伊吹有喜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
バラバラになった家族が再び集う時、それぞれの想いはさざめき揺れる。
16年前に子供2人を置いて出ていった妻が、利一の運転する深夜バスに乗車してきた。
子供たちも成人して、親も看取った利一は恋人と自分の人生を歩いて行く時期が来たと思っていた。
しかし、息子は突然帰ってくるし、娘も何やら始めた様子。
そして、元妻が現れて…
恋人との仲も危うくなる。
話の中の過去の後悔と未来への不安が、似ていないのに自分のことと重なり、涙腺が緩む。
家族の難しさと有りがたさとが交差して、寂しさも伴う。
そして、深夜バスに乗って遠くに行ってみたくなる。
2024.11.4 -
Posted by ブクログ
私の中ではちょっぴりブームな作者さん。
楽しめる話が続いていたが、今回は残念、曰く言い難いのだが、あまり好みではなかった。
かつて世界の秘境を旅するテレビ番組で一躍脚光を浴びながら、バブル崩壊で事務所の社長に負わされた借金を返すためだけの生活になった立花浩樹。必死に働いて借金を完済したが、気付けば40代になっていたというところから始まる物語。
その立花の現在の境遇が描かれる最初の話は、彼を『お前は一体何をしたいんや?』と叱咤する母親の、一方で『今はちょっと、運がむいてないだけ』と息子を信じ励ます姿が良い話だったのだが、それ以降の話は、登場する人物の誰もがモヤモヤする人ばかりで、共感できなかっ