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医療費統計の基本分析―電子レセプトの5要素分析とその活用
日本の国民医療費45兆円超の適正化をいかに進めるか。 電子レセプト・データに対する5要素分析に基づいて、日本における疾病・病気の受診発生・治療経過とその負担状況の実像を描き出す。 日本の国民医療費は、2019年度調査では44兆円を超えている。内訳は、患者負担5兆円、保険料22兆円、公費負担17兆円になる。人口の高齢化、医療の高度化などにより医療費の増加が続き、2022年度に確実に45兆円超と見込まれるなかで、保健事業・医療提供体制も関わって、その適正化が進められている。そのためには、医療費の詳細な内訳を示すデータの収集と、保健事業や医療提供体制も対象とした分析が必須である。 本書で分析対象とするレセプトとは、病院・診療所を受診した際にかかった医療費が示された診療報酬明細書・請求書である。レセプトには、治療のためにどのような項目でどれだけの医療費がかかったのかを表す明細とともに、患者・医療保険者・公費による負担の状況が示されている。 現在ではレセプトは電子化され、全国すべてのレセプトを集積したNDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)が構築され、分析が可能となっている。 本書では、電子レセプトとして収集されたデータに対して、レセプト件数、受診日数、医療費を用いた従来の3要素分析を発展させ、月の暦日数と合計特殊再診率という2つの統計を加えて疾病・病気の発生数、状態、期間などを得る5要素分析を行うことによって、がん、循環器系疾患等の疾病別の状況、年齢階級別や都道府県別の医療費の状況などの日本の医療の現状を、保健事業・医療提供体制を対象とした分析にも用いることができる統計として表す方法を示す。 「第Ⅰ部 レセプト基本統計と5要素分析の公式」は、理論編である。医療保険制度のあらましとレセプトの概要、レセプト基本統計、3要素分析、5要素分析について示す。 「第Ⅱ部 5要素分析を用いた医療・介護等の分析の実例」は実践編である。疾病別統計、都道府県別統計、保健事業、介護保険や医療提供体制への応用例などを示す。 -
経済兵器 現代戦の手段としての経済制裁
「ロシアによる突然の、いわれのない大規模なウクライナ侵略は、侵略に対する武器としての制裁の本来の目的を今日的なものにした。二〇二二年二月以降、英米とヨーロッパ連合(EU)だけでなく、日本、韓国、台湾、シンガポールといったアジア諸国や、さらには長年の中立国、スイスを含めた三八カ国の連合による措置は、領土の保全という国際連盟の本来の目的に起源がある」(日本語版への序文より) 経済制裁は、国際平和を乱した国への懲罰メカニズムとして、近年、多用されてきた。この経済制裁は、第一次世界大戦後の国際秩序を構築する中で誕生したものだ。当時、経済制裁は「経済兵器」とも呼ばれていた。というのも、大戦で敗者となったドイツ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国、中東などで経済制裁が多くの餓死者をもたらした生々しい記憶を伴っていたからだ。 本書は、第一次大戦後から第二次世界大戦勃発までの30年間に、どのように経済制裁が生まれ、現代のような形に発展してきたのかを英米仏の制裁主義者、国際主義者らの議論や各国の思惑を膨大な資料をもとに、気鋭の米国人歴史学者が描いたものだ。 ロシアも自国資源の石油、ガスを武器にして、中国などと連携する動きを見せるなど、ウクライナ戦争が「経済戦争」の様相も呈している中、これからの世界経済を考えるうえで必読書といえる。 -
ジョン・メイナード・ケインズ 1883-1946
経済学に革命を起こしただけでなく、二つの世界戦争の時代を通じて、思想家として、官僚として、また、国の命運を託された交渉者として、そして文化・芸術愛好家として活躍した、型破りの天才・ケインズの生涯とはどのようなものだったのか? 上巻では、両親・家族、出生、幼少期、イートン校、ケンブリッジ大学での生活から、思想形成、大学の秘密ソサエティ・使徒会、ブルームズベリー・グループとの濃密な交友、恋愛関係、第一次世界大戦と『平和の経済的帰結』、『確率論』の執筆、結婚、文化・芸術との関わり、金本位制復帰問題への対応、大恐慌の到来までを描く。 -
SDGs白書2022 人新世の脅威に立ち向かう!
SDGs推進の羅針盤「SDGs白書」の最新刊! 2030年まであと8年、SDGsの認知が進んだ今、日本において変革を加速する梃子は何なのか。最新刊の2022年版では、環境・社会・経済に影響を及ぼしてきた人新世(じんしんせい)の脅威を振り返り、私たちにできる様々なアクションを35人の専門家の寄稿と多様な指標によって展望します。 寄稿では、ハイレベル政治フォーラム(HLPF)2022の重点項目からは目標5のジェンダー問題取り組みと課題、目標14と15にかかわる生物多様性への取り組みを解説。課題別動向としてCOP26、IPCC第6次報告後の気候変動、再生可能エネルギーの動向、プラスチック資源循環促進法後のリサイクルの課題、ビジネスと人権、またSDGsの視点からオリンピック・パラリンピック東京2020大会を振り返っています。さらに企業の取り組みや現状を詳しく紹介する産業動向に加え、今回から地域動向として自治体の動きも紹介。VLR(自発的都市レビュー)/VNR(自発的国家レビュー)のトレンドなど、2022年までに取り組みが進んだ話題も取り上げています。 指標編では、毎号掲載しているローカル指標に関連した統計データを調査・更新し、特にコロナ禍の影響がみられるデータを多数掲載しています。 企業のサステナビリティ・ESG担当者はもちろんのこと、自治体、NPO/NGO、ユース、教育機関など、あらゆるセクターにおいてSX(サステナブル・トランスフォーメーション)に取り組む方々にお読みいただける、SDGs推進のための資料です。 -
SDGs白書2020-2021 コロナ禍の先の世界を拓くSX戦略
日本のSDGsの取り組みを指標と専門家の寄稿でまとめる年鑑「SDGs白書」。最新刊の2020-2021年版は、慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボ、ジャパンSDGsアクション推進協議会、SDSN Japan、インプレス・サステナブルラボで構成されるSDGs白書編集委員会の企画・編集により、世界を襲った新型コロナウイルス(COVID-19)のSDGsへの影響をふり返るとともに、その先のよりよい復興、社会変革に向け、今何に取り組むべきかを展望します。 「第1部 SDGsへの取り組み」では、コロナ禍における官民のセクター別の取り組みや、素材製造業から金融まで産業界の事例、また、気候変動対策としてのエネルギー転換、プラスチックごみ問題、生物多様性、貧困問題といった多様な社会課題の考察を掲載しています。「第2部 SDGsの指標」では、日本のローカル指標の統計データを調査して掲載するほか、今後の指標づくりのための動きを解説。さらに付録として、これからサステナブル・トランスフォーメーション(SX)に取り組むために参考になる資料をさまざまな研究組織の協力により掲載しています。 『SDGs白書2020-2021』は、コロナ禍の先のSDGs達成に向け、「行動の10年」を実践するための資料として、あらゆるステークホルダーの皆様にご活用いただける内容となっています。 -
目に見えない傷――ドメスティック・バイオレンスを知り、解決するために
ドメスティック・バイオレンスは世界中で深刻な被害をもたらしている。けれども、何が問題の本質なのか、そもそも何が起こっているのか、理解されているとはいえない。著者は、被害者、加害者、双方の家族、支援組織のアドボケイト、警察官などに会い、話を聞いていく。ひとは被害者に「なぜ逃げないのか」と問うが、被害者は加害者といることを選択しているのではなく、現行制度のなかで最大の警戒をしながら動いている。加害者はパートナーの日常をコントロールし、力を喪失させる。制度の隙間は事態を深刻化させる。取材するうち、そうしたことが分かってくる。警察、支援組織、法執行機関という、異なる価値観に基づく組織の連携をどうとるか。DVの危険度を判定する基準をどうつくり、共有するか。被害者が仕事や人間関係を失わずに生活をするためのプログラムとは。何年もかけた取材によって、外からは見えにくいDVの実態を明らかにし、解決への糸口を示した本として、アメリカで高い評価を得た。 -
SDGs白書2019
SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)を解説する日本初の白書。SDGsは2015年の国連サミットで合意された世界共通の目標である。「貧困をなくそう」から「パートナーシップで目標を達成しよう」まで17のゴールと169のターゲットが掲げられている。2019年はSDGsサミットが開かれ、あらゆるステークホルダーが、本格稼働へと移行する節目の年になる。このタイミングで慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボの編集により、国内初の白書がまとまった。企業、生活者、NGO/NPO、自治体、行政機関など、あるゆる分野の人たちが一丸となって取り組めるSDGs。本白書はその日本における取り組みと日本独自の指標をまとめ、今後のSDGsの取り組みを加速させる一冊となる。 -
キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 2
「ケネディとニクソンほど、その運命が対照的だった大統領もいないだろう。一方は暗殺により道半ばにして斃れ、他方は辞任で屈辱にまみれた。両者は、アメリカの政治において対極的な位置付けにあると言えよう。 ところが奇妙なことに、この二人のどちらにも仕えた男がいる――ヘンリー・キッシンジャーだ。」(本書13章「柔軟反応戦略」より) キッシンジャーから懇情され、一旦断わったものの、膨大な私信・資料を見せられてファーガソンが引き受けたキッシンジャー公認の評伝。ファーガソンが10年がかりで完成させた大作。 ハーバード大学の少壮教授となったキッシンジャーは、核戦略・外交の専門家として共和党の大統領候補ネルソン・ロックフェラーの外交顧問となり、転じてケネディ大統領、ジョンソン大統領の密使としてパリを舞台に北ベトナム代表との間でベトナム戦争の秘密和平交渉に関与する。 前期キッシンジャーの思想と行動を膨大な資料から浮き彫りにする。 -
日本の財政と社会保障―給付と負担の将来ビジョン
【本書のポイント】 「中福祉・低負担」から「中福祉・中負担」への財政・社会保障改革は実現可能なのか? 日本の財政のマクロ・データに加えて、「国民生活意識調査」(厚生労働省、統計法第33条にもとづく申請による)の個票データ、著者独自の「税・社会保障についての意識調査」などのマイクロ・データを取り入れて分析が行われていることにある。 すなわち、日本における財政政策の影響や社会保障の持続可能性について、マクロからミクロを包含して、財政・社会保障政策から納税者・受給者の意識に至るまで踏み込んで分析し、具体的に実現可能な道筋を問うたことに本書の最大の成果がある。 日本の財政は、長引く低成長とデフレの後遺症とも言うべき政府債務残高の塊と格闘している。 なぜ日本の財政は最悪の状態になったのだろうか。経済成長によって財政は健全化するのだろうか。給付の重点化や税・社会保険料の引き上げの議論では納税者の視点はどう扱われるべきなのだろうか。少子高齢化、家族及び労働市場の変容を踏まえた社会保障の将来像とは何だろうか。こうした問に答えるべく、日本財政の診断と処方箋を提示することが本書の目的である。 本書では分析に際して、日本の財政に関するマクロ・データだけでなく、「国民生活基礎調査」(厚生労働省)の個票データ、および著者独自の「税・社会保障についての意識調査」などのマイクロ・データまで取り入れた。これによって、納税者の深層心理や税・社会保険料負担の実態が判明した。 この分析に基づき本書では、財政と社会保障の課題に対して、具体的に実現可能な改革のための将来ビジョンと道筋・時間軸の提言を行っている。 -
