笹本稜平のレビュー一覧
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学生時代に過激に山を登った藤木と森尾。藤木は怪我の後激しい山登りは出来なくなったが、その後激しくなくとも色々な人々に山の素晴らしさを体験させて、生活の糧とする事に喜びを見出し、ニュージーランドのアウトドアに特化したツアー会社を立ち上げた。森尾は藤木に誘われスタッフとして充実した毎日を過ごしていた。
会社の名前の基にもなった”光の山”アスパイアリングに登るツアーは会社の看板でもあり、スタッフであっても登る度に新たな力を得られるような素晴らしい山だった。
今回もつつがなくツアーを行える予定だったが、突然の自然落石によって貴い命が奪われ、生き残った人々と力を併せ生還した森尾。力を尽くした森尾に参加者や遺族からも労いと感謝の言葉を貰い、世論も英雄的な行為を褒めこそすれ非難される事は無かった。
しかし、有る時突然降って湧いたような、意図的な殺人を示唆する報道、検察からの殺人罪での逮捕で、地の底へ叩き落とされる事となった。一体誰が森尾を陥れようとしているのだろうか・・・・。 -
Posted by ブクログ
海洋冒険小説と謳っているから、ドンドンパチパチの活劇要素たっぷりの作品かとの思惑とは全く違った(笑)(活劇要素を求めるなら、未読だが『太平洋の薔薇』らしい)。
しかし、沈船をめぐってのスリリングな展開に、本を置く能わず。
400年の時を超えて、祖先が眠っている沈船の引き揚げを計画するその末裔。
そのプロジェクトに携わる水中考古学の泰斗。
沈船の財貨を巡って引き揚げ方法で敵対するビジネスパーソン。
さらには、頻発する海底火山の噴火。
果たして、沈船の引き揚げは?
壮大なスケールで描く海洋ロマンは、どなたかのレビューにあったように、猛暑たけなわの今、読むのにふさわしい。
また、こんなエンターテイメントを書く著者ほど、「読んだ人全てに希望と勇気を与える」作家は、稀だろう。
その思いは、作中の水中考古学者田野倉のこんなセリフにも現れている。
「前進のない人生は生きることを放棄した人生だ。どんな立派な理屈をこねようとそんな人生には人を動かす力もない。そもそも未来というのはリスクそのものだ。一番大事なのは、そのリスクを背負って一歩前に踏み出すことなんだ。おれはそれを戦略的楽天主義と呼んでいる」 -
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久しぶりの笹本稜平。
いやぁ、良くできたエンタテイメントですこと♪
謎―謎―新事実―謎―新事実―謎―危機―恋愛?―危機―危機―新事実―危機―危機―新事実―危機―勝利♪
これでもか?と、繰り返し窮地に立たされる主人公たち。怪しいヤツは、やっぱり悪い奴だったし……味方になりそうな雰囲気を醸し出しつつもやっぱり怪しさの滲んでいたヤツも、案の定に極悪人だったし……
読者の予測を覆す出来事の連続にして、でも期待は裏切らないというニクい展開で、最後はしっかりハッピーエンド♪
アクションもあり、航空機での空中戦も迫力あり。
これ、もし、ちゃんとした予算とスタッフで映画化されたなら『ダイ・ハード』あたりよりも面白い作品になりそうだな、と。
★4つ、9ポイント。
2016.08.23.古。
※南極って、そんなに広いの????
と、驚き!!!
