桑原水菜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
出版社/著者からの内容紹介
現代に換生し、熱いドラマを繰り広げる「景虎」と「直江」。だが、遡ること400余年の戦国時代、初めて出会いを果たしたふたりの壮絶な物語とは…超人気シリーズのもう一つの顔「邂逅編」の文庫化!
内容(「BOOK」データベースより)
現代から遡ること四百年。戦国時代。越後では、鮫が尾城の怨霊の噂が広がっていた。家督争いで敗死した敵の大将・景虎。彼が景勝への怨みを抱え、城へ近づく者をとり殺し、様々な災いを招いているのだと。そんな景虎を鎮め導くため、僧侶がひとり鮫が尾城へ向かうが…!?景虎と直江。“運命のふたり”が出会い、壮絶荘厳な物語を紡ぎ始める。もうひとつの「炎の蜃気楼」がついに文庫化。 -
Posted by ブクログ
出版社/著者からの内容紹介
現代に換生し、熱いドラマを繰り広げる「景虎」と「直江」。だが、遡ること400余年の戦国時代、初めて出会いを果たしたふたりの壮絶な物語とは…超人気シリーズのもう一つの顔「邂逅編」の文庫化!
内容(「BOOK」データベースより)
換生した直江は、勝長の指示で不動山城へ向かっていた。そこに、直江の宿体の名を知る者が現れ、「裏切り者」と刃を向けられる!?一方、景虎は勝長とともに不動山城へ向かう。景虎たちは途中、崇りを受け廃墟と化した村の惨状を目の当たりにする。そして、崇りは彼らをも襲い、絶命させようとしていた。そこに助けられた景虎たちだったが、崇りを鎮めるために贄として村人に捕らえられ…。 -
Posted by ブクログ
ミラージュ本編の景虎様は、それこそ400年生きてきた老獪な策士というか大物っぷりが遺憾なく発揮されているイメージでしたが、今巻の景虎様は苦悩する年若い青年な感じです。当たり前ですが、まだまだ経験も少ない未成熟なこれからの生き方を探して足掻く青年です。
なんだかやっぱりミラージュの景虎様とは違うんだな、と。そして高耶さんの中の景虎様も、高耶さんありきの景虎様だったんだな、と再確認。
直江さんと景虎様の中も本格的に悪くなってきています。
心からの言葉をいえず、いつも善人としてのポーズを保っていた直江さん。それを景虎様に指摘されて愕然とするシーンが好きです。
ここから本音ばっかりいう変態さんに成長していくのか… -
Posted by ブクログ
ネタバレなんていうか……これほどまでに、私のM的な快感を引き出す話はないと思う。
結構ね。
どうなるのかよくわからない二人の話が永遠と続いていて……両思いのはずなのになかなかお互いに言い出せなくて、すれ違って、決定打がなくて……という、じれったさ、が快感(黙れ)
何でケイが戻ってきたのか、というところをケイ自身は、きっとわかってなくて……。
でも、読んでる人間には、そんなの決まってるじゃねぇかっ!! と、つっこんでるのにくっつかない……。
くっつかないのに、イライラするから、さっさとくっついて欲しいのに、くっついてくれなくて、次の巻に手を出す……というような悪循環に陥るんです。
でも、それって僕、Mだから、結構快感なんだよねー(黙れ、変態)
すっごい好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ仙台市で、建築物が一瞬のうちに倒壊する事件が続発する。直江の連絡で突然、東京駅に呼び出された高耶は、綾子と共に仙台まで調査に向かうことになった。
仙台では、活発化する最上義光軍の怨霊に対抗するために、伊達政宗が復活し、激しい《闇戦国》を繰り広げていた。
そんな仙台に滞在中、一向に力を復活させようとしない高耶は、仙台に滞在中、力を復活させるための特訓を行うこととなった。
一方、政宗と同盟を結ぼうとする高坂弾正。
事件の影に見え隠れする狐の霊を操る女……。
そんな巨大な陰謀が渦巻く仙台。
そしてそこにはもう一つ。
高耶の自分を捨てて出ていった母親がいたのだった。
ゆっくり話が広がりを迎えるシリーズ3作目。
今度の舞台は、東京を通り越して、東北地方仙台!