全体主義の起原 新版
〈反ユダヤ主義(たんなるユダヤ人憎悪ではなく)、帝国主義(たんなる征服ではなく)、全体主義(たんなる独裁ではなく)が――次から次へと、より残酷なかたちで――示したのは、人間の尊厳が、新しい政治原理、新しい地上の法においてのみ見出されうる新しい保証を必要とするということである。その有効性は今度こそは人類全体を包括する一方で、その力は厳密に限定され、新しく定義された領域的なものに根をおろし、それによって制御されなければならない〉20世紀の中心に生じた「伝統の崩壊」、すなわち強制収容所・絶滅収容所という「地獄」という現実の出来事を、どうすれば理解することができるのか。厖大な文献を読み込み、じっくり考え、理解しようとする営為から、本書は生まれた。国家や法という伝統、さらには人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた20世紀の記念碑的大著の新版を、最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすくして、ここにおくる。〈理解とは、現実に予断をくだすことなく注意深く向き合い、それに負けないことなのだ〉 -
日本がリアリズムを失うとき(上下合本)
「降って湧いた幸運」(ツキュディデス)によって外交や戦争で成功や勝利を得たとき、国に傲りが生まれる。 自らが抱える問題を「現実的なわきまえのもとに可能な解決策をとるよう努力すること」がリアリズムなら、国が傲るとリアリズムが失われ、悲劇を生む。 日米開戦に至った戦前日本の対外政策がその例である。 では、戦後日本の対外政策にリアリズムは戻ったのか。 安保改定時に導入された事前協議制度はリアリズムと言えるのか。 沖縄返還交渉において核密約が結ばれたが、これがなくても返還は実現したのか。 理論と歴史から検証する。 上巻:帝国日本の形成と瓦解 下巻:戦後日米関係と日本のディレンマ 〈目次より〉 第一部 リアリズムとは何か〈理論篇〉 第1章 国際政治のリアリズムと近代日本 第2章 リアリズムの理論と政策 ――力のリアリズムとプルーデント・リアリズムの葛藤 第3章 ツキュディデスのリアリズム――古代ギリシャに学ぶ国際政治 第二部 日清戦争から太平洋戦争へ〈戦前篇〉 第4章 帝国日本への道をつけた日清戦争 ――陸奥宗光のリアリズムを問う 第5章 帝国日本の形成と瓦解 第三部 日本にリアリズムは戻ったか〈戦後篇〉 第6章 戦後日本の再建と吉田茂――吉田茂のオペレーショナル・コード分析 第7章 日米同盟への忠誠と反逆――岸信介と日米安保条約改定 第8章 沖縄返還によって日本の戦後は終わったか ――非核日本の安全保障を探求した若泉敬 第9章 国際政治のリアリズムと日本 -
日本の選挙制度と1票の較差
1票の較差の是正には何が必要か ――区割り審会長を務めた研究者による分析と改革提案 日本において1票の較差はどのように生じてきたのか。1票の較差の是正には何が必要なのか。衆議院議員選挙区画定審議会(区割り審)の会長を務めた著者が、国際比較も交えて日本の選挙制度が1票の較差にいかに影響してきたかを検証し、改革案を提示する。 【主要目次】 はしがき 第1章 民主政治と選挙制度 1.大規模政治システムにおける民主政治/2.大規模民主政治システムにおける選挙制度/3.選挙制度と民主政治の質/4.本書の構成 第2章 各国の選挙制度と選挙区改定 1.アメリカ/2.イギリス/3.カナダ/4.日本/5.各国の比較/6.結論 第3章 比例代表制の各方式と1票の較差 1.民主政治における議員定数配分/2.議員定数を都道府県に配分する方法/3.最大剰余法/4.最高平均法/5.比例代表制の各方式の比較/6.結論 第4章 衆議院議員定数の都道府県への配分 1.選挙法規に明記されなかった都道府県への定数配分の方法/2.1889年の小選挙区制/3.1900年の大選挙区制への改正/4.1919年の小選挙区制への改正/5.1925年の中選挙区制への改正/6.1945年の大選挙区制への改正/7.1947年の中選挙区制への改正/8.結論 第5章 衆議院議員選挙制度における区割りと1票の較差 1.選挙制度と区割り/2.1889年の区割り:最大限の較差容認=島嶼を除き全国で2倍未満の基準/3.1900年の大選挙区制:区割り不要の選挙制度/4.1919年:1900年の踏襲と不徹底な小選挙区制の区割り/5.1925年:SNTVの選挙区割り/6.1947年:SNTVの選挙区割り/7.中選挙区制における定数不均衡の是正:既存選挙区の維持と定数変更による1票の較差縮小/8.結論 第6章 1994年以降の衆議院議員選挙制度と1票の較差 1.政治改革後の議員定数配分・区割りと1票の較差/2.1994年の小選挙区比例代表並立制における定数配分と区割り/3.1995年国勢調査による改定勧告の見送り/4.2002年の定数配分変更と選挙区割り改定/5.2005年国勢調査による改定勧告の見送り/6.2011年最高裁判決と2013年緊急是正/7.衆議院選挙制度に関する調査会と2017年の選挙区割り改定/8.2022年の選挙区割り改定/9.結論 第7章 参議院議員選挙制度と1票の較差 1.地方区と全国区の選挙制度/2.1947年の地方区の定数配分/3.1票の較差拡大をめぐる最高裁判決と1994年の定数是正/4.2000年以降の定数是正と最高裁判決/5.結論 第8章 選挙区改定方法の改革へ向けて 1.本書の分析の要点/2.衆議院選挙制度協議会における議論/3.衆議院の選挙区改定方法の改革へ向けて -
排除と抵抗の郊外
第16回大佛次郎論壇賞、第33回渋沢・クローデル賞受賞! 2015年パリ同時多発テロ以来、注目を集める「ホームグロウン」の若者たち。そのような移民・マイノリティの若者が集住する「郊外」はどのように形成されたのか。「郊外」を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどり、暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまる。 【序章「フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う」より】 「しかしこの悲劇(出版社注:2015年パリ同時多発テロ)は「グローバル・テロリズム」とそれに抵抗する「民主主義」というような図式には容易に収まりきらない背景を持っている。それは過去30年にわたって深まってきた、フランスの主流社会と移民・マイノリティの間の亀裂である。実行犯の多くは、ヨーロッパで生まれ育った「ホームグロウン」のエスニック・マイノリティの若者たちであった。彼らをこのような暴力へと向かわせる社会構造とはいったい何なのだろうか。 本書は、フランスで現在「紛争」と化している事態を、マジョリティとマイノリティの間にある「亀裂」という角度から考察していくものである。」 【主要目次】 序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う 1 フランスの移民統合の理想と現実――OECDの比較調査から 2 移民からエスニック・マイノリティへ――呼称変化とアプローチの転換 3 郊外「セーヌ・サン・ドニ県」への注目 1章 フランス郊外研究の視座――空間と結びついたマイノリティの差別と排除 1 日本とは異なる郊外像 2 モラル・パニックとメディア、政治空間 3 先行研究における「郊外」の位置づけ 4 本書の枠組み――差別、排除、レイシズム 5 本書の方法と構成 2章 多様化する郊外とマイノリティ 1 「移民」と「郊外」の関係を整理する 2 郊外をめぐる複数の空間的アプローチ 3 「移民」と居住の多様化――中産階級の台頭 4 「移民」カテゴリー内部における分極化の進行――郊外貧困地区の状況の悪化と時間的変化 5 「郊外問題地区」の類型化とセーヌ・サン・ドニ県の事例 3章 排除空間の形成と国家の役割――フランス的例外か? 1 「マイノリティ集住地区」としての郊外はどのように形成されたのか 2 工業地区の郊外 3 団地の郊外 4 移民の郊外 5 結びにかえて――排除空間としての郊外と国家 4章 「赤い郊外」の変容と都市政策の展開 1 問題設定 2 「都市政策」の誕生と展開 3 脱工業化のインパクトと「赤い郊外」の変容 4 市政と住民をつなぐ新たな媒介の模索 5 「都市問題」という解読格子の誕生と定着 6 階級問題から「都市問題」へ――「赤い郊外」における解読格子の変化 5章 再生事業と住民コミュニティへの影響 1 地域社会の底上げか、下層マイノリティの排除か? 2 「ソーシャル・ミックス」の評価 3 住民はどこに行ったのか? 4 「ミックス」の実情と課題 5 都市政策と地域社会の再編 6章 郊外マイノリティの多様な抵抗 1 エスニック・マイノリティの若者たちをめぐる参加と抵抗 2 アソシエーション活動を通した抵抗――文化表現から政治活動へ 3 問題化される「参加」――ラップの事例 4 おわりに 7章 風刺新聞社襲撃事件と「見えない断絶」――フランス統合モデルの限界・弊害とマイノリティの疎外 1 追悼デモに来なかった「郊外の住民」たち 2 事件直後の「郊外の住民」の反応 3 「テロ対策」としての3つの改革――治安、教育、郊外 4 カラー・ブラインド原則とその実態――まなざしの人種化 5 文化的統合の深化と(それゆえの)問題化というパラドクス 6 ダブル・スタンダードが生み出す問題 7 プラグマチークな解決にむけた道のり 終章 脱領域的なマイノリティ研究をめざして 1 亀裂を生じさせる二重の「乖離」 2 郊外の比較社会学に向けて――変容する日本の郊外へのまなざし 3 「客観性」としてのマイノリティの視座 文献一覧 あとがき 地名・人名索引 事項索引 -
図書館評価の有効性――評価影響の理論を用いた実証研究
