伊吹有喜のレビュー一覧

  • 娘が巣立つ朝

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    結婚を控えた娘が結婚まで実家に戻ってくる家族の話。父母の結末は意外でしたが、今どき夫婦の結末なのかな。顔に雑巾を投げるような物言い、ため息をつかれてじわじわと首を締められるように息ができなくなる。大事な人は大事にしないといけないと自分に振り返って思いました。

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    2025年05月09日
  • 雲を紡ぐ

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    やまびこに乗って東京に紘治郎と戻ってきたときの最後のシーン。
    夜家族での会食後に美緒は紘治郎とは宿には止まらず、実家で一夜を過ごすことになったとき。それまでの美緒だったら、寂しそうな祖父に思うことはあっても行動は起こせなかっただろう。でもその時は後から一度玄関で見送った祖父を追いかけて、言葉をかけることができた。成長を実感できたのもそうだし、美緒のいいところ「周りの感情を察する力・気遣う力に長けている」が発揮されるようになったのが、いいなと思った。

    「やりたいことを決めましょう、ぼやぼやしてちゃダメ。いい学校に入りましょう。つらいことがあってもちょっとのことでくじけてはダメ。そんなんじゃこの

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    2025年04月29日
  • 天の花 なでし子物語

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    前作『なでし子物語』で
    すっかりその魅力にはまってしまった私。
    さてさて、お楽しみの続編〜♪

    っと、ここでどうやら読む順番について要注意。
    勿論ラストは『常夏荘物語』で完結するとして・・・

    前作の後、刊行順に読むと
    『地の星』→『天の花』となる。
    ただ物語の時系列順だと
    『天の花』→ 『地の星』になる。

    刊行順に読むと、時代が随分先に飛ぶようで、
    沢山の?が出てくるのだとか・・・
    どの順で読むかは好みによるのかな。
    私はシンプルに時系列に読み進めることにした。


    前置きが長くなったけれど、
    『天の花』期待どおりでした!
    やっぱり『なでし子シリーズ』好きだなぁ。

    前作から少し成長した立

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    2025年04月23日
  • 犬がいた季節

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    読み始めてすぐに引きこまれ、ほぼ一気読みでした。
    三重県の伝統高を舞台にした、みずみずしい青春小説です。

    第一章は1988年。
    通称が「ハチコウ」の高校に迷いこんだ白い犬。
    引き取り手が見つからず、生徒の有志によって高校で面倒を見ることになります。
    この章の主人公は高3の生徒、光司郎と優花。
    迷い犬はいつも光司郎の席に座ることからコーシローと名付けられます。
    男尊女卑の考えが色濃いこの時代。
    進路に悩む優花、主人公2人の純粋でまっすぐな恋心、母親の強さや懐の大きさ、その全てに胸をうたれました。

    2章以降は章ごとに時代が少しずつ先に進み、主人公も変わります。全ての章において主人公は高3の生徒

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    2025年04月13日
  • 犬がいた季節

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    三重県の進学校で飼われている犬と、昭和から令和、高校に通う生徒達の物語。
    東京の学校を受ける娘に対する家族のこと、
    美大受験のこと、その当時にはやった音楽、テレビ、漫画、、
    自分の高校時代の風景とも重なり、
    読んでいるうちに涙。
    嗚呼、こんなことあったなあ、という
    懐かしい気持ちでいっぱいになる、ひだまりのような作品でした。

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    2025年04月12日
  • 常夏荘物語

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    ネタバレ

    なでしこ物語シリーズ完結。
    終わってしまったのが寂しい。

    序盤は龍治の離婚の申し出の理由に納得がいかなかった。けれど龍治との結婚が耀子を守る為のものだったと分かり、龍治の優しさだと気付けた。
    龍治はヴィンさんも耀子も瀬里も立海も照子も守りたかったし、愛してたんだなぁ。

    火事のシーンで照子と耀子が本音で母娘になれたのがとても嬉しかった。
    照子も龍治も耀子も立海も親子の愛情が上手く築けずに居たけれど、常夏荘が築かせてくれたんだなぁ…

    今度こそ末永く幸せで。リュウカ君とヨウヨがついに結ばれて良かった!!