そこを、飛行機など使えずに犬橇で探検していた時代の人達って……。
※笹本作品には警察モノで初めて出会って、そちらを読む機会の方が多かったのだけれど……、
やっぱり彼の作品は警察モノよりこういうタイプの物語の方が、好きだな。 -
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著者の小説の魅力は、強大な権力や登攀困難な山岳に、過酷な戦いを挑む男を鮮やかに描いていることだ。
警察小説では、『素行調査官』シリーズに代表されるように、警察組織の中で、その権力の中枢の腐敗に敢然と立ち向かう。この作品も同じ系列。
友人の自殺に疑惑を抱いた警視庁組対部の主人公は、真相究明に乗り出す。左遷の異動命令にも屈せず、敵は警察組織と狙いを定め、巨悪に戦いを挑む。友人の妻は失踪し、仲間の中には裏切り者が。誰が敵で誰が味方か、疑心暗鬼に囚われながらも、決して妥協することなく、疑惑解明に突き進んでゆく。
一筋縄ではいかぬ展開に、読み手の心も熱くなり、文庫本586頁は、たちまち読み終えてしまう。 -
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警視庁監査部に所属する、おなじみ「三匹の侍」が、警察という組織を私物化し、私欲を満たす道具とする黒幕を相手に戦う、小気味いいシリーズの第三弾。
今回の敵は、悪徳ファンドマネージャーと結託し、インサイダー取引で私腹を肥やす警視庁幹部ばかりでなく、検察庁、国税庁にもまたがる悪のネットワーク。
悪のネットワークに、脱税やマネーロンダリングも絡んできて、果たして「三匹の侍」に勝機ありや。ハラハラドキドキの展開に、今回も目が離せない。
『その悪が巨大であればあるほど、その権力が大きければ大きいほど、組織内部の人間はそれを悪と感じなくなる。長いものには巻かれろというのが組織に生きる人間の処世の鉄則・・・、相手も長くて太いほど、まかれ心地もいいらしい』。書中の著述は、警察ばかりでなく、最近の不祥事をみると、一般の企業にもいえる言葉である。 -
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ビンティ・チュリ(祈りの峰)僕ら3人が出会った山小屋「ビンティ・ヒュッテ」から名前を取って命名した。未だ名前の無い未踏峰。7000m満たない目立たぬ頂きだが、僕らを残し亡くなったパウロさんと僕らの希望の頂だ。パウロさんと僕らは4人のチーム、必ず彼と共に祈りの峰に辿り着こう。胸にはパウロさんの遺骨と、彼が僕らに残してくれた希望を抱いて・・・。
元敏腕システムエンジニアだった裕也は、万引きにより逮捕され職を追われた。
派遣社員として先の見えない仕事に明け暮れる毎日の中、ふと目にした北八ヶ岳の山小屋の募集に応募する。
山小屋「ビンティ・ヒュッテ」のオーナの蒔本(パウロ=洗礼名)は裕也を即決で雇い入れ暖かく遇した。
パウロは世界的に名の知れたクライマーだったが、現役を退き登山用品店経営を経て、北八ヶ岳で山小屋を経営するに至った。
ビンティ・ヒュッテのスタッフには、卓越した料理の才能が有りながら、アスペルガー症候群であるが故に職場に馴染めずなかったサヤカ。
知的障害はあるが頑強な体と繊細なスケッチ能力を持つ慎二が働いていた。
彼らはパウロの大木のような魅力の下で伸び伸びと仕事を続けていた。
4人は共通の夢を見るようになる。それはエベレストに有る名も無き未踏峰に挑み4人で頂きを踏む事。
具体的に実現する為4人は冬の富士山で訓練を繰り返し着実に実力を伸ばしていった。
山小屋はシーズンオフは働く事が出来ない。3人はそれぞれ違う職場でシーズンインの日を夢見て仕事に勤しんでいた。
そんなある日、山小屋が火事になりパウロは焼死してしまう。
彼らは嘆き悲しんだが、弁護士を通しパウロから3人に遺言が届く。
その遺言にはパウロの生きてきた足跡、そして遺産を彼らに譲り各々の人生に役立てて欲しいという記載が有った。
サヤカは言った「パウロさんを連れてってあげようよ・ビンティ・チュリへ」
分かった。登ろう、ビンティ・チュリに。パウロさんと僕らの夢を実現する為に・・・
この本を山岳小説と読むか、成長小説と読むかで正反対の評価になります。
評判があまりよろしく無い本ではありますが、僕はこの本とても感動しました。
山に夢中でしがみつく事で生きている喜びを全身で感じて、新たな人生の扉を開く原動力にしていく姿を頭に描いて、自分も頑張らなくっちゃと高校生みたいな安直な感想を抱きました。 -
Posted by ブクログ
警察の闇を暴く警察小説、面白くないはずがない。
しかも、警察官の不正を断罪する監察係を主人公とする痛快シリーズ『素行調査官』の著者ならば。
『素行・・・』が、職務として警察官を調査する「三人の侍」に対し、こちらはいささか「目的」の違った仲間が、主人公とタッグを組む。犯罪者の金の横取りが目当ての刑事と金目当てに助力する暴力団組長。何ともユニークなキャラが仲間を組むことか。
今回は実際に巷で噂されるパチンコ業界と警察との癒着がテーマ。汚辱にまみれた警察の上層部及び警察庁の幹部に、彼らタスクフォースがどこまで迫れるか、読み応え十分のシリーズ第2弾。