評価は組織をどう変えるのか――。公的機関で一般的となった業績評価は、組織や人々に何をもたらしているのか。公共図書館を対象とした質的・量的分析をもとに、「評価影響」の理論を用いて評価の実態を明らかにし、評価の有効性を向上させる方策を提示する。 ■ まえがき(抜粋) ■ 今日の公的機関では、様々な形で評価が実施されている。日本では1990年代後半以降、ニュー・パブリック・マネジメント(New Public Management: NPM)の潮流のもとで評価が普及し、中央府省、自治体、独立行政法人、教育機関等で相次いで評価が導入された。その多くは、あらかじめ指標・目標を設定して行う業績測定と呼ばれるタイプの評価である。 では、そうして導入された評価は、果たして有効に機能しているのだろうか。施策の見直しやアカウンタビリティ確保など、評価に期待された効果は発現しているのだろうか。この問いに対する大方の答えは、消極的なものになるのではないかと予想される。評価疲れという言葉が端的に示すように、評価は定着したものの、その負担感に比して期待する効果を発揮していないという印象を持たれているのではないだろうか。つまり、評価は望ましいものとして多くの組織に導入されたものの、その期待と実態にはギャップが存在することになる。 しかし、実は私達は、評価を導入した組織内で何が起こっているかについて、十分な知見を持ち合わせていない。評価はどのように実施され、組織や人々にいかなる影響を与えているのか。評価は本当に上手くいっていないのか。上手くいっていないとしたら、それはなぜか。評価のどういった側面に改善の余地があるのか。こうした点を明らかにするためには、評価を実施する組織内部に立ち入った詳細な分析が必要と考えられる。すなわち、評価が有効に機能するためには、まず評価が実施され、それが何らかの形で利用され、当該組織・関係者に影響をもたらすプロセスがあるはずである。もし評価が有効に機能していないとすれば、そのプロセスのどこかに隘路があり、機能発揮に至っていないためと考えられる。そうした組織内部の実態を明らかにすることは、評価実務を見直し、評価を改善する取組につながりうる。 本書では、そうした問題意識のもと、「評価利用」(evaluation use)や「評価影響」(evaluation influence)の理論を用いて評価の実証分析を行った。 <中略><; br> 分析の対象としては、公共図書館を取り上げた。図書館という領域は、業績測定を中心とした「図書館評価」に古くから取り組んできた歴史を持ち、評価に用いる統計の整備も進んでいる。日本では図書館法によって公共図書館における評価実施が努力義務とされていることから、設置自治体が行う行政評価とは別に、独自に詳細な自己評価を行う公共図書館が存在する。こうした背景を持ち、組織規模も比較的小さい公共図書館を分析対象とすることで、評価が組織やその内部に与える影響の一例を明らかにできると考えた。 本書では公共図書館を対象としたことから、図書館情報学の知見に依拠した部分もあるが、分析に用いた理論枠組みは他の公的機関においても適用可能と考えられる。また、本書では評価の正の側面に焦点を当てる形で分析を行ったが、評価の負の側面など、別の角度からの実証研究も必要と考えられる。今後、様々な組織・文脈における評価影響が研究され、評価の有効性向上につながる知見が蓄積されることが望まれる。本書がその契機となれば幸いである。 -
チェルノブイリ:「平和の原子力」の闇
「チェルノブイリ」と「フクシマ」に通底するものとは? チェルノブイリは「平和の原子力」の象徴として、ソ連で最も安全で進んだ原発と言われていた。しかし、1986年4月の原子炉爆発事故によって、歴史に汚名を残す末路をたどった。事故からすでに36年が経過しようとし、その間にアレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り 未来の物語』をはじめ、数多の著作や研究が世に問われてきたが、ソ連やロシア連邦の根深い秘密主義のために、今でも全容が解明されたわけではない。 最新刊の本書は、構造的な欠陥をはらんだ原発が誕生した経緯から、北半球を覆った未曾有の放射能汚染、多くの人々の心身に残した傷にいたるまで、気鋭のジャーナリストが綿密な取材と調査を通して、想像を絶する災厄の全体像に迫った、渾身のノンフィクション作品だ。 「秘密主義とうぬぼれ、傲慢と怠惰、設計と建造のずさんな基準」といった「原子力国家の心臓部を蝕む腐敗」、すなわち体制のあり方そのものに悲劇の深層を探り、人生を狂わされた生身の人々の群像を克明に描いた、調査報道の金字塔。 本書は、『ニューヨーク・タイムズ』『タイム』『カーカス・レビュー』の年間最優秀書籍(2019年)に選出された。 -
ブルガリア・日本交流史 バルカンのバラとサクラの巡り会い
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ブルガリアといえばヨーグルトを思い浮かべる人が多いが、かつてブルガリア人は「バルカンの日本人」と言われたほど日本人と気質が似ているという。今年は、ブルガリアと公式関係開始(1909年)から115年、外交関係樹立(1939年)からも85年、第二次世界大戦末期に中断された外交関係の回復(1959年)からは 65年に当たる三つの節目の周年に当たる。本書は、知られざる遠く離れたバルカン半島の錯綜する地域の国との深い繋がりの交流史を描いた初めての書である! 目次 日本の皆さまへ 第1章 交流開始前史から── 19世紀後半~20世紀初頭 第2章 外交関係樹立に向けて── 1920年代と30年代 第3章 第二次世界大戦中の外交と人びとの運命──1939年~1944年 第4章 「鉄のカーテン」による分断から新たな始まりへ──1945年~59年 第5章 冷戦時における政治的プラグマティズムと互恵協力と文化交流──1959年~1989年 -
芸術都市の生々流転
「半径数キロメートルの中で異文化が凝集し、交錯する過程から多様な混合やオルタナティブが生まれ、その只中で人々が自らの生き方を模索していた」(「あとがきにかえて」より)。不忍池を西湖に擬した漢文脈、お雇い外国人、そして留学生たちの「もう一つの上野」…。芸術の場所性をあらたに描く試み。 【主要目次】 はじめに リビング・イン・上野 本書の目的/用語の定義・理論的背景/章構成 第一章 下谷文人ワールド 「勇敢たる新世界」へ/文人の巣窟/詩社を興す/「小西湖」で集う/当世を嘲弄/芸術関係商店の集積/弁天島でデビュー/下谷の地域効果/下谷文人の終焉 第二章 湖心亭ラプソディ スキャンダルの場/根岸へ転居/医学との出会い/博覧会という「登竜門」/湖心亭で勉強会/大磯を経て京都へ/制度の「登竜門」と「地域効果」の両方を掴んで/下谷撤退と栄光時代の閉幕 第三章 高台異人ヤシキ 蓮の国を訪れて/「ライブ・マシン」として/上野外国人教師館/「加賀屋敷」に住まう/「五番様」/第一外国人教師館/美術界への入り口としての上野/居住地とキャリアとの相関関係 第四章 根岸マッピング 「ニュー・ハイ・シティ」へ/重なり合う根岸の文芸団体/界隈で界隈の地図を制作/郷土史を語り、鉄道に対抗/「根岸」によって自己を再創/「コミュニティ・マッピング」という実践 第五章 谷中リパブリック 「活気あふれる芸術の中心地」へ/芸術運動を推進/ソーシャル・ネットワークづくり/谷中八軒家/上昇する社会的軌跡/私立美術学校や商店の集積/上野という芸術戦場/一九三〇年代以降 第六章 隣国ソジャーン 同文唱和/「小西湖」のタブー化/博物館訪問/近距離で安価な留学先/シノファイルと交流/上野で生活・勉学/文芸団体を設立/文展を訪ねる/二種類のネットワーク おわりに 流転する都市とともに生きる 芸術の場所性を再考/ビヨンド上野/芸術都市の現在地 あとがきにかえて 芸術都市の原(幻)風景 注/図版一覧 -
「日々生きられる宗教」としてのイスラーム──日本人ムスリムをめぐる質的研究
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 イスラームを日々生きる日本人を描く。イスラームは、日常のなかでどのように実践されているのか。本書は「日々生きられる宗教」という視点から、日本人ムスリムの語りや経験に寄り添い、信仰と社会の関係を描き出す。改宗、ジェンダー、エージェンシー、移民第二世代、相互行為論、ユース・カルチャー、LGBT+といった先端的テーマや理論を交え、日本社会におけるイスラームの多様なあり方を明らかにする。 -
現代アフリカの対外政策と国際刑事裁判所――司法介入に対するアフリカのバックラッシュ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国際刑事裁判所の本当の危機は、外からではなく、内から始まる―― アフリカは、アフリカの利益のために、アフリカ域外でつくられた国際秩序に対し、いかに交渉すればよいのか、その術を確立させつつある。 「介入する側」からの視座では見えない、もうひとつの国際正義の構図。変容するアフリカの対外政策と、そこに映し出される国際刑事司法の現在地を鋭く描き出す。 -
日本の医療 増補改訂版
医療制度・改革論の決定版、待望の増補改訂 医療費の増加に加え就業人口の減少が進むため、日本の国民皆保険は危機的状況にある。歴史分析と国際比較により日本の医療制度の構造を明らかにし、今後の改革の方向性と具体的な政策を提示。初版から約10年、最新の政策動向を含め大幅に加筆した待望の増補改訂版。 【主要目次】 序章 問題の所在と分析視角 I 歴史――日本の医療制度の沿革 1章 医療制度の基盤形成期 2章 医療制度の確立・拡張期 3章 医療制度の改革期 II 比較――医療制度・政策の国際比較 4章 医療制度・政策の国際比較――総論およびドイツの医療制度改革 5章 米国の医療制度改革と日本への示唆 6章 スウェーデンの医療制度改革と日本への示唆 III 展望――医療制度の改革の方向性と政策選択 7章 医療保険制度の基本問題 8章 各医療保険制度の構造と政策課題 9章 医療供給制度の構造と改革の方向性 10章 医療供給制度の改革手法 終章 総括――要約・結論および課題 -
記憶の社会的枠組み
エミール・デュルケムの集合意識論を批判的に継承し、フランス社会学派第2世代の中心を担ったアルヴァックス。近年、海外でも再評価が進むアルヴァックスが1925年に執筆した「記憶の社会学」の嚆矢が本書である。 社会のメンバーがみずからの過去を想起するとき、「記憶の社会的枠組み」がいかに機能するのか、過去の出来事の記憶を社会のメンバーはどう組織化し、「集合的記憶」を形成するのか、「集合的記億」は社会にどのような影響を及ぼすのか――。 アルヴァックスは本書でまず、個々人の夢や記憶などを論じるベルクソンやフロイトなどの哲学や心理学を緻密に検証する。そのうえで、「家族」「宗教」「社会階級」などを切り口に、社会集団にとって記憶が、人々を統合するばかりでなく、ときに分断もするというその社会的な機能を析出する。 記憶をどう継承するのか、歴史と社会の関係をどう考えていくのかが様々な局面で問われる今日にも、集合的記憶という視点から問題提起を差し向けるアクチュアルな古典的名著。 -
医療保険の基本構造【HOPPAライブラリー】
本書は,これまでほとんど顧みられることのなかった「社会保険」という制度概念の探求とその豊富化を行うものであり,わが国の社会保障政策とそれをめぐる理論状況に一石を投じようとするものである。 わが国の社会保障制度の充実は,20世紀の経済成長によるところが大きいが,これを可能にしたのが被用者保険制度の存在であることは,国民の基礎教養として共有されていない。 筆者の社会保障法研究は,大学院以来,すでに20年を経ようとしている。その大きな柱は,制度概念としての「社会保険」の探求であり,『医療保険の基本構造――ドイツ疾病保険制度史研究』を1997年に北海道大学図書刊行会より上梓した後も,折りにふれて研究業績を地道に発表し続けてきた。本書は,これまでの未発表論文と加筆修正を経た公表論文をまとめることにより,筆者の「社会保険」研究の集大成をねらうものであり,これを出版して世に問うことの意義は限りなく大きいと考える。 -
名前を言わない戦争:終わらないコンゴ紛争