ところがそんな高耶に同行したのは、直江ではなく、綾子。
直江自身は別の事件を調べることを口実に、高耶から距離をとっていた。
そして、直江と景虎にあったことが少しずつ明らかにされつつあります。高耶にとっては思い出さない方がいいこと、かもしれませんが、そのことで明らかに高耶自身の命を危険にさらしている。
直江と高耶の間に横たわる溝はどうやったら埋めることができるのでしょうか?
それにしても、あんなに優柔不断っぽく見える直江なのに、やってることが随分、思い切ったことに見えるのは僕の気のせいでしょうか?
直江君、相変わらず優柔不断絶好調発揮して、ついにビンチを迎えます。
皆が無事に東北から帰って来れればいいですね。
それにしても、悪霊も随分、頭を使うようになったから厄介ですよね。闇に人間界がどんどん引きずられそうになっています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ心臓移植を受けた奏は、その移植手術を受けた直後から、相次ぐ事件に見舞われる。そして、その度に不思議な力を見せて奏を守ってくれたアイザックと、そして彼の仲間だというジュード。
奏は、自分の命を狙っているはずのケヴァンから聞かされた一言に、移植コーディネーターだという彼らの正体に不審を抱き始める。そんな時、移植手術の際に自分を担当していたコーディネーター・ヘルマンの死を知り、動揺する。
騎士のように奏を見守ってくれているアイザックだが、時折見せるアイザックらしからぬ理由のわからない激情に奏の疑問は募る一方。
そんな折、奏の夢へ、金髪に青い瞳をした不思議な少年が現れた。
その少年は自らのことを「アドルフ」と名乗り、奏に握手を求めてきた。
目覚めた奏はアイザックにそのことを告げ、心臓の持ち主は「アドルフか?」と尋ねるも、アイザックはまた、らしくもない激高を見せ、否定した。
そんな中、奏の通う中学校は卒業式を迎える。一足先に卒業していく元クラスメイトの内海たちを見送ろうと奏は在校生代表として、式に出席していた。その後、クラスメイトから呼び出しを受け、教室へ向かった奏だったが、家に帰ろうとして教室から出れなくなっていることに気付く。
元クラスメイトの内海、山瀬とともにその空間を彷徨う奏。おまけに、何やら不思議な生き物たちが奏に襲いかかる。奏は首から下がるお守りに、アイザックに救いを求めるが、彼はちっとも助けにきてくれない。ついに絶体絶命のピンチに陥った奏の前に現れたのは、奏の命を狙っているはずの神楽崎。彼は、「関係のない人間を巻き込まないためだ」と言いながら、奏を襲う敵に戦いを挑んだ。
結局、兄の心臓を取り戻すべきか、それとも目の前で助けを求めている奏を救うべきか、迷ったアイザックは奏を助けに行ってしまい、信じられないほど息の合った動きで、神楽崎と共に迷宮のボスであるミノタウロスを倒して、奏は命を救われるという話でした。
個人的にはジュードが、ケヴァンに対して優しいのに、奏に対して驚くほど冷たいのが偏ってるなーと、思う。
まぁ、ジュードからしてみたら、奏に情を移すわけにもいかないのだろうけど。
でも、奏を殺すはずだった神楽崎ことケヴァンが、奏を助けてくれたり。
奏を見殺しにしなくちゃいけなかったアイザックが結局奏を助けたり。
これはきっと、奏の魅力がなせる技なんだろうね。
けれど、周りが奏を助ければ助けるほど、助けた人間の立場は悪くなり、周りにどんどん強い人間が集まってしまうんだ。それはそれは、悲しい。