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    2025年04月09日
  • 彼方の友へ

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    カバーの絵を見て友達二人の底抜けに楽しい話かと思っていたら違いました。

    少女向け雑誌の発行元で働く佐倉波津子の戦前・戦中・戦後。
    淡い想いや固い決意、ほろ苦い別離も。

    お仕事小説として佐倉の成長と活躍を応援しながら楽しみましたが、戦局悪化で夢や輝きが潰えていく雑誌「乙女の友」を彼方の友、読者のために守る過程で力を合わせる編集者の想いがとても尊くてしんみりする。

    全てに静かに蓋をする様に過ごしていた佐倉の元を訪ね集う、世代を経た関係者たちがひと時掬い上げた様々な思いと物語は、やがて記憶から記録へと、遠いところに仕舞われて行く。

    余韻の溢れる、いい話を読んだ気分。明治41年に創刊され、戦時

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    2025年06月10日
  • 彼方の友へ

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    戦前から戦後の雑誌づくりに携わる人たちの思いが描かれていて、後半になるにつれより引き込まれっていった。また当時の世の中の統制状況や、国自体の情勢から、歪んでいく状況がいかに恐ろしいか伝わってきた。
    あと戦後のハツはどのように晩年を過ごしたのかが気になった。

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    2025年04月07日
  • 犬がいた季節

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    犬のコーシローが世話されていた高校の、昭和最後から平成12年まで、1989・1992・1995・1998年に卒業した生徒たちによる5話、そして令和の始まり 2019年の最終話。
    それぞれのかたちの青春と後日譚に、すがすがしさと優しい気持ちを味わう。
    25-14

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    2025年04月06日
  • 彼方の友へ

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    太めの文庫にドキドキしながら手に取ったが、昭和の美しさ軽やかさにどんどん引き込まれ、あっという間に読み終えた。
    目に浮かぶ「乙女の友」に心が躍り、有賀主筆の大人の粋さに思慕の念を抱く。

    そして、戦争の遣る瀬無さを感じるとともに、今の自分があるのはこの時代を生き抜いた先祖がいるからだと再認識した。
    先祖が我々に託した想いは、
    ・戦争をしない国を継続すること
    ・周りにいてくれる人へ感謝の気持ちを忘れず、一日を大切に過ごすこと
    なのではないだろうか。

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    2025年04月01日
  • 犬がいた季節

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    タイトルを見て「犬の話かなぁ」と思っていた、過去の自分に言ってやりたい「最高だぞ、、、。」と(笑) 温かい、切ない、甘酸っぱい そんな本でした。悩みながらも進んで行く登場人物に励まされた気がしました。

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    2025年03月29日
  • 雲を紡ぐ

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    この間プチ旅行に出かけたお供に読み始めたら止まらなくなってしまった。
    激しく温かい気持ちで本を閉じられた。

    読み始めてずっと息もできないくらい苦しくて。
    美緒ちゃんは私だった。
    人の顔色を伺ってしまう、言葉尻で自分に対する負の感情を感じ取ってしまう、詰められると言葉は胸の中に沢山あるのに何も言えなくなってしまう。
    決めつけてかかってくる母親。
    辛いよね。
    苦しいよね。
    好きなものが分からない、心地いいが分からない、自分がどうしたいか分からない。
    自分を大切にするってことがそもそも分からない。

    美緒ちゃんはホームスパンに出会った。
    私は音に出会っていた。
    自分の心地いいことに気付ければ、理解

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    2025年03月28日
  • 注文の多い料理小説集

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    話題の作家さんたちによる短編小説集。
    テーマが食べ物であるが、時代は江戸や現代など様々。
    あーそんな風に思えるのか…というものや、このシチュエーションでそれきたら〜となるものまで、食べるという事を含めてちょっと考えさせられました。

    短編小説ではあるがなかなか濃い一冊です。

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    2025年03月16日
  • 天の花 なでし子物語

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    ネタバレ

    18歳の耀子が14歳の夏を回想しながら進む話。
    子供達が子供達で居られた最後の夏。
    照子の息子の龍治も加わり過ぎてゆく…

    母照子の愛情を幼い頃に感じれず、今も確執が残ってるからつっけんどんな態度だけれど 立海や耀子、長屋の人々に対してはちゃんと誠実な対応をしてくれる事から根は優しい人なんだな、龍治。