新たな紛争理論の提示 ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』(一八九九年発表、一九〇二年刊)の舞台となった現コンゴ民主共和国は、一八八五年にベルギーの国王レオポルト二世の私有地とされ、一九〇八年に植民地ベルギー領コンゴとなり、一九六〇年に「コンゴ共和国」として独立を果たした。 その後、「コンゴ動乱」を経て誕生したモブツ政権のもとで独裁体制が築かれたが、その後、モブツ体制は打倒された。 コンゴでは一九九六年以来紛争状態が続いており、膨大な数の犠牲者、避難民そして人権侵害を生み続けている。出口の見えない紛争が続いているにもかかわらず、その実態が報道されることはまれである。 本書は、この地域の状況を長く現地で観察してきた著者が、コンゴ東部紛争の展開を整理し、その理論的含意を検討したものである。 その人的被害の深刻さはもとより、百を超える武装勢力や紛争鉱物の存在など、コンゴ東部紛争は「新しい戦争」の特徴を数多く備えており、くわえて国連平和維持部隊が長年活動を継続している。 紛争のダイナミクスをもとに交戦当事者の利益と社会構造に着目した新たな紛争理論の提示! -
平和の再建
国際社会の表舞台で苦闘した日本外交 サラエヴォで放たれた一発の銃弾によって引き起こされた第一次世界大戦は、戦闘方式を一変させると同時に、それを担う国家と社会の在り方を大きく変え、さらにはヨーロッパ中心の世界そのものを変容させることになった。その結果、戦後処理と秩序構築を図るパリ講和会議において、平和の再建に向けた国際組織=国際連盟が創設されることになる。 本書は、国際政治の表舞台となった国際連盟における日本外交の姿を、その中心を担った安達峰一郎を軸にさまざまな視角から立体的に描くものである。公正な仲介者としての役割が国際社会からの信頼を獲得するものの、満洲事変を機に暗転する日本外交の光と影を、ヨーロッパ協調の崩壊過程とあわせて浮き彫りにする作品として、昭和100年/戦後80年を迎えた今こそ紐解かれるべきであろう。 【主要目次】 序 章 パリ講和会議と日本 第1章 外交官 安達峰一郎 1.生い立ちと外交官への道/2.日露戦争とポーツマス講和会議/3.フランスとの条約改正 第2章 メキシコ革命と日本外交――メキシコ公使 安達峰一郎 1.日本外交とメキシコ/2.軍艦「出雲」派遣問題/3.タンピコ事件とアメリカの介入(一九一四年四月一五日)/4.ナイアガラ調停会議と安達/5.首都内戦状況と安達の帰国/6.アメリカの参戦と日米関係の再調整 第3章 パリ講和会議と安達峰一郎 1.帰国後の安達――パリ講和会議までの足跡/2.戦争責任問題――ドイツ皇帝の訴追をめぐって/3.民族少数者保護条項 第4章 戦勝国会議から国際連盟へ――ポーランドとアルバニア、二つの国境紛争 1.ドイツ・ポーランド紛争と国際連盟/2.コルフ島紛争/3.法律家委員会での検討 第5章 ジュネーヴ議定書と「日本問題」 1.「日本問題」とは何だったのか/2.幣原喜重郎と日本人移民排斥問題/3.国際紛争の平和的解決をめぐって――第五回国際連盟総会/4.議定書案の浮上/5.議定書の形成/6.安達の修正提案/7.日本の対応と評価 第6章 国際連盟とヨーロッパ協調 1.ロカルノ条約とドイツの国際連盟加盟/2.パリの安達峰一郎/3.不戦条約の調印/4.民族少数者問題とドイツ・ポーランド対立 第7章 戦争の総体的清算 1.賠償と占領解除をめぐるハーグ関係国会議/2.ドーズ案からヤング案へ――専門家委員会の設置/3.ヤング専門家委員会での審議/4.ハーグ会議と安達峰一郎/5.凱旋帰国と講演 第8章 国際紛争の司法的解決をめぐって――常設国際司法裁判所とアメリカの加盟問題 1.常設国際司法裁判所の設立と「勧告的意見」/2.アメリカの常設国際司法裁判所加入問題/3.常設国際司法裁判所と日本 第9章 ヨーロッパ協調の崩壊と安達峰一郎 1.独墺関税問題/2.常設国際司法裁判所の勧告的意見/3.満洲事変と安達 終 章 国際連盟と安達峰一郎 -
合理性と社会 自由と秩序を個人の側から考えるための経済社会学
■日本社会の特殊さの成り立ちを理論から解き明かす。 ■なぜ社会はそのような姿になるのか。信頼、交換、雇用、ネットワーク、差別、不平等――経済学と社会学を架橋し、個人の選択から社会が立ち現れるメカニズムを探る。著者が、社会学の世界的拠点であるシカゴ大学で長年教えてきた講義「社会学理論の合理的基礎」と「日本社会論」の集成。 日本に生まれ育つと、日本での日常生活を通じた経験による社会の認識が、どの社会でも同じだとの錯覚に陥りやすい。実は、様々な統計値からは、日本社会の制度の特性も、日本人の意識の特性も、世界的には極めて特異で「外れ値」となっていることが多い。……それを大雑把に「文化の違い」などと解釈してはならない。文化の違いの問題ではなく、社会のあり方の違いの問題なのである。(本書より) <目次> 序 章 本書の動機と意図 第1章 社会的メカニズムと社会学理論構築のパラダイム 第2章 経済的交換と社会的交換 第3章 交換の不確実性・リスクと評価制度の形成 第4章 内部労働市場の得失―取引費用、機会費用、文化、ジェンダー 第5章 社会関係の形成と関係者の類似性―自己選択と影響 第6章 社会的ネットワークと社会関係資本 第7章 集合行為の理論―相対的剥奪、予言の自己成就、統計的差別 第8章 相対的地位のエミュレーション―男女の不平等と相対的剥奪 -
中国の盛衰 試験・専制・安定性・科学技術
なぜ、中国では産業革命が起きなかったのか? 習近平・中国が直面する衰退の危機とは? 中国の強大さと弱さを歴史から解き明かす壮大な野心作。 城山智子(東京大学教授)氏解説。 『フォーリン・アフェアーズ』誌 2023年ベストブックス。 中国史の通説を覆し、現代中国の可能性と危うさを解き明かす。 ■なぜ中国は、古代以来、人類史上画期的な発明を西欧に先駆けていくつも生み出しながら、経済成長や産業革命に結びつけることができなかったのか? 一方で、現代の中国共産党も歴史上の帝国も、なぜ長期にわたる安定的な専制体制を築くことができたのか? ■本書は、国家の規模、均質性、統治イデオロギーの画一性を意味する「スケール」、行動、思想、政策運営の範囲、不均質性・多様性を意味する「スコープ」というコンセプトを軸とし、試験(Examination)・専制(Autocracy)・安定性(Stability)・科学技術(Technology)という4つの視点「EAST」にもとづき、古代から現代に至るまで、中国の国家としての強大さと弱さのメカニズムを明らかにする。 ■また、中国の科学技術史と帝政期の政治にかかわるデータベースに基づく分析を交え、実績主義(メリトクラシー)と経済・技術発展の関係や、専制政治の安定性、多様性と経済発展の関係について読み解く。 ■オリヴァー・ウィリアムソンのM型企業・U型企業論、ゴードン・タロックの理論に基づく権力継承問題の分析、儒教とプロテスタンティズムの果たした役割の比較、英国のヘンリー8世と明の万暦帝の君位継承の比較などを通じて刺激的な仮説を提示、中国の盛衰を左右する要因を浮き彫りにする力作。 【内容構成】 はじめに 序 章 EAST(試験・専制・安定性・科学技術)の構成 第I部 試験(EXAMINATION) 第1章 スケール化の道具としての科挙 第2章 中国と中国共産党の組織化 第II部 専制(AUTOCRACY) 第3章 社会なき国家 第4章 専制体制という平均への回帰 第III部 安定性(STABILITY) 第5章 中国の専制がかくも安定しているのはなぜか 第6章 タロックの呪い 第IV部 科学技術(TECHNOLOGY) 第7章 ニーダム問題の捉え直し 第8章 支配の共和国 第V部 EASTモデルの未来 第9章 習近平の中国共産党 第10章 EASTモデルからの脱却? 解説 城山智子 -
ミルトン・フリードマン 生涯と思想
■ケインズと並び、20世紀世界に最も影響を与えた経済学者、ミルトン・フリードマン。フリードマンの公刊および未公刊著作を徹底的に調査した本書は、彼の非凡な全生涯を丹念かつ精緻に再現すると同時に、20世紀の経済学、経済・金融・政治の軌跡をたどり、現代世界に対するフリードマンの巨大な知的影響力を明らかにする。 ■フリードマンは経済学者の枠を超えた存在だった。フリードマンは個人の自由と、より豊かで自由で開かれた世界のための「自由の哲学」を提示し、実際の政策を変えさせた。変動相場制、負の所得税などフリードマンの一見クレイジーなアイデアは、いまの世界にも大きな影響を与え続けている。 ■本書は、フリードマンを取り巻く経済学者、中央銀行家、政治家との関係を通して、彼の思想と行動の特異性を浮き彫りにする。さらに『資本主義と自由』や『選択の自由』を支えた妻ローズ、『合衆国金融史』の共著者アンナ・シュウォーツ、恒常所得仮説の構築に寄与したマーガレット・リードなど、彼を支えた女性研究者に初めて光を当てる。 ■上巻ではフリードマンが経済学者として地位を築いていく様子を、恩師アーサー・バーンズ、義兄アーロン・ディレクター、生涯の友人ジョージ・スティグラー、フリードリヒ・ハイエクらとの交流も交えて描く。 【内容構成】 序章 第I部 起源 第1章 ローウェイの町からラトガース大学へ 第2章 シカゴ・プラン 第3章 ルーム・セブンのギャングたち 第II部 ニューディール期のワシントン 第4章 財政革命 第5章 ケインズを疑う 第III部 第2期シカゴ学派 第6章 コウルズ委員会を征服する 第7章 法と経済学 第8章 陰の立役者たち -
「風の谷」という希望――残すに値する未来をつくる
「都市集中」は人類の必然なのか? 「このままでは歴史ある自然豊かな土地が打ち捨てられ、都市にしか住めない未来がやってくる……」 突如、著者を襲った直感は、専門を越えた仲間との7年にわたる膨大な検討を経て、壮大なビジョンと化した。 自然(森)、インフラ、エネルギー、ヘルスケア、教育、食と農……これらをゼロベースで問い直したときに見えてきた、オルタナティブな世界とは。 数十年では到底終わらない運動のはじまりを告げる圧巻の一冊。 『イシューからはじめよ』の著者が 人生をかけて挑む 解くべき課題〈イシュー〉。 ▼目次 第Ⅰ部 風の谷とは何か 第1章 問題意識と構想 第2章 人類の2大課題 第3章 マインドセットとアプローチ 第Ⅱ部 解くべき4つの課題 第4章 エコノミクス 第5章 レジリエンス 第6章 求心力と三絶 第7章 文化・価値創造 第Ⅲ部 谷をつくる6つの領域 第8章 人間と自然を調和させる──森、流域、田園 第9章 空間構造の基盤:インフラ──道、水、ごみ 第10章 人間の活動を支えるエネルギー 第11章 ヘルスケア──肉体的・精神的・社会的健康 第12章 谷をつくる人をつくる 第13章 食と農──育てる、加工する、食べる 第Ⅳ部 実現に向けて 第14章 谷の空間をデザインする 第15章 風の谷という系を育む ※本書で語られる「風の谷」とは、自然豊かな疎な空間を、都市に頼らずとも人が住み続けられる“もう一つの未来”として再構築する構想の呼び名です。都市を否定するものではなく、都市と自然、両方を生かす空間デザインの試みとして提案されます。 -
複数的世界
高度に専門化し分断した人文・社会諸科学のなかで、社会的世界に関する研究は、哲学・心理学・言語学・歴史学・社会学などの領域で個別に議論されている。社会的世界の全体像を描くことはいかにして可能だろうか――。 ポスト・ブルデューとしていま注目を集めるライールは、この問題関心に基づいて、諸個人がなぜ行為し、考え、感じるのかという根源的な問いに応答することを試みようとする。そして、身体化された過去の経験=性向と、現在の行為の文脈とが交差するところで行為者の実践とその論理を把握するという理論的・方法論的視座を打ち出したのが本書である。 ハワード・ベッカーのアート・ワールド論を参照しながらピエール・ブルデューの「場」の概念を批判的に検証し、社会的分化論の系譜やアーヴィング・ゴフマンの相互行為論などを整理したうえで、細分化した社会(科)学の統一性を回復する可能性を析出する厚みある理論的成果。 -
民主主義の人類史――何が独裁と民主を分けるのか?
