伊吹有喜のレビュー一覧
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何の前情報もなく、なんとなく手に取った1冊。なんて素晴らしい本だったんだろう。
私にも高校生の頃があったはずだ。忙しい日常に流されて生きてきた気がする。でも確かに、悩み、苦しみ、そして大声で笑った高校生の頃の自分を思い出せた。私にもそんな時間が確かに存在していた。
短編連作はすごく好きだけれども、そこに時間軸がつくとこんなにも豊かになるんだと感動した。同じ時間を生きることも、とても素敵なことだ。
しかし、時の流れの中で、変わっていったもの。そして変わってないもの。そんなことをすごく感じた。
人とのつながりで、涙がこぼれた。私は3章の『明日の行方』が1番好き。おばあちゃん子やったから。
ど -
Posted by ブクログ
高校に行けなくなった17歳の美緒は、家族との折り合いが悪く、一人で新幹線に乗って父方の祖父が住む盛岡へ向かう。
祖父が営む「山崎工藝舎」では羊毛を手仕事で染め、紡いで織るホームスパンを作っていた。
盛岡の美しい景色と、膨大な量の手作業から羊毛が一本の糸になっていくその魅力にどんどん引き込まれ、羊毛の感触までもが手に伝わってくるようです。
これは、三世代の家族の物語です。
家族は時に激しくぶつかり合ったり離れたり、だけど羊毛の糸のように切れてもつながるものなのです。
物語の中で、おじいちゃんが美緒やその両親に語りかける温かく包み込むような言葉がたくさんあります。
中でも、「今は決められない、そ -
Posted by ブクログ
タイトルに、四十九日、とあるくらいだから涙的な作品なんだろうなとは思っていたが、やっぱりじんわり泣けた。人が人を思う気持ちに心が熱くなった。この作者の作品は2冊目だが、前回も似たような感想をもったなぁと思い出した。「人が人を思う気持ち」たぶん、そこが私のツボなんだろうなぁ。他の作品も読んでみたい。
「夢はかなわぬこともある。努力は報われぬこともある。正義は勝つとは限らない。だけどやってみなけりゃわからない。さあ、頑張ろう」
きっと人生には何かが必要だ。
食って寝て起きての日々を鮮やかに彩る何かが。幸せな気持ちを作り出す何かが。笑い、喜び、驚き、ときめき、期待する、心を動かす美しい何かが