でも、この人の持ち味はそういう人間の持つ矛盾だと思うので、とっても読み応えのある話でした。本当に、オススメです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ心臓移植を受けた少年・嘉手納奏は移植手術を受けた後から、命を狙われ、心臓の元の持ち主を意識するようになる。
心臓の記憶から、微かに蘇るドナーの記憶に戸惑いながらも、受け入れて行く奏。
しかし、その奏の前に、奏の心臓を殺そうとした転校生になりすました神楽崎が再び現れた。そして、奏を守ってくれている移植コーディネーターのアイザックについて、思いがけないことを告げた。
「アイザック・フォン・ヴァルトミュラー。そんな人間が本当に存在するのか?」
神楽崎が言ったその言葉が、まるきり嘘だとも思えなくて、奏の中にアイザックに対しても、小さな疑惑の芽が育ちはじめる。
そんな中、折から降り始めた雪は止まず、白一色になった街に雪女が出たという噂が広まる。奏はアイザックと一緒に真相を探り始めるが……
奏はある意味ではとっても素直で、真剣に語りかけられたことに対しては、真剣に応えようとするんだよね。物事を先入観だけで見ようとしてないんだ。
でも、この状況はある意味つらいように思う。
だって、誰も信じられる人間がいないんだから。
まだ、奏はその事態の重さに気がついてはいないみたいだけど。
でも、「生きたい」と言い切った奏の強さは本当にすごいと思う。
ただ、さらっと神楽崎に言われた「お前にその価値があるのか?」という問いはすっごく、すっごく重いんだよね。
誰かの力だけは人は生きられなくて、でも、誰かを犠牲にしてまで生き続けることがいいのかわからない……。
ただ、心臓に記憶があるとしたら、それを移植されるのは怖いかもしれない……わからないけど。この小説、さらっと書いてあるけどテーマ重いんだ。
でも、重いテーマを重いばっかりで書いてもよくないと思うから。
これくらいの軽さで(決して軽くはないんだけど)、始まって、もっとみんなで一緒に考えて欲しいと思う。
まぁ、そんな難しいことを考えなくても、十分にハラハラドキドキして面白い話だと思います! -
Posted by ブクログ
ネタバレ中学生の嘉手納奏は、覚醒すると湖の中にいた。
自分が誰かもわからないまま、寒さに凍えながら、ただ必死に湖からはい出した。
そんな奏の元に、美しい女の人が手を差し伸べる。奏はその女の人に連れられ、暖かい部屋と食事を用意してもらうが、すぐに「追手」と言われる男たちが、その家に現れる。奏を助けてくれたウルテアという女の人は、奏を救ってくれようとするが、植物が押し寄せてきたり、水が襲いかかってきたり、と普通ではありえないことが起こり、結局奏は、ウルテアと二人、再び湖へと飲みこまれてしまう。
再び奏が目を覚ますと、そこは湖畔の病院で、アイザックと名乗る若い男が奏の傍にいた。そこで初めて、奏は自分が心臓の移植手術を受けるためドイツを訪れていたことを思い出し、心臓の移植は成功したが自分が行方不明になっていたことを知る。
心臓移植したばかり人間には無茶な行動をとった奏だが、入院していた病院に戻った後は、驚くべく回復力で健康を取り戻して行く。
そして、奏は元の生活に戻るべく、日本に帰国することになる。
心臓の病で、長く学校を休んでしまったため、元々いたクラスよりも一学年下からやり直すことになった奏だが、学校には謎めいた転校生――神楽崎がいた。
そして、日本に戻った奏の家には、移植コーディネーターのアイザックが同居することになった。
そしてそころから、奏の廻りで不穏な動きが起こりはじめる。
この話の設定がすごく好きです! 大好き!