「政治体制にかんする、近年でもっとも重要な書だ」スティーブン・レビツキー(ハーバード大学教授|『民主主義の死に方』)「民主主義の長い歴史を学ぶために……この魅力的な本は最良の選択肢だ」ダロン・アセモグル(MIT教授|『国家はなぜ衰退するのか』)「刺激的な説得力が、本書の魅力の一つだ」『エコノミスト』誌「わたしたちが今どこにいて、これからどこへ向かうのかを理解するためには、視界を広げてデモクラシーのディープ・ヒストリー deep history に目を向ける必要がある……わたしが疑問に思ったのは、なぜヨーロッパは中国や中東と比べて根本的に異なる政治軌道をたどってきたのか、ということだった……皮肉なことだが、ヨーロッパの後進性こそが、近代デモクラシーの起こる基盤となったのである……」(本文より)ヒューロン族や中央アフリカなどの初期デモクラシー(民主)を、古代中国、メソポタミア、アステカのオートクラシー(専制)と比較することで、民主主義が生き残る条件を探求。さらには、なぜ初期デモクラシーがアングロ-アメリカにおいて近代デモクラシーに変質したのかを明らかにする。壮大な人類学的スケールで民主主義の変貌を定量的に分析し、デモクラシーの未来をも描き出す。 -
人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき
冷戦とは何だったのか.大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し,無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と,現実政治との影響関係から冷戦初期の歴史を描く.恐怖,不安,敵意,憎悪,願望……現実は人びとにどう想像され,それは増幅拡散してどのように新しい現実を生み出していったのか.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
ブリュッセル効果 EUの覇権戦略:いかに世界を支配しているのか
米中に対抗する「規制帝国」の全貌 欧州の時代はもう終わったと言われる。 EUは現在、侵略に手を染めたロシア、各国を蝕むポピュリズムや権威主義、さらにブレグジットに象徴されるあらゆる脅威に直面している。 こうした状況下、EUを最も熱心に支持する人々でさえ、EUの衰退が避けられないと思い込んでしまうのかもしれない。 本書によれば、実際に起きている事態は全く正反対である。すなわち、あらゆる難題にもかかわらず、EUは依然として、自らのイメージで世界を形づくる、影響力のあるスーパーパワーであり続けているのである。 さらにEUの支配力は、ブレグジットやトランプ政権に典型的な自国第一主義によってかえって強化されたという。 昨今のEU衰退論は、「規範形成力」が全く視野に入っていない。本書ではこの規範形成力を「ブリュッセル効果」と呼んで、プライバシーから環境・食品安全まで、その重要性がますます高まっていることを事実に基づいて確認していく。 「規制帝国」を支えるメカニズムはいかなるものか、またこの帝国がいつまで持続するのかを見事に解明した空前絶後のEU論。 -
国際金融の政治経済学(数量経済学選書)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国際金融論・ゲーム理論の分野で世界的業績をあげた著者は、バブル崩壊後の経済停滞の理由を金融政策の失策として、日本銀行の金融政策を批判した。著者の専門である、国際金融論・ゲーム理論の立場から、国際金融におけて政治と経済がどのような役割を果たすのかを解き明かす。 【目次】 はしがき 第I章 序説 1 はじめに 2 本書の方法と構成 第II章 国際通貨制度の選択 1 はじめに 2 国際通貨制度と国民的利害 3 国際通貨制度選択のゲーム論的分析 付論 ゲーム理論と寡占理論の基礎概念 第III章 通貨統合の政治経済学 公共経済学による接近 1 はじめに 2 通貨統合の便益と費用 3 政治的参加の理論 参加算術 4 歴史的観点からみた通貨統合 5 結び 付論 参加算術の数学的定式化 第IV章 ケインズ型モデルにおける貨幣政策の国際的連関 1 はじめに 2 政策の相互連関に関する諸研究 3 ケインズ型モデルにおける戦略的分析 4 固定為替制度における貨幣政策の連関 5 変動為替制度における貨幣政策の独立性 6 結び 第V章 貨幣政策連関の戦略的分析 価格伸縮モデル 1 はじめに 2 貨幣政策の相互依存関係の定式化 3 グラフと代数式による実例 4 長期的分析と準備通貨国の役割 5 結び 付論 微分ゲームとしての世界マネー・ゲーム 第VI章 為替制度と交易条件変動の効果 1 はじめに 2 基本的な枠組 3 固定為替制度 4 変動為替制度 5 変動為替制度における非貿易財の役割 6 結び 付論 貨幣保蔵と支出行動のミクロ的基礎 第VII章 為替制度とスタグフレーションの国際的波及 1 はじめに 2 二国モデルの枠組 3 変動為替制度 4 固定為替制度 5 モデルの一般化 6 要約と結論 数学付録 第VIII章 管理フロート制下における貨幣的連関 1 はじめに 2 モデルの枠組 3 価格伸縮経済における為替レートに関する政策の国際的相克関係 4 管理フロート制下における景気循環の波及 あとがき 参考文献 索引 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
政府行動の経済分析 国・地方の相互依存関係を中心として
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 国ならびに地方の歳入・歳出と税の関係を徹底的に分析する。国税、地方税、所得税、住民税などを、諸外国の例も交えて論じた力作。税と国と地方の経済活動はどうあるべきなのかを検証するための必読書。 はしがき 第I部 国と地方の財政関係 第1章 政府の役割と財政構造 1 政府の役割 2 公共部門の規模 3 国・地方の財政規模 4 国と地方の財政関係 5 都道府県と市町村の財政 6 経済成長と都道府県・市町村の歳入 第2章 諸外国における財政と地方財政調整制度 1 財政規模 2 地方財政調整制度の概要 3 諸外国の地方財政調整の規模 4 地方財政調整制度の将来動向 第3章 地方交付税による財政調整 1 財政調整の概要 2 地方団体間の財源調整方式 3 地方交付税と交付税率 4 交付税の代替的な配分方式による地方歳入のシミュレーション 5 地方交付税配分方式の評価基準に関する一試論 第II部 国の財政構造 第4章 国の歳入・歳出 1 歳入 2 歳 出 3 歳出に含まれる地方への移転 4 税制改革の動向 第5章 所得税の累進構造 1 実証分析の展望 2 所得税制と所得控除 2. 1 所得税制 2.2 所得階級別控除額の推計 3 所得控除 3.1 所得控除の決定要因 3.2 所得階級別所得控除の推移 4 モデルと分析 5 所得分布と所得税 6 シミュレーション 7 まとめ 第6章 最適課税の観点からみた所得税 1 関心高まる所得税減税 2 最適適所得税構造とは 3 最適所得税論の考え方 4 最適課税理論の適用 5 最適所得税制の分析 6 最適所得税からみた現行所得税制 7 むすび 第III部 地方の財政構造 第7章 地方の歳入構造 1 地方団体の歳入構造 2 国税・地方税の地域間格差 3 歳入総額の地域間格差 4 地域別の受益と負担の構造 5 税制改革と地方財政 補論 住民税の地域別減税額推定 第8章 地方の歳出構造 1 歳出構造の概観 2 歳出の相互依存関係について 第9章 歳入・歳出の相互依存関係 1 地方財政調整制度と歳出 2 社会福祉費と地方団体の財政状況 3 経済合理性からみた市町村の投資行動 4 残された問題. 第10章 地方財政モデル 1 実証研究の展望 2 地方財政モデルの特定化と推定 3 モデル・シミュレーション 参考文献・資料 斉藤 愼 1952年生まれ。大阪学院大学教授、大阪大学名誉教授。大阪大学経済学部卒業〔経済学士〕。大阪大学大学院経済研究科修士課程修了〔経済学修士〕。大阪大学大学院経済研究科博士課程中途退学。経済学博士。専門は、財政学、地方財政論、社会保障論。 著書に、『政府行動の経済分析』『現代経済学』『どうする法人税改革』『地方分権化への挑戦 「新しい公共」の経済分析』(共著)『新しい地方財政論 新版』(共著)などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
現代中国の腐敗と反腐敗
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 建国から改革開放を経て、習近平体制下のネット社会にいたるまで、共産党一党支配のなかで政治家や官僚、企業家の犯罪や不正行為が絶えない中国。社会の隅々で、膨大な腐敗事案はなぜ発生し、どんな力学で蔓延してきたのか。そして法令・紀律違反の摘発や告発(反腐敗)は、体制側によってどう利用されてきたのか。超大国のはらむ重大な国家的問題に深く多面的に切り込む最新共同研究の成果。 -
髙橋洋一のわかる入門合本版 「経済学入門」「地政学入門」「バカな外交論」「ピケティ入門」
