伊吹有喜のレビュー一覧

  • 風待ちのひと

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    伊吹有喜さんのデビュー作。四十九日のレシピが有名ですが、個人的にはこちらの方が好きです。
    オススメ!

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    2021年10月21日
  • なでし子物語

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    哀しくて優しい子供と大人の物語だった。

    山深い、人によっては桃源郷、人によっては牢獄な峰生の常夏荘。

    続きを早く読みたい!

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    2021年09月26日
  • カンパニー(新潮文庫)

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    リストラ対象になったサラリーマンが、クビをかけて畑違いのバレエ団の公演をマネージメント。そこで出会うダンサーたちの、華やかさからかけ離れた境遇や、ひとつの舞台に向けた真剣勝負に、『縁の下の力持ち』としてどこまでも裏方のまま奔走する彼。
    公演の目玉となる世界的トップダンサーに、もう一人の『力持ち』として付き従うのは、こちらもリストラ対象のトレーナー。持てる知識と経験を駆使して、若く熱い闘志で支えようとする彼女。
    二人とも、職にしがみつくために出向いたはずなのに、立場そっちのけでダンサーたちのために、自分に出来る最大限の事をしようとする。そんな彼らを、読み手はひたすら応援してしまう。
    脇役であるはずの、主役級、準主役級のダンサーたちが放つ強烈な個性も、とても魅力的に描かれていて、それぞれ目が離せない。
    もう一度読みたい。エピローグの先の彼らを見たい。

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    2021年09月17日
  • なでし子物語

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    母親に疎まれ学校ではいじめられ自己肯定感が低い耀子が、祖父に引き取られ遠州峰生の名家・遠藤家の別邸、常夏荘で暮らし始める。
    その始まり、立海との出会いのシーンが幻想的で魅力的で、一気におはなしの世界に引き込まれた。

    耀子と立海が一緒に過ごした常夏荘の日々が輝いている。立海の可愛らしさといったらない、頬が緩む。
    耀子の世話をしてくれる祖父。
    『自立と自律』「どうして」ではなくて「どうしたら」を考えるのだと教えてくれた家庭教師の青井。心を配ってくれる常夏荘の人々。
    今まで与えられなかった愛情や物も戸惑いながら受け取り、耀子は変わっていく。
    いつもひとりぼっちだった耀子が人との繋がりによって救われ、顔をあげ前に踏み出していく姿が愛しくて胸がいっぱいになる。

    本文は、耀子が語る章と常夏荘の女主人照子が語る章が交互に書かれている。
    照子の章からは、常夏荘にかかわる一族の歴史や複雑な人間模様が徐々に明かされる。
    『星の天女』撫子の花にまつわる話が美しい。

    遠藤家の跡取り息子として何不自由なく天真爛漫に育ったかに見える立海の抱えた寂しさや渇望が、耀子の心と共鳴し惹き付けられる。
    ふたりはこれからどうなるのだろう、気になる。

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    2021年09月16日
  • 天の花 なでし子物語

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    とても切ない物語でした。
    「あの夏は子どもたちが、子どもでいられた最後の時だったのかもしれない」
    この一言に尽きます。映画化されたら予告編にこの一文を使ってほしい!
    『なでし子物語』も大好きだったけれど、また別の意味で心に残る大好きな一冊になりました。二作目の『地の星』でいきなりな展開になって、なんで?どうして?なぜにそうなってしまうの?とちょっとしたパニックになってしまったけれど、時系列的には『なでし子物語』と『地の星』の間にあたる今作を読んで、なるほど‥‥あんなことやこんなことがあって、あーなってこーなったのね‥‥と納得できました。
    それにしても、あんなことやこんなことが切ない‥‥切なすぎる‥‥あんなこんな、ばっかりですみません 汗。でも、これから読む方にはぜひともネタバレなして読んでいただきたい!とてもドラマチックなんです。成り行きを分かっていながらドラマを観るのはつまらないですよね?本当にドラマチックで続きが気になって仕方がなく一気に読んでしまいました。伊吹有喜さん、素晴らしいストーリーテラーだなぁ。
    時系列の順に読むのもありだと思うけれど、私は出版順に読んで正解だったと思ってます。
    しばらく余韻に浸りそうです。

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    2021年07月24日
  • なでし子物語

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    あぁ 良かったなぁ 
    その心地よい余韻が続く
    そして、
    その作品がずいぶん前に
    世に出されたものであり、
    なんと 
    その続編が出ている
    そのことを 知った時には
    あぁ また あの「場所」に行くことができる
    その思いが また嬉しい

    イギリスの児童小説を
    専門にしている知人がいるのですが
    彼(彼女)たちは 至上のモノは
    サトクリフさんであり、フュージョンさんであり
    ランサムさん、アトリーさん
    むろん それはそれでよいのでしょうが

