伊吹有喜のレビュー一覧
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20年前に一世を風靡したが、一発屋として廃れてしまったフォトグラファータチバナコウキを中心に描かれる、人生停滞中の中年世代の人間の連作集。
異性関係、仕事で行き詰まるも、この年齢で新しいことにチャレンジし、その楽しさを知っていく姿には勇気がもらえます。
年齢を重ねてから過去の自分を改めて見ることで、その時には見えていなかった景色が見える様子は、読者を前向きにさせようという作者の想いが感じ取れて心があたたかくなりました。
自分の今までやってきたことが無駄になったと感じても、またそこからやり直せばいいのかもしれない。生まれ変わった気持ちで、一からやり直して、そんな生活もきっと幸せなのかもしれない。そう思わせてくれる作品でした。 -
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ネタバレ今はちょっと、ついてないだけ
立花浩樹
写真家。
立花の母
かつて勤めていた魚の缶詰工場の仲間と飲みにいき、カラオケスナックの階段から落ちて入院。
宮川静枝
白髪の老婦人。病院で立花の母と二人部屋。住宅街の公民館で書道教室を開いている。
宮川良和
静枝の息子。
春恵
立花の母の内職仲間。
巻島雅人
立花が二十年前に所属していた個人事務所社長。
矢澤麗子
立花が以前同棲していた。巻島と籍を入れた。
朝日が当たる場所
宮川良和
映像製作会社に勤めていたが退職。
菜々子
宮川の娘。
真里恵
宮川の妻。
立花浩樹
薔薇色の伝言
立花浩樹
瀬戸寛子
立花の隣室に住む。化粧品専門店の美容部員から美容サロンに転職したが閉店。
宮川良和
佐山
婚活の写真を立花に依頼。
花
占い師。
甘い果実
佐山智美
瀬戸寛子
立花浩樹
宮川良和
鈴木隆史
婚活サイトで佐山と交際。
ニョマン
ヴィラ付きの執事。
ボーイズ・トーク
岡野健一
元探検部。
立花浩樹
宮川良和
岡野理人
岡野の息子。
瑠衣
岡野の娘。
里沙
岡野の妻。
テイク・フォー
会田健
五年前までテレビをつければ必ずどこかの局で顔が出ていた芸人。四十六歳。独身。
立花浩樹
瀬戸寛子
宮川良和
岡野健一
羽化の夢
立花浩樹
宮川良和
会田健
瀬戸寛子
岡野健一
佐山智美
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「BAR追分」3冊目。
前作で宇藤くんや純くんの過去が少し知れそこからどう展開するかと思っていたが、本作でもとらえどころのない展開は変わらず。粉モンはどれが好き、って話だけで終わった第1話には脱力。
芥川龍之介の「蜜柑」とリンクしてバスタ新宿での別れのシーンが鮮やかな第3話は良かった。新宿高野のメロンパンもおいしそうだし、中村屋のカリーパンもモンスナックのカツカレーも懐かしい。
宇藤くんには人生の岐路というべき出来事も起こったが、赤と緑でノルウェイの森を思い出すと言われてピンとこないようでは、物書きを目指している人間としては確かに『恥ずかしすぎる……』。
落ち込んだ顔ばかりしていてモモちゃんに元気づけられるばかりだし、もう少ししゃんとして欲しいところ。『可愛くて天然で、ドジな女の子』なら世間一般的にはうけると思っているようでは、破格の条件で引っ張られる脚本家には思えないよねぇ。
パンケーキにお好み焼き、とろろご飯と牛タン、オムレツ&カレーに肉団子の煮込み、和風仕様のナポリタン…、今回もモモちゃんが作るおいしそうな料理がたくさん出てきたが、一番食指を動かされたのは、ゴメン、すずやのとんかつ茶づけだったわ。 -
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青柳は真面目な性格で、企業の課長として仕事をこなし、妻と娘と暮らす平凡なサラリーマンである。
順風満帆な日を送っているかと思いきや、突然会社からバレエ団出向という名の戦力外通告の部署に辞令が出され、妻からも離婚をつきつけられることで
環境が一気に変わる。生きる希望がなくなりかけている時に、バレエで出会う仲間たちに元気をもらう。最終公演の後は退職を覚悟し、未来のことを考えると不安になるが、目の前の仕事に懸命に打ち込み、周りの誰よりも働き、裏方としてサポートすることで、むマイナスな思いを払拭し、力強く生き抜く青柳の強さと優しさに心が熱くなる一冊である. -
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なでし子物語3冊を読んだ勢いで、同じ作者さんのこちらのシリーズに行ってみる。
かつて新宿追分と呼ばれた街のねこみち横丁の奥にあるBAR追分。昼は「バール追分」としてコーヒーや定食を、夜は「バー追分」としてカクテルやおつまみを饗する。
月1回、バーでカナディアンクラブを飲んでいく常連さんが男手ひとつで育て挙式を前にした娘を連れてきた話にほっこり。
アフロヘアのフィギュア作家とゴージャスなクラブのママが互いの息苦しい生き方を補い合っていこうとする話にじんわり。
色々料理が出てきて、ハンバーグサンドも魅力的だが、普通にカレーがおいしそう。牛スジカレーもいいが、やはりビーフカレーにカツのトッピングだな。 -
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昼間はバールで、夜はバー。二つの顔を持つBAR追分は、「新宿ねこみち横丁」と呼ばれる小さな通りにある。美味しい料理とお酒のおもてなしに、今日も訪れた客の本音や悩みがぽつりぽつりと零れていく──。
出てくる料理がとにかく美味しそうで、読んでいる間ずっと空腹と対峙していた。美味しくて丁寧な食事は、きっちり閉じた心の栓を少し緩めてくれる気がする。
行きつけのお店っていいな。私も今の土地に引っ越す前は、黒猫がお出迎えしてくれる、BAR追分によく似たカフェバーの常連だった。週に二日、仕事終わりに二時間読書をして帰るのが何よりも楽しみだった。通えなくなって随分経つけれど、あの場所で過ごした時間は今でも、私の心の拠りどころになっている。