■髙橋洋一のわかる入門合本版 「経済学入門」「地政学入門」「バカな外交論」「ピケティ入門」 4冊合本版760ページ ・バカな外交論 外交の基本 「どう考えても当たり前」のこと ・【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める! ・世界のニュースがわかる! 図解地政学入門 ・たった1つの図でわかる! 図解経済学入門 ★★★バカな外交論 外交の基本 「どう考えても当たり前」のこと 「高橋洋一先生が、外交? ご専門は経済ではないの?」 ――そう思われたかたもいるかもしれません。 確かに、高橋先生のご専門は経済です。 しかしアメリカに留学された時の専攻は国際政治。 そして、いくつか持ってらっしゃる連載では、 経済と同じくらいの比重で外交について語っていらっしゃいます。 なぜか。 それは、経済と外交は密接に関係しているため、 必然的に同程度の比重で語ることになると高橋先生はおっしゃいます。 今、日本はTPPに集団的自衛権など、いくら外交問題に 無関心といえども注目せざるをえないトピックが目白押しとなっています。 そんななか、「感情論」や「思い込み」ではなく、 きちんと筋の通ったロジックで外交問題を考えられるためのわかりやすい教本を目指したのが本書です。 ★★★【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める! 『21世紀の資本』主席訳者 山形浩生氏推薦! 「やっと出た、『21世紀の資本』のまともな解説本!」 728ページにもおよぶ、歴史的な大作『21世紀の資本』。 ただ、本当に重要な21枚の図がわかれば、 効率的かつ的確に読み解くことができるのです! あの高橋洋一が解説する『21世紀の資本』とは? いったい『21世紀の資本』のどこを読み、何を読み取ればいいのかが、わかります! 社会科学系の学者たちが書評などを通じて表した批評への、 ピケティの返答集(2014年12月時点日本未翻訳/要約)も掲載。 ★★★世界のニュースがわかる! 図解地政学入門 なぜ、中国は太平洋への野心をあらわにしているのか なぜ、ロシアはクリミア半島にこだわるのか なぜ、アメリカは世界の警察官になり、やめていったのか なぜ、ヨーロッパはEUとしてまとまることになったのか よりよい、より広い土地を巡る歴史 =「地政学」を見れば、 過去・現在・未来の各国の野心と 日本の立ち回り方がわかる! 「地政学」 つまり“地理的な条件が一国の政治や軍事、経済に与える影響を考えること”である。 これをひと言で定義すると「世界で起こってきた戦争の歴史を知る」になる。 地理的な条件とは、領土やその周辺地域のこと。 領土といえば国同士が争い奪い合ってきたもの、つまり戦争がつきものだ。 だから、地政学とは戦争の歴史を学ぶこと、といえる。 そして、近代以降は「陸」から「海」へとその覇権争いの舞台が移された――。 ★★★たった1つの図でわかる! 図解経済学入門 「えっ、本当にこれだけでいいの! ?」 たった1枚の図を読み解くだけで、世の中で起こっている経済のあれこれがわかる!! たとえば…… ・「モノの値段」はどう決まる? ・「値段が上がったね、嫌だね」だけで終わらせない などの、身近なことから、 ・「お金の政策」いったい、何をどうしているのか ・「マイナス金利」「TPP」「消費税増税」をどうとらえるか などの、もっと広い範囲まで「たった1枚の図」を使って本書では読み解いていきます。 ・経済の素人が経済をきちんと理解できること ・理解したうえで、マスコミや学者、政治家の言葉に惑わされず、 自分の頭で考えられるようになること この2点が本書の目標です。 最初から内容を削ることを目的としていたわけではなく、 この2つの目的を満たすために、経済の入門書に本当に必要な知識は何かと考えた結果、 自然と行き着いたのが本書なのです。 ■著者 高橋洋一 1955年東京都生まれ。 都立小石川高校(現・都立小石川中等教育学校)を経て、東京 大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。 博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。 大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客 員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、 総務大臣補佐官、内閣参事官 (総理補佐官補)等を歴任。 小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍し、「霞が関埋蔵金」の公表や 「ふる さと納税」「ねんきん定期便」など数々の政策提案・実現をしてきた。2008年退官。 その後、菅政権では内閣官房参与もつとめ、現在、嘉悦大学経営経済学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。 -
少子化と縮減社会
「少子化する高齢社会」が現実となり、日本でも明らかになった「結婚と家族からの逃走」という現象により、「縮減社会」が誕生した。古今の社会学的知見を駆使して、単身者本位となった現代の価値観と行動を分析。近未来の「ワークファミリーバランス」実現を探る。 掲載許諾の関係で、第5章の一部の図版を見ることができません。ご了承ください。 【主要目次】 Ⅰ 課題の現状 1章 「縮減社会」の研究方法と課題 2章 「家族からの逃走」と資本主義の精神の衰退 3章 「縮減社会」と「結婚からの逃走」 Ⅱ 分析の展開 4章 「縮減社会」の消費問題と「共同養育」 5章 「人口の異次元性」の論理と倫理 6章 人口反転のラストチャンス 7章 単身者本位の粉末社会――少子化の根本原因 8章 「少子化論」に対する「数理マルクス経済学」の限界 Ⅲ 設計指針 9章 社会資本主義の国家像 10章 縮減社会の未来と社会資本主義 -
中ソ関係史
革命に成功した2つの国、その歴史を描く 20世紀の世界史を知る上で、また、日本近代史を知る上でも、最も重要な二国間関係の一つである中ソ関係。本書は中国を代表する国際関係史の専門家が、豊富な資料をもとに、上巻では、ロシア革命、中国共産党の成立、日中戦争、国共内戦、中華人民共和国の成立、朝鮮戦争、新中国へのソ連からの経済援助、軍事援助、そして中ソの対立までを描く。 ★高原明生氏(東京大学名誉教授・東京女子大学特別客員教授)推薦 『中ソ関係史』は、政権に都合よく書かれた歴史の「常識」を覆し、読者を驚かせる内容を満載している。――(中略)――また、内容は濃密だが訳文はこなれており読みやすい。現在、中露関係は再び大きく注目されている。これは間違いなく、広く読まれるべき本である。 【主要目次】 Ⅰ 不確かな相手(1917~1949) 第1章 中ソ国交樹立の声のなかでの革命輸出 第2章 ソ連援助下の国民革命 第3章 モスクワと中国のソヴィエト革命 第4章 戦争の脅威が迫るなかでの中ソ外交 第5章 中ソ両国の戦時協力と衝突 第6章 中国内戦と中ソ・国共関係 Ⅱ 同志かつ兄弟(1949~1960) 第7章 同盟条約の締結と中ソの利益衝突 第8章 朝鮮戦争と中ソ同盟の実質的な進展 第9章 ソ連共産党第二〇回大会及びその中ソ関係への影響 第10章 ソ連の経済的援助と中国共産党の政治的支持 第11章 ソ連の中国核兵器開発に対する援助と限界 第12章 毛沢東、共産党モスクワ会議の中心的な人物となる 第13章 「大躍進」、人民公社と中ソ国内政策の対立 第14章 軍事協力、金門砲撃と中ソ対外政策における対立 第15章 中ソ両党の理念及び政策上の修復困難な決裂 -
都市データパック 2016年版
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【ご注意ください!】 ・本コンテンツは冊子版の約1800ページを電子化した大型電子雑誌です。ご利用いただく環境によっては、ダウンロードに時間がかかったり、一部ページの濃淡が明瞭でない場合がございますが、あらかじめご了承ください。 ・本コンテンツに都道府県・市区名を含む収録情報の検索機能はございません。目次から掲載ページをお探しください。 ●●2016年版の特徴●● ・豊富な社会・経済データと独自調査による多彩な地域情報で全国813市区を各2ページで多面的に紹介。豊富な統計データもさらに充実。 ・16年6月20日までの市町村合併に完全対応。 ●●目次●● ★巻頭特集1 地方版総合戦略 策定状況と最重要政策分野 ★巻頭特集2 全都市ランキング ●住みよさランキング ●財政健全度ランキング ●成長力・民力度ランキング ★813市区の最新情報 <主な収録項目> ●コメント編 市名の由来/沿革/地理的条件/特性・現状と問題点/課題と今後の展望/振興方針・計画 など ●多彩な地域情報 ホームページURL/市役所の住所・電話番号/市長(氏名、就任年月、プロフィールなど)/ 議会(議長、議員数など)/交通網/主要事業所/特産品・地酒/観光/主要プロジェクト/ イベント2016年度開催予定/わがまちの日本一/出身著名人 ●最新調査結果 公共料金/子育て支援策/高齢者支援策/ふるさと納税/移住・定住支援/職員採用/生活保護など ●データ編 住みよさランキングデータ/面積/人口(総数・増加率・密度)/人口構成/自然増加率/社会増加率/ 平均年齢/昼夜間人口比率/世帯数/高齢者世帯数/年少・生産年齢・老年人口比率/ 合計特殊出生率/歳出決算額(総額・人口1人当たり)/地方税収額(総額・人口1人当たり)/ 経常収支比率/将来負担比率/財政力指数/人口1人当たり地方債残高/事業所数/従業者数/ 製造品出荷額/卸売業年間販売額/小売業年間販売額/大型小売店(店鋪数・店鋪面積)/労働力人口/ 完全失業率/納税者1人当たり課税対象所得/持ち家世帯比率/住宅地地価/世帯当たり乗用車保有台数/ 人口1万人当たり病院・診療所数/人口1万人当たり医師数/介護老人施設定員数/公共下水道普及率/ 人口1万人当たり交通事故発生件数/1万世帯当たり建物火災出火件数など -
都市データパック 2015年版
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【ご注意ください!】 ・本コンテンツは冊子版の約1800ページを電子化した大型電子雑誌です。ご利用いただく環境によっては、ダウンロードに時間がかかったり、一部ページの濃淡が明瞭でない場合がございますが、あらかじめご了承ください。 ・本コンテンツに都道府県・市区名を含む収録情報の検索機能はございません。目次から掲載ページをお探しください。 ●●2015年版の特徴●● ・豊富な社会・経済データと独自調査による多彩な地域情報で全国813市区を各2ページで多面的に紹介。統計データもさらに充実。 ・15年6月22日までの市町村合併に完全対応。 ●●目次●● ★巻頭特集 地方創生・人口減少対策 今後の人口動向と地方版総合戦略 ★巻頭特集2 全都市ランキング ●住みよさランキング ●財政健全度ランキング ●成長力・民力度ランキング ★813市区の最新情報 <主な収録項目> 役所所在地 発足年月日 市長(氏名、生年月日、就任月、就任回数、党派、任期、経歴、学歴) 議会(議長名、議員数、任期) 由来、特徴 交通、主要事業所、特産品、観光、イベント 著名出身者 まちづくり(総合計画の策定状況、将来都市像、主要プロジェクト) 職員採用(応募者数、採用者数) 子育て支援・母子健康策(認可保育所の保育料、施設数、定員数、待機児童数、小児医療費助成制度の内容) ふるさと納税 公共料金(水道料金、下水道料金、介護保険料) 高齢者支援策(特別養護老人ホーム・高齢者向けグループホームの施設数、総定員数) 国民健康保険料の内容 生活保護(申請件数、被保護世帯数、被保護実人員数) 女性の活躍(議会女性議員比率、職員女性管理職比率) 面積、人口、平均年齢、出生率、有配偶率、世帯数 地方税収額、歳出決算総額、財政力指数、自主財源比率、交付税依存度 事業所数、従業者数、上場企業本社数、製造品出荷額、卸売業年間販売額、小売業年間販売額、大型店店舗数 労働力人口、完全失業率 昼夜間人口比率、納税者1人当たり所得、持家世帯比率、住宅地地価、乗用車保有台数、介護老人施設定員数、公共下水道普及率、火災出火件数、交通事故発生件数、刑法犯認知件数 -
