全体主義の起原1 新版――反ユダヤ主義

全体主義の起原1 新版――反ユダヤ主義

〈反ユダヤ主義(たんなるユダヤ人憎悪ではなく)、帝国主義(たんなる征服ではなく)、全体主義(たんなる独裁ではなく)が――次から次へと、より残酷なかたちで――示したのは、人間の尊厳が、新しい政治原理、新しい地上の法においてのみ見出されうる新しい保証を必要とするということである。その有効性は今度こそは人類全体を包括する一方で、その力は厳密に限定され、新しく定義された領域的なものに根をおろし、それによって制御されなければならない〉20世紀の中心に生じた「伝統の崩壊」、すなわち強制収容所・絶滅収容所という「地獄」という現実の出来事を、どうすれば理解することができるのか。厖大な文献を読み込み、じっくり考え、理解しようとする営為から、本書は生まれた。国家や法という伝統、さらには人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた20世紀の記念碑的大著の新版を、最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすくして、ここにおくる。〈理解とは、現実に予断をくだすことなく注意深く向き合い、それに負けないことなのだ〉

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全体主義の起原 新版 のシリーズ作品

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  • 全体主義の起原1 新版――反ユダヤ主義
    4,950円 (税込)
    〈反ユダヤ主義(たんなるユダヤ人憎悪ではなく)、帝国主義(たんなる征服ではなく)、全体主義(たんなる独裁ではなく)が――次から次へと、より残酷なかたちで――示したのは、人間の尊厳が、新しい政治原理、新しい地上の法においてのみ見出されうる新しい保証を必要とするということである。その有効性は今度こそは人類全体を包括する一方で、その力は厳密に限定され、新しく定義された領域的なものに根をおろし、それによって制御されなければならない〉20世紀の中心に生じた「伝統の崩壊」、すなわち強制収容所・絶滅収容所という「地獄」という現実の出来事を、どうすれば理解することができるのか。厖大な文献を読み込み、じっくり考え、理解しようとする営為から、本書は生まれた。国家や法という伝統、さらには人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた20世紀の記念碑的大著の新版を、最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすくして、ここにおくる。〈理解とは、現実に予断をくだすことなく注意深く向き合い、それに負けないことなのだ〉
  • 全体主義の起原2 新版――帝国主義
    5,280円 (税込)
    〈警察を最高の国家権力にまでのし上がらせた全体主義政権は、個人の犯した罪とは無関係に最初からグループとして法の埒外に立たされた大集団に対する支配を基礎として警察権力を強化することに、当然ながら明白に利益を見出していた。ナチ・ドイツではニュルンベルク法が帝国市民(完全な市民)と国籍所有者(政治的権利のない第二級の市民)との区別を設けたが、これによってついにはすべての「異種血統の」国籍所有者が命令により国籍を剥奪される道が均(なら)されたのである。…他方、非全体主義諸国における無国籍者グループの増大は、警察によって組織される無法状態の一つの形式を発展させた。この無法性は世にも平和な方法で自由諸国を全体主義国に似たものに変えてしまった… こうして人々は特に次の点を看過してしまった。すなわちユダヤ人問題のヒトラー流の解決――まずドイツ・ユダヤ人をドイツにおける非公認の少数民族の地位に追い込み、次には無国籍者にして国境から追放し、最後にはふたたびひとり残さず寄せ集めて絶滅収容所に送り込んだ――は少数民族問題と無国籍者問題のすべてを現実に「処理」し得る方法を全世界に向かってこの上なく明確に示したということである〉国民国家の崩壊、民族主義の台頭、資本家とモッブの同盟、難民の出現… 第一次大戦に連なり、全体主義の素地をつくった帝国主義とは?
  • 全体主義の起原3 新版――全体主義
    5,280円 (税込)
    〈現在までのところ、すべては可能であるという全体主義の信念は、すべてのものは破壊され得るということだけしか証明してこなかったように見える。けれども、すべてが可能であることを証明しようとするその努力の中で全体主義体制は、人間が罰することも赦すこともできない犯罪が存在するという事実をそれとは知らずにあばき出した。不可能なことが可能にされたとき、それは罰することも赦すこともできない根源的な悪となった。この悪は、利己主義や貪欲や利欲や怨恨(ルサンチマン)や権力欲や怯惰(きょうだ)のような悪い動機をもってしてはもはや理解することも説明することもできまい。それゆえまた怒りをもってこれに報復することも、愛によってこれを忍ぶことも、友情によってこれを赦すことも、法律をもってこれを処罰することもできまい。屍体製造工場に、あるいは忘却の穴に投げこまれた犠牲者たちが、刑吏たちの目にはもはや〈人間的〉と見えなかったのとまったく同様に、この最も新しい種類の犯罪者はわれわれ一人一人が人間の罪業の意識で連帯することを覚悟しなければならぬ枠をすら超えている〉人類史上それまでにはなかった全体主義という枠組から、ナチス・ドイツとソヴィエト・ロシアの同質性と実態を分析する。

※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません

全体主義の起原1 新版――反ユダヤ主義 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年11月11日

    はじめに読んだ第三巻に比べると具体的な歴史の記述が多いので苦労した。第三巻で書かれていたユダヤ人が秘密結社なんかと結びつけられていたという話はそのときはまじでそんなことあるのかと思ったけど、さまざまの迫害を乗り越えて最終的には社会から孤立して国家のもとで生き延びようとしたその歴史を知ると、ひとびとの...続きを読む

    0

全体主義の起原1 新版――反ユダヤ主義 の詳細情報

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