伊吹有喜のレビュー一覧
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読みながら何度も表紙の絵を眺めました。出逢えて良かった、と思える作品でした。
学校でいじめにあっている四年生の耀子と一年生の立海。友だちがいない二人は、お互い友だちになりたくてもうまく表現できなかったり、またいつもみたいに嫌われたらどうしよう‥‥と、もう一歩が踏み出せなかったり。その気持ちに読んでいて本当に胸が痛くなりました。
立海の家庭教師の青井に耀子も勉強を教わるようになり影響を受けていく。
自立、かおを上げて生きること。
自律、うつくしく生きること、あたらしいじぶんをつくること。
『どうして』と自分を責めずに『どうしたら』と前に進もうとする、世界中のみんなが自分を悪く言っても自分だけは自分を好きでいる、そうやって理不尽を乗り越えていくのだ、ということを教えられていく。
やはり、子どもには導いてくれる大人が必要なんだ、と思いました。
最後には思い切り泣けるようになった耀子。
続編もぜひ読みたいと思います。 -
Posted by ブクログ
「良かったなぁ」しみじみとそう思える作品。
登場人物3人がそれぞれ自分だけの重荷を抱え周囲の人と関わりながら、少しずつ、静かに前に進んでいく。
読み進める程にどんどん物語に引きこまれていきました。
自分のことをグズでバカで何も出来ないと思い込んでいた不登校の耀子。でも決してグズじゃない。丁寧で言葉にするのに時間がかかるだけ。
青井先生の言葉が優しく心に沁みる。
そんなふうに受けとめて、言葉にするまで待ってあげられる大人が、今いったいどれだけいるだろう。
耀子が青井先生と出会えて本当に良かった。立海と耀子も出会えて良かった。
とても温かい物語。また読み返したい一冊です♪ -
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なんて切ない。
時系列では、こちらが先との事でしたが、敢えて出版された順に読みました。
確かに、なぜ龍治だったのかと思っていましたが、天の花の隆治なら、耀子を任せられると思ってしまう。
リュウカくんはまだ子供過ぎる…
耀子と立海と隆治が3人で過ごした時間がかけがえのないものに思え、先が分かっているだけに胸が苦しくなるほどの切なさに身悶えました。
耀子はこの先強く逞しいおあんさんになります。
それがわかっていなければ読めなかったかも。
もう一度地の星を読み直したいと思います。
2020.4.24
再読。
おあんさんとなった耀子の空白の18年。
時系列通りに読むことを勧める方も多いようですが、やっぱり発行順に読むことを私はお勧めしたい。
怪しい魅力の龍治が、立海と耀子と過ごした夏は、龍治にはとても大切な時間になったのだと思います。
だからこその、その後だったはず。
耀子の最大のピンチを助けるのは龍治で、あれはあの時の立海には出来なかった。
埋めることの出来ない年の差が切ないです。
真っ直ぐな立海の想いは、地の星にも描かれていて、天の花を読んでから思い出すと、更に切なくなります。
みんなが幸せになれたらいいのに。
私にとって、今後も大切な作品であり続けると思います。
2020/04/23
再読。おあんさんとなった耀子の空白の18年。時系列通りに読むことを勧める方も多いようですが、やっぱり発行順に読むことを私はお勧めしたい。怪しい魅力の龍治が、立海と耀子と過ごした夏は、龍治にはとても大切な時間になったのだと思います。だからこその、その後だったはず。耀子の最大のピンチを助けるのは龍治で、あれはあの時の立海には出来なかった。埋めることの出来ない年の差が切ないです。真っ直ぐな立海の想いは、地の星にも描かれていて、天の花を読んでから思い出すと、更に切なくなります。みんなが幸せを願います。
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幼少期、常夏荘に引き取られた燿子は、結婚しおあんさんとなっていた。
3作目があり、2作目で一気にその先に進むことを知っての読書でした。
燿子は燿子らしく大人になってました。
可愛娘瀬里ちゃんが、みんなの愛情を沢山受けて、素直に育っていたことがとても嬉しかったです。
常夏荘のおあんさんは、その土地をみんなで盛り立てられる人になりました。その根底にあった青井先生の教えはやっぱり素晴らしかった。
切ない1作目より、私はこちらの方が好みです。
何故燿子が龍治と結婚したのかを知りたいので、3作目を読もうと思います。
2020.4.21
再読。
28になった耀子は、照子の息子龍治と結婚しおあんさんになっています。
外の世界を知り、自分の足で立てる人になりたいと、スーパーでパートの仕事をする耀子。
大人になった立海との再会と、2人きりで蔵の中で器を探すシーンが切なかった。
青井先生の教えを胸に大人になった耀子が逞しく、常夏荘を守るおあんさんとして、そして一人の働く女として生きる姿にグッときました。
この巻では、龍治の魅力が今ひとつ伝わらないため、立海とのすれ違いが歯がゆいです。
天の花を続けて読みますが、この世界観にまたしばらく浸りたい気分です。
2020/04/21
再読。28になった耀子は、結婚し常夏荘でおあんさんになっています。外の世界を知り、自分の足で立てる人になりたいと、スーパーでパートの仕事をする耀子。大人になった立海との再会と、2人きりで蔵の中で器を探すシーンが切なかった。青井先生の教えを胸に大人になった耀子が逞しく、常夏荘を守るおあんさんとして、そして一人の働く女として生きる姿にグッときました。この巻では、龍治の魅力が今ひとつ伝わらないため、立海とのすれ違いが歯がゆいです。天の花を続けて読みますが、この世界観にまたしばらく浸りたい気分です。 -
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6人の作家さんによる「食」と「人生」を描く短編集
収録作は以下6篇
伊吹有喜
「幸せのカレーライス」
中西智佐乃
「四十歳の栄養」
藤野恵美
「フレンチと返報性」
伊藤朱里
「二代目のミンチョさん」
古内一絵
「五十の壁が高すぎる」
窪美澄
「真っ赤な林檎のその上で」
特に印象的だったのは藤野恵美さんと古内一絵さん、そして窪美澄さん。伊吹有喜さんは『BAR追分』で既読だったが、やっぱり再読。
どれも良かった。
「生きること」と「食べること」は密接に繋がる。
誰と食べるか、何を食べるか。
私も若い頃は特に気にしていなかったが、年齢を重ねる度にその大切さをしみじみと感じるようになった。
一日三食として、これからの人生で私はいったいあと何食食べられるんだろう。
単純だけど、そう考えると一食の重みを感じる。
出来れば健康で、美味しいものを幸せな気持ちで食べたい。きっと身体もそれを望んでいるはず。
6人の作家さんそれぞれにメッセージ性があり、色々な気づきがあるのもまた面白い。
タイトルの最後に「?」があるのがまた乙だなぁ。
ほっこり温かいだけじゃない。
色々あるのが人生だしね。
でもやっぱり思う。
愛を込めて作られた温かい料理はほんと最強!!
