変わらない彼に嫌味を言う彼女でしたが
    実は秘かに彼に思いを寄せていたのです。

    でも鈍感な彼はそれに気づかないんですけどね。
    そう簡単に、彼のトラウマは消えないと思うんだ。

    そして、もう一人の同じく
    過去に傷のある人間がいます。
    そう、夜のBAR担当の子、伊藤純です。
    彼はかつて…でした。

    何だろう、心の傷も
    すべて包んでくれる、優しい世界だよね。

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    2023年10月05日
  • BAR追分

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    ネタバレ

    心温まる昼はランチ営業、夜はバー。
    通りのみんなは優しい人ばかり。
    そんな人たちに癒されませんか…?

    素敵な4つのお話。
    私は推しがいるので3つ目の推しに全力応援する
    一人の青年のお話がよかったです。

    普通だったらあの事実を聞いたら
    絶望しちゃうし、最悪再起不能になるの。

    でも推しはいなくなっても
    もう一つ、大事なものを彼は得たの。
    このBAR追分という居場所をね。

    それと4つ目の作品も好き。
    売れてる芸術家のもう一つの顔ね。
    誰も味方はいない、でもね。
    彼にも居場所はあるの。

    そう、BAR追分よ!!

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    2023年09月30日
  • 彼方の友へ

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    久しぶりの星5つ。古き良き出版業界の様子が戦争によって環境が変わって行くが、大切にしているモノは変わらない、業界の矜持のようなものを感じた。昭和初期の洒落た言い回しは、その声が聞こえてきそうな臨場感があった。印刷業界に身を置く自分にとっては、言葉も馴染みがあって親近感も覚えた。

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    2023年09月18日
  • 彼方の友へ

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    うつむきがちな一人の少女が、さまざまな人に揉まれ、敬愛する人に学び、直向きに生きていく姿に引き込まれた。困難な時代にも、夢を諦めず、健気に逞しく生き抜いた人たちがいたことに尊敬の念を覚える。感動の一冊!

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    2023年08月12日
  • 彼方の友へ

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    伊吹作品2作目。美しく読みやすい。読みながら脳内に映像化されたものが巡っていく。エピローグで主筆の想いが巡りめぐって、ハッちゃんに届いた時には涙が止まらなかった。先人あってのこの世、と改めて思う。

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    2023年08月12日
  • なでし子物語

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    このシリーズ大好きです。
    みんな何かあって、泣ける、けど、心が温まる。みんなを応援したくなる。
    ヨウヨと立海が好きだけど、次巻読むと龍治も好きになんのよなー、

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    2023年08月01日
  • なでし子物語

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    とても良い!
    後半は涙を止められなかった。

    舞台は林業を営む遠藤家の別宅、常夏荘。
    父が亡くなり、母からは放棄された少女耀子は、遠藤家の林で働く祖父の元で暮らすことになる。
    遠藤家の当主の息子立海は、体が弱く、療養もかねて家庭教師青井とともに常夏荘に預けられる。
    遠藤家当主の息子の妻照子は、夫を亡くし、人付き合いが好きではないため、常夏荘で夫の思い出を抱きながら暮らしており、おあんさんと呼ばれ、常夏荘の周辺の人たちからは慕われている。

    まず、照子と夫との思い出がとても美しい。
    背が高い照子に対して、背が低く体の弱い夫。
    セミの夫婦と呼ばれ、大木(照子)にとまるセミ(夫)と嘲笑されたふたり。

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    2023年06月04日
  • なでし子物語

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    少し前に読んだ「雲を紡ぐ」の解説の中で、北上次郎氏が作者の作品でいちばん気になっていることとして「なでし子物語」に触れて『読みごたえ抜群の書だ』としてあったので、読んでみたいと思っていた。

    最初は少しつかみどころのないお話に思えたが、ゆっくりと山間の里、峰生の、常夏荘での、耀子と立海の物語に惹き込まれた。
    父を亡くし母には置き去りにされ祖父が仕える屋敷に引き取られた少女・耀子。庶子である生い立ちや病弱な体に苦しむ少年・立海。
    互いに仲良しになりたいがそれぞれが持つコンプレックスや育ちの違いもあって接し方が分からず、だけどもおずおずと少しずつ距離を縮めていく様が好ましい。
    「リウのひみつ」に書

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    2023年05月01日
  • 彼方の友へ

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    ネタバレ

    女性が率先して活躍することに偏見が社会だったうえに、戦中という生きていくだけで大変だった時代。
    主人公・波津子は貧弱な印象だったが、意外と度胸があるのと、有賀を筆頭に様々な人に揉まれながらも成長していく姿が頼もしかった。