民主主義の躓き
民主主義は躓くことなくして前進しえない。民衆・暴力・国民国家がそれぞれ積極面と消極面をもつからである。古代ギリシアから「1968」まで、植民地主義から昨今の社会的保守主義までを展望しつつ、民主主義の挫折と成熟の過程を歴史的かつ思想的に捉える。 【主要目次】 はじめに 第1章 永続的な革命としての民主化 1.歴史になりえない民主主義/2.平等をめぐる闘いと民主的社会/3.戦後秩序と社会革命 第2章 民衆と民主主義 1.民衆不信と民主制/2.民主主義を掘り崩す――大衆かエリートか/3.代議制民主主義と選挙民 第3章 民主主義の暴力 1.民主制における暴力/2.都市住民の抗議と民主化/3.民主化と暴力/4.民主主義の帝国 第4章 国民国家と民主主義 1.民主主義における搾取と排除/2.独立による民主化と国民国家/3.民主主義とマジョリティ/マイノリティ/4.後発国のジレンマ 第5章 失われた確信と新たな試練 1.民主主義の危機/2.民主主義の後退とその背景 終 章 未完の民主主義 1.躓く民主主義と民主制/2.情報伝達と連帯/3.情報伝達における蛙飛びと民主主義/4.生き方としての民主主義 おわりに -
パブリックマネジメント―不確実な時代の公共戦略―
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国内外の社会・経済の不確実性が高まる中で,パブリックマネージャーに求められる役割とは? パブリックマネージャーは代表民主制の中でステークホルダーとの不断の対話を通じて公的価値を探求し,その実現に向けて行政組織を導くリーダーでなければならない. 本書は,豊富なケーススタディを通じて,政策決定の責任を負う行政官が,政策によって実現されるべき「公的価値」をどのように定め,その実現に向けて何をすべきかについての考え方の枠組みを提示する. -
マックス・ウェーバー研究 比較研究としての社会学
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 19~20世紀前半に社会学を大きく発展させた知の巨人の思想の全貌を解き明かすべく、ウェーバーの基礎から応用までを具体的に検証する。 【目次】 まえがき 序論 社会学の成立 一 問題 ニ ウェーバーの学間研究における二つの時期 三 比較研究としての社会学の成立 第一章 社会学の方法的基礎 一 問題 ニ 理念型 三 因果帰属と比較 1 概観 2 因果観の歴史的展望 3 客観的可能性の判断と因果帰属 4 因果適合性の程度と確率の問題 5 比較 四 理解 諸領域の関連付けの問題 1理解社会学の綜合的性格 2「理解」の論理的構造 3 目的合理性の範疇による理解 4「心理学的」理解 第二章 社会学の内容的構造 一 ヨーロッパ的エトスの系譜 ニ 「宗教社会学」のカズイティク 三 世界宗教の経済倫理 1 儒教と道教 2 ヒンズー教と仏教 3 古代ユダヤ教 4 宗教社会学における「世界諸宗教の経済倫理」 第三章 社会学の実践的意味 一 問題 ニ 責任倫理の立場 1 実践的判断の構造 2 目的合理性と責任論 3 自由と人格 4 責任倫理と近代ヨーロッパ 三 政治的実践 附録 ウェーバーとヤスパース 世界史における宗教の意味 1 序論 2 ウェーバー 3 ヤスパース 4 むすび 文献目録 金子 栄一 著書に、『マックス・ウェバー研究』『ウェーバーとヤスパース』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
アメリカの政治任用制度―国際公共システムとしての再評価
日本の難局に挑む政策担当者必読の書! 産官学の英知を総動員するアメリカの政策形成過程がわかると、これからの日本が進むべき道が見えてくる。 国際報道記者・研究者として、半世紀にわたりアメリカの政治を内外から取材・調査し続け、アメリカの政策形成過程の根幹をなす「政治任用制度」について、その歴史、原理原則、人材登用の仕組み、歴代政権の事例など、幅広い視点から探り得た知見の集大成! *** アメリカの政策形成過程の際立った特色は、官民の人材移動を容易にする政治任用制度の存在である。先進各国にも類似の任用制度はあるものの、その規模や政策形成過程における意味合いは比較にならない。 本書はアメリカの政治任用制度を再評価し、新しい概念を提示するとともに、そのグローバルな意味を解き明かす試みである。 政治任用制度についての認識は、アメリカの政策形成過程を正確に理解するため、ぜひとも必要なことであり、日本など先進各国の政策形成過程の改革を考えるうえでも重要な示唆を与えてくれるであろう。 -
プーチン 〔人間的考察〕
現代政治の“スフィンクス”プーチンの実像を解明!“Mr. Putin, Who?”(プーチンって、8月~195一体、誰?)“What Putin Wants?”(プーチンは何を欲しているのか?)今、世界がその動向(思惑や出方)を固唾をのんで見守っているロシアのプーチン大統領。ロシア学の権威が、世界に先駆け、その実像を解明した野心的労作である。 (本書は、2015年4年22月に刊行され、2022/06/23に電子化したものです。) -
戦間期日本外交と国際機構
第一次世界大戦の惨禍を踏まえて模索された国際秩序の構築に、日本はいかに関わったのか――戦間期の重要なトピックであり、日本外交の成功例や失敗例として位置付けられる三つの事例(国際司法制度、外国人待遇問題、国際人道法への対応)を詳細に分析。国際機構を舞台とした日本外交の実態を解き明かし、その可能性と限界を浮き彫りにする。 【主要目次】 序 章 多国間外交の時代としての戦間期と日本 第一節 本書の問題関心 第二節 本書の構成 第一章 外務省における組織改革と国際機構――「連盟派」の再検討 はじめに 第一節 外務省条約局と臨時平和条約事務局の設置と管掌業務・人員数の変遷 一 外務省条約局と臨時平和条約事務局の設置/二 条約局第三課の創設と臨時平和条約事務局の廃止(一九二四年)/三 外務省分課規程改正(一九三四年)と条約局人員数の変容 第二節 各国における外政機構の組織編成と国際機構 一 イギリスの場合/二 フランスの場合/三 イタリアの場合 小 括 第二章 国際裁判の制度化と日本外交――裁判付託範囲の維持から変容へ はじめに 第一節 伝統的態度の維持から変容へ 一 日本=スイス仲裁裁判条約締結交渉/二 ジュネーブ平和議定書(一九二四年)への対応 第二節 態度変容の反映――日米仲裁裁判調停条約締結交渉 一 交渉開始までの経緯/二 日本政府の対案と交渉の停滞 第三節 さらなる変容の兆候 一 日蘭仲裁裁判調停条約締結交渉と一般議定書(一九二八年)/二 常設国際司法裁判所規程改正(一九二九年)/三 一九二九年の選択条項受諾問題 第四節 満洲事変後の日本外交と国際裁判 一 常設国際司法裁判所残留問題/二 日蘭仲裁裁判調停条約の締結とその後 小 括 第三章 外国人待遇問題と日本外交――多国間枠組みの積極的活用 はじめに 第一節 人種平等提案の挫折から外国人衡平待遇の提案へ 一 国際連盟総会における人種平等提案再提案の挫折/二 第一回国際移民会議(一九二四年)/三 国際連盟経済財政仮委員会における外国人衡平待遇の提案 第二節 国内管轄事項をめぐる相克――ジュネーブ平和議定書(一九二四年)の日本修正 一 日本修正案提出に至る経緯/二 修正案をめぐる紛糾と日本政府代表 第三節 多国間枠組みにおける外国人衡平待遇提案の行方 一 ジュネーブ国際経済会議(一九二七年)/二 国際連盟外国人待遇問題会議(一九二九年) 小 括 第四章 国際人道法の形成と日本外交――捕虜条約(一九二九年)批准の挫折 はじめに 第一節 赤十字条約改正と捕虜条約起草の初期段階における日本政府の対応 一 日本政府による国際赤十字運動への関与の経緯/二 赤十字条約改正と捕虜条約起草の開始と日本政府の対応 第二節 赤十字条約改正と捕虜条約起草のための外交会議(一九二九年)における日本政府の対応 一 外交会議における方針の策定/二 外交会議における議論と条約調印 第三節 捕虜条約批准の挫折と国際赤十字運動への態度の変容 一 第一五回赤十字国際会議(一九三四年)と捕虜条約批准の挫折/二 第一六回赤十字国際会議(一九三八年)までの日本政府の対応 小 括 終 章 日本の多国間外交の可能性と限界 -
WHITESHIFT――白人がマイノリティになる日
【WHITESHIFT[ホワイトシフト]】 白人マジョリティが徐々に、白人の伝統的文化を身につけた混血人種のマジョリティへと変容していくモデル。 英国では2100年代に混血の人々がマジョリティになると著者カウフマンは予見する。 ──その時、世界はどう変わるのか? --------- 〈大転換する世界情勢〉欧米で大きな話題を呼んだ必読書! 地球規模での移民の加速化により、白人は各国で少数派となる。 白人のアイデンティティが揺らぐなかで台頭するポピュリズム、ナショナリズム、多文化主義に、我々はどう向き合えば良いのか。難民問題への対処に正解はあるのか。 人口学、社会学、政治学、統計学、心理学 などの知見を動員し、精密なデータをもとに 米・英・欧州・カナダの状況を分析。全ての人が希望を持てるような未来像を模索する。 --------- 《特別付録》西山隆行氏(成蹊大学教授)による長文解説。 --------- 【目次】 ■第一章………白人がマイノリティになる世界―ホワイトシフト 〈 第一部・闘争 〉 ■第二章………ホワイトシフト前章アメリカ史におけるWASPから白人への転換 ■第三章………トランプの台頭―移民時代の民族伝統主義的ナショナリズム ■第四章………英国― 英国保護区の崩壊 ■第五章………欧州における右派ポピュリズムの台頭 ■第六章………カナダ特殊論― アングロスフィアにおける右派ポピュリズム 〈 第二部・抑圧 〉 ■第七章………左派モダニズム―一九世紀のボヘミアンから大学闘争まで ■第八章………左派モダニズムと右派ポピュリストの戦い 〈 第三部・逃亡 〉 ■第九章………避難― 白人マジョリティの地理的・社会的退却 〈 第四部・参加 〉 ■第十章………サラダボウルか坩堝か? ―欧米における異人種間結婚 ■第十一章……白人マジョリティの未来 ■第十二章……「非混血の」白人は絶滅するのか? ■第十三章……ホワイトシフトのナビゲーション―包摂的な国の包摂的なマジョリティへ ■謝辞 ■解説──西山隆行 ■参考文献および原注 -