心臓移植という思いテーマをうまくファンタジーにアレンジしてるな、と思いました。
そして、この人の話の特徴だと思うのですが、一体全体、誰が仲間なのか? 本当の味方は誰なのか? わからないことにドキドキします。
みんなが、みんなの正義で動いていて、本当に誰が正しいのか今の時点では全くわからないことも面白い要素の一つだと思います。もしかしたら、全員が全員正しくて、誰の思いも否定できないのかも知れませんが……。
果たして、本当の意味で奏を守ろうとしているのは誰なのか? 全員が疑わしくて、それぞれが、それぞれを疑うように差し向けていて、ともすれば誰も信じられなくて、結局信じられるのは己だけ。そんなドキドキ感がすっごく面白い。
今の段階ではアイザックの立ち位置も微妙で、決してBLとは言い難い状況なのですが、それでも十分に面白く読める話だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレケイの禁断の過去はそんなに、許されざるものなんだろうか……?
とか、思ってしまった僕は。
恐らく、一般的な価値観から大分ずれてる。
そんな恐ろしいまでの執着さえも超えてしまうほど、ダメな事……?
いや、ほら。
倫理的・生物学的には間違ってるのはわかるけど。
何か事情があったのかもしれないし。
もう、片方は死んでしまってるのだから、過去のことなんだし。
その咎から、不幸な存在が生まれたわけでもないんだし。
人間誰しも間違いは起こすし。
相手がいないんだから、もう、二度と間違えは起こしようがないのだから。
いいんじゃね?
って、思う僕は駄目なんでしょうか……?(爆)
いや、まぁ、自分に置き換えたらありえねーっ!! と思うのは、倫理的な問題とかではなく、個人的な問題からなのでその場合は除外。
まぁ、きっとあれだ。
榛原とケイが惹かれあうのはきっと、その辺りが関係してることなんだろうな……と、うっすら見えてきた気がする。
どいつも、こいつも、愛情表現ひねくれすぎててよくわかんないんだけどさ。
響生が煮詰まりすぎて、ぷっつんしちゃったところで、終わってます。あがが。
思いとどまって響生!!
それは……それだけは……
よっぽど、ケイのやったことより、他人を傷つけることになるのだから。
他人を巻き込むことになるのだから。
響生がやろうとしてることの方が個人的には許せないと思うのは、僕の倫理観が崩壊してるせい……?
やばい。
人生に不安を覚えてきた……(そっち?)
生きてた響生が次の話では思いとどまってくれていることを望みます。( * ̄)m 〔十〕 アーメン -
Posted by ブクログ
ネタバレ鬱になるってわかってるのに、ついつい読んでしまう。
個人的には、鬱っぽくなってる時に読むのはお勧めしないシリーズです(苦笑)
前作を読んだのが、随分前で、本を開いたら、いきなり響生さんが大暴走! してて、かなりびっくりしたんですが……。
その暴走が、響生さんにいい方向の何かを渡しそうで、その点だけはほっとしました。
いえ、全然、何にも動き出せてはいないんですが。
それにしても、相変わらず、食えない奴と、煮え切らない奴のオンパレードで。
この本は一体なんなのか、教えて欲しい……と、思います。
登場人物の行動にはそれぞれちゃんと、作者さんの頭の中では、意味があって動いてくれてるんだと思うんですが、全然、それがわからない。
この人達は、一体何を考えているのだ……? と、なる。
行動原理は割とわかりやすいと思うんですが、そっから先がこっちが思いつかないようなへんてこな行動をとったりする……。
でもね、だからこそ、面白いんです。
煮え切らない、何考えてるかわからないような人間が主人公だから、ついつい、最後まで見守ってあげたくて、「次ー!」「次ー!」ってなってしまうんです。
まぁ、切り方も結構生殺しだったりするせいもあるんですけどね。
ただ、この本のラストは、今までで一番、いいラストだったと思います。