    この「なでしこ物語」の紹介をしても
    まず 「日本のものでしょ」と木で鼻をくくったような
    表情になり 話が拡がっていかない

    本当に残念なことである

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    2021年07月07日
  • カンパニー(新潮文庫)

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    ネタバレ

    リストラ要因の二人が出向先のバレエ劇団で見失っていた人生の生きがいを見出す。ついでにバレエ劇団も公演が大成功、出演したダンサーやらエグザイルみたいな(というかモロエグザイルと三代目)連中も次のステップに踏み出せてみんなハッピー。リストラ仕組んだ悪役エリートサラリーマンと主人公を見捨てた元妻は割りを食わされザマーミロ…

    こんなベッタベタな話やのに、なんでこうもオモロく描ける?伊吹小説なので筆の冴えは間違いなくあるんだろうけど、それを気づかせない熱量。

    やっぱ努力は夢中に勝てない、そういう物語、成功譚が好きなんやなぁ、俺は。

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    2021年06月23日
  • なでし子物語

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    ネタバレ

    評判のよい作品なのはわかっていましたが、長く積ん読していて、ようやく読めました。
    たくさんの方に読んでほしいと思う反面、あまり広まってほしくないような、世間の垢に触れず大切に大切にしてほしいようなお話でした。
    愛を与え合う、愛を育むことは、本当に本当に大切で、だれかに大切に扱われたことは、その後のその人の人生にどんなに強く影響することか。それは、子どもでも、大人でも同じです。
    ヨウヨとリュウカ、ずっとずっとこのままがいいです。ようやく子どもでいられるようになった2人なのに、もっとゆっくり子どもの時間を過ごしてほしかった。そうさせてあげたかったです。
    続編が2冊出ていますが、私はこのお話だけでいいかな。気になりますが、読めないです。

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    2021年06月14日
  • なでし子物語

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    未読のまま続編を先に、いつか読む日がいまだった
    中途半端な救いじゃないこと、そして自立と自律に
    燿子だけじゃなく、照子に、そうやって巡る気持ち
    では、謹んで続編の再読と

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    2021年06月14日
  • 今はちょっと、ついてないだけ

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     現在不遇の状況にある元フォトグラファーの立花浩樹と、浩樹の住むシェアハウスでたまたま出会った失意の男たちのリスタートを描く、ついてない人々の再生物語。
              ◇
     かつて、秘境を訪れありのままの自然を撮るテレビ番組で人気を博した写真家の立花浩樹だったけれど、バブル崩壊によりネイチャリング・フォトグラファーという肩書きを失ったあとは転落も速かった。

     仕事だけでなく、家も失くし恋人も離れていった。バブルに踊らされ自分を見失っていたことに気づいたときは、後の祭りだった。

     厭世的になり、自堕落な生活を送っていたある日、入院中の母親から知人を撮影するように頼まれた。気が進まないながら引き受けた浩樹だったが……。

          * * * * *

     登場する主要人物は、主人公の立花浩樹はじめ真面目で不器用な人間ばかり(宮川も実はそのタイプだと思います)。虚勢を張っていても足元の危うさには気づいています。

     そんな彼らが、自分を見つめなおしつつ足下を固めていくという過程が面白かった。

     何に仕事のやり甲斐を感じ、何を生き甲斐として人生を送っていくか。私たちは生きるうえで、そこに気をつける必要があるのだと思いました。

     結局、金銭や虚栄心というものを第1にすると、切りがなくなる。いつまでも安心は手に入らない。だから、決して幸せにはならないのでしょうね。

     大切なことは、きれいごとに聞こえるかも知れませんが、どれだけ人に喜んでもらえるかだと思います。 ( 自分の能力を使って人々に感動や喜びを感じてもらう。大谷翔平選手を見ていると、よくわかります。)

     伊吹有喜さんらしい優しいタッチで紡がれた物語で、温かい気持ちになりました。

     安易に恋愛を味付けとして使っていないところもよかったと思います。

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    2021年11月01日
  • カンパニー(新潮文庫)

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     綿密な取材をもとに、細部まで気が行き届いた伊吹有喜らしい作品。

     テンポがよく展開にも飽きが来ないし、読者心理をきちんと汲んで書かれている。

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    2021年09月01日
  • なでし子物語

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    読んでいる間、自分が本を読んでいるのを忘れているぐらい、「なでしこ物語」の中にいた。
    毎晩就寝前に読書をしていますが、続きを読むというよりは、「常夏荘」に行く、といった感じでした。
    小説っぽいというか、上手く言葉で表せない上に、どこがどうでどう感じたとかいう感想が思い付かないのですが、理想とする小説はこういう作品だと感じた。設定されている年代が、昭和の自分も幼少の頃のお話で、主役である耀子や立海と同年代で懐かしさがあったからだろうか?
    最初から最後まで『なでしこ物語』の世界にはまったような、凄く好きな話でした。

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    2021年03月30日
  • 天の花 なでし子物語

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    子供のままで居られない
    純粋で せつない

