伊吹有喜のレビュー一覧
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単にフィクションとして読んで、とても面白い。
ただドラマ化される前提で書いてるのかな?という感じがあった…伊吹氏の本は好きなので、この傾向が少しあるように思えるのは残念
内容は引き込まれ一気読み。
一人娘の結婚へ向けての父、母、娘、それぞれの立場の描写が面白い。そうだろうなーそーだよね、と共感したり、気をつけなきゃ、と引き締めたり…
娘が父と仲良しなのがとても好感度あがる。
そして母との距離もとてもいい。
彼氏くんがクズなのかと思いきや漫画のような家庭で育ってきて最後がハッピーエンドでよかった。
じげんせ、わげんせ、あいごせ
慈眼施、和顔施、愛語施
「慈しみある眼、和やかな顔、愛ある -
Posted by ブクログ
パッと見て、面白そうだと思ったこの本
お勧めもされていたので読みたくて購入しました
インスピレーションで選んだ本はあまり情報を入れずに読むのですが
タイトルと表紙で、昔の友人に向けたストーリーなのかと思っていましたが、全然違って笑
どちらかというと、お仕事小説
それも、戦前、戦時中の雑誌社の話
予想と違うストーリーでしたが、素晴らしかった
こんなに素晴らしい物語に出会えて心から良かったと思えます
戦争のさなかに雑誌が求められていること
国の方針に従いながらも、理想を追い求め、読書のために作る雑誌
戦後80年の今、これを読めて良かったと思います -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルからだけだとほっこりする家族の物語かと思っていたが、読み進めていくと何やら暗雲立ち込めてくる感じ。父、母、娘の章ごとに一人称でそれぞれの立場から少しずつ気持ちのすれ違いが起こっていく様を丁寧に描かれていて、側から読む立場からすると面白かった。穏やかにいってそうに見える家庭にも夫婦間のわだかまりや不満はあるものなのだな。父の立場を考えると酒もギャンブルもせずに真面目に働いているのに行き違いで母に愛想を尽かされる結末になるのは可哀想に感じた。
娘と義理の父母とのやりとりも難しい。結局、娘はなんだかんだ言って婚約者と最終的には結婚したのだけど、この先果たしてうまく行くのだろうか?婚約者は自 -
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(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
今日美容院でも読んでたの。(もちろん髪を切る時には読まないよ!髪の毛挟まっちゃうもん。)
でも読みきれずに帰ってきてから残りを読んだ。
危なかった。。
美容院で大号泣するところだった。
もう…今日は良い日。
髪をキレイにしてもらって、良い本を読んで。
あとはもう、このまま余韻に浸っていたい。
よかったねぇ。
本当によかったねぇ。
なんかもう色々あったけど、本当に本当によかったねぇ。
もう語彙力消失。
しばらくタイトル見ただけで泣くかも。 -
Posted by ブクログ
ゆっくり読もうと思っていたのに、ついつい気持ちが昂ってあっという間に読み終わってしまった。笑
『地の星 なでし子物語』
18歳で龍治と結婚した耀子は28歳になり、常夏荘の女主人「おあんさん」となっていた。
娘の瀬里と、照子、身の回りの世話役である鶴子と共に、対の屋で暮らす耀子だが、遠藤家の繁栄は時代と共に風前の灯火。
夫の龍治は東京で本家存続の為に奔走しており、耀子は自ら峰前のスーパーのパート働きを始める。
そんな折、常夏荘売却の話が持ち上がる・・・
時系列で読んだので、前作『天の花』から10年・・・
時の流れを感じさせる描写が多く、物悲しく寂しい気持ちになる一方で、耀子の父の在りし日の人 -
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やまびこに乗って東京に紘治郎と戻ってきたときの最後のシーン。
夜家族での会食後に美緒は紘治郎とは宿には止まらず、実家で一夜を過ごすことになったとき。それまでの美緒だったら、寂しそうな祖父に思うことはあっても行動は起こせなかっただろう。でもその時は後から一度玄関で見送った祖父を追いかけて、言葉をかけることができた。成長を実感できたのもそうだし、美緒のいいところ「周りの感情を察する力・気遣う力に長けている」が発揮されるようになったのが、いいなと思った。
「やりたいことを決めましょう、ぼやぼやしてちゃダメ。いい学校に入りましょう。つらいことがあってもちょっとのことでくじけてはダメ。そんなんじゃこの -
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前作『なでし子物語』で
すっかりその魅力にはまってしまった私。
さてさて、お楽しみの続編〜♪
っと、ここでどうやら読む順番について要注意。
勿論ラストは『常夏荘物語』で完結するとして・・・
前作の後、刊行順に読むと
『地の星』→『天の花』となる。
ただ物語の時系列順だと
『天の花』→ 『地の星』になる。
刊行順に読むと、時代が随分先に飛ぶようで、
沢山の?が出てくるのだとか・・・
どの順で読むかは好みによるのかな。
私はシンプルに時系列に読み進めることにした。
前置きが長くなったけれど、
『天の花』期待どおりでした!
やっぱり『なでし子シリーズ』好きだなぁ。
前作から少し成長した立 -
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読み始めてすぐに引きこまれ、ほぼ一気読みでした。
三重県の伝統高を舞台にした、みずみずしい青春小説です。
第一章は1988年。
通称が「ハチコウ」の高校に迷いこんだ白い犬。
引き取り手が見つからず、生徒の有志によって高校で面倒を見ることになります。
この章の主人公は高3の生徒、光司郎と優花。
迷い犬はいつも光司郎の席に座ることからコーシローと名付けられます。
男尊女卑の考えが色濃いこの時代。
進路に悩む優花、主人公2人の純粋でまっすぐな恋心、母親の強さや懐の大きさ、その全てに胸をうたれました。
2章以降は章ごとに時代が少しずつ先に進み、主人公も変わります。全ての章において主人公は高3の生徒 -
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カバーの絵を見て友達二人の底抜けに楽しい話かと思っていたら違いました。
少女向け雑誌の発行元で働く佐倉波津子の戦前・戦中・戦後。
淡い想いや固い決意、ほろ苦い別離も。
お仕事小説として佐倉の成長と活躍を応援しながら楽しみましたが、戦局悪化で夢や輝きが潰えていく雑誌「乙女の友」を彼方の友、読者のために守る過程で力を合わせる編集者の想いがとても尊くてしんみりする。
全てに静かに蓋をする様に過ごしていた佐倉の元を訪ね集う、世代を経た関係者たちがひと時掬い上げた様々な思いと物語は、やがて記憶から記録へと、遠いところに仕舞われて行く。
余韻の溢れる、いい話を読んだ気分。明治41年に創刊され、戦時