ようやく、幸せの兆しが見えてきてほっとしました。
ただ、あの二人のことなので、このまま丸く落ち着くとは思えない辺りが何とも言えません……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『メデュウサ』対決は後半戦に突入。
昏倒した榛原は意識不明に陥っていた。
藤崎は舞台上のケイに、かつて藤崎を追い詰めた榛原の姿を見出して、舞台崩壊を予言する。
戦慄する連城の前で、だが、全能感に酔うケイは着々と破局への道筋を辿っていた。
そしてついに最強の<共演者殺し>が牙を剥いた。
共演者は次々と餌食になり、降板を申し出るものさえも出た。
そんな中、響生は驕り昂ったケイを連れて、榛原の稽古場へと二人きりで籠る。
あらすじはそんな感じなんですが……。
個人的には、「終わってしまった……」という感慨の方が大きくて、もう呆然としてしまった(苦笑)
この人たちの逡巡に付き合う事数ヶ月……。
これが最終巻だってことは知ってたけど、正直、これで本当に終わるの……? という気持ちと、これで終わってほしくない気持ちがごちゃごちゃとないまぜになってました。
煮え切らない感じにいらいらして、早くくっついてほしくてむきー! ってなってたのに、くっついたらくっついちゃったで「くっついちゃったのか……ってちょっとショックを受けるんだから、勝手ですよね!
でも最後は、それなりにすっきりしてちょっとほっとしました。
ただ、一つだけ言わせていただけるのだとしたら。
『赤の神紋』見たかった……!
いやねー、この話。
メデュウサが終わって、メデュウサを演じる役者が決まって。
ケイと響生がくっついて。
それぞれがそれぞれの道を歩み始めて。
そんな中、『赤の神紋』の稽古が続いていて。幕が上がる! ってところで終わってるんですよ。
そして遂に『赤の神紋』の幕が上がる! ってところで終わってるんですよ。
見たかった! 見たかったです!
実際に見る訳じゃないですけど、選ばれた方が演じる『赤の神紋』がどれだけすごいのか感じたかった!
作者さんの文章で感じたかった!
あー……残念です。
タイトル、赤の神紋なのに、結局赤の神紋は見れなくてすっごく残念でした。
見たかったなー……
そして、ケイと響生の後日談も知りたいです。
くっついたのに、そんなに距離が縮まらない二人がその後どうなっていくのか見たい……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『赤の神紋』のオーギュスト役を賭けた十日限りの舞台『メデュウサ』の幕が開いた。
先方はケイ。
けれど、ケイのハミルは悪意さえも感じさせる出来映えで、常識を超えたケイの演技。
そして初日の夜の部・後攻になったのはワタル。
ワタルは榛原憂月が想像した「完璧なハミル」を体現してみせた。
響生も榛原もそれぞれ舞台に呑み込まれて行こうとするケイをそれぞれがそれぞれの方法で守ろうとするが、ケイの演技は見た人をも、熱狂的な崇拝者とするか、あるいは嫌悪感を抱かせるか、の二択で。
次第に共演者も含めて、恐怖へと巻き込んで行く事になる……。
そして、響生はケイを守るために、榛原の胸に刻印された十字架の秘密に向き合う事になる……
という話。
修羅場も修羅場でいいところ。
もう、皆が皆、鬼気迫っていて、恐怖感しか覚えない。
正直、この本を読んだ段階では、ケイの勝ちはほぼないとしか思えない。
後、あるとしたら、ケイにはこの本の主人公が守ろうとしている人であるという利点だけ(主人公は響生だと思っているんですが……)
それにしても、いつもこのシリーズを読むたびに思うんですが。
演劇に関して、素人の作者さんが書いたとは思えない、舞台の演者に対する情熱だなー……と思います。
何せ、迫力が違う。
舞台上の鬼気迫った様子を見事に書き上げるって、この人、本当にすごいなー……と。
肝心のケイと響生、榛原と響生、榛原とケイとかの人間関係の部分においては。
