桐野夏生の作品一覧
「桐野夏生」の「柔らかな頬」「ダーク」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
貧困から脱するために代理母という選択をした主人公・リキ。
身体の決定権を他人に握られかける極限状態で見せる彼女の無責任な行動は、愚かさの表れであると同時に、己の存在を証明するための弱者の最後の抵抗のようでもある。
一方で、子どもを望む側が抱く純粋な願いの裏には、持てる者が持たざる者を買い叩く、無自覚で暴力的な搾取の傲慢さが潜む。
本作には完全な善人も悪人も登場しないが、命を生み出す行為すら商品化される格差社会の不条理と人間の複雑な業を、容赦の無い鋭さで作者は浮き彫りにしていく。
綺麗事では済まされない歪んだ人間関係の果てに、安易なハッピーエンドは用意されない。
欲望の渦に呑み込まれた者た
Posted by ブクログ
誰とでも 対等な関係で接し、誰に対しても先入観を持つことなくフェアに付き合いたい、と思っているけれど、どこへ行っても 派閥みたいなグループが存在し、その中で周りに合わせるように立ち回らないと 結局 浮き上がり、孤立する。「対等」だの「フェア」だのというのは ほどほどにしとかないと 大変なことになるのだ。さて。都市生活における息の詰まるような人間関係の困難さが描かれ、ゆえにある意味 怖い小説である。けれど、どうしてだろ?僕はこの小説に出てくる全ての タワマンママが 人として好きである。一方、共感できるかと言われると 登場人物で共感できる人物は一人もいない。共感はできないけれど 好き、という距離感
Posted by ブクログ
単行本で既読。優真と篤人が生きてて良かった、と思えない。子どもの頃からの教育というレベルでない生活の常識がわからない事を想像できなかった。クリスマスやお正月が特別な日、お風呂に入り歯磨きをする、それを中学生になった優真に一つづつ教えるのは単なる里親を超えている。どんな親の元に産まれるか自分で決められないのに、親の顔が見てみたいと言われる理不尽。最後の目加田の『わからない』、本当にそうだ。正解は無いんだろうけど親の責任が無い親にどう対応するべきなんだろう。里親をして刺された洋子の気持ちが伝わらないのが悲しい。ヘビーな内容だけど素晴らしい作品。