① 不安の源泉を探れば、それは「死への恐れ」に行き着く。
フロイトによれば、身体の衰退への苦難、外的要因による破壊の苦難、他人との人間関係からくる苦難、の三つが人を脅かしている。これらはすべて人を死に追いやる可能性を持ち、だから脅威となる。人の恐怖・不安は、死への恐れ、この逃れようのない終焉から連想されている。(それと同時に、死は人が生きる価値を生み出す。人は死への歩みにあらがえない。だから今を輝こうとする。これは死の生み出す利益であろう。だが、死によって無限の挑戦の機会が得られる反面、その挑戦は尽きることがないという絶望も孕んでいる。ほら、また不安だ。)