    親の愛情を知らない耀子
    頼り方がわからない気持ち

    親の愛情が足りなかった龍治の
    寂しさや 優しさ

    似たもの同士だから
    立海ではないんやなぁ

    時系列順に読んでいます

    なんとも 引き込まれて
    余韻の残る話し

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    2021年02月14日
  • なでし子物語

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    ネタバレ

    子どもたちの成長から勇気をもらえ、わたしも頑張ろうと思えた作品だった。

    なにより、先生の存在が好きになった。
    ・自分で自分のことをいじめない。怪我をしても黙って治して自分を支えてくれる身体は自分のことが大好きだ。自信をもつこと。
    ・「どうして」と嘆くのではなく、「どうしたら」に置き換えてもがいていくこと。この置き換えは自分の中になかった。わたしも意識しようと思った。
    ここではあげきれないほど先生からわたしも学んだ。
    出会えてよかったとじんわり思える一冊でした。

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    2021年02月04日
  • なでし子物語

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    読みながら何度も表紙の絵を眺めました。出逢えて良かった、と思える作品でした。
    学校でいじめにあっている四年生の耀子と一年生の立海。友だちがいない二人は、お互い友だちになりたくてもうまく表現できなかったり、またいつもみたいに嫌われたらどうしよう‥‥と、もう一歩が踏み出せなかったり。その気持ちに読んでいて本当に胸が痛くなりました。
    立海の家庭教師の青井に耀子も勉強を教わるようになり影響を受けていく。

    自立、かおを上げて生きること。
    自律、うつくしく生きること、あたらしいじぶんをつくること。

    『どうして』と自分を責めずに『どうしたら』と前に進もうとする、世界中のみんなが自分を悪く言っても自分だけは自分を好きでいる、そうやって理不尽を乗り越えていくのだ、ということを教えられていく。
    やはり、子どもには導いてくれる大人が必要なんだ、と思いました。
    最後には思い切り泣けるようになった耀子。
    続編もぜひ読みたいと思います。

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    2021年01月28日
  • なでし子物語

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    「良かったなぁ」しみじみとそう思える作品。
    登場人物3人がそれぞれ自分だけの重荷を抱え周囲の人と関わりながら、少しずつ、静かに前に進んでいく。
    読み進める程にどんどん物語に引きこまれていきました。

    自分のことをグズでバカで何も出来ないと思い込んでいた不登校の耀子。でも決してグズじゃない。丁寧で言葉にするのに時間がかかるだけ。
    青井先生の言葉が優しく心に沁みる。
    そんなふうに受けとめて、言葉にするまで待ってあげられる大人が、今いったいどれだけいるだろう。
    耀子が青井先生と出会えて本当に良かった。立海と耀子も出会えて良かった。
    とても温かい物語。また読み返したい一冊です♪

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    2021年01月09日
  • 風待ちのひと

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    ネタバレ

    また大好きな本が増えたー。

    「大人のけじめの付け方が、子どもの人生に影響する」
    確かになー。また、喜美子がした渦の話もよかった。人生に喩えられるね。
    哲司と喜美子の関係がなでしこ物語のヨウヨとリュウカくんに通じてる気がして。
    それにしても伊吹さんのデビュー作、彼女は最初からこんな繊細で豊かな人間性を持つ登場人物を描けていたんだな。すごい。

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    2020年12月07日
  • 天の花 なでし子物語

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    ネタバレ

    時系列順にシリーズ読書中。

    とにかく切なくて、特に229ページと230ページを何度も読み返してしまぅた。。
    ヨウヨ、リュウカくん、という2人の関係が大好きだったから辛かったーーー。リュウカくんはいつも真っ直ぐで、純粋で。「なでし子物語」で踊るふたつのなでしこが耀子と立海だったから、龍治に、悪い言い方したら2人の仲を邪魔されたような、いいとこ取りされたような気がしてもやもやが残った。はー切ない。

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    2020年09月19日
  • なでし子物語

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    一歩足を踏み出す勇気をもらいました。
    社会人1年目で、本当ならば研修とかがある中コロナの影響で全て中止。焦ってた自分を、おあんさんや青井先生、おじいちゃん、峰生の人たちが優しく包み込んでくれました。
    さあさあみんな、やらまいか。

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    2020年04月22日
  • なでし子物語

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    大人の事情に翻弄されるふたりの子供たち。
    ふたりのささやかな幸せがかなったと思うと、その矢先にくしゅっと大人の手でそれを潰されるようなシーンが何度もあり、その度に、切なく苦しい気持ちにされられます。

    適度な距離感でふたりを見守るおあんさんこと照子と立海の教育係青井の存在が救い。
    でもそのふたりの力も、さらに大きな力には及ばない。

    可愛らしく微笑ましい子供たちの姿が愛おしく、だからこそ切ない。

    自立と自律、前を向いて歩き始めた耀子の成長とその後を知るために、今回はこのままシリーズを続けて読む予定です。

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    2020年04月17日