笹本稜平のレビュー一覧

  • 漏洩~素行調査官~

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    警視庁監査部に所属する、おなじみ「三匹の侍」が、警察という組織を私物化し、私欲を満たす道具とする黒幕を相手に戦う、小気味いいシリーズの第三弾。
    今回の敵は、悪徳ファンドマネージャーと結託し、インサイダー取引で私腹を肥やす警視庁幹部ばかりでなく、検察庁、国税庁にもまたがる悪のネットワーク。
    悪のネットワークに、脱税やマネーロンダリングも絡んできて、果たして「三匹の侍」に勝機ありや。ハラハラドキドキの展開に、今回も目が離せない。
    『その悪が巨大であればあるほど、その権力が大きければ大きいほど、組織内部の人間はそれを悪と感じなくなる。長いものには巻かれろというのが組織に生きる人間の処世の鉄則・・・、

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    2015年10月20日
  • 天空への回廊

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    「還るべき場所」で好きになった笹本稜平2冊目。今度の舞台は世界最高峰チョモランマ。山岳小説というよりも山岳を舞台にした冒険小説。頂上近くに落ちたアメリカの人工衛星を巡る各国の思惑が入り乱れ、ストーリーがどんどん展開して一気読み確実。最後のエピソードをなくしてその手前で終わらないと、ハリウッドの冒険小説になっちゃうよ…と思ったのは内緒。マシューズがお気に入り。面白かったー。

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    2015年09月27日
  • 未踏峰

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    ビンティ・チュリ(祈りの峰)僕ら3人が出会った山小屋「ビンティ・ヒュッテ」から名前を取って命名した。未だ名前の無い未踏峰。7000m満たない目立たぬ頂きだが、僕らを残し亡くなったパウロさんと僕らの希望の頂だ。パウロさんと僕らは4人のチーム、必ず彼と共に祈りの峰に辿り着こう。胸にはパウロさんの遺骨と、彼が僕らに残してくれた希望を抱いて・・・。

    元敏腕システムエンジニアだった裕也は、万引きにより逮捕され職を追われた。
    派遣社員として先の見えない仕事に明け暮れる毎日の中、ふと目にした北八ヶ岳の山小屋の募集に応募する。
    山小屋「ビンティ・ヒュッテ」のオーナの蒔本(パウロ=洗礼名)は裕也を即決で雇い入

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    2015年09月21日
  • グリズリー

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    消費者金融店舗に押し入った二人組。それを狙撃するSAT隊員。ガッチリと読者の心を掴む導入部。
    そして、たった一人で、世界に戦争を仕掛けた男がいる。
    何とスケールの大きなエンタメかと、これだけでワクワク感満点。
    この次はどうなるか予測がつかない展開に、しかも次から次へと新しい人物が登場するので(人物名の記憶力に覚束なさを覚えるので<笑>)、つい登場人物一覧表を作りながら頁を繰った。
    息を持つかせぬ戦いの中に、悲しみと愛情の物語も。
    やはり、著者の作品はどれも外せない。

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    2015年09月14日
  • 挑発 越境捜査

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    警察の闇を暴く警察小説、面白くないはずがない。
    しかも、警察官の不正を断罪する監察係を主人公とする痛快シリーズ『素行調査官』の著者ならば。
    『素行・・・』が、職務として警察官を調査する「三人の侍」に対し、こちらはいささか「目的」の違った仲間が、主人公とタッグを組む。犯罪者の金の横取りが目当ての刑事と金目当てに助力する暴力団組長。何ともユニークなキャラが仲間を組むことか。
    今回は実際に巷で噂されるパチンコ業界と警察との癒着がテーマ。汚辱にまみれた警察の上層部及び警察庁の幹部に、彼らタスクフォースがどこまで迫れるか、読み応え十分のシリーズ第2弾。

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    2015年08月10日
  • 白日夢~素行調査官~

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    解説に言う「三匹の侍」シリーズ第2弾。
    今回、彼らのターゲットは、暴力団と手を握る悪徳警官。さらに、彼に媚薬を嗅がせられている上層部の巨悪にも。
    組織(警察)に、人間の尊厳もろとも生命までも潰された刑事の生前の言葉が、この小説の骨子ともなっている。
    「ただ無駄飯食って長生きして、世の中に何も残さず死んでゆくだけなら、最初から生まれてこなかったほうがいいんじゃないかと思うんです。せっかく、この世に生を受けた。その人生にささやかでも意味を与えられるんなら、それに命を懸けたって惜しくないじゃないですか」
    耳に痛い言葉ではある。

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    2015年07月16日
  • 南極風

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    笹本さんの本はほとんど読んでいますが、この新刊もなかなか良かったです(^ ^) 山、全く縁がないんですが、山頂から見る景色は絶景でしょうね〜(^o^)

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    2015年07月11日
  • サイドストーリーズ

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    ダ・ヴィンチ編集部編のサイドストーリーズを読みました。

    姫川玲子シリーズ、榎本径シリーズ、さよならドビュッシー、天地明察、まほろ駅前シリーズなどの登場人物たちの「一服ひろば」を題材にしたサイドストーリー短編集でした。
    元のシリーズも楽しんで読んでいたので、これらの短編もおもしろく読みました。

    12編のうち半分は元のシリーズを読んでいないのですが、これを機会に読んでみたいな、と思いました。

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    2015年05月16日
  • サイドストーリーズ

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    タバコが小道具の12のシリーズのサイドストーリー。
    目的は東直己。久しぶりに「俺」に会えた。
    ちょっと、かっこよく描かれていて残念。ススキノ探偵もいいけれど
    探偵畝原に会いたいよ、書いてくれぃ、と思いを募らせた。
    姫川女史も多田と行天のコンビもDr.新条も、面白かった。
    読んでみたい本がまた増えたよ。罪作りな一冊ね。

