朝井まかての作品一覧
「朝井まかて」の「読楽」「眩(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「朝井まかて」の「読楽」「眩(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
甲南女子大学文学部国文学科卒。2008年に『実さえ花さえ』で小説デビュー。『恋歌』で第150回直木賞、本屋が選ぶ時代小説大賞2013を受賞。その他作品は『ちゃんちゃら』、『すかたん』など。
小説・文芸
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Posted by ブクログ
面白かった~
朝井まかてさんの本は、これで5冊目です!
吉原がどのように発展していったのか、吉原の惣名主・庄司甚右衛門の妻である花仍の視点から描かれています。
セリフの言い回しや語調が小気味よく、声に出して読みたくなります。
吉原遊郭は、日本のひとつの華やかな文化として惹かれるものがあります。
しかし、光があれば影があるように、影の部分に目を向けると悲しい現実がたくさんあります。
幼い頃から奉公に出され、年季が明けるまで吉原で過ごし、色を売る暮らしが、つらいものであることは想像に難くありません。
それでも若菜の一件は想像をはるかに超えるつらさでした。
そして、江戸時代の火事は本当に恐ろしいものです…
一度火事が起きればたちまち燃え広がり、大勢の人が亡くなってしまう。
歴史小説は物語を楽しみながら、その時代の出来事や人々の暮らしを知ることができるのが魅力です。もっといろいろ読んでみたいと思います。
あと、大河ドラマ『べらぼう』を見てみたくなりました。
NHKオンデマンドに加入しようかな。
Posted by ブクログ
なんだか上質な昔話を読んだ気分。
素直な少年が色々ありつつ運に味方され(…ていない箇所も大いにあるが)おじいちゃんになる話。
青姫も、青姫の郷も素敵すぎて。
もし本当にあれば行ってみたいし住んでみたいなぁ
自然と対峙することの大変さや素晴らしさも感じられた。
実家が農家で中学生の時まで時々手伝ってたし、今年は田植え祭を実際に見たこともあり、映像で頭に浮かびやすく、読みやすかった。
米作りって本当に大変だよね…
田んぼを1から作るとしたらその苦労は計り知れない…
でも自然と対話して感覚が洗われる体験っていいものだよね。
朝井まかてのお話は個人的に全部だが、植物の描写が相変わらず素敵で、自然に触れたくなる。
Posted by ブクログ
時代短編集。いきいきと楽しい!
第1話 進次郎はふくという芸者に養われている。だがある日昔勤めていた藩の若侍を拾ってしまう。
第2話 酒蔵の奉公をしている。飲み終わった樽を集めて洗って干す仕事だ。だが兄達が亡くなり、家を継ぐために帰る。
第3話 平九郎は馬が好きでよく乗る。平九郎は部屋住だが、明日祝言をあげて一家を構える。
第4話 山口伊織は江戸城本丸膳所の台所人だ。伊織は大奥御台様膳所に勤めている。料理人の仕事場はいつも目付に見張られている。毒など混入されないように。
第5話 赤穂は大石家の犬の話。
第6話 奥村理兵衛は江戸留守居役。小堀弥助が町人を無礼打ちにした。
第7話 芙希は父の道場で修行している。女剣士はいなくはないが、珍しい。
第8話 忠左衛門は妻に先立たれて腑抜けになる男どもの気持ちがわからなかったが、妻に先立たれて腑抜けになっている自覚がある。
Posted by ブクログ
民芸といってもぴんとこない人も多い。民と芸、民の芸術、と言われても具体的に何なのだろう?と思う。その手探りの状態から、民芸という言葉自体を作り出し、業界を広げていったのが、柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らである。柳宗悦が中でも有名だ。一見、名字から中国人に思えるが、やなぎ、である。鑑賞する芸術品よりも、国民が普段使う日常品の中に芸術を見いだし、その美しさについて言及することによって、人々にその価値を認めさせる。しかし、価値が高まれば品物自体の価格にもはねあがっていく。人々に見せるためには、どこかに集めて、鑑賞させる事も必要だ。それら全てに金が要る。さあ、その金はどこから出てくるのか。
柳宗悦の父は海軍少将、母の弟が嘉納治五郎、学習院時代には優等生で、明治天皇から銀時計をもらう。武者小路実篤や志賀直哉、イギリスの陶芸家バーナード・リーチら、白樺派とも親交を深めながら、声楽を専攻していた後の妻・兼子と出会う。
柳宗悦の家に女中奉公した、サチという架空の女性の目を通じて、柳家や民芸が成立していく様を描く。無名の人物が作り出した民芸を、貴族や芸術に素養のある人物ではなく、まっさらの民の目から描くとどのように見えるかを描写するためである。また、今回兼子のキャラクターも強調されている。これも、女中として奥向きの事に関わってきたサチを語り手にした所以だ。先に挙げた金は、兼子の演奏活動から得られたものを元にしている。金に忖度しない宗悦と喧嘩する場面も描かれるが、気が強くないと、ぎりぎりの生活をしながら、子育てと音楽活動を両立させることは難しかったはずだ。そんな彼女に共感を寄せていたのがサチだ。そして、長らく傍観者とされてきたサチにも、バックグラウンドがあることが最後に明かされる。
時代背景は大正末期から昭和初期、関東大震災から2.26事件、第二次大戦直前までを描く。ちょうどドイツでヒトラーが台頭してきて、兼子の音楽活動が難しくなる件が描かれる。読者の我々は、これから時代が暗くなっていくことを知っているが、輝ける登場人物たちはまだ、上る一方の日本国を見ており、民芸の明日を信じている。そのねじれが若干切なさを生む。