矢部嵩のレビュー一覧
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「魔女の子供はやってこない」 書評:言葉と構造で織り成す異次元の物語
矢部嵩の『魔女の子供はやってこない』は、読む者を深く引き込み、現実と虚構の境界を曖昧にする圧倒的な表現力と構造の妙が光る作品だ。物語を追うごとに、狂気と奇妙な美しさが交錯する世界観が広がり、読む者の感覚を揺さぶり続ける。
まずこの本の表現力は圧巻だ。文章に添えられた「ぼりぼりぼりぼり」というルビが、その場の壮絶さや不気味さを直感的に伝える。さらに、モンタージュ風の描写では文章に番号を振り、視点の断片化を鮮やかに再現している。極めつけは、家の1階と2階での声を文章の配置で表現した部分だ。この手法によって、文字そのものが物語 -
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ネタバレ卒業式会場に向かっていた中三の羊歯子は、気づくと暗い部屋で目覚めた。部屋は四角く石造りだった。部屋には2枚ドアがあり、内一方には張り紙がしてあった。
"卒業生各位 下記の通り卒業試験を実施する。ドアの開けられた部屋の数をnとし、死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ。時間は無制限とする"
無限に囚われた少女たちの話。以前ハヤカワ文庫さんが行っていた、「ハヤカワ文庫の百合SFフェア」の対象作品のうちの1冊で、先に言っておくとなかなかの奇書、あるいは実験小説の類に近いかと思います。
ちなみに、ここは個人的見解によると思いますが、私はあまり百合味は感じませんでした。 -
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ネタバレ〈ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ。時間は無制限とする〉という卒業試験に放り込まれた中3女子たちのお話。
〔少女庭国〕よりも〔少女庭国補遺〕からが本番でした。
大叙事詩…勃興と滅亡を繰り返す中3女子たち。
世界には部屋と扉と中3女子しかなくて、生きていくとしたらそれらでどうにかやっていくしかない。食べ物飲み物、生活の道具…部屋と扉と中3女子しかないので“それらでやっていくしかない”。
レポートのように書かれる子もいれば、しっかりストーリー仕立てで描かれる子もいました。
SF、デスゲーム系、百合、架空の歴史書…どれにも当て嵌まるし、でも初めて読む質 -
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『〔映〕アムリタ』シリーズを思い起こさせるような「自己同一性に対する挑戦」的テーマが随所で匂わせられるが、そこまで踏み込むことなく程よいところで戻ってきてくれる。いや、厳密には戻れてはいないような気もするが、そこらへんの"正常の定義"が読んでいると次第に分からなくなってくる。
現実感のない会話のやり取りは謎の中毒性がある。
この作者の描く登場人物たちは異常な行動をとるほど、口ではまともそうなことを言っているので手に負えない。
読みながらつい鼻を掻いてしまう。
こんなもんわざわざ描写すな、と思うこと仕切りで、目が滑ると言うよりも目を滑らさざるを得ないという状況に追いやられる。 -
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暗黒系ガールミーツガールの怪作。
第1話:ああなるほどねー
第2話:幻想的な作風
第3話:趣味悪いな
第4話:目が醒める。ここからが本番。
第5話:単話としての完成度はこれがピカイチ
第6話:何この名作!
人間の少女である主人公が、魔女の少女に出会って、運命が変わっていくお話。
魔女は人の願いをかなえてくれる。でもその願いは思ったとおりに成就するとは限らない。
小学生的な視野の狭さと、「猿の手」的なコテコテの悪意とが混然一体となって、事態を悪化させて流れがとにかく悪趣味で好き。
グロ描写もキモ描写も盛りだくさんで、倫理的にもいろいろ踏み越えてしまっているので、読み手はものすごく選 -
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ネタバレ悪趣味と言える状況下に放り込まれた少女達が殺し合いをさせられる。端的に言い表せば、それだけの作品であるけれど、〝少女〟という年代の多様さが書き表されている様にも感じました。
怖いもの知らずで無鉄砲な行動に出る子、終わりの見えない現状に閉塞感を感じる子、誰かの為に頑張れる子、仕切りたがりでリーダー気質の子。特殊な環境下ながら、少女らしさを発揮して現状を何とかしようと悩んで行動している少女達。皆、一様に同じ行動を取るわけではなく、似ていながらも違う行動を取り、違う結末を迎えている。その多様さが少女の持つ個性を魅せられている気がしました。
少女庭国補遺では、単調に自殺し殺し殺されてゆき、時折