    「泣いてはいけませぬ」
    どんなときでもその言葉と共に、歯を食いしばりながら立ち向かっていった波津子。その力強さ、たくましさ、ブレない信念、かっこいいなぁと思った。

    「乙女の友」という1冊の雑誌を通じて、離れていても、顔が分からなくても繋がっている仲間がいる。読者のことを「友」と表現した伊吹さんの感性が素敵だなと思った。

    そして外せないのが、波津子と有賀の恋模様。
    自分の

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    2023年04月30日
  • なでし子物語

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    ネタバレ

    最近とても好きな伊吹有喜さんの本。
    立海と耀子の2人の子供たちが本当に可愛い。色々辛い環境だが、お互いにいい影響を与えあってかけがえの無い存在になってゆく。この2人がこれから共に幸せになってくれることを願ってしまう。

    立海の家庭教師の青井先生がとても良い。自信の無い耀子に対して前向きに生きることを教えてくれる。
    「どうして、と思ったら、どうしたら、と言い換えてみる」...私も実践してみようと思う。
    あと龍一郎が、自分に自信の無い照子に「美しい靴は美しい場所に連れていってくれる」と言って綺麗な靴を送る所が、本当に素敵だった。そりゃ照子も忘れられなくなるよね。

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    2023年03月19日
  • 今はちょっと、ついてないだけ

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    家族に対する後悔、自分の生き方に対する後悔、そしてそれ「ら」が昇華されていく描写が素晴らしいです。ミッドナイトバスを読み返したい。

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    2023年02月18日
  • 地の星 なでし子物語

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    ネタバレ

    ヨウヨがみんなの居場所、峰尾、常夏荘を守るために奮闘する第三巻。
    犬猿の仲だと思っていた遠藤由香里がまさかこんなかたちで登場してくるとは…。女性って逞しいなって感じた。

    そして何と言っても、立海の一途な想いがただただ切ない。
    立海から受け取ったあの指輪、ヨウヨはきっとあのポーチに入れたんだろうな…。
    指輪をヨウヨに渡したってことは、想いを断ち切って上屋敷のお嬢と一緒になる決断をしたってことなのかな…。あぁぁぁあ切ない…。

    龍治とヨウヨの関係ってどちらかというと似た者同士でくっついた感じなんじゃないかなって思った。
    もちろん好きって感情もあるんだろうけど、お互いの傷ついた部分を埋め合う関係と

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    2023年02月04日
  • 天の花 なでし子物語

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    ネタバレ

    龍治無双。
    彼の無自覚なかっこよさ、色気、一見冷たそうに見えるけどその中に隠されてる優しさ。キザっぽい言葉もかっこいい。眉目秀麗とはまさにこのこと。
    そりゃあリュウカくんも憧れるわけだ。ヨウヨも惹かれちゃうわ。

    やっぱりあの場面、ヨウヨの最大のピンチを助けられるのは龍治だよな。
    もし、この出来事を立海が知ってしまったとしたら彼は「ヨウヨよりも大人だったら」って悔やむんだろうな。
    それにしてもヨウヨが待っていることを信じてずっと頑張ってきた立海が報われなさすぎて…。

    立海の変わらない天真爛漫さ、素直さ、優しさにほっこり。
    心を閉ざしていた龍治に対して「友だち連れてきたよ」と立海の言葉がよかっ

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    2023年02月19日
  • 注文の多い料理小説集

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    食がテーマの本を読むと幸せになる気がする。
    自分の食事もとても大切に思えて、人生が豊かになる気がする。
    なので、最近は食事の本をよく手に取ってしまう。
    パン好きとしては、やはり「どっしりふわふわ」が好き。

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    2023年01月31日
  • なでし子物語

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    感情を揺さぶられる作品。子供の気持ち、それを見守る大人たち。伊吹さんの切なくも温かい作風が大好きです。

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    2023年01月25日
  • なでし子物語

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    ネタバレ

    2022年ラスト本!1980年浜松市にある遠藤家の別荘、常夏荘が舞台。父を亡くし二人暮らしだった母に突然捨てられた耀子(小4)は、祖父に引き取られる。燿子はいじめにあい目をつぶってやり過ごす。遠藤家の跡取息子の立海(小1)。彼もいじめに苦しむ。この二人が常夏荘で出会い、勉強を通して相手を労り、理解する。また、常夏荘での女性蔑視行動、家元の跡取婚姻問題、親戚同士の諍い、伊吹さんの本は簡単には終わらない。女性が社会的自立(堂々と生きる)と精神的自律(楽しく生きる)ためには「自覚」「教育」が必要だということ。⑤

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    2022年12月31日