矢部嵩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
卒業式へ向かう途中、目が覚めると暗い部屋に貼り紙がありました。
“ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ”
ドアを開けるたびに卒業生が一人倒れています。無限に続くドアと無限に増え続ける少女達。残虐か繁栄か、少女たちの永遠なる建国史。
SFです。しかもかなり特殊かつ斬新な物語。なぜ卒業試験を行うかは分かりません。数式を満たした先は分かりません。どのような仕組みで部屋が続いているかも分かりません。調べることに意味は無いのです、生きるためにはドアを開けて卒業生という名の物資を手にしなければならないのですから。これは理不尽かつ残虐なるルールな中で少女たちが -
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Posted by ブクログ
ネタバレ書店で気になって購入。
怖い…というより船酔いみたいな気持ち悪さ。グロい割には主人公の少年が淡々としてるので、そこはあまり(人によると思うけど)気にならないけれど、文体や『奇妙さ』が当たり前にある居心地の悪さ。
理屈とか伏線回収とか好きな人はモヤっとするかもしれないけれど、訳が分からない不気味さが好きな人は気持ちよく酔えるのかもしれない。
個人的に1番不気味だったのは、なぜか突然ルビがめちゃくちゃ振られたページ(笑)
それまで振られてなかった簡単な漢字にもルビ!!ミス?と思ったけど、初版どころか四刷目なのでわざとなんだろうな。なんの意図が…気持ち悪い(笑)
あと警察の自販機の件が解決して -
Posted by ブクログ
色々な意味で問題作だよなぁ、と思う。少女庭国にしろ、補遺にしろ。表題作は短くて、むしろ補遺が本番って感じ。
生活の描写が出てきた後に、それについて詳しい解説がなされるのは、報告書を読んでいるような気分で不思議な感じがする。それがなぜか、っていうのは、読み進めていくと、ああ意図的だったんだな…って分かった。
壮大なエピソード集(短編集とは違う。叙事詩が近いかな…?)って感じなんだけど、百合として読むのにもSFとして読むのにも、どちらにも明確な結論みたいなものが用意されてなくて、ちょっと消化不良な感じが残る。風呂敷広げるだけ広げて、放ったらかして次を広げるみたいな。ただ、オチは余韻があって… -
Posted by ブクログ
【本の内容】
叔母からの突然の電話で、祖母が風邪をこじらせて死んだと聞かされた。
小学5年生の僕と父親を家に招き入れた叔母の腕は真っ赤に染まり、祖母のことも、急にいなくなったという従姉の紗央里ちゃんのことも、叔母夫婦には何を聞いてもはぐらかされるばかり。
洗面所の床からひからびた指の欠片を見つけた僕はこっそり捜索を始めたが…。
新鋭が描いた恐ろしき「家族」の姿。
第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作、待望の文庫化。
[ 目次 ]
[ POP ]
異色ホラーということでいえば、矢部嵩さんの『紗央里ちゃんの家』。
真っ赤に染まった叔母さんのエプロン、家中に漂う異臭、見つけてしまっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ歴代のホラー大賞作品より比較的会話文が多く、長編と言いながらも割と短いので、読みやすいかと思います。
ただ、その読みやすさが欠点にもなると言えます。
どうも、恐怖を安易に狙い過ぎてるのでは??
単語を繰り返したり、悲鳴でページのほとんどを埋める手法なんかはネット小説にありがちというか。。。
やはりそういった点では、歴代の作品と比べられてしまうのが惜しいなと思います。
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この作品は、恐怖の追及というよりも、家族の在り方というか、『人間関係のモヤモヤ』を描く事に重点が置かれているのではと感じました。
タイトルにもなっているのに、従姉妹の紗央里ちゃんは家に居ない。叔母さんはなぜか血だ