伊吹有喜のレビュー一覧
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第2回日本ど真ん中書店大賞第2位
戦前から戦後という激動の時代に、雑誌『乙女の友』を刊行し続けた人々の話。
前半は『乙女の友』に憧れる芋っぽい娘ハツが思いがけず編集部で働けるようになり、チャンスをものにしていく漫画のような都合の良い展開。
やや長くて起伏もないので退屈してしまったけど、読み終わった今はハツが編集部で奮闘した日々を振り返り郷愁を感じる。
出征が始まってからは物語が急展開していき、それぞれの秘めていた想いをどう相手にぶつけるのかがとても切なかった。
出征場面は涙なしには読めない。
老いたハツに面会に来た人が誰なのかずっと気になっていたけど、、、そういうことか。
伝えていきたい話。 -
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『BAR追分シリーズ』の第3弾!
今回も穏やかで優しい話に溢れていた。
収録作品は以下4話。
第1話 お好み焼き大戦
第2話 秋の親子丼
第3話 蜜柑の子
第4話 情熱のナポリタン
私は特に、第2話 秋の親子丼が好きだ。
両親の事情で離れ離れになった兄弟の話にグッと来た。なんといっても秋の親子丼に惹かれる!
鶏の親子丼の話だと思っていたが、良い意味で裏切られた。
第3話の蜜柑の子では、遠藤会長のお人柄が、これでもか!と滲み出ていて良かった。お互い様の本当の意味を教えてもらった。
秋の夜長には、桃ちゃんの料理に舌鼓を打ちながら
大好きな人とゆったり美味しいお酒を飲みたいなぁ。
公私共に、宇藤くんの今後も気になるところ・・・
美味しい描写と多彩なメニューのアイデアに、間違いなくお腹が空いてくる小説。
そこに多様な人間模様を繰り広げてくれる伊吹さんは、料理上手で温かいお人柄なんだろうなぁと、またファン熱が上がってしまった。
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迷い犬を高校で飼うことになった、代々の学年のお話
以下、公式のあらすじ
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1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。
初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。
昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、瑞々しく描く。
山本周五郎賞候補、2021年本屋大賞第3位に輝いた青春小説の傑作。
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県内では進学校の八稜高校(略してハチコウ)に白い犬が迷い込む
美術部の生徒が座っていた席にちなんでコーシローと名付けられた犬は、生徒が校長先生と交渉した結果、希望者が世話をする事になる
校内で生徒と一緒に授業を受けたり、用務員さんの部屋で休んだり、野球場のバックネットの下で人を待ったりと自由なコーシロー
そんなコーシローの代々の世話係の生徒達の青春の出来事
コーシローの世話をする高校三年生たちの物語5+1編
・めぐる潮の音:昭和63年度
・セナと走った日:平成3年度
・明日の行方:平成6年度
・スカーレットの夏:平成9年度
・永遠にする方法:平成11年度
・犬がいた季節:令和元年
昭和的なジェンダー観を持つ祖父母が営むパン屋の娘
F1を通じて鈴鹿サーキットで結ばれる友情
阪神大震災により祖母を引き取った家族
東京で生まれ変わるために援助交際でお金を貯める美少女と、バンド活動をする男の子
祖父を看取ろうとしている男子生徒と教師として母校に戻ってきた英語教師
コーシローが見てきたものと、その背景にある人間模様
恋や友情、将来への迷いや決意、秘められた想いなど
多感なじきだからこその経験でもあり、地方都市のために上京か地元に残るかという自分の進路に関する悩みもあり
もちろん、地元には家族がいて、家族だからこそのしがらみがある
そんな生徒たちが過ぎ去る傍らに居続けたコーシロー
元気でね、という言葉を聞くと、長いお別れが来るという現実
多くの卒業生を見送ったコーシローの認識が切なさを感じる
それぞれの世代に時代を感じる出来事が描かれている
鈴木大地のバサロ泳法による金メダル
アルジャーノンに花束をのヒット
牧瀬里穂のJR西日本CM
F1のセナの活躍と事故
阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件
音楽にしても、光GENJIに始まり、Mr.Children、ブルーハーツの「TRAIN TRAIN」、ドリカムの「LOVE LOVE LOVE」、スピッツの「スカーレット」等など
自分がそうなのもあるかもだけど、現役の高校生よりは、大人が懐古的に高校の頃を思い出しながら読む方がぐっとくると思う
ついこの前、高校の同窓会があって
その帰省途中に読んだからなのか
ものすごく郷愁を感じてしまった
正にど真ん中な世代の章もあるしね
そして、最後に過去の登場人物達の近況が描かれていて
本当に同窓会に参加しているような気になった -
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勤務先の企業からバレエ団(カンパニー)への出向を命じられ、妻からも離婚届を突きつけられた青柳誠一。そんな崖っぷちの冴えない中年男性がバレエ団で調整役として働き始め、次第に仕事も出来て、気遣いも出来るイケてる男性に見えて来る所が面白い。
