伊吹有喜のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・めぐる潮の音
・セナと走った日
・明日の行方
・スカーレットの夏
・永遠にする方法
・犬がいた季節
三重県にある公立高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。
里親を探すも見つからず、学校で飼うことになる。
コ―シローと名付けられたその犬と、生徒たちの姿を3年ごとに定点観測しながら緩くつながる連作短編集。
最後の『犬がいた季節』だけはすでにコ―シローはいなくて、創立100周年記念行事に集う元生徒たちが、その後の彼らの姿を教えてくれる、という構成。
3年ごとの定点観測なので、生徒たちに直接繋がりがないことも多いが、美術部顧問の先生と用務員が犬と生徒を見守っている姿も垣間見える。
最初にコ―シロ -
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ネタバレ【あらすじ】
有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、脚本家になる夢を追い続けているという。数日後、友人の結婚式の二次会後に、宇藤がよくいるというねこみち横丁のBAR追分に顔を出した沙里だったが……(「オムライス日和」より)。昼はバールで夜はバー――二つの顔を持つBAR追分で繰り広げられる人間ドラマが温かく胸に沁みる人気シリーズ、書き下ろしで贈る待望の第二弾。
【個人的な感想】
食べ物の描写がとても美味しそうで、読んでいてお腹が空く。
オムライスにクリームシチューかけて食べてみたい。
作中 -
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第8回高校生直木賞
手洗いされた羊毛に触れてみたい。汚毛の臭いは強烈そうだけどホイップクリームのようになめらかな感触だと知って興味津々。
1枚の布を作るまでの繊細な作業工程は読んでいて暖かな気持ちになった。
太一が美緒に、糸は切れてもまた繋がることができるから大丈夫だと伝える場面が優しくて素敵だった。
後半は工房よりも家族の問題に焦点があたる。
美緒を追い詰める母親と祖母が毒キャラに感じていたけど、途中から母親の気持ちも理解できてくると、父親と美緒は言葉にするのが下手だし、夫婦の話し合いは拗れるし、この家族どうしたらいいの?!と頭を抱えたくなった。
祖父が暖かく美緒を受け止めているのが -
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昭和…1988年のある日、三重県の高校に迷い込んだ一匹の白い子犬が「コーシロー」と名づけられ、平成、令和と入学し卒業してゆく生徒とともに学校生活を送ってゆく話。
小説は5章あり、高校で飼われるようになり、時代とともに高校の生徒も変わってゆくが、コーシローはずっと高校にいて、青春時代を送る生徒らを見つめ続けている。
ネタバレになってしまうが、その間にはF1レースが流行ったり、阪神大震災が起きたり、生徒の環境も家族とともに変わる。そして第5章のラストでコーシローは老犬として生涯を閉じる。
最終章は令和元年、コーシローが逝ったあとに高校100周年のイベントがおこなわれ、各章に登場した高校生らが同窓 -
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伊吹有喜さんの連作短編集
『今はちょっと、ついてないだけ』
収録は以下7つの短編
・今はちょっと、ついてないだけ
・朝日が当たる場所
・薔薇色の伝言
・甘い果実
・ボーイズ・トーク
・テイク・フォー
・羽化の夢
●あらすじ
バブル期に「ネイチャリング・シリーズ」という冒険番組でもてはやされた「タチバナコウキ」こと立花浩樹。
バブルがはじけ、番組も終了し、プロデューサーの連帯保証人となっていた浩樹は、多額の負債を背負わされる。
自己破産もせず、十五年かけて地道に全額返済した浩樹だが、ふと気が付けば、家庭も持たないまま、夢や希望も見失い、人生に行きづまっていた。
そんな時、母の見舞い先 -
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感想を書き漏れていた。3ヶ月ほど経ってしまったが、思い返して。
題名や事前の紹介文からなんとなく、犬と高校生との交流を描いた青春ものなのかと思って手に取ったのだが、読後の本棚整理で、「恋愛もの」カテゴリに分類し直した。時の流れが美しく描き留められた、まさに絵画のような物語だった。
題名を正確に読み解けば、「そういえば私たちの通っていた高校には犬がいたよね」といった感じなのだろうか。子どもから大人へと変わっていこうとする「高校三年生」の旅立ちを、ただそこにいて変わらずじっと見つめ見送っていく犬の視点。その即かず離れずな距離感が絶妙。「四日市」という地域設定も絶妙で感服したのだが、実は作者は三重ご