矢部嵩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「てのひら怪談」よりもさらにミニマムな「ゆびさき怪談」。140文字以内という制約があるけれど、それでも、というかだからこそ描き出されるさまざまな恐怖が魅力的です。描かれない部分も多いけれど、その分想像力が恐怖を増幅させることも。
怖いと思ったのは織守きょうや「首がない」「橋姫」、澤村伊智「地獄」「ファミレス」、堀井拓馬「ネタバレイヤー」などなど。岩城裕明「ヒールはやめて」はなんだか可愛くて和みました。矢部嵩の作品はどれも不気味で素敵。そして白井智之「白塗りの悪魔」「川辺の砂」って……不可思議なホラーとしても読めますが。ミステリファンにはいろいろ気づけて楽しい作品では。 -
Posted by ブクログ
グロテスクでスプラッタな描写が微に入り細を穿ち続くので好みはきっぱり分かれるが、それと同じ位イノセンスな描写が飛び出してくるのが癖になる、謎の依存性のある小説。
一話目がある種壮絶なネタバレなのだが、これを最後におくだけで印象ががらりと変わる。
夏子が肝心な記憶を忘れている(忘れさせられている)ので、読者と作者の間に共犯関係が成立する巧みな構成。
登場人物の価値観もめいめいぶっとんでおり、まずそこで受け付けるか受け付けられないかふるいにかけられるが、痒いのを掻くのが気持ちいいビルマ君よろしく、その生理的な不愉快さも慣れると快感に裏返る。
そして折々にとびだす比喩が感動するほど斬新。
たと -
Posted by ブクログ
ハヤカワ文庫の百合SFフェアに伴い、早川書房の単行本から文庫化された作品。
とある女学院の卒業生である少女は、卒業式が行われる講堂へ向かう途中、気付くとうす暗い部屋に寝かされていた。その部屋にはドアが二つあるばかりで、一方のドアにはドアノブがなく、もう一方のドアには張り紙がされていた。張り紙には「ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ」と書かれている。つまり卒業生の寝ている部屋が次々と続いており、ドアを開放することで、2人の少女が目覚めたならば1人が、5人の少女が目覚めたならば4人が死ななければその空間から脱出できないというのである。
100頁 -
Posted by ブクログ
ある女の子が主人公(一人称)として書かれている。
あらすじにあるように、魔女の家を訪ねることになり、主人公の友達はあっさりと殺害。そこから子供ならではの、しかし人間ならではの揉め事により怒涛の展開を遂げ…
その後、主人公は魔女と共に色々な依頼者の願いを叶えるようになる。
初めから最後まで、殆どが気持ちの悪い描写をちりばめられているが、やけにあっさりでコミカルな展開に思える時もあります。(苦手な人は苦手でしょう)
虫が身体を這うような気味の悪さのある話、一つの家族の、何処にでもありそうで、しかし心の置き場に困る話、と短編が続く。
子供の会話の描写として、口語をそのまま文章にしたのだろうというとこ -
Posted by ブクログ
後味の悪さ的な意味で★4つです。
内容自体は正直★1つとか1・5個くらいじゃないだろうか。
ふとホラー読みたくなって本屋をうろつき手頃な値段とページ数だったので購入。
すぐ読み終わりましたがページを捲る度にドキドキとかワクワクなんてもんはなくてただ、だんだんとダメな方向にしか向かっていかない感じ。
見てるこっちがちょっと溜息出るくらいに。
結局誰も救われてなくてどっちの家族もどうかしてるよ、といった感想であります。
でもこんな猟奇的な事にならないにしても多かれ少なかれこうゆう事を考えてる?人はいるのかもしれない。
所詮外側の人間は内側の人間の中にも入れないし解れないって事。
もう少し文が解りや -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は少女庭国が☆4で補遺が☆3。
本編?の少女庭国はかなりデスゲームものに近く、終始諦念のこもった文体で、12人の少女たちが甘んじて死を受け入れるまでを描く。淡々と物語が進んでいくためどこか乾いた印象があるが、爽やかな後味もして不思議な読後感。ほのかに感じる諦念や絶望感が心地よくて、不条理文学と相性いいのかな?と感じた。(適当言ってるので違うかも)
後半の補遺は本編とうってかわってSF要素を多分に秘めた人類史を描く。少女たちはカニバリズムに走ることで命を繋ぎ、文明や社会を築いていく。そうして誕生したディストピア的な「庭国」一文字通り箱庭一では、少女一人一人の生死の一回性が希薄化される。そ -
Posted by ブクログ
クラス旅行の、荒唐無稽だが衝撃のラスト。
「イかれてんな~w」って思ってたら、他はもっとイかれていた!(なんならこのクラスが一番常識的だった)。
内容の崩壊とともに、生徒たちの名前も崩壊していく。
文章を読んで頭の中に映像を組み立てる行為は、誰しもがすることだと思う。だけど、この文章は一見して映像化することが不可能。
皆さんご指摘の「文章の不自由さ」にプラスして、ちゃんと読んだとて、無理のあるイメージが脳内に展開される。
「あっ、これは無理だ……」と。
個人的には、
「足になんかついてるよ」
「え、何」
「取る取る、動かないで」
(斧で指を切り落とす)
「取れたよ指。ついてた」
このスピー -
-
-