全体主義の起原3 新版――全体主義
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全体主義の起原3 新版――全体主義

ビジネス・実用
5,280円 (税込)

26pt

4.3

〈現在までのところ、すべては可能であるという全体主義の信念は、すべてのものは破壊され得るということだけしか証明してこなかったように見える。けれども、すべてが可能であることを証明しようとするその努力の中で全体主義体制は、人間が罰することも赦すこともできない犯罪が存在するという事実をそれとは知らずにあばき出した。不可能なことが可能にされたとき、それは罰することも赦すこともできない根源的な悪となった。この悪は、利己主義や貪欲や利欲や怨恨(ルサンチマン)や権力欲や怯惰(きょうだ)のような悪い動機をもってしてはもはや理解することも説明することもできまい。それゆえまた怒りをもってこれに報復することも、愛によってこれを忍ぶことも、友情によってこれを赦すことも、法律をもってこれを処罰することもできまい。屍体製造工場に、あるいは忘却の穴に投げこまれた犠牲者たちが、刑吏たちの目にはもはや〈人間的〉と見えなかったのとまったく同様に、この最も新しい種類の犯罪者はわれわれ一人一人が人間の罪業の意識で連帯することを覚悟しなければならぬ枠をすら超えている〉人類史上それまでにはなかった全体主義という枠組から、ナチス・ドイツとソヴィエト・ロシアの同質性と実態を分析する。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 政治
  • 出版社
    :
    みすず書房
  • タイトル
    :
    全体主義の起原 新版
  • タイトルID
    :
    468304
  • ページ数
    :
    512ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年09月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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全体主義の起原 新版 の一覧

1~3巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~3件目 / 3件
  • 全体主義の起原1 新版――反ユダヤ主義
    4,950円 (税込)
    〈反ユダヤ主義(たんなるユダヤ人憎悪ではなく)、帝国主義(たんなる征服ではなく)、全体主義(たんなる独裁ではなく)が――次から次へと、より残酷なかたちで――示したのは、人間の尊厳が、新しい政治原理、新しい地上の法においてのみ見出されうる新しい保証を必要とするということである。その有効性は今度こそは人類全体を包括する一方で、その力は厳密に限定され、新しく定義された領域的なものに根をおろし、それによって制御されなければならない〉20世紀の中心に生じた「伝統の崩壊」、すなわち強制収容所・絶滅収容所という「地獄」という現実の出来事を、どうすれば理解することができるのか。厖大な文献を読み込み、じっくり考え、理解しようとする営為から、本書は生まれた。国家や法という伝統、さらには人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた20世紀の記念碑的大著の新版を、最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすくして、ここにおくる。〈理解とは、現実に予断をくだすことなく注意深く向き合い、それに負けないことなのだ〉
  • 全体主義の起原2 新版――帝国主義
    5,280円 (税込)
    〈警察を最高の国家権力にまでのし上がらせた全体主義政権は、個人の犯した罪とは無関係に最初からグループとして法の埒外に立たされた大集団に対する支配を基礎として警察権力を強化することに、当然ながら明白に利益を見出していた。ナチ・ドイツではニュルンベルク法が帝国市民(完全な市民)と国籍所有者(政治的権利のない第二級の市民)との区別を設けたが、これによってついにはすべての「異種血統の」国籍所有者が命令により国籍を剥奪される道が均(なら)されたのである。…他方、非全体主義諸国における無国籍者グループの増大は、警察によって組織される無法状態の一つの形式を発展させた。この無法性は世にも平和な方法で自由諸国を全体主義国に似たものに変えてしまった… こうして人々は特に次の点を看過してしまった。すなわちユダヤ人問題のヒトラー流の解決――まずドイツ・ユダヤ人をドイツにおける非公認の少数民族の地位に追い込み、次には無国籍者にして国境から追放し、最後にはふたたびひとり残さず寄せ集めて絶滅収容所に送り込んだ――は少数民族問題と無国籍者問題のすべてを現実に「処理」し得る方法を全世界に向かってこの上なく明確に示したということである〉国民国家の崩壊、民族主義の台頭、資本家とモッブの同盟、難民の出現… 第一次大戦に連なり、全体主義の素地をつくった帝国主義とは?
  • 全体主義の起原3 新版――全体主義
    5,280円 (税込)
    〈現在までのところ、すべては可能であるという全体主義の信念は、すべてのものは破壊され得るということだけしか証明してこなかったように見える。けれども、すべてが可能であることを証明しようとするその努力の中で全体主義体制は、人間が罰することも赦すこともできない犯罪が存在するという事実をそれとは知らずにあばき出した。不可能なことが可能にされたとき、それは罰することも赦すこともできない根源的な悪となった。この悪は、利己主義や貪欲や利欲や怨恨(ルサンチマン)や権力欲や怯惰(きょうだ)のような悪い動機をもってしてはもはや理解することも説明することもできまい。それゆえまた怒りをもってこれに報復することも、愛によってこれを忍ぶことも、友情によってこれを赦すことも、法律をもってこれを処罰することもできまい。屍体製造工場に、あるいは忘却の穴に投げこまれた犠牲者たちが、刑吏たちの目にはもはや〈人間的〉と見えなかったのとまったく同様に、この最も新しい種類の犯罪者はわれわれ一人一人が人間の罪業の意識で連帯することを覚悟しなければならぬ枠をすら超えている〉人類史上それまでにはなかった全体主義という枠組から、ナチス・ドイツとソヴィエト・ロシアの同質性と実態を分析する。