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    2015年05月15日
  • サイドストーリーズ

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    ただの番外編の短編集だと思って読んでいたら、やけに煙草と一服ひろばが話に出てくる(--;)でも最後まで読んで納得!JTなんですね(^。^)y-~ このサイドストーリーズに出てくるシリーズは「天地明察」と「まほろ駅前」しか読んでいないけれど、どの話も好みで読破したくなった(^^)♪しかし積読、読みたい本をたくさん抱えているから、シリーズ名を控えておいて暇な時にでも読めたら良いかなと…(^-^;)

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    2015年05月14日
  • 特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~

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    ネタバレ

    拉致や立て篭もりの被害者の救出などを担当する特殊班の刑事・堂園が、失踪した老人の行方を追う様を、500ページ近くを費やして丹念に描いた物語。

    堂園の祖父と失踪した老人・有村との繋がりが、小説の裏のテーマになっている。祖父のかつての故郷・鹿児島にて、戦前戦後を駆け抜けた2人の青年とその恋人たちの哀しい物語。そして、物語の終盤になって解き明かされる謎。その全てが、老人の失踪を引き起こし、堂園の現在の親戚の苦境へと繋がっている。

    死亡した被害者の為でも、手柄が欲しいわけでもなく、被害者を生きて取り戻す事に情熱を傾ける堂園の、上司・高平との信頼関係や、桜田門の事勿れ主義のお偉方への怒りがじっくりと

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    2015年04月30日
  • 素行調査官

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    主人公が、旧友の伝手で元探偵のキャリアを生かした警視庁監察係に転職とは、ユニークな設定。
    さらに、コンビを組むのが定年間近の、親子ほど年の違う一癖ある巡査部長、それに絡む主人公をスカウトしたキャリアの監察係トップ。
    こんな三人がチームを組み、警官の不正や、不品行を取り締まるのが仕事で、しかも今回の捜査のターゲットは、大物警察官僚ときたらこんな作品が面白くないわけがない。
    今後も、警察内部の底知れぬ闇をどこまで暴くか、このシリーズから目が離せなくなってしまう。

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    2015年04月29日
  • 破断 越境捜査

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    笹本さんの小説は面白いですね!
    このシリーズを初めて読みましたが、巨大な警察組織に挑む姿は勇敢です。
    自分に身近な場所がたくさん出てきてそれも嬉しい。横浜市泉区新橋町や瀬谷区の山林、相模原の工場など…

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    2015年04月20日
  • 天空への回廊

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    エベレストを舞台にしたスパイ大作戦。十分おもしろかったが設定が大掛かり。これより後に出た『還るべき場所』の方が、山岳小説として、より楽しめた印象。

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    2015年02月22日
  • 素行調査官

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    後半までどうなるのか展開がなかなか読めなく(読めない小説の方が好き)、最後まで楽しめる作品だった。

    公安の刑事の不貞調査から、思わぬ展開になっていく。
    スケールがどんどん大きくなり、警察の大物も絡んでいく。

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    2015年01月16日
  • 天空への回廊

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    久しぶりに読んだストレートな冒険小説。典型的な巻き込まれ型だが、スケールの大きいお話でリーダビリティは高い。

    いっとき、内藤陳さんの手引きでこの手の小説をかなり読んだが、いつしか離れてしまった。現実を考えると陳腐な点も目につくのだが、たまに読むと元気をもらえるかな。

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    2014年12月13日
  • 未踏峰

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    笹本稜平の警察小説も侮りがたいが、山岳小説はこそ秀逸。
    それぞれに事情を抱える三人が、亡くなった山小屋の主人の魂と一緒にヒマラヤ未踏峰を目指す。世間の片隅で小さくなっていた負け犬根性の自分たちの人生を生きなおすために。
    山岳小説の白眉『還るべき場所』とともに、この作品も「生きるとは何か」を問いかける。
    著者は、登場人物の一人に語らせる。
    『幸福は他人から与えられるものじゃない。誰かから盗みとれるものでもない。自分の心の中にもともと火種があるんだよ。幸福になれるかなれないかは、それを自分で燃え立たせられるかどうかで決まるんだ。・・・』
    生きることに疑問を感じるひとへ
    『つまり、人間て、ただ生きて

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    2014年11月24日
  • ビッグブラザーを撃て!

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    読み応えがあり面白かった。
    複雑に張り巡らされた罠、徐々に明らかになっていく謎。ドキドキワクワクしながら一気に読んでしまいました。
    終わり方もまた良い。
    最初から最後までかなり満足できる一冊でした。

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    2014年09月18日
  • 天空への回廊

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    ストーリーのスケールの大きさ、そして山岳小説であり、国際謀略小説であり、サスペンス小説でもある、662頁を読み終えて、読書の醍醐味と、楽しみを味わった。
    読み進むにつれ、登場人物たちと、あたかも一緒にヒマラヤにいるかのような臨場感を満喫(8000メートルを超すヒマラヤでは、実際の過酷な状況に、素人はその場にいることすらできないだろうが)。
    作者は、その頂に立ったことがあるのだろうか、とにかく作者の筆力、想像力には、感服の一冊。

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    2014年09月11日
  • 未踏峰

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    笹本氏の本はけっこう好きな方。
    三人がどのように出会って未踏峰に挑んでいくのかが書かれていた。
    個々の事情やら抱えている問題など様々なんだけど、山小屋の主人の想いやらてんこ盛りでいっきに読めた。

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    2014年08月31日