「もういいよ!」
ってこっちが先に匙を投げたくなるくらいのレベルでじれったいのですが……。
その読者がじれったく思える部分を書き続けてる作者さんってすごいなー……ってまた思ったり。
普通は、いくらそれが、自分のアイデンティティに関わる部分だとしても、これだけずっと自分と葛藤したり、人と葛藤したりし続けたりする事ってできないと思うんですよね。普通、忍耐力が続かなくて諦めちゃうと思うんですが。
この小説に出て来る主人公は、誰一人そんなことせずに、自分の葛藤と向き合い続けて、「まぁ、いいや」っていう結論を出さない。
なんかもう、感心するよね。
普通、こんなにエネルギー続かない。
そして、そんな登場人物と付き合ってる作者さんのエネルギーが一番怖かったり。
こんなにこんなに葛藤ばっかりと向き合い続けるのって本当に辛いと思うんですけど、この人はそうでもないんだなー……ってことが、怖かったりなんだり。
恐らく、後一冊で終わりだと思うんですが。
この長い長い葛藤の物語に、作者さんがどんなピリオドを打つのかが楽しみだったり、楽しみじゃなかったり……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ天才演出家・榛原憂月との確執で役者生命を絶たれた藤崎晃一が、ケイの指導役として、榛原憂月に闘いを挑んで来た。
前日、ケイをオーギュストから外した後だっただけに驚愕を隠せない。
ケイにかつての藤崎の姿を重ねる榛原は勝負の行方を感キャックに委ね、ワタルとケイ、オーギュスト役の最終決定権を争う事になった。
ケイに向かって「自分を倒せ」と言った榛原の真意は……?
ヒートアップするケイとワタルの舞台決戦の行方は!?
という感じの物語です。
どんどん物語はあんまりいい方向に進んでないような気がして、ちょっぴり辛いターンです。
この巻では結局、ケイが響生に遺言めいた言葉を残すところで終わります。
このまま行ったらこれは絶対にケイに勝ち目がなさそうな気がするんですが……どうでしょうか……?
確実に、ケイと響生の距離は近くなっているのに、それ以上が進まない。
というか、お互いに他に大事なものが多すぎるんですよね(苦笑)
これからどうなるのか、楽しみ……という意味で、期待点の評価をしておきます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「アイザック・フォン・ヴァルトミュラーという名の職員はいない」。
亡きヘルマンからのメールを受け取った奏。
そのことが原因で、奏はアイザックに対して、疑いを持つ……。
その頃またアイザックも自らの使命に決着をつけようとしていた。
土地神の加護を受けるため、大口真神の宿る御岳に登った二人に襲いかかる新たな刺客ギド。
ギドに襲われ、断崖から滑り落ちた奏を助けたのはケヴァンで、ケヴァンの口から「地図にない国」と黒い心臓の謎がいよいよ明らかになる……。
というような話。
ネタバレしないと、何も書けなくなってしまうので、ざくざくばらすと。
結局のところ、奏を殺そうとしてたはずのケヴァンは奏を殺せなくて。
奏が「心臓を誰にも渡さない」ということを条件に奏の身を守る事を決意する。
その後、なんとかギドの追撃を躱す事のでき、倒れ込む奏に近づいたアイザックは、奏の心臓を取り戻そうとするが、気付いていた奏に阻止される。
というところまでが今回の内容。
なんと言うか、この一冊で、元々奏を守っていた人と、奏を殺そうとしていた人ががらっと入れ替わってしまう衝撃の展開でした。
奏もアイザックもケヴァンも。
誰かが間違っている事をしている訳ではないのに、結局、自分の主張を通そうとすれば、誰かと闘わなければならなくて、誰かを殺してしまう結果になってしまうのがすっごく辛い、今回の話。
まぁ、そういうところまで含めて面白いと思います。
最後まで読まないとちゃんとした評価付けられないですよね。
まだ道半ば。