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全体主義の起原3 新版――全体主義 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    いい意味で胃もたれしそうになった。傑作。
    20世紀に起きた全体主義の台頭、破滅、終戦までの荒れ狂う時代の本質を徹底的に分析し、終わりまで到達してしまったこの世界そのものに改めて始まりを与え、見えない未来にサイコロを投げ与える。
    ロンリネスと孤独の本質的な差異については文学的、詩的な煌めきも感じられていてアーレントの息遣いが伝わるかのよう。
    必ず読むべき世界の古典。
    孤独を愛せる人は世界を尊ぶことができる。
    実証的な記録文書ではなく政治、歴史を通した哲学書のようなもの。

    0
    2026年03月03日

    Posted by ブクログ

    ヤスパースの助言通り第三部から読んだ、全体主義の特徴として挙げられる首尾一貫した偽りの現実とかテロルの意義とかもすごく面白いのだけれど、そもそもそういったものに溺れてしまう大衆の弱さとか収容所に入れられたひとびとが存在しなかったことになってしまう残酷さとか、人間の孤独や存在の脆さが浮かびあがってくるあたりで泣きそうになってしまう、アーレントの冷徹さの奥には限りない愛の眼差しがあると思う、あと大事なことは何度も言ってくれるのでわかりやすい。

    0
    2022年10月20日

    Posted by ブクログ

    国家は権威・忠誠を与える根源的な場(共同体)であり、個人はその外部においては無意味である。ジョヴァンニ・ジェンティーレGentile(1875-1944)

    全体主義。階級社会が崩壊して、根無し草の大衆が生まれた。量が多く、政治的に無関心・中立、階級意識を持たない、組織化されておらずバラバラ。公的な領域で他者と連帯して活動をしないで、孤立している。全体主義はこれら大衆を上手く動員した。全体主義は自由な行為の空間を限りなく減らして孤立している大衆をさらに孤立させ、それっぽい観念・イデオロギーを強制させる。大衆は自分で考える力を無くしてしまう。全体主義体制は大衆によって支えられている▼全体主義の特徴。独裁的な指導者に率いられた単一政党支配、人々に公定イデオロギーを強制、思想・文化・経済を強制的に画一化、市民の自由を極度に制限、意見・利害の多様性(議会政治)を否定。例)ナチスドイツ・ソ連スターリン時代。ハンナ・アレントArendt『全体主義の諸起源』1951 (97)

    全体主義の背景には伝統・権威の崩壊がある。教育は伝統・権威なしにはありえない。ハンナ・アレントArendt『過去と未来の間』1963

    全体主義の特徴。単一イデオロギーによる支配。単一の独裁政党による支配。秘密警察と恐怖政治。権力によるマスコミ独占。武器の独占。経済を中央が統制。カール・フリードリヒFriedrich&ズビグネフ・ブレジンスキーBrzezinski『全体主義的独裁と専制』1956

    全体主義の特徴。国家公認のイデオロギー。経済活動は国家に服従。経済活動は国家の活動であり、経済活動の誤りはイデオロギーによって判断される。単一の独裁政党による支配。マスコミ(強制と説得の手段)独占。レイモン・アロンAron『デモクラシーと全体主義』1968

    民主主義体制でも全体主義体制でもない。権威主義体制。多数の個人や団体が自由に活動できない(民主主義体制ではない)。かといって自発的な団体が禁止・抑圧されているわけではない(全体主義体制ではない)。国家によって認可された個人・団体に限り、限られた範囲で政治参加が認められる(権威主義体制)▼思想の自由はない(民主主義体制ではない)。かといって単一イデオロギーの宣伝・教化が行われるわけではない(全体主義体制ではない)。伝統で結び付く感情的な思考や心情によって体制が維持されている▼自発的な政治参加は求められない(民主主義体制ではない)。かといって体制への広範で徹底した政治動員が行われるわけではない(全体主義体制ではない)。限られた政治動員と民衆の脱政治化(無関心)に依存した体制(権威主義体制)。例) スペインのフランコ政権(1939-1975)。開発独裁(韓国の朴正熙、フィリピンのマルコス、インドネシアのスハルト)。フアン・リンスLinz『全体主義体制と権威主義体制』1975

    0
    2021年07月04日

    Posted by ブクログ

    序文でヤスパースが全体主義から読んだ方がいいと書いているので、言われた通りに読んだ。
     ヒットラーの全体主義よりもソビエトの全体主義を述べているところが多い。具体的な場面はほとんどない。全体主義についての論文を書くのであれば、引用の有無にかかわらず、読んでおくことが必要であろう。

    0
    2021年06月28日

全体主義の起原3 新版――全体主義 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 政治
  • 出版社
    :
    みすず書房
  • タイトル
    :
    全体主義の起原 新版
  • タイトルID
    :
    468304
  • ページ数
    :
    512ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年09月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
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    1MB

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