更にあまり知られていないバレエの世界の裏側も興味を引く所ではないでしょうか。
いわゆるお仕事小説なのですが、プロとしてのプライド、半端ない精神力、そしてそんな彼らを支えるスタッフやスポンサー企業の大切さもこの小説は描いていたと思います。
公演のチケットの売れ行きが良くない為に企画されたフラッシュモブのシーンはとてもワクワクしたし、バレエの公演も一度観てみたいと思いました。
巻末に伊吹さんとこの小説を舞台化した宝塚歌劇団のお二人の座談会の模様も収録されています。
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最近、個人的にどハマりしている伊吹有喜さん。
今回は短編集の『BAR追分』
プロローグ
第1話 スープの時間
第2話 父の手土産
第3話 幸せのカレーライス
第4話 ボンボンショコラの唄
一つのお店が、昼はバールで夜はBARとなる、新宿のねこみち横丁のBAR追分。
「追分」とは、街道などが二つに分かれる場所、つまり分岐点のことを指す言葉。
日々の喧騒から離れ、こんな温かなお店にふと立ち寄ることで、自分の心に素直に向き合える時間がもてるのかもしれない。
どのお話も、個性豊かな登場人物と、美味しそうな料理の描写が、じんわりと心を満たしてくれる。
料理上手なモモちゃんと宇藤くんの間に、なにか芽生えたりするのかしら〜なんてニマニマしながら読んでいたら、ボンボンショコラの唄でノックアウトされちゃいました。
いやぁ、その角度で来ましたか〜。
私の安易な想像なんぞ軽く吹き飛ばして下さいます。
これだから、伊吹さんにハマるんですよね。
ほんと素敵です♪
短編でも伊吹さんらしい、温かで柔らかな作風はそのままに、尖った心を丁寧にゆっくり解いて癒してくれるような短編集でした。
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ネタバレ目次
・めぐる潮の音
・セナと走った日
・明日の行方
・スカーレットの夏
・永遠にする方法
・犬がいた季節
三重県にある公立高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。
里親を探すも見つからず、学校で飼うことになる。
コ―シローと名付けられたその犬と、生徒たちの姿を3年ごとに定点観測しながら緩くつながる連作短編集。
最後の『犬がいた季節』だけはすでにコ―シローはいなくて、創立100周年記念行事に集う元生徒たちが、その後の彼らの姿を教えてくれる、という構成。
3年ごとの定点観測なので、生徒たちに直接繋がりがないことも多いが、美術部顧問の先生と用務員が犬と生徒を見守っている姿も垣間見える。
最初にコ―シローの世話をした優花と早瀬が、コ―シローにとってはとても懐かしくて大好きな存在。
お約束通り優花と早瀬は両片想いである。
ふたりとも一歩を踏み出せなくて、卒業後は別の人生を歩むことになるのだが、二人の互いへの好意はコ―シローだけが知っている。
気持ちには匂いがあるんだって。
高校生は、可能性をたくさん秘めているのに、制約が多い。
目指す夢を認めてくれない家族、応援してくれているのに家計的にまたは家族の健康問題が障害になっていることもある。
夢に向かうことが困難な彼らが、夢に向かって自分のできることを精一杯、時に大人が眉を顰めるようなことすらも手段として割り切って、世界を広げていく。
彼らの姿を見守っているコ―シローさえも、彼らのすべてを見ているわけではない。
読者だけが、誰にも見せない彼らの思いを、痛みを知り得るのだ。
優花と早瀬が卒業をして30年。
創立100周年記念日式典で再会した彼らのこれからを、きっとコ―シローはしっぽを振って応援してくれると思う。 -
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ネタバレ【あらすじ】
有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、脚本家になる夢を追い続けているという。数日後、友人の結婚式の二次会後に、宇藤がよくいるというねこみち横丁のBAR追分に顔を出した沙里だったが……(「オムライス日和」より)。昼はバールで夜はバー――二つの顔を持つBAR追分で繰り広げられる人間ドラマが温かく胸に沁みる人気シリーズ、書き下ろしで贈る待望の第二弾。
【個人的な感想】
食べ物の描写がとても美味しそうで、読んでいてお腹が空く。
オムライスにクリームシチューかけて食べてみたい。
作中で特に何か事件が起こるわけではないが、すらすら飽きずに読める。 -
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第8回高校生直木賞
手洗いされた羊毛に触れてみたい。汚毛の臭いは強烈そうだけどホイップクリームのようになめらかな感触だと知って興味津々。
1枚の布を作るまでの繊細な作業工程は読んでいて暖かな気持ちになった。
太一が美緒に、糸は切れてもまた繋がることができるから大丈夫だと伝える場面が優しくて素敵だった。
後半は工房よりも家族の問題に焦点があたる。
美緒を追い詰める母親と祖母が毒キャラに感じていたけど、途中から母親の気持ちも理解できてくると、父親と美緒は言葉にするのが下手だし、夫婦の話し合いは拗れるし、この家族どうしたらいいの?!と頭を抱えたくなった。
祖父が暖かく美緒を受け止めているのが良かったけど、父親のことも大切に見守っているところにじんわり胸が熱くなった。