    耀子にとって立海はいつまでも幼い「リュウカ君」なのかな。弟のような、手の届かない大切な思い出の中の宝物のような。
    父性を求めてしまったのか、龍治と共に歩む事に。
    大切にされてこなくて、「大切にされる」という事が分からないと泣く耀子。悲しい…。
    常夏荘の人達の事だと教えてあげたいなぁ。

    この先

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    2025年03月14日
  • 犬がいた季節

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    高校に迷い込んだコーシローを巡って色々な年代の高校生を描く連作短編集。どの短編も本当に満足度が高く、読後感も最高だった。特にバイク乗りのバンドマンと援交女子の短編が好き。

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    2025年03月14日
  • なでし子物語

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    ネタバレ

    伊吹有喜さんの本にシリーズ物があると知って手に取った1冊。
    大人達の事情に翻弄される子供達。
    それでも常夏荘で過ごす日々は宝物のようにキラキラ輝いて見えた。
    常夏荘の優しい大人達に見守られて、少しずつ健全な心になっていく。

    子供がいるせいか、間宮のお爺さんや照子の気持ちが痛いほど伝わってくる。
    子どもたちはいつか全て忘れてしまう。こちらは全て覚えているのに。けれど
    「そうでなけれはきっとーー子どもたちは母のもとから巣立てない。」
    この言葉が私にはとても沁みた。

    彼らが大きくなるにつれてどう成長していくのか楽しみ。続巻も読もうと思う。

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    2025年03月13日
  • 雲を紡ぐ

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    美緒の不登校をきっかけに三世代の確執が明確になりつつも、「切れたってつながる」ホームスパンの糸のようになんとか紡がれていくお話。つらい過去があったからこそ?の祖父の偉大さ、温かさはとても沁みました。
    私も黙ってしまう人を急かしてしまう側なので、「言はで思ふぞ、言ふにまされる」を心に刻みました。
    さて、この本の舞台の盛岡は、冷麺を食べるために行くくらいでした。ホームスパンも興味があるし、喫茶店のハシゴをしながら本を読んだり、城跡を散歩したり、岩手山をみながら北上川沿いを歩いたり、、この本を片手に盛岡旅行に行きたいです。

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    2025年03月02日
  • 雲を紡ぐ

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    私はずっと人の目が気になっていたり、たくさん人がいると緊張してトイレに駆け込んでいたりと中学生の頃から悩んでいました。そして、とある神経疾患があると診断されてから夜眠れなくなったり急に涙が出たりと不安定な時期にこの本に出会いました。この本は私が本屋さんで表紙がとても素敵だからという理由で買った本だったのですが、今では私の一番のお守りです。辛い学校生活もこの本があったから乗り越えられました。もう何度も何度も読み返しました。いつも幸せにしてくれてありがとう。自分に自信のない人、安心したい人、心休まる場所が欲しい人におすすめです。

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    2025年03月01日
  • 犬がいた季節

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    温かく優しい気持ちになる一冊。
    一気に読み終えて、なおまだ余韻に浸る。

    八稜高校で過ごすことになる犬のコーシローと高校生達の物語。
    主軸は早瀬と塩見のストーリーだが、いくつもの時代のハチコウセイを通して、その世代の葛藤や恋愛、成長が描かれていて胸に刺さる。
    コーシロー目線と高校生目線でのストーリー展開がテンポよく進み、短編でありながら、どこかでつながりを持ちつつ紡がれていく。

    伊吹さんの作品は『雲を紡ぐ』に続き二作目。
    好きだなぁ。
    三重県四日市という伊吹さんの青春を過ごした場所や母校への愛も感じる。
    青春を描いた物語がこんなに純粋に心に響いたのは久しぶり。自分の高校生時代を思い出してしま

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    2025年02月27日
  • 彼方の友へ

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    登場人物が魅力的だと読後の余韻が長くなるけど久しぶりにそう思える作品だった

    有賀主筆からの返事を見たハツを思うと嬉しくも悲しくもなる

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    2025年02月24日