離婚(東南アジア研究叢書) 比較社会学的研究
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 離婚は文化に依存するのか。親族構造、宗教、法との関係は。欧米やアジア諸国そして日本における離婚の特徴を解明する。 【目次より】 まえがき I 序論 A 研究の目的 B 親族構造と離婚発生との関係 C 宗教の離婚に対する態度 D 法的手続きとしての離婚 E 親族構造,宗教的価値観,法的手続きの間における相互依存性と独立性 F 近代化および都市化の影響 II 欧米の離婚 A 欧米諸国の離婚統制におけるキリスト教の役割 B 若干の国における離婚法と離婚傾向の変化 C ヨーロッパ諸国の離婚率 D フランスにおける離婚率の地域的分布 E 西ドイツにおける離婚率の地域的分布 F カナダにおける離婚率の地域的分布 G 米国における離婚率の地域的分布 H ヨーロッパ諸国における離婚率の変化とそのパターン I 東西ベルリンにおける離婚率の変化 J ヨーロッパ以外の西欧文化圏における離婚率の変化 K 結論 III マレーシア・インドネシアにおける離婚 A 対象の規定と問題点 B スマトラ バタクとミナンカバウを中心として C ジャワ ジャワ人の場合 D ボルネオ シー・ダヤクの場合 E マレー半島およびシンガポール マレ一人,ヌグリ・スンビランのミナンカバウ系住民,およびジャクンを中心として F マラヤにおけるイスラム教徒の離婚の地域的分布 G マラヤ・シンガポール・インドネシアにおけるイスラム教徒の離婚傾向の変化 H マラヤ・シンガポール・インドネシアにおけるイスラム教徒の離婚傾向とアラブ諸国を中心とするイスラム教国における離婚傾向との比較 I 結論 IV 日本の離婚 A 日本の離婚をとり扱う場合の問題点 B 日本における離婚率の変化 C わが国の離婚と「家] 追出し離婚について D 武士の「家」と離婚 E 農民における離婚とその背景 武士の社会との対比において F 地域による農民家族の類型の相違とその離婚率への反映 G 離婚率の地域的分布における特殊例 H 婚姻をめぐる諸状況の変化と離婚率の変動 I 中国人の離婚 日本人の離婚との対比において J 結論 V 総括 引用文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 坪内 良博 1938年生まれ。 社会学者。京都大学名誉教授。元甲南女子大学学長。京都大学文学部卒業後、同大学院学研究科博士課程修了。 著書に、『東南アジア人口民族誌』『マレー農村の20年』『小人口世界の人口誌』(『東南アジア多民族社会の形成』『バンコク 1883年 水の都から陸の都市へ』などがある。 -
アメリカの対外政策史 (上) 植民地時代から第一次世界大戦
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 独立以降、約150年間のアメリカ対外政策史を詳述! ケンタッキー州立大学名誉教授の歴史家ジョージ・C・ヘリング(1936-2022)による最新のアメリカ外交史の概説書“Years of Peril and Ambition” (2017) の全訳。アメリカ外交における特徴を、膨大な研究成果を踏まえ縦横無尽に、そして詳細に論じる。弱小な共和国として出発し、国際政治の荒波や南北戦争という国家分断の危機を乗り越え海洋帝国に上り詰め、国力を伸ばしていったアメリカの対外政策史を評価する。 -
ウェーバーと近代
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 官僚制、カリスマ的支配、理念型、合理化。卓越した分析力で、近代社会を読み解くキーターム群を生みだし、社会科学に圧倒的な影響を与えたウェーバー。 人間精神から社会システムまで、古代から近代、ヨーロッパからアジアにまたがる広大な知の領域を精査し政治・経済・法・社会学から歴史・宗教学におよぶ壮大な業績を残した巨人が創始した社会科学への格好の入門書。 【目次】 目次 第一部 近代的精神構造 一 学問とは何か 一 はじめに 学問と人間 二 リッカートのヨーロッパ精神構造論 三 主知主義 四 ウェーバーの学問論 五 むすび 学問の意味 二 禁欲と自然主義 一 問題の限定 二 “禁欲”へのアプローチ 晩年の二つの講演 三 禁欲と自然主義 四 結び ウェーバーの思想的状況 三 学問と政治 一 はじめに 二 ウェーバー的主体 三 主体の対象化 第二部 近代市民社会 一つの歴史像 四 近代化 一 まえおき 二 マルクスと商品 三 ウェーバーと品位 四 近代化のパースペクティヴ 五 ウェーバー的主体 五 近代と古代 ヨーロッパの形成 一 はじめに 二 近代化という言葉について 三 ウェーバーにおける“近代”のモメント 四 ウェーバー・シンポジウム 五 近代観の由来 六 ウェーバーにおける近代と古代 『古代農業事情』をめぐって 後記 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
ウォール・ストリートと極東 新装版
国際金融資本はいかなる論理に基づいて行動し、政治においていかなる位置を占めるか。ウォール・ストリートや日本の国際金融家がワシントン体制期から日中戦争期にかけての国際政治および各国の政治に果たした役割を追究し、政治と国際金融との関係を問う。 《書物復権2026》 【主要目次】 序論 政党制と国際金融システム Ⅰ 明治国家の経済ナショナリズム――その歴史的起源 1 明治国家の外国借款政策――幕末維新期から日清戦争期にいたる経済ナショナリズム 2 福沢諭吉と勝海舟――外国借款政策をめぐる対立とその歴史的意味 Ⅱ 国際金融資本とワシントン体制 3 日本の国際金融家と国際政治――高橋是清・井上準之助と国際金融資本 4 ウォール・ストリートと極東――ワシントン体制における国際金融資本の役割 5 ウォール・ストリートと満蒙――外債発行計画をめぐる日米関係 6 ワシントン体制と日米関係――国際的文脈における大正デモクラシー Ⅲ ワシントン体制の解体と国際金融資本の退場 7 国際金融資本とアジアの戦争――終末期における四国借款団 8 資本による国際協調の時代の終焉――英国の国際借款団政策の変遷とワシントン体制の解体 結語 ワシントン体制と日本の政党制 -
権利の名のもとに
ある権利を求める動きがナショナリズムや排他主義に結びつくのはどうしてなのか イスラエルで20世紀末から興隆した性的少数の権利と動物の権利という2つの権利に関わる政治がいかにしてイスラエルのナショナリズムや排外主義に結びついてきたのかを精緻に分析する。政治から紐解く、中東研究の新たなる視点。 ●第14回東京大学南原繁記念出版賞受賞作 【主要目次】 序章 第Ⅰ部 性の政治 第1章 「中東で最もゲイ•フレンドリーな街」――テル・アヴィヴの新自由主義 第2章 再配備されるゲイの権利とホモナショナリズム 第3章 シオニズムにおけるクィア性の系譜 第Ⅱ部 動物の政治 第4章 「ヴィーガン・フレンドリーなテル・アヴィヴ」の成立――ヴィーガンニズムの商業化と新自由主義 第5章 ヴィーガン・ナショナリズム――対テロ戦争時代のイスラエルの動物の権利運動 第6章 シオニズムにおける動物性と動物の形象 終章 あとがき 参考文献 巻末資料 索引 凡例 -
戦後日本の貧困と社会保障
戦後日本の貧困の実態、その貧困から脱出する方法の模索、そして新たな社会問題の発見――。半世紀以上前に行なわれた複数の社会調査の個票をデジタル復元し、その統計分析と各種史資料とを検討することにより、戦後期日本社会の世帯・家族と福祉の実像を再構成する。 【主要目次】 まえがき(佐藤 香) 序章 戦後日本社会の世帯と福祉を復元二次分析から解読する(相澤真一) 第I部 戦後の貧困へのまなざし――1950年代・1960年代の貧困はいかなるものだったか 1章 社研所蔵社会調査の由来と特徴――復元二次分析の可能性(岩永理恵) 2章 「調査員」を中心に社会調査を描きなおす――神奈川調査シリーズにおける民生委員の役割に着目して(堀江和正) 3章 戦災母子世帯の戦後(渡邊 勉) 4章 「ボーダー・ライン層」調査の復元二次分析――データから見る1960年代前半の低所得層(相澤真一) 第II部 人びとはいかに厳しい状況からの脱却を図ったか――貸付・教育・住宅・生業 5章 高度経済成長期の福祉貸付――昭和30年代の世帯更生資金貸付(生業資金)の位置と効果(角崎洋平) 6章 高度経済成長初期段階の進学支援とその意味(白川優治) 7章 福祉貸付と医療保障――療養資金の機能と「ボーダーライン層」の健康(坂井晃介) 8章 既存持家の改善からみる住宅資金の歴史的意義――住宅事情および政策の棲み分け(佐藤和宏) 9章 福祉資金の利用にともなう恥の規定要因――民生委員による伴走支援に注目して(石島健太郎) 第III部 マージナルな人びとのライフコース 10章 耐久消費財の普及は妻の家事時間を減らしたのか(渡邉大輔・前田一歩) 11章 団地のなかの児童公園――高度経済成長期の外遊びをめぐる生活時間データの分析(前田一歩) 12章 1960年代における高齢者の生活の実相――「老人問題」の諸相(羅 佳) 13章 戦後日本型労働・雇用――保障体制の手前における高齢者の働き方と子からの自立生活意識(渡邉大輔) 付録(復元作業過程・調査票) あとがき(佐藤 香)