さて、今宵は何を食べよう♪
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プロローグで一気に物語へ気持ちが持っていかれる。病気で妻を亡くした主人公の後妻乙母(オッカこと乙美)が突然旅立ってしまい、乙母が残した手作りの冊子暮らしのレシピにある四十九日のレピシに則ってその日を大宴会で過ごして欲しいという乙母の夢を、乙母がボランティアで働いていた互助施設の井本が伝えに訪れ、手伝う約束を果たす。離婚する決意をして戻ってきた娘百合子と井本、井本の知人ブラジル人のハルミとの日々の中で、主人公も百合子も乙母との日々に想いを馳せながら色々なものを取り戻していく。
乙母は周りの皆にとってとても大きな存在で、皆を幸せにする存在だったのだと思う。
四十九日の宴会のシーンは心が温まる。
人との絆や、心通う関係が本当に財産だと改めて感じる。
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表紙絵に惹きつけられるものがあった。
主人公を中心に、アラフォーの男女、人生につまずいた大人たちが、人との出会いを通して、自分の良さを取り戻していく物語。
バブルの頃、自然写真家としてもてはやされた過去の栄光を持つ主人公、立花浩樹(タチバナコウキ)。彼と彼と関係のある人物たちが各編でつながっていく全7話。
面白く感じたのは各話ごとに立花の周りの人が主人公となり視点が変わる。最初の話ではめちゃくちゃ嫌な人に見えた男、宮川も次の話の主人公になり、本人の事情や胸の内がわかるようになると知ると、冷たさの理由の裏には優しさがあって、印象がだいぶ変わってくる。
まあ、僕の持論は『根っからの悪人はあまりいない』ということだから、何となくよくわかった。
がむしゃらに生きた若い頃の成功…そのまま突っ走る生き方より、『ついてないな』と思ったらちょっと寄り道したり、休憩したり、その時点での自分に合った生き方を見つけていくことが40代くらいのミドル年代には必要なんだと思わせてくれる小説でした。
『今はちょっとついていないだけ』というタイトルを裏返せば、『オレはたぶんついている』ということかな。そうやって自分の人生をポジティブに生きることが素晴らしいことだ。 -
Posted by ブクログ
昼間は「バール追分」としてカフェや軽食、夜は「バー追分」としてお酒を楽しめるお店に。
そんなお店の2階は、ねこみち横丁の振興会事務所。そこに管理人として暮らすことになった宇藤輝良。一応、脚本家(シナリオライター?)を目指しているが、コンクールには落ち続けている。
そんな宇藤が、「BAR追分」にやってくるお客やねこみち横丁の人たちと交流していく。
意外と登場人物のみんな、なんらかの過去があったり、謎めいている部分もあるのだが、それを追求するのは野暮なこと。そこが大人の距離感を持ち続けた物語だなあと思い、読み進めていても安心できた。
「ねこみち横丁」は新宿のすぐ近くだけど、そこは昔ながらの人情あふれる下町風情漂う町で、大都会だからこそ、他者を詮索しすぎない。そして、他者の幸せをそっと温かく見守ることもあって良い。
話のなかで、美味しそうな食べ物を食べるシーンを妄想して語る部分が、もう、よだれが出そうなくらいで、読んでるとお腹が鳴る!! お酒の話もいっぱい出てくるので、お酒好きの人は楽しめるかも。私は全く分からんから、時々検索しながら読んだ。
伊吹さんの書き方の面白いところなんだろうけど、登場人物たちが食べ物の妄想で盛り上がって、もはや初めの話題から遠く離れたときに「みんな戻ってこい、○○さんと△をおいてけぼりにしてるぞ」っていう部分があって、吹き出してしまった。食べる幸せを感じる。
4つの章からなってるけど、最後の「ボンボンショコラの唄」がさ、めーっちゃ良かった。やられた。
だから、すぐに第2弾を読みはじめてしまった。